なにか知りたいことがあるならば右側の検索ボックスを。(複合検索はできません)
細菌性赤痢 Wikiより
細菌性赤痢(Shigellosis)は、赤痢菌によってもたらされる感染症の事を示す。糞尿などから食物や水などを経由し、経口感染するケースが大半である。また、サルは赤痢菌に対してヒトと同様の感受性を持ち、サルからの感染もまれではあるがみられる。赤痢菌の潜伏期間は、1-5日程度であり、下痢は様々な症状で現れるが水状の便になるケースが多い。発熱はたいていの場合は1-2日で自然解熱する。近年は重症例が減少し、95%がカタル性腸炎を主徴とする。細菌性赤痢と断定する為には症状だけではなく便の中から赤痢菌を分離する必要がある。
日本において、細菌性赤痢は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の三類感染症に指定されており、感染が確認されたら医師は速やかに保健所に報告する義務があり、拡散を防止するために状況に応じて隔離入院させる必要がある。治療には対症療法による全身状態の改善と、抗菌薬による除菌を図る。
最初の赤痢菌は、1897年に日本で赤痢が大流行したときに医学者志賀潔により発見された。その為、学名Shigellaと呼ばれている。
赤痢を起こす赤痢菌は大きくAからDの4種類に分けられる。近年は、D群赤痢菌による感染例が多い。志賀潔が発見したA群赤痢菌はかつて広域に渡って感染していたが、現在、感染例は激減している。一般的には衛生が行き届いて居ない途上国での発生が多いが、B・D群に関しては先進国でも感染の報告がある。
赤痢菌(Shigella)
Shigella dysenteriae(A群赤痢菌・志賀赤痢菌)
Shigella flexneri(B群赤痢菌・フレクスナー赤痢菌)
Shigella boydii(C群赤痢菌・ボイド赤痢菌)
Shigella sonnei(D群赤痢菌・ソンネ赤痢菌)


Shigella Sonnei
そうでした。日本の科学者が発見した病気なのです。日本にはなじみのある?病気です。
細菌性赤痢の国試的臨床症状
・悪寒、発熱、テネスムス(残便感があり、繰り返し腹痛を伴い便意をもよおすもの),腹痛、粘血・膿性下痢便
最近は症例もなく、国試でもほとんど取り上げられていません。一応、臨床問題から
68C562歳の女児。発熱と粘液を伴う下痢が頻回にみられたので,糞便培養を行ったところ,S-S培地に白色透明なコロニーを多数検出した。
Kligler培地の成績では,乳糖非分解,ブドウ糖分解,ガス産生陰性,硫化水素産生陰性,運動性確認培地で運動性陰性。
考えられる疾患はどれか。
a 病原大腸菌性下痢症
b Sal. enteritidisによる下痢症
c ブドウ球菌による食中毒
d 細菌性赤痢
e パラチフス
解答 d
まあ、こんな臨床症状です。問題の内容自体は、臨床ではありませんね。
さて、まず第一報
ガストで集団赤痢、東北4県で食事した14人
赤痢発症で「休業中」の貼り紙がされた仙台市青葉区の「ガスト」 外食大手「すかいらーく」は31日、宮城県など東北4県で細菌性赤痢を発症した14人が、同社経営のファミリーレストラン「ガスト」で食事をしていたと発表した。同社は安全が確認されるまで、北海道、東北6県、栃木県で展開するガストなど120店舗の営業を31日から自粛した。宮城県内の同社工場から供給された食品が原因だという。
宮城県によると、赤痢を発症した14人の内訳は、青森2人、宮城2人、山形5人、福島5人で、2〜40歳の男性3人と、23〜60歳の女性11人。いずれも8月18日〜20日に、各県のガスト11店舗で食事をしていた。発熱や下痢で、福島県の2歳男児を含め8人が入院したが、現在は全員回復に向かっているという。ほかに、宮城県の60代女性と秋田県の80代女性が細菌性赤痢と診断されたが、ガストでは食事しておらず、原因は不明。
すかいらーくによると、14人が食べたメニューは和食膳が多く、豚ショウガ焼きやサバみそ煮の定食など10品。原因として考えられるのは、そのほとんどのメニューに共通して添えられている野菜の浅漬けだという。赤痢菌は熱に弱く、高温加熱すると死滅するため、熱処理をしていない浅漬けが原因だった「可能性がある」としている。
すかいらーくは、各店舗に食品を供給している宮城県大衡村の工場を30日から操業停止。宮城県も、同工場の食材が原因とする食中毒と断定し、工場を31日から3日間の営業停止処分とした。
