2011年08月09日

福島はまるで別世界・・グリーンピース

 東大=御用学者 と頭から決めつけていました。とある方から、東大の児玉教授の動画を見たか?という情報を聞きましたが、また例の御用学者かと思って、しばらくそのまま放っておきました。ちょっと時間がありましたので、みましたところ大変驚き、エントリーをすぐに作りました。そのため、私のブログで取り上げたのは、国会答弁から3日後なのです。聞くところによりますと、この参考人招致を求めたのは、社民党とのこと。今まで社民党と聞くと失礼ながら、現実離れして何も考えていないと思っていました。
 日本人は、レッテルを貼るのが大好きです。
「あの人は、アカだから・・・」
「あの集団は、御用達学者だから・・・」

意見を聞く前に、そのように判断してしまうのはおおきな間違いだと自戒しています。
 詐欺集団に、有名俳優がかり出される事件をよく目にします。これも同じです。「あの有名人があのようにいうのならば、大丈夫、本当のことに違いない」と自分自身で判断しなかったため、痛い目にあってしまうのです。判断を自分でしていれば、二度と同じ過ちは起こさないでしょう。他人に判断を預けてしまったら、同じ過ちを何度も繰り返します。

 前振りが長くなりました。原題は、
Daily life in Fukushima: 'It was like visiting another universe' 2011.7.8


正直、目を疑うような光景でした。人々は何事もなかったかのように振舞うように行政から強いられているようでした。普段のように会社や学校に行き、農家は季節の農作物を植え始めました。しかし彼らの生活環境はいまだに、とても高い放射線により汚染されているのです。彼らが毎日口にする食べ物も汚染されている可能性が十分にあります。まるで同じ場所で2つの違う世界を訪れているようでした。人々が普通に生活している福島市を放射線測定機を手にして歩くと、全域から通常の30〜50倍の線量が検出されるのです。さらに校庭や公園、子どもたちが通学に使う道の中には通常の500〜700倍にも及ぶ線量が検出されるホットスポットが点在しています。信じられません。このレベルの放射線は健康被害のリスクがあります。チェルノブイリで事故があった時、ソビエト連邦は福島の3〜4分の1の放射線量を観測した時点でみなを避難させています。すでに事故発生から3ヶ月も経過しているのです。日本政府は十分な情報を公開せず、被災者が受けるべきサポートを行っていないように思います。

日本語訳は、「――まるで別世界に来たみたいだ」 をご覧ください。追記に掲載しています。

グリーンピースが言っていることは、全て信用できない = ウソだ 

と思うことは簡単です。

何度も繰り返し述べていますが、ソビエト、米国、フランスは、核実験を何度も行い、それによる核汚染がいかに怖いかをよく知っています。日本は、何の罪もない人びとが、原爆の被害を直接受けたにもかかわらず、内部被曝による被害は、軍事機密だと当時占領中だった米国から言われ、それを鵜呑みにしたまま、現在まで来ました。そのツケが今噴出していると言って良いでしょう。

1965年 チャガン湖
核実験Wiki

 米国をはじめとする連合国は、核汚染に苦しみ、現在のような基準を作り上げたのです。どうして、あれから50年以上たってもなお、日本が同じ実験しなければならないのでしょうか。日本人は、原爆の被害を受けたから、放射能に強いとでも考えているのでしょうか。グリーンピースが言うように、福島は別世界としか思えないではありませんか。

かと思いますと、このような動画もあります。

札幌医大 高田純教授(放射線防護学)

日本人の一人として、非常に腹立たしい。

この方は、2011.3.15にこのような発言をしています。


 確かに全くぶれてはいませんが、言っていることは矛盾だらけです。

どんな馬鹿でも真実を語ることはできるが、うまく嘘をつくことはかなり頭の働く人間でなければできない。 byバトラー

■関連ブログ
7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか-東大 児玉教授2011.7.30
「状況は本当に本当に深刻だ」-チェルノブイリ経験の生物学者2011.7.26
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011.6.26
チェルノブイリでは強制移住2011.5.25

レポーターSean(以下S):今日はグリーンピースインターナショナルのヤン・ベラネクさんをお迎えしています。彼らは震災後、放射線の測定などを中心に日本、特に福島で活動を行っています。今日はお越しいただいてありがとうございます。始めにグリーンピースが日本でどのような活動を行っているのか、そしてメッセージを発信する目的について教えていただけますか?

