例えば、とある疾患の好発年齢が若い女性と、老人だとしましょう。外来に来られる方は、このどちらかにほとんど属することになります。文字通り、目で見て納得できるのです。授業中に板書で
好発年齢は、20代の女性と50代の男性
と聞いても、右から左。それほど、臨床症例というのは印象に残ります。
私にはとても無理ですが、絵の才能のある人はその起きた場面をくっきりと覚えています。そして、それを絵に描くことができます。漫画家ならば、ストーリーを持って描くことができますので、ますます印象に残ります。今回は、原爆症赤痢について、このはだしのゲンから、抜き出してみます。
単行本第2巻から

・元気な人の食欲が無くなり、食べたくなくなる。

・身体の丈夫な人が、だるくなる

・意識しない血便がでる
・髪の毛が抜ける

・急激な寒さが襲う

・熱したトタン板をかぶせても寒いくらいの体感
・口から血を吐く

・進行がものすごく早い
・医師が ・下痢 ・吐血 ・悪寒 が特徴と話す。

・原爆による直接被爆ではない。あとから来た兵隊がばたばた死んでいる。
・おそらく、原爆投下直後に残存している 長短半減期の放射性物質を吸入、経口摂取したための内部被曝だろう(これらのばたばた死んでしまった兵隊は、ABCCの研究に元々含まれていない)
どうでしょうか。非常に良く描けていると思います。医学的知識のない人が、自分の見たり、経験したりしたことを書く。それが、一番の教科書であり、我々臨床医が最も尊重しなければならないことなのです。
統計的にどうかなどという言葉は、個々の臨床では全く意味がありません。あなたは、60%の確率で治りますと言われても、気休めにも何にもならないのと同じです。
では、はだしのゲン はなぜ生き残ったのか。同じように被曝しているわけですから、原爆赤痢になってもおかしくありません。放射能の影響は、個々人によって全く異なります。ある人は大丈夫であっても、別の人はダメ。それ故、因果関係を統計的に説明することはできないのです。証明できないから、事実ではないかと言えば、このように事例が報告されていますので、事実に相違ありません。
それをマンガだから鼻からバカにして全く考慮しないというのは、医療者としてありうべからざる態度だと思います。
我々は、命の営みの前に謙虚でなければなりません。人間が生命を作り出せる何でもできると思ったら、大きな間違いです。
こんな話があります。
ある学者が、その門下生にウジを作れという命令を下しました。
一生懸命、タンパク質を分解し、DNAを解読して、人間がウジを作れるでしょうか。それは、絶対に不可能です。ウジを作って、ハエに変態させる。どう考えても無理です。
一人の門下生は、腐った肉を部屋の中に放置しました。そうするとどうでしょう、3日も経たないうちにウジが湧きました。
自然の大きな営みについて、人間はなにもわかっていません。ほんのわずかな時間を借りているのに過ぎないのです。(これは、橋爪さんの言葉です)
自然の前に謙虚になりましょう。
■関連ブログ
世界中のみなさん、反原発に向けて立ち上がりましょう 橋爪 文(原爆被ばく者) 2011.8.23
■原爆症
内部被曝の教科書−はだしのゲンから(1)−やけどのマゴットセラピー 2011.9.10
修学旅行で長崎原爆資料館、漫画ではだしのゲンで核アレルギーになりました。ほとんどの子供は原爆反対だったのに、なぜいつの間にか原発賛成になったのか不思議です。体がいやだと反応するぐらいじゃないと、大人になって理屈で騙されるのでしょう。今の子供には、核は同じで原爆も原発も無くしてしまえと思い続けて欲しいものです。関東東北北海道の人は、資料館なんかほとんどみてないのでしょう。
九州で原発事故が起こったら、体が即座に反応して、皆逃げ出すと思うのですが。そして、九電や政府にこらあと怒りまくって、即行動に移してると思います、血の気が多い、私も。
福島の子供たちには避難して、様子を見ながら帰省できるのを待つ、というようにしてほしいものです。
小学校の図書館にあって、怖いながらも読んだマンガでした。
アップありがとうございます。
子供のころよんだ「はだしのげん」。先日の赤痢報道で、一番最初にこの兵隊さんのシーンを思い出していました。
311以降、考えるほどに、途方にくれてしまいそうです。二歳のこどもを何とか守りたいだけなのですが、国内ではもう無理なのでしょうか。
