まず、原子炉の性質から。
原子炉を家庭用のガスコンロにたとえてみます。

こんなの。
このガスコンロの説明書から

原子炉には、このうちコンロの仕組みの中で火力調整しかないと思えば、ばっちりです。
Reactor has only fire control slide and we cannot shut it down.
(See. No.3 )
・とろ火にはできるが、止めてしまうことはできない。
これこそ、一番大事な原子炉の性質。しっかりとこの性質を心にとめます。
(原子力発電入門(7)原子力は急には止まれない。)
では、格納容器(containment)は・・・

この圧力鍋(steam digester)が一番ぴったりきます。格納容器などの破損防止として行われた「ベント」・・なかなかイメージがわかなかったのではないでしょうか?

この圧力調整装置(おもり)がベント弁そのものです。圧力鍋の内圧が上昇しすぎたときに、この弁から蒸気を抜きます。(そうしないと鍋が爆発する)
ベント = 圧力鍋の蒸気抜き
This is vent.

どうでしょう?わけが分からなかったであろう「ベント」・・急に生活感を持って、理解できませんか?
(ベント、ああ、あの圧力鍋についているのとおなじやつね。。 この一言で推進派の人もムムッ。こいつ分かっているなと思うはず。)
さて、次に燃料のメルトダウンについて。まず、本物?の解析を動画で紹介します。
政府の作った「メルトスルー(炉心貫通)」アニメから。
(技術的内容は、こちらのサイトをご覧になってください。)

・・つまり、福島で起きてたことそのものの解析です。
This is really happening at Fukushima.
通常の炉心の状態・・(水がたっぷり入って、沸騰中)
Normal situation

・・パスタを湯がく時の鍋のイメージ
Like boiling spagetti in a pot

破断事故、発生当初。(1:30頃)

燃料の上部のみ水にかぶっています・・・いわゆるひたひたの状況

ここまでは、冷却材は喪失していない状況です。
This situation is not Loss of Coolant Accident (LOCA).
さらに進むと、冷却材喪失事故

そして、炉心露出(LOCA)

炉心溶融(Core Melt)

ほぼ、炉心溶融までいったのが、この写真。シチューの中身が焦げ始めます。(ぷすぷすいってますね。たぶん・・)

ここで大事なことが、ガスコンロはとろ火にしかできないこと。ここで、火を止めることができれば、鍋一つの被害で収まるのですが、原子炉の場合はそうはいきません。
Important: We can shut down fire, but cannot shut down REACTOR.
さらに、炉心の溶融は続き、圧力容器下部に到達します・・・これがメルトダウン(そして、スリーマイル事故の状態です)Melt down

鍋を捨てる?くらいしかない状況でしょうか。
We may throw away this pot.

さらに進むと、・・これが、メルトスルー
Going to Melt through....

なべに穴が開いてしまった状況。(修理は不可能・・廃炉)
Now the Pot has an hole. We cannot repair.

溶けた燃料は、当然格納容器に落ちます
Melted fuel on the bottom of the containment.

もう写真は提示できませんが、鍋の中身(シチュー材料)が、ガスコンロの受け皿(ペデスタル)に落ちてしまった状況です。(火がコンロ廻りまで回っています)
Melt through?

さらに進みます。
ガスコンロの受け皿(ペデスタル)も溶けてしまいます。

台所の床まで火が回った状況(メルトアウト)Melt Out

そして、格納容器下部のコンクリートを溶かし、ガスが充満します。

格納容器全体を圧力鍋に見立て・・

これは、内圧が上昇しすぎて、圧力鍋のパッキンから、蒸気が漏れている状態。そのままほおっておくと爆発します(台所の圧力鍋でも、どれほどの被害になるか・・・想像できます?)
次に行われる環境への放射性物質の放出

早急に圧力鍋のおもり(圧力調整弁)を開放しなければなりません。・・・つまり、ベント。
Vent!!!

(どうでしょう。!!と来ましたか)
菅首相が現地視察をしたのはこの状況にあたります。このタイミングでの視察が果たして必要だったのか?