また同社は、ガストや、同系店のステーキガスト、おはしカフェ・ガストを営業自粛とした。北海道23店、青森11店、岩手10店、宮城18店、秋田17店、山形13店、福島22店、栃木6店の計120店舗。同工場が食材を供給している店舗は、これですべてだという。
全国に1300店以上あるガストの1割近くを営業自粛とする非常事態。同社は、自粛店、工場の全従業員の検便を行い安全を確認するとともに、清掃なども改めて徹底実施する。来週初めを目標に順次、営業再開を目指している。
◆ガスト すかいらーく社が全国で1300店以上を展開するファミリーレストランチェーン。同社が開いていたファミレス「すかいらーく」を、より低価格帯をメーンとする「ガスト」に転換。現在、すかいらーく名の店はなく、すべてガスト名になっている。カウンター席主体のSガスト、ステーキガスト、和食のおはしカフェ・ガストなどの分化した専門店もある。
◆細菌性赤痢 赤痢菌による感染症。食物や水から経口感染する。数日の潜伏期の後、発熱や血便を伴う下痢などの症状に襲われる。衛生状態の向上によって発症例は減っており、近年では海外旅行からの帰国者の例が多い。
一応、培養結果が出ています。
ガスト食中毒は「ゾンネ赤痢菌」 軽症だが日本で感染例多い
2011/9/ 1 19:54
すかいらーくグループのファミレス「ガスト」で患者が続出した食中毒は、「ゾンネ赤痢菌」と呼ばれるタイプのものであることが分かった。どんな特徴があるのか。
「赤痢なんて久々に聞いた」「発展途上国かよ」
東北4県で赤痢による集団食中毒が2011年8月31日分かると、ネット上では、こんな驚きの声が相次いだ。
大根やシソなどの浅漬けが原因食材?
しかも、人から人への感染ではない。食材が原因というケースも非常に珍しかった。 すかいらーくや各県保健所の発表によると、発症者15人のうち14人が18〜20日にガスト11店で食事をした後に、発熱や下痢などの症状を訴えた。いずれも軽症で、現在は回復に向かっているという。保健所などの調べで、すかいらーくの仙台工場で作られた食材が原因と分かり、宮城県が9月1日から立ち入り検査に乗り出している。
すかいらーくも8月31日、安全確認が終わるまで、東北などの計120店の営業を自粛することを明らかにした。
食中毒を起こした食材としては、すかいらーくの広報担当者によると、数人が小鉢で食べた漬け物の可能性がある。それは、大根やシソ、ニンジン、キュウリで作った浅漬けだ。すべて国産で、浅漬けは工場内で作ったという。
宮城県の担当課によると、赤痢菌は、原材料に元々あったか、調理過程で付着したかのどちらかが考えられる。すかいらーくでは、大根などは念入りに洗っていて原材料は考えにくいとしており、推測の域を出ないものの、調理過程の可能性があるとしている。
工場内では、ハエによる付着の可能性は低く、一番考えられるのが人によるものだという。そこで、工場の従業員やその家族に聞き取り調査したところ、1人が海外旅行をしていた。しかし、7月中だったため無関係とみられ、さらに検便検査をするなどして調べている。
無症状で気づかず感染広がる可能性
食中毒の原因は、まだよく分からない部分が多いものの、赤痢は、4つあるタイプのうち、「ゾンネ菌」という症状が最も軽いタイプであることが宮城県などの調べで分かった。
厚労省の結核感染症課によると、1999年以降では、毎年200〜800人ほどの赤痢感染が国内で見つかっており、最近は、ゾンネ菌のケースが8割を占めるという。多くは、海外旅行から帰った後に見つかっている。もっとも、担当者は、「保育園などで人から人への集団感染例は聞きますが、食中毒というのは珍しいと思います」と話す。
赤痢菌による食中毒としては、厚労省の監視安全課によると、2000年以降では、毎年0〜3件に留まっている。10年は1件2人で、09年はゼロだった。原因食材は、01年にカキと判明した例はあるが、不明の場合が多いという。担当者は、「ゾンネ菌の症状は一番軽いとされるものの、無症状のことも多く、気づかずに感染が広がる可能性があります」と指摘している。
ちなみに、すかいらーくによると、仙台工場は海岸から離れていて津波の被害はなく、震災後に建物の一部に若干ひびが入ったものの、操業には影響がなかったという。
宮城県では、原因不明の方もいます。正直これだけでも流行といっても良いのではないでしょうか。ご存じの方どれだけおられます?
