2011年09月24日

放射線を正しく恐れる・・上関、横浜の安全資料

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 コメントを書いていただきありがとうございます。力をもらいますとともに、私よりはるかに博識の方からコメントをいただき、逆に情報を入手させていただいています。だんだん、他サイトを見る余裕がなくなってしまい、いかんいかんと、本を読んだり・・・そんな感じです。

 本日の記事のきっかけもコメント欄から。明日、上関で町長選が行われます。そこの町のブログです。上関は中国電力が原発を建設しようとしている町です。

上関みらい通信から
2011.3.28 上関町において 中国電力社員による戸別訪問
カテゴリー:blog | 投稿者:フミツキ
. 先週金曜日より、上関町内を中国電力の社員が戸別訪問し、東北地方太平洋沖地震の状況と福島第一原発の事故の状況を、資料(A3用紙両面)や電気新聞を基に説明しています。
 今、いろんな情報が飛び交う中、上関町民にとっては大変役立ちます。これからも、このような情報提供をお願いしたいと思います。

2011年9月2日やらせって何だろう?
カテゴリー:blog | 投稿者:佑ちゃん
. 最近、九州電力をはじめ、各電力会社のヤラセ問題がメディアや新聞等で時々報じられています。
 結局ヤラセとは何なのでしょうか?
 自分たちの都合の良いように人間を集め、発言させることがヤラセなのでしょうか? 
 意図的に発言を強要することがヤラセなのでしょうか?
 正直なところ、私自身教養がないせいか、よく分かりません。
 各電力会社が行ったことは、良いことではないでしょう。しかし、このことが世間一般で言うヤラセであるならば、他で色々と行われている原子力反対デモや討論会、集会等などもヤラセなのではないかと私は思います。
 反対派のデモをよくよく見てみると、原子力とは関係のない旗を掲げて行進してたり、メディア受けするようにか、必ずといって良いほど小さな子供を参加させているなど、人間が多く集まれば良いのか?的な画を目にします。また、反対系の集会などでは、原子力に対する良い点には一切触れず、原子爆弾と原子力発電を同じのように論じたり、今までの原子力の平和利用(医療や科学研究)のことには、口を閉ざして、放射能の恐ろしさダケを論じている。これらもある意味ヤラセといえばヤラセなのではないでしょうか!いいかげんメディアも重箱の隅をつつくような報道はやめて、本当の日本の未来に目を向けた報道を行って欲しい今日この頃です。


 恐れ入ります。三月下旬から既に戸別訪問をやっているのです。この時の資料どなたかお持ちの方おられませんでしょうか。

上関未来通信
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ここに出てこられて住民の方々に説明している方
細井義夫
1959 年東京生まれ (医学博士)
東北大学医学部卒業後、同大学助教授、東京大学准教授を歴任
現在、広島大学 原爆放射線医科学研究所 放射線災害医療研究センター 教授
広島大学 緊急被曝医療推進センター 副センター長

原爆の落ちた広大の教授です。(100mSv大丈夫先生は、長崎大学の教授でしたでしょうか)

Q1 /今回の事故で、住民の健康にどんな影響が出ていますか?
細井/放射線による被害は出ていませんし、これからも出ないでしょう。今回は放射線による被害より、避難やそれに伴うストレスによる被害のほうが問題でした。

Q2 /テレビなどで関係者が「ただちに影響はない」と言うのを耳にします。これは少ない量であっても、後々影響が出るかも知れないということですか?
細井/誤解を招く言い方ですね。今回の事故のように、この言葉が使われる状況では急性的な影響はないし、将来的にも癌など遺伝的な影響もないというのが科学者の共通の認識です。危険性はゼロではないが、心配する必要がない程度に十分に低いということです

Q4 /被曝者には継続的な医療・ケアが必要でしょうか。
細井/一般住民の被曝線量は低く、放射線による健康被害が出る可能性は低いのですが、それを確認するためにも、今後30 年以上にわたって健康診断を行う必要があるでしょうね。住民に対する長期的な医療補助は、心のケアのためにも役立つと思います。

