2011年08月16日

放射能、みんなで喫えば怖くない?

被災地のがれき 広域処理促進 (NHK)
8月11日 7時6分 東日本大震災で出たがれきについて、岩手県の2つの自治体で放射性物質の濃度を調査したところ、燃やした灰を埋め立てても問題ない程度であることが分かりました。環境省は、被災地以外でがれきを受け入れる広域処理を進めるため、がれきの調査を他の自治体にも求めていく方針です。
これは、10日、開かれた環境省の専門家の会合で報告されたものです。震災で出たがれきのうち、福島県以外のものについて、環境省は、被災地以外の自治体などに受け入れてもらう広域処理を行うことで処理を進めたい考えですが、受け入れ側の自治体からは放射能汚染を懸念する声が寄せられています。こうした状況を受けて、環境省が、岩手県の陸前高田市と宮古市で、がれきを詳しく調査したところ、燃やした灰に含まれる放射性セシウムの濃度は、1キログラム当たりおよそ2100ベクレルから4900ベクレルで、いずれも埋め立てが可能な目安である8000ベクレルを下回ると推計されました。環境省は、2つの市のがれきについては、広域処理をしても問題ないとしています。環境省は、広域処理を進めるため、がれきに含まれる放射性物質の濃度の調査を被災地の他の自治体にも求めるとともに、具体的な濃度の確認方法を、11日にも自治体側に通知することにしています。


放射能汚染がれき、福島県外で処分の方針 細野原発相
 細野豪志(静岡5区衆議院)原発担当相は13日、東京電力福島第一原発周辺の放射能汚染がれきの処理について「福島県を廃棄物の最終処分場には絶対するべきではない。国として責任をもって処理していく」と述べ、政府主導により福島県外で処分に当たる方針を示した。訪問先の福島市内で記者団に語った。


 私は、2番目の記事を先に読みました。福島を最終処分場にしないというならば、日本全国を最終処分場にするしかありません。この発言は本当なのでしょうか。原発担当相がこの理解では、お先真っ暗です。


原発震災廃棄物・広域処理問題@ まとめ

(本日ここからのアクセスが急増しています。このサイトを契機として私のブログを知られた方も多いようです)

に取り上げていただいた 

初めていらした方はこれをお読みください。「日本列島全体が汚染列島へ」

が、まさしく今、細野担当相のお力で、現実のものになろうとしています。一体、この広域処理の目的はなんでしょうか。西日本で、放射能を含んだガレキを燃やすことによって、セシウム他放射性物質が大気中に拡散、土壌にしみこみ、日本全体で仲良く内部被曝をすることが目的なのでしょうか。3ヶ月前の亡霊を見ているような気がします。

 放射能汚染を解決する方法は、

・放射性廃棄物をすべて原発立地地帯に集める

あるいは

・日本全国にばらまいて、等しく内部被曝をする


以外の方法はないのです。(モンゴルなどの海外はもう無理でしょう)


どちらを取りますか?日本全国にばらまけば、

・全員が内部被曝
・外国からの観光客は全く来なくなる
・輸出産業も全て崩壊

日本滅亡しかなくなります。なぜ、こういった問題点を明らかにしないのでしょうか?

「福島を最終処分地にはしない。」

この言葉は、たしかに福島では支持されることでしょう。では、日本国民全体を汚染させるのですか?


一人でも反対の人がいれば橋はかけないから

「反対者がいれば、「一人でも反対の人がいれば橋はかけない」
               美濃部亮吉

とんでもない人を東京都の人は知事に選んだものですね。これはフランツ・ファノン(アフリカの思想家)の「橋の哲学」の言葉を引用した美濃部さんの言葉です。美濃部さんはこの後の言葉を知っているくせに都民に伝えなかったのですね。

この後に「反対する者は例え冬でも川を泳いで渡れ!」


これとまったくおなじことです。

現在受け入れる自治体はありませんし、今後も人が住んでいる場所は不可能でしょう。全員が受け入れないとなれば、濃淡なく全員に受けさせるしかありません。

 その方法が日本の取るべき方針なのでしょうか?