さらに、神奈川
県内男性3人が赤痢に感染/神奈川
2011年9月2日
県は2日、県内在住の男性3人が細菌性赤痢(ソンネ赤痢菌)に感染していたと発表した。このうち1人は、東北地方で現在営業自粛中のファミリーレストラン「ガスト」で、8月中旬に食事をしていたという。県は詳しい感染ルートなどを調べている。
県健康危機管理課によると、感染したのは茅ケ崎、綾瀬、座間市内に住む20〜30代の男性で、8月17〜21日に発症した。いずれも最近の海外渡航歴や共通の行動歴はなく、家族にも感染者はいないという。
「ガスト」は外食大手すかいらーくが経営するレストランで、8月18〜20日に東北4県の11店舗を利用した客計14人が赤痢を発症。同社は各店舗に食材を提供していた工場を停止したほか、北海道や栃木を含む計120店舗の営業を自粛している。
福岡
赤痢:行橋の小中学生3姉妹が感染 /福岡
北九州市は2日、行橋市の小中学生3姉妹が細菌性赤痢に感染し、うち、中2(14)と中1(12)の2人が入院したと発表した。現在は快方に向かっている。
市保健衛生課によると、いずれも8月26日に発熱し、27日に下痢の症状がみられたため北九州市内の病院に入院した。10歳の妹からも8月29日、赤痢菌が検出されたが軽症だったという。感染源を調べている。
〔北九州版〕
九州まで拡散しているのですから大事です。2日には培養ができているはず(感染を確認するには、培地で生えていなければなりません。)なぜ、DNA鑑定などの話が出ていないのか?
同じ株の細菌性赤痢なのか、どうかは絶対に調べねばなりません。
食に関しては、ほんとうに厳しい日本人です。古くは、雪印の牛乳、新年のおせち料理騒ぎ、今年3月のユッケ騒ぎの時。いずれも必要以上にマスコミは騒ぎ、経営者が泣くまで面罵し、調理場、工場まで取材しに行き、店を潰しました。
食品からの感染症には厳しいはず。
野田首相の内閣改造と重なったという理由ももちろんあるかもしれません。
しかし、失礼ですが、
・野田首相の顔
・だれもが知っているガストでの赤痢、そして全国に飛び火していること
どちらの方が視聴率が稼げるでしょうか。
政治と食い物
結論は明らかです。
また、ガストのすかいらーくグループ。もちろん、マスコミに広告費は出しているでしょうが、
・コカコーラ
・ポカリスエット
・トヨタ
・マクドナルド
のように、ぱっと宣伝が浮かびません。マスコミが真実を報道することを避けるほど、大きな広告費を使っているのでしょうか?
また、北九州。これはガストとは関係なさそうです。
あと考えられるのが、パニックを防止するために報道を控えている。
ほんとうでしょうか、パニックを避けるためにこのような法定伝染病を野放しにしておくとすれば、厚労省は何のためにあるのでしょう。また、マスコミは?
東北−神奈川−北九州
共通点は何でしょうか。
(資料)
山形県発表


宮城県発表

この文章は少しおかしい。科学的ではない。ソンネ赤痢菌があってもPCRで同一だと証明しない限り、断定などはできない。そもそも、このような感染症の分野で「断定」という言葉を軽々しく使ってしまうことに私は強い違和感を持つ。なぜ、宮城県の菌とPCRが一致したと書かないのか?
あまり医学的に詳しくない人が作った文章の印象を受ける。
神奈川県

国立感染症情報センターから
3類感染症:細菌性赤痢25例
菌種:S. flexneri (B群)1例_感染地域:中国
S. boydii (C群)1例_感染地域:インド
S. sonnei (D群)23例_感染地域:山形県5例*、福島県4例*、青森県2例*、茨城県1例、千葉県1例、神奈川県1例、石川県1例、国内(都道府県不明)3例、インド3例、フィリピン/インド1例、タイ/ベトナム1例
* 同系列の外食チェーン店舗で起きた食中毒の患者を含む

タグ:P
今回の福島の原発事故の大量の放射能の流出と関係があるのではないでしょうか?
