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ひまわりの除染効果を期待して、飯舘村で実証試験が行われました。
ヒマワリ育て土壌除染、飯舘村で実証試験
東京電力福島第一原発の事故で、農林水産省と福島県は28日、全域が計画的避難区域の飯舘村で、ヒマワリなどを育てることにより、汚染された土壌を改良する実証試験を始めた。
今後、川俣町でも行い、8月をめどに効果を検証する。
鹿野農相が視察に訪れる中、農水省の担当者が農家ら約100人を前に計画を説明。表土を削り取ることに加え、放射性セシウムの除去に有効とされるゼオライトなどの吸着剤、ヒマワリなどの植物を使った除染法などを示し、鹿野農相は「研究成果を積み上げ、再びこの地で営農できるよう努めたい」と述べた。
出席者からは「農地だけでなく山林もきれいにしないと意味がない」「汚染物を川に流さないよう配慮してほしい」などの意見が出た。同村の西尾豊さん(58)は「期待はしているが、実験によって出た汚染物の処理法など、不明確な部分も多い。汚染前に近い状態に戻してほしい」と話していた。
(2011年5月29日14時39分 読売新聞)
週刊誌で読んだのか、何で読んだのか、忘れましたが、ソビエトは考え得る全てのことをやった上で、結局セシウムの除染をあきらめ、土地を放棄しました。
放射性セシウムの恐怖 前編『除去を諦めたロシア』2011.4.16から
放射性セシウムの除去を諦めたロシア
チェルノブイリ原発事故では大量の放射性セシウムを含む放射能が飛散した。放射性セシウムは非常に反応しやすい物質で、常に他の元素と結合した状態で発見されている。IAEAが行った環境影響調査結果では、「屋根材やコンクリートにも容易に結合している」と報告がされている。
放射性セシウムの半減期は30年。ガンマ線という波長の短い電磁波を光の速さで放射し電離作用により、DNAを傷つけ発がん作用をもたらす。またガンマ線は透過能力が高く、これを遮蔽するには10cm以上のコンクリート、鋼鉄、鉛、水しかない。
社会を崩壊させる恐ろしい物質、それが放射性セシウム
「人々は自分たちの村や町を捨てなければならなかった。広大な土地はただの空き地になってしまった。セシウムは社会を崩壊させる恐ろしい物質だ」
半減期が長く、何でもくっ付く放射性セシウム。ロシアは何年にもわたり放射性セシウムの除去を試みるも、結局は諦めた。これは資金不足だけが原因ではないと、スタンフォード大学の物理学教授、ステインハウスラー氏は述べている。
セシウムの反応性の高さについては、すでにブログで紹介しています。
核汚染に関しては、核戦争を想定していたロシア(旧ソ連)の方がはるかにノウハウがあります。その国が結局あきらめてしまったのですから、日本にできるのでしょうか?私は大いに疑問を持っていますが、9月のはじめに次のようなNewSが流れました。(すでにリンクは削除されています)
ひまわり“放射性物質を除去”
9月9日 10時22分(NHK)
東京電力福島第一原子力発電所の周辺でひまわりを栽培し、農地から放射性物質を取り除く実験を行っていた民間のグループが、8日記者会見し、土を分析した結果、放射性セシウムの濃度を最大で半分程度にまで引き下げる効果があったと発表しました。
実験を行ったのは、神戸にある理化学研究所の元研究員らで作る民間のグループです。福島第一原発の半径30キロ圏内にある南相馬市の4か所の畑でひまわりを栽培し、放射性物質を土から取り除く効果があるか調べました。専門の機関で分析した結果、放射性セシウムの濃度は、土1キログラム当たり栽培前に2117ベクレルだった場所で、栽培から2か月後には1680ベクレルと、20%減少していたということです。中には土1キログラム当たり1703ベクレルだったものが、757ベクレルと半分程度になった場所もあり、研究グループでは、ひまわりの栽培には放射性セシウムの濃度を引き下げる効果があったと発表しました。一方、放射性物質を吸収したひまわりは、土の中に埋めるしかなく、廃棄場所の確保が今後の課題だとしています。研究グループは、今後、さらに周辺の農家にも呼びかけてひまわりを栽培し、放射性物質を吸収する効果を定期的に確認することにしています。
さらに
産総研、土壌のセシウム除去で新技術
2011/9/1 11:32(日経)