ヤン・ベラネク(以下J):グリーンピースは専門家を集め、原発事故発生の1週間後には現地入りをし、独自に空気・土壌や食べ物の汚染レベルを調査しました。更に調査船、虹の戦士号を福島沖へ送り、日本人の食卓の中心である魚介類の汚染レベルを調査しました。

S:被災地の悲惨な現状の中、人々が生活を送っている…言ってみればパラレルワールドのようだとおっしゃっていましたが、それについて教えてください。

J:正直、目を疑うような光景でした。人々は何事もなかったかのように振舞うように行政から強いられているようでした。普段のように会社や学校に行き、農家は季節の農作物を植え始めました。しかし彼らの生活環境はいまだに、とても高い放射線により汚染されているのです。彼らが毎日口にする食べ物も汚染されている可能性が十分にあります。まるで同じ場所で2つの違う世界を訪れているようでした。人々が普通に生活している福島市を放射線測定機を手にして歩くと、全域から通常の30〜50倍の線量が検出されるのです。さらに校庭や公園、子どもたちが通学に使う道の中には通常の500〜700倍にも及ぶ線量が検出されるホットスポットが点在しています。信じられません。このレベルの放射線は健康被害のリスクがあります。チェルノブイリで事故があった時、ソビエト連邦は福島の3〜4分の1の放射線量を観測した時点でみなを避難させています。すでに事故発生から3ヶ月も経過しているのです。日本政府は十分な情報を公開せず、被災者が受けるべきサポートを行っていないように思います。

S:今グリーンピースは具体的にどのような活動を行っているのですか?

J:福島では独自に線量測定を行い、グリーンピースは調査を海洋まで広げること、子どもたちを守るために基準を見直すことを政府に要求し、改善が見られます。しかし、政府の対応はとても遅く、不十分です。長期的な活動予定として、われわれの専門家を現地に残し、被災者の立場になり情報提供をしていきたいと考えています。これから収穫時期を迎え、新たに汚染された食材が市場に出回り、人々が内部被ばくをするリスクが高まります。こうした内部被ばくは道路や地表面などから受ける外部被ばくより健康へのリスクは深刻です。

S:長期的な目で見て、日本はこれからどうなっていくとお考えですか。

J:今の汚染レベルやセシウムやコバルトなどの放射線の半減期を考慮すると、向こう数年、もしくは数十年間は汚染が続くでしょう。事故の深刻さを物語っています。今の日本のように、政治を中心にするのではなく、科学と人々の健康を第一に考えることがなによりも重要です。そして、失敗から学ぶということも大切です。我々全員が見たように原子力発電は安全ではありません。予測不可能の自然災害や制御ミスが重なり、原子炉が制御できない状況に陥り、今回のようなフルメルトダウンがわずか数時間で起こってしまったのです。私たちの安全をかえりみずに原子力発電に将来を賭けるのは危険すぎます。日本政府や意思決定者が方針を変え、原子力発電を2020年までに廃止することは可能です。日本で取り組める再生可能エネルギー、エネルギー効率的利用と省エネルギーのポテンシャルが高いからです。

S:日本での事故を教訓に世界はこれからどのように変わるでしょうか。

J:すでに各地で変化は起こっています。ドイツを例にとると、ドイツ政府は原発の寿命を延ばすなどのこれまでの方針を一転し、半数の原発をすぐさま停止させ、残りの半数も向こう10年のうちに停止させる予定です。イタリアの国民投票では人口の95%が原発に反対の意を示しています。スイスは原発廃止計画をスピードアップさせ、建設計画を放棄しました。原発大国フランスでも人口の77%が原発の廃止を望んでいます。このように大きなシフトは各地で見受けられます。国や意思決定者が産業での利益よりも人々や未来の世代の利益を優先すると信じています。原子力発電を段階的になくし、2050年までには世界中のエネルギー需要をり再生可能エネルギーでまかなうようになるでしょう。