食べ物からの内部被爆について祖父母に説明し、「わかった」と言ってもらっても、結局、普通にペットボトルのお茶、回遊する魚・・言っても言っても食べさせようとします。・・すみません、愚痴ですね^^;
先生のような方が情報を発信してくださること、本当に心強いです。いつもありがとうございます!!
気持ちの悪い画像が多いのですが、なぜかとまらずずっと友人らと読み、戦争は怖いんだと思いました。
似たようなことが実際日本で起こっていると思うと、子供達をどう健康に育てようか悩むばかりです。静かな日本に戻って欲しいです。
出版された本を郷土コーナーで見つけました。
『ヒロシマ・残留放射能の42年―原爆救援隊の軌跡』
この本は今、図書館などでしか見つけにくいようですが、
内容は驚くほど『ゲン』の体験を裏付けているように感じました。
当時の兵隊さんは現在の自衛隊や警察の方々などに重なり、
何も知らされない現場は繰り返されるのだろうかとぞっとします。
『はだしのゲン』、今の日本に必要な傑作ですね。
ゲンのかあちゃんが死んだのはピカが落ちて何年後だったか、
昼間元気だったゲンの恋人が一晩のうちに亡くなったのはいつの事か、
まさに「ただちに影響は無い」ですね。
あと、友子の死に方はどう見ても餓死とは思えない。まさか「ピカが移る」のストレスとか(苦笑)?
いや、笑い事ではないですね。
広島・長崎では大勢が生き残って街を復興させました。
でも、強い人は生きながらえましたが弱い人は死んでいったんです。
死んでいった人たちの無念を今こそ思いなおすときだと思います。
話はかわりますが、先生は『夕凪の街 桜の国』という、こうの史代さんの漫画をご存知でしょうか?
もし読まれておられないなら、こちらも必読です。
放射能は本当に何年経っても油断ならない。
今が大丈夫でも、果たしてそれが何年も続くとは到底…
私は、栄養失調ということにされている人の大部分が、ピカの毒によるだったのではないかと考えています。
ご指摘の通り、弱い人はみんな亡くなりました。そしてそのあと、ABCCが統計データを作り100mSv安全と閾値を決めたのです。人間がそれほど放射能に強いとは思えません。
指導者が全員思考停止し、目先のカネばかりおっている姿が信じられないのです。
原爆の本はかなり色々あるようですね。井伏鱒二の黒い川も読まねばと思っています。
日本という国はどうなってしまったのでしょうか。
核兵器による被曝国の国民なら、放射能に対してもっと賢く用心深いものと信じておりました。
私、広島県民です。今後の日本に憂いを感じざるを得ません。
広島の平和公園にある慰霊碑には、過ちは繰返しませぬからとあります。
今、この日本における放射能への過小評価、
これも大いなる『過ち』ではないでしょうか?
あのときは目に見える被害があった。今回は全くない。だから、力が分散してしまっている。どうしたらいいのか3月から途方に暮れているのが正直なところです
新年あけましておめでとうございます。
昨年はとんでもない一年でした。
今年も早速地震頻発で先が思いやられます。
最近は震災瓦礫を受け入れるだの拒否するだの騒ぎになっておりますね。
我が広島県も、現段階での受け入れは難しいと先月半ば表明したばかりです。
放射性物質の付着も考慮するなら賢明な判断かと存じます。
なにせ目に見えないものですし、用心に越したことはありません。
ただ、これに不満を持つ方々も広島には居るようです。
バラック住まいの親たちから産まれた被爆二世たちです。
彼らの主張は「自分の親も被曝瓦礫に囲まれて過ごしたが元気だぞ。自分らも五体満足だ」だそうです。
以前のコメントで私は「死んでいった者たちの無念を思い直すべき」と言いました。
被曝の生き証人たちは、そのバラックで発症して死んでいった方々を忘れてしまったのでしょうか?二世たちに何も語らなかったのでしょうか?
死んでいった方々は声をあげることはできません。
死に証人たちを無視して生き証人は務まりません!
聞けば、ニコニコしてれば大丈夫の山下某氏も被曝二世というではないですか。もう、どうなっているのやら…
ゲンの母が死んだのはピカが落ちて4年後です。先が思いやられます。
ところで、漫画『夕凪の街』はもう読まれましたか?
バラック住まいの主人公が突如発症して死んでしまうのは昭和30年です。
短い短い短編ですので、未読でしたらぜひ御一読を。