放射能と赤痢の関係は?
そのほとんどが環境中に流失しているとのこと。
http://techpr.cocolog-nifty.com/nakamura/2011/07/988-8f59.html
放射能と赤痢、絶対関係あると思います。
手紙とモールス信号しかない時代ならともかく、こんな状況では旅行先や留学先に日本を選ぶだろうか。
行き止まりの袋小路で頭をぶつけているような日本を世界はじっと見ている。
今回は先生の記事にあるように,一つの食品工場から日本中に出荷していることが,離れた場所に広まった原因ですよね?
一ヶ所で問題が起こると日本中に影響があるところは似ていますけど。
あとは院長さんの言うとおり各地で検出された赤痢菌の遺伝子検査をして感染経路を究明する作業が今後の流行拡大阻止にとって最も重要な作業でしょう。
今夏の赤痢情報をお伝えします。
秋田県 8/31
http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1314834756127/files/sekiri.pdf
青森県 8/31
http://www.pref.aomori.lg.jp/release/files/2011/36690.pdf
京都市 8/22 海外帰国者
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000106505.html
http://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000106/106505/110822sekiri.pdf
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/dl/101111-03.pdf
をみると、どうやら患者から分離された
菌株は
国立感染症研究所へ送付されてるようす。
そのうち、ここで
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
なんらかの解析が公表されると思います。
実は私もそのニュースが出た日に、馬車道というファミレスでドリンクバーを飲みまして、帰宅後腹痛と目まい(熱?)と脂汗と下痢が起きました。ドリンクバーの冷たいジュース機の辺りでよその子供が「ここ臭いよね!」と言いましたが、確かに臭っていました。普通のファミレスのドリンクバーゴミ捨ての所の臭い…って感じです。最後に飲んだ抹茶ミルクの氷が嫌な感じがしました。
あとパフェを食べました。
みんな火を通していませんね。
お腹は、いまだ引きずっていますが、普段から便秘の副作用がでる薬を常用しているため、本当の反応は分かりません。
毎日整腸剤を飲んでます。
自然治癒まで1ヶ月でしたっけね。
どうでしょうね。
共通点は、ファミレス…?だけです。
ゴキブリがいても、普通人は負けない免疫があったのに、今は弱いかもしれませんね。
報告書類が出ました。
赤痢菌月別分離報告数、2007〜2011年
(病原微生物検出情報:2011年9月9日 作成)
https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data45j.pdf
ここでは、8月のものは、
ゾンネ菌が、輸入例のみで
5例未満を示しています。
国内例は色分けで示されずはずが
ゼロ、です。
先生のブログ記事上の事例、8月下旬の
報道上の国内例とみられる事例だけで、
5例は余裕で超えています。
この文書にはまだ今年の8月下旬の
ガスト関連赤痢事例は含まれてない、
菌株の送付が遅れている可能性も
ありますけど、ひょっとしたら
ひょっとする、
ゾンネ菌による赤痢ではないから
菌株の送付は不可能、ゆえに数に
含むことができない、では赤痢は
なんだったかといえば、
院長の推測内容かもしれない。。。
少なくとも、この文書は現時点で、
院長の推測内容を否定するものでは
ない、とはいえましょう。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/201134/2011-34-zensu.pdf
今回の事例、記述が見られます。
菌株詳細について、現在調査中とあります。転載。
◆細菌性赤痢(2011年8月31日現在)
第34週の国内感染18例は、東北地方を中心として9都県から報告されており、内訳は山形県
5例、福島県4例、青森県2例、東京都2例、宮城県1例、茨城県1例、千葉県1例、神奈川県1例、
石川県1例である。男性7例、女性11例で、年齢中央値は37.5歳(2〜82歳)である。山形県、宮
城県、福島県、青森県からの報告では、いずれも同系列の外食チェーン店舗を利用しているこ
とが明らかとなり、食中毒*として届出されている。感染源・感染経路については、菌の分子疫
学的解析による同一性確認を含め現在調査中であるが、同時期に他の都県からの散発例報告
も増えていることから、S. sonnei に汚染された食品を介した広域感染の可能性が強まってい
る。そのため、S. sonnei 感染例に対する、喫食歴および食材の遡り調査、ならびに菌の分子疫学
的解析等の積極的な疫学調査が必要である。
--------
あれ、福岡の事例記述が
見当たりませんね。
この研究所による今後のこの事例の
扱い、要注意ですね。
すばらしい資料です。本当に検出されているのでしょうか?