 実情を取材しました

まず,熊本市役所 廃棄物計画課に電話

・AERAの記事は知っている
・この受け入れは、放射能被曝問題が知られていない4月23日に受け入れ可能と回答した内容をそのまま出したに過ぎない
・AERAに直ちに抗議文を出した
・今後も受け入れる可能性はない

ということでした。

次に、環境省廃棄物対策課に電話
・岩手、宮城は今年度中に仮置き場へ移動させる。
・茨城は広域処理を必要なほどはガレキが発生したと思っていない。
・ガレキの受け入れは、発生自治体と引き受け自治体の同意が必要。もちろん、受け入れ側の住民の同意も必要
・国が手続きを代行するのであって、その手続きは発生自治体の事務の代行だけ。受け入れ自治体に強制させるようなことはない。
・今回騒ぎになっているのは、8月11日に指針を発表したからだと思う。この指針は、目安として発表したものであって、各自治体が独自に基準を厳しくするのは、全く問題ない。

とりあえず、このまま全国に散らばることはなさそうです。

しかしながら、監視をゆるめてはなりません。みんなで役所に電話をかけ、ホントにそういったことを企てていないかを抗議する必要があります。お役人も日本人です。日本にとって不利益になることをしたくてするはずがありません。
 みんなで、協力していかない限り、真の復興はありえません。


福島第一原発事故(318)−南相馬市の詩人、17年前に事故予言ー

南相馬(旧原町)市に40年前から原発の危険性を訴え続けてきた詩人がいる。高校の国語の教師だった若松丈太郎(78)さんである。原発事故で一カ月以上避難していたが、今は自宅に戻っている。「若い人は街に戻ってきません。一番強いのは東京電力と国がしてきたことへの怒りです。自分が言ってきた通りになったといって、得意な気持ちにはなれません」。その彼が17年前に発表した「神隠しされた街」(1994年)は次のような内容である。なお、この作品は予言的な内容に驚いた中原中也賞詩人アーサー・ビナードさんが英訳版をしており、出版の計画が進んでいる。(東京新聞8日より)

(全文は、追記に紹介しています。)
                 神隠しされた街             若松丈太郎

四万五千人の人びとが二時間の間に消えた/

サッカーゲームが終わって競技場から立ち去ったのではない/

人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ(中略)

半径三十kmゾーンといえば/

東京電力福島原子力発電所を中心に据えると/双葉町 大熊町 富岡町(中略)

そして私の住む原町市がふくまれる/こちらもあわせて約十五万人/

私たちが消えるべき先はどこか/私たちはどこに姿を消せばいいのか(中略)

街路樹の葉が風に身をゆだねいている/

それなのに/人声のしない都市/人の歩いていない都市(中略)

私たちの神隠しはきょうかもしれない/うしろで子どもたちの声がした気がする/

ふりむいてもだれもいない/なにかが背筋をぞくっと襲う/広場にひとり立ちつくす


■関連ブログ
汚染列島化計画を阻止しましょう☆☆☆☆☆2011.5.18
日本列島全体が汚染列島へ☆☆☆☆☆2011.5.17掬ってみれば無数の刹那
一詩人の警告 から

神隠しされた街   若松丈太郎

四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
サッカーゲームが終わって競技場から立ち去ったのではない
人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ
ラジオで避難警報があって
「三日分の食料を準備してください」
多くの人は三日たてば帰れると思って
ちいさな手提げ袋をもって
なかには仔猫だけを抱いた老婆も
入院加療中の病人も
千百台のバスに乗って
四万五千の人びとが二時間のあいだに消えた
鬼ごっこする子どもたちの歓声が
隣人との垣根ごしのあいさつが
郵便配達夫の自転車のベル音が
ボルシチを煮るにおいが
家々の窓の夜のあかりが
人びとの暮らしが
地図のうえからプリピャチ市が消えた
チェルノブイリ事故発生四十時間後のことである
千百台のバスに乗って
プリピャチ市民が二時間のあいだにちりぢりに
近隣三村あわせて四万九千人が消えた
四万九千人といえば
私の住む原町市の人口にひとしい
さらに
原子力発電所中心半径三〇qゾーンは危険地帯とされ
十一日目の五月六日から三日のあいだに九万二千人が
あわせて約十五万人
人びとは一〇〇qや一五〇q先の農村にちりぢりに消えた
半径三〇qゾーンといえば
東京電力福島原子力発電所を中心に据えると
双葉町 大熊町
富岡町 楢葉町
浪江町 広野町
川内村 都路村 葛尾村
小高町 いわき市北部
そして私の住む原町市がふくまれる
こちらもあわせて約十五万人
私たちが消えるべき先はどこか
私たちはどこに姿を消せばいいのか
事故六年のちに避難命令が出た村さえもある
事故八年のちの旧プリピャチ市に
私たちは入った
亀裂がはいったペーヴメントの
亀裂をひろげて雑草がたけだけしい
ツバメが飛んでいる
ハトが胸をふくらませている
チョウが草花に羽をやすめている
ハエがおちつきなく動いている
蚊柱が回転している
街路樹の葉が風に身をゆだねている
それなのに
人声のしない都市
人の歩いていない都市
四万五千の人びとがかくれんぼしている都市
鬼の私は捜しまわる
幼稚園のホールに投げ捨てられた玩具
台所のこんろにかけられたシチュー鍋
オフィスの机上のひろげたままの書類
ついさっきまで人がいた気配はどこにもあるのに
日がもう暮れる
鬼の私はとほうに暮れる
友だちがみんな神隠しにあってしまって
私は広場にひとり立ちつくす
デパートもホテルも
文化会館も学校も
集合住宅も
崩れはじめている
すべてはほろびへと向かう
人びとのいのちと
人びとがつくった都市と
ほろびをきそいあう
ストロンチウム九〇 半減期   二七.七年
セシウム一三七   半減期      三〇年
プルトニウム二三九 半減期 二四四〇〇年
セシウムの放射線量が八分の一に減るまでに九十年
致死量八倍のセシウムは九十年後も生きものを殺しつづける
人は百年後のことに自分の手を下せないということであれば
人がプルトニウムを扱うのは不遜というべきか
捨てられた幼稚園の広場を歩く
雑草に踏み入れる
雑草に付着していた核種が舞いあがったにちがいない
肺は核種のまじった空気をとりこんだにちがいない
神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
広場にひとり立ちつくす