私、中島みゆきのファンなのですが、
24年も前の曲に凄いのがあるのを最近になって気づきました。
アルバム『グッバイガール』に収められた「吹雪」という曲です。
まさに今の現状を歌ってます。
と言いますか、その後の未来も暗示しております。
発表当時は、この歌詞は何の事を言っているのかファンの間でも物議をかもした問題曲でした。
きっと彼女、チェルノブイリの件で学んだのでしょう。
今聴くと本当にぞっとします。
以下、歌詞をご覧ください。
http://mujic.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND53870/index.html
興味を覚えましたらyoutubeで『中島みゆき 吹雪』で御検索を。
今の日本、疑うブームがすぎて楯突くブームです。
静かになった時に再び『予定どおり雪が降る』のでしょうか。怖いです。
誰もがすぐ身体に異常をきたして死ぬわけではなく、数十年経ってから癌などのある意味ありふれた病気を発症するのが被曝の怖いところであり、厄介なところであると思うのですよ。
「吹雪」の歌詞のリンク先、開けませんでしたね。
以下、「吹雪」の歌詞です。
これが24年前の曲ですよ。
まさに昨年3月からこれまでを、今を、そしてこれからを暗示しております。
怖いです。
「吹雪」 中島みゆき
日に日に強まる吹雪は なお強まるかもしれない
日に日に深まる暗闇 なお深まるかもしれない
日に日に打ち寄せる波が 岸辺を崩すように
どこから来たかと訊くのは 年老いた者たち
どこにも残らぬ島なら 名前は言えない
恐ろしいものの形を ノートに描いてみなさい
そこに描けないものが 君たちを殺すだろう
間引かれる子の目印 気付かれる場所にはない
どこから来たかと訊くのは 年老いた者たち
どこにも残らぬ島なら 名前は言えない
降り積もる白いものは 羽の形をしている
数えきれない数の 羽の形をしている
あまりにも多過ぎて やがて気にならなくなる
どこから来たかと訊くのは 年老いた者たち
どこにも残らぬ島なら 名前は言えない 誰も言えない
はじめから無かったことになるのだろう
疑うブームが過ぎて 楯突くブームが過ぎて
静かになる日が来たら 予定どおり雪が降る
どこから来たかと訊くのは 年老いた者たち
何もない闇の上を 吹雪は吹くだろう
…凄いでしょう?
このまま疑うブーム楯突くブームが過ぎて『予定どおり』に雪が降り、
福島あるいは日本という島はどこにも残らなくなり、
存在そのものがはじめから無かったことになるのでしょうか。
怖すぎです。
先日、ゲンの作者である中沢啓治氏の自伝『はだしのゲン自伝 (株)教育資料出版会』を読みました。
P.169に『急性白血病者が急増してやっと沈静化したと思ったら、ガン患者が増大し、「原爆後遺症は、全身病の性格を持つ!」と報道される記事を読むと…以下略』とあります。
戦後しばらく経って原爆症が大発生してる頃、既に放射能の影響は全身を襲うことが認知されていたようですね。
御用学者さん達、恥をしるべきです。
福一の件、今後何が起きようと全部ストレスが原因とでも言うんでしょうね。
ストレスが骨まで奪うのか是非お訊きしたいものです。
今夜のツイッターで広島市内在住の某安全厨とのやりとり、面白おかしく拝見致しました。
Mってほんとどうしようもない奴ですね。
高田純を信奉してますから、おそらく幸福の科学でしょう。
相手をするだけ無駄ですよ。
ちなみに、奴は広島市民のくせに佐々木禎子さんの死について言及を避けておりますから、
その点を突き詰めて詰問するといいですよ。
まあ、奴のことですから、
彼女が9年後に白血病を発症し翌年死亡したのは「日ごろの不摂生のせいだ。ABCCで解剖されたのは手違いだ」と言うかもしれませんが。
今日のツイッターでの発言、少々お荒れのご様子。
昨夜、Mをはじめとするトンデモ共を相手にした副作用でしょうか?
さて、トンデモ科学者高田純のツイッターでの発言に、
「原発が無ければ核兵器は造れません」という爆弾発言があるのを先生はご存知でしょうか?
そう、思った通りです。原発や放射能に関するトンデモな連中の真の目的は『核』の所有です。
怖ろしや。
余談ですが、高田純は身内に海自の艦長がいて、それを自慢にしてます。
どうです、いろいろと透けて見えてきますでしょう?
安全厨は馬鹿や気狂いではない。
もっとおぞましい何かだ。