http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2011d/34douko.html#chumoku1
これからも注意深く見ていかなければなりませんね。今後ともよろしくお願いします。
福島で新たに9人感染 「ガスト」赤痢問題 2011/9/9 20:03
東北4県のファミリーレストラン「ガスト」で食事した客が相次いで細菌性赤痢を発症した問題で、福島県は9日、新たに10〜50代の男女9人の感染を確認したと発表した。福島県での感染者数は21人になった。県によると、9人はいずれも症状が軽く、既に回復している。8月18日から同23日にかけ、福島市やいわき市などのガスト計5店舗で食事をした。
いずれの店舗でも問題の原因となった宮城県大衡村の食品工場から食材の提供を受けていた。〔共同〕
今年は当たり年ですね。要注意ですが、注意してもしきれない可能性が、
あります。
ツイッターでお見かけし、ブログも読ませていただいています。
実は30年以上前、住んでいた地域で赤痢の大流行を経験しています。
そのときの記憶から・・・。
赤痢って「食中毒」なんですか?
違いますよね、伝染病ですよね。
その扱い方からして、とても違和感を抱いています。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/idwr/idwr2011/idwr2011-35.pdf
ウェブ版(まだファイルがない)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2011d/35douko.html#chumoku1
データ
http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/201135/2011-35-zensu.pdf
週報の最新版pdfから転載します。
細菌性赤痢(2011年9月7日現在)
2011年の細菌性赤痢は、診断第1〜35週までの累積報告数が175例で、感染地域別では国外
87例、国内86例、不明2例である。原因菌の菌種内訳は、Shigella sonnei が133例で最も多く、
次いでS. flexneri 31例、S. boydii 9例、菌種不明2例である。S. sonnei は国内感染で75例、国外
感染で57例と、感染地域別のいずれにおいても最も多い菌種である。
診断週別S. sonnei 感染者報告数は、第8〜9週に国内での集団発生(福岡県の幼稚園)により
一時的に増加したことを除くと、各週5例以下の報告がほとんどであった(図)。しかし、第34週
に国内の同系列外食チェーン店舗利用者で食中毒が発生したため、国内感染例が19例と急増
し、第35週も18例が報告された。
第34〜35週の国内感染37例は、東北地方を中心として11都県から報告されており、内訳は福
島県10例、山形県9例、宮城県3例、神奈川県3例、福岡県3例、青森県2例、茨城県2例、東京都
2例、千葉県1例、石川県1例、愛知県1例である。男性15例、女性22例で、年齢中央値は31歳
(2〜82歳)である。福島県、山形県、宮城県、神奈川県、青森県からの報告例では、いずれも
同系列の外食チェーン店舗を利用していることが明らかとなっている。当該店舗利用者につい
ては、S. sonnei に汚染された食品を介した広域感染の可能性が高いが、当該店舗との関連性が
ないまたは不明の感染者が他にも多数見られている。現在行われている菌株の分子疫学解析
(MLVA法)では、上述の外食チェーン店舗に関連した症例に共通してみられるMLVAパターン
以外に、複数のMLVAパターンも認められている。その中には自治体を越えて共通するパターン
を示しているものもあり、異なった集団感染事例が同時期に起きている可能性も考えられる。そ
のため、S. sonnei 感染例に対する、喫食歴および食材の遡り調査、ならびに菌の分子疫学的
解析等の積極的な疫学調査が引き続き必要である。
* 食中毒:食品衛生法に基づいて届出されたもの
図.細菌性赤痢S. sonnei 感染者の週別・感染地域別発生状況(2011年第1〜35週)
----------------
ちなみに昨年同時期のデータです。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/201035/2010-35-zensu.pdf
話を複雑につくって、追究の気持ちをそぐ
ことに成功しつつある、そんな印象が
あります。
細菌性赤痢を検索していたら
参考になりそうな事例に遭遇しました。
大牟田爆発赤痢事件
https://secure.wikimedia.org/wikipedia/ja/wiki/大牟田爆発赤痢事件
これも何か、時代、時局と相まって