                    連詩「かなしみの土地」より



タグ:P
posted by いんちょう at 17:35| Comment(5) | 原子力
この記事へのコメント
私にはどうしてもわからない事があります。
早い時期から小出先生のおっしゃっていた放射能の墓場をなぜ、もう、多分戻ることが難しいと思われる原発近くに作らないのか。全国に散らばった放射能をそこに集めて日本の国土に綺麗な部分があれば、その土地の作物を福島の子どもが優先的に食べることで内部被ばくを少なくできると思うのに、全国の国民で放射能を分け合おうとするやり方が理解できません
「痛みを国民全員で分かち合おう」という考え方は一見美徳のように見えますが、背負いきれない程の放射能は、国がしっかり謝って、この場所だけはもうダメだと言って、日本を救うために放射能の墓場をチェルノブイリのように作るのが・・もう、どうしようもないのだから
全国にばらまいてしまうよりもいい方法だと思うのですが・・・
怖くて言えないのかな。誰も、、、
だけど、原発に本当に近いところに住んでいらした方々は本当に帰りたいと思っているのでしょうか?
きちんと保証してその地域の方に謝り、これからの日本のために考えていかなければいけないと思っています。
Posted by きーこ at 2011年08月16日 20:01
はじめましてです。東電時代の体験など興味深く読ませていただいております。
放射性廃棄物の処理は難しい問題ですね。汚染してしまったから処理場も作れっていうのは、そこに住んでいた人にとっては、むごい気がします。斑目氏が言っていた「ようはカネ」で済ませられるのかどうか。
今までだったら「安全だからつくらせて」だったものが、当局の言う「安全」は信用できなくなってしまいましたし。
誰かに犠牲を強いる技術とは罪深いですね。少なくとも、その自覚はしてほしいです。
Posted by あおやま at 2011年08月17日 09:39
細野さんはいったい何を守ろうとしているのでしょうか?福島の土地を守るということと、福島の人々の命を守るということを混同しているのでしょうか?大きな間違いです。
福島の人々を早く安全な場所に移住させ、フクイチ周辺にに汚染物質をあつめることが全ての国民を守るという簡単なことがなぜわからないのでしょう?というかわからないフリ??
いずれにせよ、政権が終わってくれるのは勝手ですが、この国を終わらせるな、と言いたいです。
Posted by かしこ at 2011年08月17日 11:25
院長先生
いつも拝見しています。
福島県のウェブサイトを見ましたら、山下俊一が100μSv/h安全と言っていたのを訂正?したようです。
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23695

村田 有
Posted by 村田 有 at 2011年08月17日 13:10
日本は今だに放射能が怖くないようです
みんな普通に暮らしていて、

怖がる方が馬鹿だという風潮ですね
なぜ怖くないのかな、、、、、、

日本は先進国ですが、日本人は賢くないと思います、
Posted by A at 2014年08月03日 10:24
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。