2011年08月22日

福島は、みんな納得して原発誘致をしたのか。

福島原発事故での福島県庁の対応は、許せないものがあります。
私がもっとも許されないと思うのは、

・SPEEDiを県民に公開しなかった
・そのために大多数の方をヒバクシャにさせてしまった

ことです。そして、その後の対応など、許せないことばかりです。子ども20mSv/年 問題で、辞任した参与問題について、

<福島第1原発>内閣官房参与辞任で不快感表明…福島県知事
 佐藤知事は出席した国の担当者に、「政府側の正しい専門的な知見の中で、われわれに指示があると思ってやっている。そこを改めて政府側に申し上げていただきたい」と注文をつけた。佐藤憲保県議会議長は「県民が大きな不安の中で生活している状況を政府が認識しているのか疑問だ」と強い口調で抗議した。


と、まるで、下げることが悪いような口ぶりでした。

 山下氏はすでにドイツ誌のインタビューに対して、

100mSvでも大丈夫だから心配いらない、などとは言っていません。ただ、100mSv未満ではがん発症率の上昇が証明できていない、と話しただけです。これは広島、長崎、チェルノブイリの調査から得られた事実です。

低線量被曝の状況下では、残るか去るかは住民自身が判断しなくてはなりません。ほかに決めてくれる人はいません。自分でリスクと利益をはかりにかけて考えるのです。避難すれば仕事を失い、子供は転校を余儀なくされるかもしれません。それがストレスにつながります。反面、その一家は発がんのリスクを回避できるかもしれません。発がんリスクといってもごくわずかではありますが。

「100mSvまでなら100パーセント安全なんですか?」と尋ねられたら、科学者としてこう答えるしかないのです。「わかりません」と。

200万人の福島県民全員です。科学界に記録を打ち立てる大規模な研究になります。政府は原発事故の被害者に対する補償金について先ごろ決定を下しました。そうした補償プロセスを通じて、県外に避難している住民の方々にも連絡を取りたいと考えています。

移住は容易ではありません。ストレスが非常に大きくなります。そうした問題を把握するとともに、その治療にも努める必要があります。さもないと住民の皆さんは自分が単なるモルモットだと感じてしまうでしょう。


とまで放射線アドバイザーに言われても、福島県庁の方々は、100mSv/年 までは、全く安全だといってはばかりません。 (福島県民の方々、そして県庁にお勤めの方々、このインタビュー記事はご覧になってください。デマ記事ではありません)

 私は、昭和63年5月から平成5年3月まで、福島富岡町民でした。町内議会選挙に行かないと独身寮まで名指しで、投票に行くようにと電話を受けたりしました(補者名の指定などは一切ありません)。23歳〜28歳という時期を過ごしたのですから、愛着がないはずがありません。うるさいような蛙の鳴き声の合唱、夜中の田んぼに2-3匹舞う蛍、真夏でもとんでもなく冷たい海水浴場、きれいな夜ノ森の桜、ちょっと脇道に行くときれいな小さな小川、ほんとうにほんとうに自然豊かなところだったのです。
 つらいこともありましたが、今振り返ると懐かしくてなりませんし、私が生きているうちには、訪れることもできない、あそこに行けば、またあの人にあうことができるかもしれない・・・もうそういったことは、望むべきもありません。この気持ちをいったいどう表現したらいいのでしょう。

このような投稿がBlogのコメント欄にありました
チェルノブイリの原発は共産国ソ連が建設したもので住民が反対しても強権で建設される運命にありました。日本は民主国家です。過半数の住民が賛成したからこそ福島原発は建設された。少数の反対住民もいたでしょうが、反対派からみれば賛成派の住民は東電との共犯者、加害者にもみえるでしょう。

 私のブログの熱心な読者の方です。いつも読んでいただき、また的確なコメントを書いていただき、いつも感謝しております。ですが、このコメントを読んで悲しくなりました。

民主的な手続きを踏んで、建設された原発など、ただの一カ所もないのです。ブログ

動画をご覧ください


上の動画の内容は、「日本の原発地帯」 鎌田 慧著 に詳しく書かれています。


どの発電所の立地でも、電力会社という紳士の仮面をかぶりながら、ソビエトも真っ青といった強引な手法で進めていったことが本当によく分かります。

 そして、一度立地してしまえば、こちらのもの。箱物にしか使えない電源3法交付金で、極端な財政依存をさせてしまい、お金が切れると禁断症状がでざるを得ない状態にして、自分から増設を持ちかけるまでにずぶずぶにしてしまう。それは、玄海、敦賀の首長を見てもおわかりのとおり。福島の被害が全く目に入らず、自分たちだけカネの分け前にあずかりたい。廃人になるのが分かっていながら、一度始めるとやめられない
アヘン中毒とどこが違うのでしょう。

 福島の立地状況につきまして、少しでも理解していただけますと幸いです(免罪符にはならないとは思います)

■関連ブログ
ガレキ処分は、山形、東京、愛知、大阪2011.8.19
残るか去るかは住民自身が判断しなくてはなりません。-山下俊一2011.8.21
政府も電力も自治体も漁協も全部−同じ穴のムジナ2011.7.30
原発立地の時は「やらせ」どころか、だまし討ち2011.7.9
原子力は産業のアヘン2011.6.14
福島原発の立地と初期トラブル−資料・回想録から2011.6.12
福島県に専門家はいないの?(子供被爆問題)2011.5.3

東電の思い出
タグ:立地 1F 2F
posted by いんちょう at 16:29| Comment(3) | 原子力
この記事へのコメント
福島県民ですが、県の対応についてはたいへん不満を持っています。
県民の代弁者として、国や東電に対策や円滑な賠償を迫るべき立場であるにも関わらず、
やっていることは国や東電の手先にになって、いかに対策や賠償を少なくするかに腐心しているように感じられます。
県知事はカメラの前では怒ったふりをしていますが、最近はプロレスに見えてしまいます。
前回の選挙で、自分がこの知事に投票しなかったのは唯一の救いです。

ご存知かも知れませんが、県の対応などについて興味深いブログがありますので、ご紹介します。

農家の婿のブログ
http://ameblo.jp/noukanomuko/
Posted by モコ at 2011年08月22日 21:09
「早すぎたレポート」だいぶ前にyutubeで見て、これを報道しないマスコミに怒りを覚えたのを思い出しました。事態は何も進展せず、被ばくだけが進行しています。今日、CTBTの「大気中の人工放射性核種の測定」というレポートをプリントアウトしました。字が小さいので明日読もうと思います。たぶん、あんまり理解できないと思いますが。別件で、今朝熊本県に、「お米の放射性物質を測定するのか」問い合わせましたが、調べる予定は、ないそうです。九州は大丈夫だろうという事でした。 山下の記事は、「院長の独り言」ブログと書いて、ツイートさせていただきました。5ヶ月もたったのに毎日毎日原発事故の怒りの種はつきません。なんとか、みなさんの被ばくが少なくてすむように祈るばかりです。
Posted by tikababa119 at 2011年08月22日 21:59
モコさん
プロレス・・・なるほど、なるほど。

レフェリーもなにもかもそうですね。

tikababa119さん
九州もすでに汚染されていますが、まだまだ危機感がありませんね。情けないことです。
Posted by いんちょう at 2011年08月23日 12:53
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