政府による隠蔽工作くさいけれど
真相は闇の中に入り組んだままのような。
軍需産業がらみだと事件は闇の中に
葬られるのだとしたら、
今回の福島第一事故だって例外ではない
のではないでしょうか。
プルトニウムは原子炉ぬきには取り出せないのではなかったか。
国立感染症研究所が政府による隠蔽に
沿った報告書を出版しているなら、
上に転載した報告と分析には眉に唾を
何度もつけながら眺めやるくらいに
なりますね。
食中毒なのか
それとも伝染病/感染症であるかは、
次のページをみるとその問いの意味が
判明します。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_08/k02_08.html
感染症の話トップページへ
2002年第08週号(2002年2月18日〜2月24日)掲載
◆細菌性赤痢
細菌性赤痢は2類感染症である。わが国の赤痢患者数は、戦後しばらくは10万人を超え、2万人近くもの死者をみたが、1965 年半ば頃から激減し、1974 年には2,000人を割り、以降1,000人前後で推移している。
最近では、主にアジア地域からの輸入例が半数以上を占めている。しかしここ数年、保育園、ホテル、施設での国内集団事例がみられ、また、1998 年には長崎市の大学および附属高校で、患者数821 名をみた井戸水を原因とする大規模事例が発生している。2001 年末には、カキ喫食が原因とみられる全国規模での散在的集団発生(diffuse outbreak)で多数の患者が報告された。
疫 学
細菌性赤痢の主な感染源はヒトであり、患者や保菌者の糞便、それらに汚染された手指、食品、水、ハエ、器物を介して直接、あるいは間接的に感染する。水系感染は大規模な集団発生を起こす。感染源がヒトであるので、衛生水準の向上と共にその発生は減少する。サルも細菌性赤痢に罹患し、輸入ザルが感染源になった事例もある。
感染菌量は10 〜100個と極めて少なく、家族内での二次感染は40%もみられる。世界的にみれば患者の約80%が10 歳未満の小児である。わが国でも大戦後まもなくは同様の状況であったが、1970 年代後半から患者数が激減し、現在では国外感染事例が70 〜80%を占めており、推定感染地としてインド、インドネシア、タイなどのアジア地域が多い。また、近年の患者の70 〜80%は青年層である。
2000 年に指定感染症医療機関で分離されたShigella の薬剤感受性試験成績によると、国内例、輸入例とも84%以上がST 合剤、およびテトラサイクリン(TC)に耐性であった。ホスホマイシン(FOM)耐性株は国内例、輸入例ともに検出されており(表1)、今後増加することが危惧される。1998 年の集計で見られたニューキノロン薬のオフロキサシン(OFLX)に耐性を示す株は、2000 年の集計では認められていないが、検査件数が大幅に減少しているため耐性菌の増減をはっきりと言うことはできない。
疫学マーカーとしては、パルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)による遺伝子解析が一般的に行われている。
表1. 赤痢菌の主な薬剤に対する耐性頻度(指定感染症医療機関, 2000年)
病原体
細菌性赤痢の原因菌は赤痢菌(Shigella)である。Shigella 属には4菌種(S. dysenteriae, S. flexneri , S. boydii, S. sonnei)が含まれる。さらに、各菌種は血清型に細分される。短桿菌で、鞭毛はない。経口摂取された赤痢菌は大腸上皮細胞に侵入した後、隣接細胞へと再侵入を繰り返し、上皮細胞の壊死、脱落が起こり、血性下痢の症状となる。培養細胞を用いた細胞侵入像を写真1に示す。
国内発生例はS. sonnei が70 〜80%を占めている。
写真1. 培養細胞を用いた赤痢菌の細胞侵入像。HeLa 細胞に侵入したS. flexneri が細胞質内で増殖し、その一部は隣接細胞へと移行しようとしている。
臨床症状
通常、潜伏期1 〜3日で発症し、全身の倦怠感、悪寒を伴う急激な発熱、水様性下痢を呈する。発熱は1〜2日続き、腹痛、しぶり腹(テネスムス)、膿粘血便などの赤痢症状をみる(写真2)。近年では重症例は少なく、数回の下痢や軽度の発熱で経過する事例が多い。通常、S. dysenteriae やS. flexneri は典型的な症状を起こす事が多いが、S. sonnei の場合は軽度な下痢、あるいは無症状に経過することが多い。
写真2. 典型的な細菌性赤痢の膿粘血便
病原診断
確定診断は糞便からの赤痢菌の検出による。大便からは、DHL 寒天培地やマッコンキー寒天培地で分離する。Shigella はDHL 寒天培地やマッコンキー寒天培地上で、37℃1夜培養後、直径約1〜2mm の無色、半透明、湿潤な集落を形成する。DHL寒天培地上のShigella の集落を写真3 に示す。