これは、ブラックジョーク。
さて、まとめます。

以上の図を見て内容が理解できたら、卒業です。
メルトダウン・・鍋底を焦がしてしまった
メルトスルー・・さらに鍋に穴まで開いちゃった
メルトアウト・・コンロを超えて、台所の床まで火が回った。
ですね。
この状態で、元通りにできるのでしょうか?・・収束させるとは、そういうことです。
最後に、勝手に鍋の写真をお借りしたこと、ブログ主の方々にお詫びいたします。
■関連ブログ
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1-3号機メルトダウン報道について2011.5.25
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3月22日頃から業務用車両の運転資格者の名簿が作成されました。
連休明けに、運転資格者に対して放射線測定講習を(自発的に)受けるように命令がありました。
更に後日、その方々には放射線防護講習会に出席するようにとの話があり、ついでに興味のある人も参加を薦められました。
で、とどのつまりが、三種の神器がそろった方から福島行きです。
ある若い方が話しておりました。
「目隠しされてどこかに連れて行かれ、目隠しを外されたら1Fの正門前だったりして・・・」
「家族と相談したが、私は今回を限りに福島行きは勘弁して欲しい」
因みに、先日その方には「単身赴任できるか?」との問い合わせがあったそうです。
ある技術の開発のために請われてこの会社に転職して来ましたが、妙な会社です。まるで、世に言う軍隊のような・・・。
本業の開発は中越地震で無くなり、今回の一件で消え去りました。
会社の内外を問わず、人の一生をどのように考えているのか不明な会社で、不信を感じます。何故か、この業界は上辺繕いと言葉で逃げることが多いように思います。
近況報告でした。
主婦としては完璧に理解できました^^
ありがとうございます^^/
ただ、興味がないと理解できない人もいるのかもしれません...難しいですよね><
たぶん、原発の事について私が理解している内容をまわりのお母さん方にお話したとしたら、完全に引かれてしまうと思います...
今は、学校と給食の事でお話させてもらう一歩手前のところにいます。
校長より、資料内容の説明を求められましたので、やはり皆さん勉強されてはいないみたいです。
たぶん、我が家以外で給食の事や原発の事を学校に問い合わせした方はいないのでしょうね...
今回の院長先生の記事はプリントアウトして、学校に持っていこうかと思っています。
周りの方が少しでも興味を持ってくれたらいいなという気持ちを込めて。
いつもツイッターでは沢山のリツイートを参考にさせて頂き、こちらのブログでは分かりやすく丁寧な文章を有難く拝見して、時折友人などに紹介させて頂いております。ありがとうございます。
でも、これだけ沢山の内容を歯に衣着せず書いておられると、さぞかし色々な圧力がおありのことと存じます。
東京新聞も、(30年来の読者で、職場も東京新聞に変えてもらいました)販売系列に色々と圧力がかかっているようで、以下は今朝(1/31)の同僚からの話です。
原発に関するブログを書いている同僚が、新聞を見比べるブログを書こうと、出勤前に駅外の売店に一般紙5紙を買いに行ったところ、東京新聞がない。
同僚:「東京新聞ないの?」
売店のおじさん「5部しかはいってこないんでね、すぐ売り切れになっちゃうんですよ。」
同僚:「前はたくさんあったと思うんだけどなあ。」
おじさん:「上のほうもいろんなとこから圧力があるらしくてね、今は5部しか・・・・・利権があるらしくて、暴力団のほうからの圧力もあるらしいんですよ。」
という話だったそうです。
原発反対運動に対して、暴力団などを使ってつぶしにかかった有名な話と同様の構造で、こちらのほうにも見えないお金が沢山つぎ込まれているかと思うと、またまた腹が立ちます。
計画停電の頃から、同僚と、外部の方々にそれとなく話をして情報提供してきましたが、新聞、テレビからの情報しかご存じなかった何人かはその後御自分でもネットで情報収集され、すっかり考え方が変わられたのを目の当たりにして、私なぞはゴマメの歯軋りよりももっと小さなゴマの一粒ですが、出来る範囲で精一杯の努力をせねば、福島の方々はもちろん子や孫の世代に申し訳ないと思う此の頃です。