産業技術総合研究所(茨城県つくば市)は1日までに、土壌中のセシウムを除去する新技術を開発したと発表した。低濃度の酸と顔料の一種であるプルシアンブルーを利用する。放射性セシウムを含む廃棄物の量をもとの土壌の150分の1に減らせる見込み。従来手法よりも扱いやすく低コスト化が期待できるという。福島県などでの除染に役立てたい考え。
土壌中のセシウムは特に粘土粒子にくっついている。新技術はまず薄い硝酸か硫酸を土壌に通して粘土からセシウムを水溶液中に抽出する。
薄い硝酸を使った場合は200度、45分でほぼ100%抽出できた。さらに、水溶液中のセシウムイオンをプルシアンブルーの微粒子に吸着させた。微粒子の量は汚染土壌の150分の1で済み、廃棄物を減らせる。
実験には非放射性のセシウムを使ったが、放射性セシウムでも同様の結果が得られるという。
従来のセシウム抽出法は高濃度の酸を使うので取り扱いが難しく、コストもかかっていた。農地の土壌を傷める難点もあったという。新技術の酸は濃度が従来の12分の1と薄く利用しやすい。今後、協力企業を募り実証試験を進める予定だ。
チェルノブイリではうまくいかないのに、なぜ日本ではうまくいくのでしょうか?私には大変不思議でした。で、昨日のニュース
ひまわりによる除染は見送り
9月18日 4時15分(NHK)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、農林水産省は、農地から放射性物質を取り除く除染の方法を検討した結果、ひまわりの栽培は効果が期待できないとして、実用化を見送ることになりました。
福島第一原発の事故で、福島県内ではおよそ8300ヘクタールの農地で、コメの作付けを制限する目安となる放射性セシウムの濃度を超えています。農林水産省はこうした農地で今後実施する除染に適した方法を探るため、放射性セシウムを吸収する性質が報告されているひまわりを飯舘村の畑で試験的に栽培してきました。5月に種をまき、先月上旬に花が咲いた時点で刈り取って調べた結果、1キログラム当たり、茎と葉には52ベクレル、根には148ベクレルの放射性セシウムが含まれていました。放射性セシウムの吸収率は、土に含まれていた量の2000分の1程度にとどまる計算だということです。一方、土を表面から4センチ削り取る方法では、放射性セシウムの75%を取り除くことができました。こうしたことから農林水産省は、ひまわりの栽培による農地の除染は、効果が期待できないとして実用化を見送ることになりました。
これは、一体どういうことでしょうか。たかだか2週間程度前の報道と全く違うことをNHKが報道しています。前回の報道は、いったいどういうソースだったのでしょう。無責任と言われても仕方ないのではないでしょうか?
そして、本日の報道
除染専門家の派遣要請=IAEA事務局長と会談−細野原発相
【ウィーン時事】細野豪志原発事故担当相は19日、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長とウィーンのIAEA本部で会談し、事故を起こした福島第1原発周辺の土壌の除染に関し、専門家チームの派遣を要請した。
細野氏によると、天野氏は前向きの姿勢を示した。同チームは10月にも派遣される見通し。(2011/09/19-19:19)
日本は独自技術で除染できるのではなかったのでしょうか?IAEAはチェルノブイリをすでにあきらめています。
本当のことを言うべきではないのですか?チェルノブイリはいまどうなっていますか?お金をかければ何でもできる、不可能なことなどないというのは人間の思い上がりに過ぎないのではないでしょうか。
時には厳しすぎる真実を言わざるをえないのが、政治家の本当の役割ではないのですか。
私には事実からできるだけ目を背けようとしているようにしか思えません。
チェルノブイリは25年経ってどうなっていますか?そこに答えがあります。
「撤退」を「転進」と言い換えるようなことは、もうしないでください。
■関連ブログ
放射性セシウム除染が困難な理由(70万アクセス)2011.9.1
放射性セシウム除染が困難な理由(2)2011.9.2
フクシマは、どうなる−除染は未完の技術2011.8.4
すべては、本当のことを認めてから2011.6.21
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これは、やはり、先のひまわりの除染の効果が
あることが嘘で、後ほどの報道が真実なのでしょうか?
なぜ、こんなウソをつく必要があるのか、大変困惑しているのですが?