Shigella の迅速診断法として遺伝子診断がある。これは腸管侵入性に必須な大型プラスミド上の侵入性関連遺伝子群を、DNAプローブ法やそれらを標的としたPCR法で検出する方法である。PCR 法はDNA プローブよりも100倍も感度が高く、検体中(大便を含む)に10個のShigella が存在すれば増菌なしでも検出できると言われている。
写真3. 1個の赤痢菌はDHL 寒天培地上で1 夜たつと、直径約1 〜2mm の無色の集落を形成する。なお、同じ培地上にみられる赤色集落は大腸菌、黒色集落はサルモネラである。
治療・予防
治療には対症療法と抗菌薬療法がある。
対症療法としては、強力な止瀉薬は使用せずに、乳酸菌、ビフィズス菌などの生菌整腸薬を併用する。解熱剤は脱水を増悪させることがあり、またニューキノロン薬と併用できない薬剤が多いので慎重に選択する。脱水が強い場合には、静脈内あるいは経口輸液(スポーツ飲料でよい)を行う。
抗菌薬療法としては、成人ではニューキノロン薬、適用のある小児にはノルフロキサシン(NLFX)、適応のない5歳未満の小児にはFOM を選択し、常用量5日間の内服投与を行う。治療終了後48時間以降に、24時間以上の間隔で2〜3回糞便の培養検査をし、2回連続で陰性であれば除菌されたとみなす。
予防の基本は感染経路を遮断することにある。上下水道の整備と個人の衛生観念の向上(特に手洗いの励行)は、経口感染症の予防の原点である。輸入例が大半を占めることから、汚染地域と考えられる国では生もの、生水、氷などは飲食しない事が重要である。国内では、小児や高齢者などの易感染者への感染を防ぐことが大切である。
感染症法における取り扱い
細菌性赤痢は2類感染症であり、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る。報告のための基準は以下の通りである。[中略]
食品衛生法での取り扱い
感染症法の施行にともない、平成11 年12 月28 日食品衛生法施行規則の一部が改正され、飲食に起因する健康被害(foodborne disease)は食中毒であることを明確にするため、食中毒事件票の病因物質として赤痢菌等が追加された(http://www1.mhlw.go.jp/topics/syokueihou/tp1228-1_13.html 参照)。
------------------
現在はだから法的な扱いとして、
赤痢は食品衛生法では食中毒扱いなんですね。
それから、上に転載したものについて
若干資料を。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/30/358/dj3584.html
Shigella sonnei の遺伝子型別について
(Vol. 30 p. 319: 2009年12月号)
国立感染症研究所細菌第一部では、2008(平成20)年10月9日付通知(健感発第1009001号、食安監発第 1009002号)により赤痢菌の遺伝子型別を実施しております。当該型別ではパルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)が従前より実施されておりました。
しかしながら、S. sonnei については、東南アジア等からの輸入例を中心に類似のPFGEパターンを示す株が観察されることがしばしばありました(図は一例)。そこで、近年発表されたmultilocus variable-number tandem-repeat analysis(MLVA)を検討した結果、輸入例をはじめ、わが国のS. sonnei 株でも有用であると考えられました(表)。これを受け、S. sonnei につきましてはPFGEおよびMLVAの結果を併せて遺伝子型別を実施しております。また、来年をめどに今後はMLVAの結果に基づいたタイプ名も結果に添えていく予定です。
平素よりの菌株送付へのご協力に感謝申し上げるとともに、今後も引き続き菌株送付にご協力お願い申し上げます。
参考文献
1) Liang S-Y, et al ., J Clin Microbiol 45: 3574-3580, 2007
2) Izumiya H, et al ., J Med Microbiol 58: 1486-1491, 2009
国立感染症研究所細菌第一部 泉谷秀昌 寺嶋 淳 渡辺治雄
鋭い観察ですね。いつの間にかこれほど増えているのに全く報道がない。マスコミも報道しない。
炭鉱の話などと総合しますと、結論は一つでしょうか。
twitterにも情報として流しておりますが、私個人の力では、なんともで、歯がゆい思いをしています。
これからもよろしくお願いいたします。