Q5 /今回の事故で、放射性物質はどのように広がりましたか。
細井/原子力発電所から放出された放射性物質のうち、放射性ヨウ素や放射性セシウムなどの比較的軽い物質がガス状や細かい粒子状、埃などに付着した形で風に乗って広がりました。何もなければそのまま拡散されて希薄化されるのですが、雨が降ると地表に落ちてしまいます。今回、原子力発電所からかなり離れている飯舘村が、比較的近い地域より放射線量が高くなったのは降雨の影響があったためと考えています。

Q7 /放射線から逃れることはできないのですか?
細井/原子力発電所から出る放射線については、山も通り抜けられませんし、あまり遠くまで飛びませんから、一般の人が被曝することはほぼないでしょう。
 問題は放出された放射性物質のほうです。これは、体内に取り込まれたり、大気中や土壌に落ちた放射性物質から被曝します。ただ、これもその場所から離れるとか、建物から出ないといった方法で防ぐことはできます。
 放射線は怖いものですが、防護すれば影響は非常に小さくできるものです。この度の事故では、原子力発電所内で作業している人を何人も診ましたが、全面型の防塵マスクを付け、タイベックススーツ(ポリエチレン製の不織布でできた防護服)を着ておけば、放射性物質はほとんど体内には入らず、体内被曝から防護することができます。


・・住民は、全面マスクなどしていませんよね・・・

Q10 /一般的なケガや火傷と放射線による影響は違うのでしょうか。
細井/細胞を傷つけるという意味では同じです。ただし、一般的なケガや火傷は細胞が死ぬだけですが、放射線の場合は細胞が死ぬことに加えDNAを傷つけることが問題です。傷ついたDNA がうまく修復できないまま生き残った場合、それが複製されて癌になる可能性があるため、注意が必要なのです。これまでの調査・研究では、100 _シーベルト以下の被曝では発癌のリスクが上昇することはないと報告されています。

放射性ヨウ素や放射性セシウムは、公害で問題となった水銀(360〜600 倍)、PCB(1,200〜1,000,000 倍)などに比べて食物連鎖による生物濃縮は低い。(一般に5〜数10 倍程度)これは、エサとして体内に取り込んでも特定の臓器に蓄積せず、比較的早く排出されるため。魚体の放射性物質濃度は、海水の濃度とあまりかわらない

・・大嘘ですね。海水の濃度と変わらない。一体何を根拠にしているのでしょうか。

チェルノブイリ事故の際、周辺住民に数日間事故の発生を知らせなかった。このため、一部の住民が放射性物質を大量に吸い込んでしまったという経緯がある。主に子どもに甲状腺癌の増加が確認されているがそれ以外の癌が有意に増加する現象は確認されていない。(細井)
・・チェルノブイリには、ほとんどなんの被害もないそうです。

Q15 /チェルノブイリの事故では甲状腺癌が増えたと言われているが本当ですか。
細井/チェルノブイリの事故後に、子どもの甲状腺癌が増えたという報告があります。これは放射性ヨウ素を大量に吸い込んだことと、付着した草を食べた牛から採った牛乳を飲んだことが原因だとされています。ただし大人の発症はごく少なく、40 歳以上では報告されていません。

何が言いたいのでしょう?子どもに起きたら大きな問題ではないのですか?上関周辺には子どもがいないのでしょうか。

Q16 /今回の福島の事故はチェルノブイリ事故と同じレベル7ですが、同じように癌が増えるのでしょうか。
細井/チェルノブイリでは相当の量が放出されたと言われていますが、それでも甲状腺癌以外の癌が増えたとする明確なデータは示されていません。福島の場合、放出された量はチェルノブイリよりかなり少ないですし、住民はすぐに避難しています。吸い込んだ量もごくわずかですから、1〜2カ月で発症するような急性症状はもちろん、後々の発癌もないだろうと推測しています。


そして、まとめ。
 放射線を正しく恐れ、正しく防護し、安全に使いこなしていく技術を確立していくことが、将来にわたる国民の利益のためにも必要だと思います』

 この言い回しよく出てきます。

次に、横浜の安全パンフレット
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横浜市立大学大学院医学研究科教授(放射線医学)
井上 登美夫 氏