高濃度汚染地域ではなく、汚染濃度が低い地域を、飛散拡散してくる放射性物質から守るために、「ふるさとに帰るための除染」というプロパガンダを打っているのだと思います。
報告書は、福島県福島市渡利地区の除染の効果を調べたものですが、
除染が出来てない、というだけでなく、今のやり方ではやってもほとんど無駄、やらないと天然濃縮で放射線が上がり、実際に除染、つまり放射能を除去する、ということがそこに人を住まわせたまま、住まいや景観を破壊することなしに可能なのかどうか、ということにも疑問を投げかけています。
報告によると平均して7割程度(約68%)にしか下がっておらず、空間線量も1〜2 μSv/hに高止まりしている。
今回の調査においてもその通学路の周辺において20 μSv/hを超える非常に高い線量が地表面で計測された。
コンクリートやそれに類する屋根の汚染は高圧水洗浄によっても除去できておらず、住宅室内における高い線量の原因になっている。
除染の対象にはされなかった地域の水路や空き地、神社、個人宅地内の庭で高い線量が計測され、最も高い線量は地表で20 μSv/hを記録した。本来の意味での除染はできていない。』
除染が出来ていない、というだけでなく、山内教授は放射性物質の天然濃縮が行われ、逆に放射線量が上がっている、と言います。
地区内の小倉寺稲荷山での前回測定を踏まえ、今回の調査で分かったことは、地表面での線量は7.7μSv/hや11.5 μSv/h を記録したのであったが、それから3ヶ月近くが経過した時点でそれらは20μSv/h を超えていた。
ここでは除染は行われておらず、天然の濃縮が進行していた。
降雨の度に近隣の山林から放射性セシウムが流入していると見られる。
「学童保育教室」の建物の中のほうが玄関先よりも線量が高く、また床面より天井に行くほど線量が上がっている、とのこと。
★原因は高圧洗浄したはずの屋根。
学童保育が行われている建物の内部で、床面よりもはりの高さで、また天井の高さで、高くなればなるほど線量が高くなるという傾向が確認された。人の立つ高さで0.5 μSv/h であり、天然バックグランドの10 倍である。玄関での線量は室内よりも低いことが認められた。敷地外部の土壌汚染による線量増強以外の効果が作用していると考えられた。屋根の直上と庇の下の線量を計測すると屋根の線量がより高くなっており、コンクリート製の瓦の表面に付着した放射性セシウムが室内の線量増強をもたらしていることが確認された。屋根は面積が広く当然のこととして室内を覆っているために汚染の程度が相対的に低くても大きな効果を及ぼす。この屋根は高圧水洗浄をしたということであったが除染は出来ていなかった。』
教授は渡利地区で8月24日に行われた「除染モデル事業」を評価して、「まったく除染になっていない」、と言います:
『図3に「除染モデル事業」の実績を示した。除染とは放射能汚染を取り除くことであるが、実態として除去できていない。「除染」の前後で空間線量は平均して68%に低減したが、半分以下にもなっておらず、除染とは言えない。依然として子供らの通学路は1〜2μSv/hにあり、場所によっては 4 μSv/hに達したままである。除染作業の実態としては堆積した泥を取り除いたということに尽きる模様である。アスファルトやコンクリートが汚染しており、除染するにはこれらも取り除く必要がある。また、道路に面する住宅の庭やコンクリートブロックについても除染/取り除く必要がある(これは街の破壊を意味する)。』
コンクリート、アスファルト、屋根材に付着、吸着した放射性セシウムは高圧洗浄機では取れないようです。もっと早くやっていれば取れたのか、それとも元から強固に密着しているためにいずれにしてもだめだったのか。教授は、泥をすくうだけでは何もならない、コンクリート、アスファルトの汚染はそのままで残り、今後も堆積していくだろう、と言います。また、原理的に除染は広い範囲でやらないと効果は少ない、と言い、結論の最後の部分は深刻です:
『文字通りの「除染」は全く出来ていない。Cs-134 の半減期は2年、Cs-137 のそれは30年である。したがって、この汚染は容易には消えず、人の人生の長さに相当する。そのような土地に無防備な住民を住まわせてよいとはとうてい考えられない。』
また、報告書の中で教授は、高線量の通学路を先生に引率された児童数十名が何の防備も無く通り過ぎる様子、他の市で避難勧奨指定になるような線量の中で人々が何も知らず過ごしていることなどを淡々と記述しています。
http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/09/blog-post_173.html