S:実際に被災地に行き、現状を目の当たりにしての個人的な感想を聞かせてください。

J:とても印象深い体験でした。チェルノブイリにも行きましたから、惨劇の目撃は二回目なのですが、放射線量の測定を行い、数字の理解をし、健康への影響や環境への影響を見ます。一方で子どもを守りたいがどうしていいの分からない、情報がない、と涙を流す母親にも出会いました。その出会いで、私にできることを精一杯やろうと思いました。なぜなら、このような惨事は二度とどこにも起こしてはならないからです。
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posted by いんちょう at 06:00| Comment(6) | 原子力
この記事へのコメント
ECRRは内部被曝についてごく微量の放射性物質でもその近くの組織の線量は高く癌になるとしてますが、8月7日の日経新聞の記事で丹羽京大名誉教授は「線量が高すぎる中心部の細胞は死ぬ為、癌化効率は低くなる。微粒子による内部被曝による発癌リスクは均等な外部被曝と同じかそれより低い。1974年の国際放射線防護委員会の報告にこれを示す実験が記載されている。」と述べています。

私は長崎で胎内被曝を受けましたが、被爆者の癌の発生率は全て外部被曝の影響のみを基準としたもので内部被曝を考慮していないとの指摘があります。然し内部被曝について対立する二つの見解がある現状では何を信じていいのか分かりません。

国連のWHOは1959年のIAEAとの協定でIAEAの合意なしでは被曝に関する疫学調査報告はできません。一方、ECRRは欧州の緑の党との関係が深く政治的バイアスがかかっているとの批判があります。チェルノブイリの事故では共産党の抑圧下、自由な学問的調査は弾圧されています。皮肉なことですが福島の被曝者が歴史上最初の自由で客観的な医学調査の対象となるのでは?

戦後米国によって設立された被爆者の医療調査機関(と言っても医療はしていません)のABCCで私は毎年診断を受けましたが、一度母が同伴し、私の身体各部のレントゲン写真を余りに沢山とるので驚き翌年以降はABCCに行くのを止めました。この事件以来、私は「権威」なるものを信用しなくなりました。今回の事故も自分達の家族の命を守るためには、私の母の様に「権威」を信用せず自分の頭で考え判断することが必要でしょう。
Posted by 本多敏治 at 2011年08月09日 08:02
 貴重な経験を教えていただきありがとうございます。

内部被曝については、肥田先生著の「内部被曝の驚異」が詳しいと思います。軍事機密に関する内容のため、どこにおいても情報開示されていない印象です。
「ペトカウ効果」について、ネットで調べれるとある程度納得できる情報が得られると思います。特に、Googleなどでは、検索の日付を絞れますので、大震災以前の内容を調べられるといいと思います。

 体内被曝をされたと言うことでしたら、60代後半になられるのでしょうか。100万アクセスに向けて、このABCCと内部被爆問題をブログに載せようと思っています。

 体験などお聞かせいただけますと幸いです。

福島の被爆者に対する客観的な医学調査は、今のままでは残念ながらほとんど望めないでしょう。奇形児などの問題出産は、全て隠蔽されることと思います。
 政府が最初に大丈夫と言ったのだから、大丈夫という結論を出すようにいろいろと圧力がかかるのが目に見えるようです。あの被害が明らかな水俣病でさえ、原因認定されるのに十数年かかってしまったのですから。
Posted by いんちょう at 2011年08月09日 08:32
いつも拝読しております。

この高田純氏、7月22日の「朝まで生テレビ」(生ではなく録画だったらしいですが)に出演、自動車事故での死者数と比較したり、浪江町から二本松へ避難している40人を検査した結果チェルノブイリの1/1000〜1/10000なので、今後甲状腺癌は発生しないと断言してもいいと言っていました。この動画の時の検査なのでしょうか。
そんなこと断言してしまっていいのかしらと心配さえしてしまったのですが、その後どこにもその発言は話題にはなっていなかったようで…。
Posted by ishii at 2011年08月09日 17:31
はじめまして。
私も研究者時代があったので、学者間で見解が異なることについては当然あっていいものだと思います。
ただ、数値の裏づけの無い、仮説段階のものをメディアで学者が断定的に語ることは明らかな間違いだと感じてます。
御用学者と呼ばれる人達は、特に数値的根拠に乏しい。
Posted by 山田 at 2011年08月27日 23:54
助けて下さい・・・
でも、もう無理ですね・・・
9ヶ月ですから・・・
声なき声を経済産業省前に座り込んで訴えても・・・
銀座をデモしても・・・
もう、福島は安全宣言のマインドコントロール下・・・
切ないです・・・


Posted by カナリア at 2011年12月03日 23:11
あきらめた時は、死ぬ時です。

ヒツジのままでいてはなりません。
Posted by いんちょう at 2011年12月04日 07:26
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