東京大学名誉教授日本学術会議副会長
唐木 英明 氏

のお二人です。

専門家の立場から 〜“正しく恐れる”〜
規制値は、「安全と危険の境界」ではなく、行政が対策を始める(本来は自由な市場に、行政が介入する)目安の値であるはずなのですが、その意味を誤解したり、目に見えず得体の知れない放射線への不安が強かったりしたために今回の騒動が起こったと言えると思います。同じ現象は校庭や公園の放射線でも広がっているようです。関係者が協力して誤解は解き、情報を読み解き、一定の冷静さを保つ努力も必要でしょう。


 個別には、論評しません。上の内容が言いたいことのようです。

 特に、上関未来通信。私はてっきり福島の前につくられたと思ったのですが、内容を見る限り現状を見た上で発言されているようですね。

この資料を作られた方々に次の言葉を贈ります。

ブッダの言葉から
ものごとは心に導かれ、心に仕え、心によって作り出される。もし人が汚れた心で話し、行動するなら、その人には苦しみが付き従う。あたかも車輪が、それを牽く牛の足に従うように。

ものごとは心に導かれ、心に仕え、心によって作り出される。もし人が清らかな心で話し、行動するなら、その人には楽が付き従う。あたかも身体から離れることのない影のように


参考資料
医師会(日医ニュースから)
鼎談 放射能汚染と健康被害
も紹介しておきます。

■関連ブログ
100mSv安全の根拠-原爆の知見を信用しますか?(60万アクセス)2011.8.27
残るか去るかは住民自身が判断しなくてはなりません。-山下俊一2011.8.21
ヨウ素剤は、全国民必携2011.7.19
タグ:P
posted by いんちょう at 15:55| Comment(10) | 原子力
この記事へのコメント
経産省の前でハンストを行っていた若者のひとりが、上関在住だったと思います。(原発問題を知ってわざわざ引っ越したそうです)
その方に連絡を取れれば、資料が入手できるかもしれません。

調べてみました。
HP
http://hungerstrike.jimdo.com/%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%8C%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%92%E3%81%99%E3%82%8B%E7%90%86%E7%94%B1/

の中の金ちゃん(ツイッターhttp://twitter.com/#!/HungryKinchan)です。


Posted by タナ at 2011年09月24日 17:29
先生、こんばんは。

政府、自治体から発行される資料は、以前からあまりためにならないものが多いですが、この二つはためにならないどころか、害になりますね。

どうしてこんな嘘っぱちを平然と言ってのけるのでしょう…
自分や研究室へのどこぞからの研究資金提供がなくなるのが、怖いのでしょうか?
良心を失った科学者達の言葉でも、公的な資料に載るために、疑いも持たずに信じる人は多いです。
特にテレビ、新聞しか見ない年配者はお上の言うことは絶対という人も少なくないです。

国民を騙せば騙すほど、これから健康被害も増え、亡くなる方もたくさん出てくることが、そんなに望ましいことなんでしょうか?
病人ばかりの国では、働く者も減って、税金だって納められなくなります。国自体がどんどん貧乏にもなります。
どうして安心して暮らせる国になるようにと、本当の努力をしないのでしょうね。
こんな資料作って、真実を隠す努力にはお金を掛けますが…


Posted by あきこ。 at 2011年09月24日 18:47
Twitterで質問されてた東電の松本氏の経歴ですが、ちょっと検索して出てくるのはこれくらいでした。記事の日付と当時の肩書きです。たいしてお役に立てなくてスミマセン。
2008/06 原子力品質・安全部グループマネージャー
2010/10 柏崎刈羽原子力発電所品質・安全部長
2011/04 原子力立地副本部長

名前が出てくる一番古い記事はこれです。
http://www.niigata-nippo.co.jp/jyusyou/report/08_01.html
当時45歳とあるので、今は48歳前後ですね。
Posted by きん at 2011年09月24日 19:29
福島市に住んでいます。
福島第1原発から60キロメートル離れている福島市も放射性物質で汚染されています。南東の地区は避難区域ぎりぎりのところもあります。(年間20mSv超)
県内の空間線量を見ると、警戒区域内(1Fから20キロ圏内)で100mSv/年を超えているのは15地点、20キロ圏外で100mSv/年を超えているのは10地点あります。
さらに土壌汚染は広範囲に渡っています。

避難を語るときに、放射線よりも「ストレスによる被害のほうが問題」と言う発言が出てきますが、私の近くにも警戒区域からの避難者が住んでいますので声を聞きますが、放射線が怖いという声は聞きますが、「ストレスがある」と言うのは聞いたことがありません。

福島県外の医療関係者や著名人が勝手に言っていることです。
それよりもからだの弱い人や老人が何ヶ所も避難所を転々したりすれば、疲れから体力がなくなり死亡する人が出るのです。




Posted by 福島市民 at 2011年09月24日 20:11
48歳でしたか・・ちょっとびっくりしました。

部長になるには、ちょっと早いですね。出世頭か??

きんさん ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by いんちょう at 2011年09月24日 20:22
前回はお褒め頂いて大変恐縮でした。いつも興味深い記事をありがとうございます。

「正しい理解」でいつも思うのですが、放射性物質の影響が「確率的影響」である以上、「被曝母数」が大きければ、確率がどう転んでも、福島の事故で人生を曲げられる(疾病死する)方は出現するはずで、「犠牲者が出ないという事自体がありえない」はずです。

にも関わらず、
一方で、放射線の影響確定は、「統計有意差が出る事」であるというのは、学問上仕方ないとは言っても、あまりにハンデがあると思います。

 一個人で見たら、放射線由来で死ぬ確率など微々たる物であることは当たり前で、でも福島の被害者は一定数必ず出ると考えるのが自然な訳で、その一見相反する概念を理解されている方が、非常に少ないのが気にかかります。

政府に至っては、確率=被ばく線量、を下げる、母数=被曝対象者数 を減らす、この2つを半年以上ほぼ放置し続けたことに暗澹たる感が否めません。

被曝宝くじを何百万枚も撒くのは結構ですが、当たった不幸な人を治療するのは、健康保険制度とお医者様の訳で、確率が高くない事は断じて犠牲者が出ないとは別だと言うことを社会が理解して欲しいものだと思い、コメントをさせて頂きました。
Posted by ちょこら at 2011年09月24日 23:52
専門的なお立場からの情報をいつもありがとうございます。千葉県在住の主婦です。3.11以降、半年間出来る限りの注意をしておりましたが、最近息子(21歳)が排便時に出血をするらしく心配しております。切れ痔のような程度の出血量ではなく、鮮血でもないそうです。(比較的多量の出血にも関わらず、普通どおりの元気です。)息子は震災時には茨城県におりましたが、3.14に水戸→南流山→松戸→佐倉の経路で移動しながら帰宅しました。もしかしたら被曝による影響なのかと気になっています。病院に行けば、関連性などわかりますか?
Posted by 草原の風 at 2011年09月26日 02:54
 鮮血ではないということは、肛門周囲ではなく、その奥からの出血の可能性が高いと思います。

出血による貧血の可能性もあり、早急に消化器内科を受診することをおすすめします。血液検査の際に、白血球分画(ぶんかく)まで調べてもらうようにお願いしてください。
http://onodekita.sblo.jp/article/47519322.html

いずれにせよ、出血が続いている状況をほおっていってはいけません。

 また、コメント欄を使ってご報告ください。(このコメント欄に続く形で結構です)
Posted by いんちょう at 2011年09月26日 06:48
上関町長選挙では、推進派が再選をはたしてしまいました。がっかりです。。投票率はとても高いのに、と驚きます。

そしてこんな記事を見つけました。
http://www.asyura2.com/11/senkyo111/msg/468.html

命よりお金をとった選挙ではなかったのかと、疑心暗鬼に感じてしまいます。。。
Posted by タナ at 2011年09月26日 21:41
タナ さん
立地の時に、公明正大にしたところなど1カ所もありませんよ。

福島原発の立地と初期トラブル−資料・回想録から
http://onodekita.sblo.jp/article/47494573.html
Posted by いんちょう at 2011年09月27日 20:35
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