2011年09月27日

次に事故を起こすとしたら、Mark-I ・・欠陥原子炉

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ガンダーセン氏が、福島の事故の3ヶ月くらい前に「次にどこで事故が起こるかはわからないが、Mark-I型の沸騰水原子炉で起きるだろう」と奥さんと話したと出てきます。(すみません、下手な訳です。きちんとした訳が出てきたら差し替えます)
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上記は、建設中の写真・・フラスコ型をしています。上部をDrywell(ドライウエル〉とよび、下部をトーラスと呼びます。完成の図面は、
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これは、GEも欠陥だと認めたためか、その後の設計では Mark-IIと呼ばれる下図のような格納容器に変更しています。(炉心の下にプールがある構造)
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浜岡で採用されている マークI 改 と呼ばれる建屋構造
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申し訳程度に、トーラスに水が入っているのおわかりでしょうか?これでは、圧力抑制プールとしての役目は果たせません。圧力抑制プールは、炉内の蒸気を通過させることによって液体化し、圧力を下げる役割があります。110万kWeという高熱量であるにもかかわらず、このトーラス型圧力抑制プールでは、役不足でしょう。その証拠に110万Kwe級の原発でMark-I型(トーラス型)を採用しているプラントなど、世界中を見ても浜岡以外にはありません。トラブルがあったら、本当に終わりです。(余裕が全くない)
 そういえば、東電の本店時代に、あり得ない設計と思ってましたね。

マークIの格納容器は、炉心の下にプールがないため、今回のようなシビアアクシデントが起きたときには、手の打ちようが無くなります。
今まで大きな原発事故は、
スリーマイル・・・・・加圧水型
チェルノブイリ・・・・RMBK型(ソビエト設計で西側にはない)
福島・・・・・・・・・沸騰水型。
となっており、沸騰水型の原発で大規模な事故が起きたのは、実は初めてなのです。起きて初めて、制御棒が下から挿入されることによる構造的な弱点が明らかになりました。


日本でMark-Iを採用している原発は、下記の通りです。
福島第一原発 1−5号機
島根原発 1号機
敦賀原発 1号機
浜岡原発 1号機(廃炉)
浜岡原発 2号機(廃炉)
浜岡原発 3号機(耐震設計上、トーラス採用)
浜岡原発 4号機(耐震設計上、トーラス採用)

浜岡は、直下型地震が想定される場所に立てられているため、非常に無理な設計となっています。110万Kwの発電で、マークIを採用しているのは、それだけでも許されません。(他にもたくさんの問題点があります)

さて、島根原発の先日流れたトラブル

島根原発:1号機、配管で水漏れ 腐食か、放射能は含まれず /島根
 中国電力は15日、島根原発1号機(松江市)で、使用済み燃料プールの冷却に使うポンプなどを冷やすための海水が炭素鋼製配管(直径60・5ミリ、厚さ3・9ミリ)から漏れていたと発表した。漏れ始めの時期は不明で、毎時100リットル程度が漏れたとみられる。放射性物質は含まれていない。
 原子炉建物内のポンプなどには真水が冷却水に用いられる。温まった冷却水は熱交換器を介し、今回水漏れがあった配管の海水に熱を伝える。海水はその後、海へ放出される。
 中国電によると、13日午後6時半ごろ、社員が海水漏れを発見した。14日午後7時40分ごろ別系統に切り替え、漏れは収まった。配管は02年の定期検査で取り替えたものだった。中国電は「腐食し穴が開いたのではないか」と説明。漏れたのは熱交換器を通った後の海水のため、「冷却効率に影響はない」としている。また、中国電は15日、国へ提出した福島第1原発事故を受けた緊急安全対策に関する報告書で、誤記が2カ所あったと発表した。「対策内容に影響はない」としている。【曽根田和久】
毎日新聞 2011年9月16日 地方版


 海水配管なので、もちろん放射能の漏洩はありません。しかし、このような海水配管は普通は、取り替えません。それが取り替えてから9年足らずで水漏れをおこしている。取り替えた配管ですから、それなりの材質を使っているはずなのにです。何らかの設計上の大きな問題が隠れている気がします。海水配管の引き回しが悪く、変な渦でもできているのではないかと想像します。ホームページを見ても、写真などの公開は全くありません。(しかも非常にわかりにくい)

そして、敦賀1号機・・こちらはもっと問題です。
2011092723.jpg
過酷事故は起こりえないほど低いと勝手に評価して、東電が福島で設置したベント配管をつけていないのです。しかも、この発電所の廃炉が2016年とあと5年程度しかないにもかかわらず、あわてて設置しようとしている。・・このような発電所に追加のカネを使うことは単なる無駄金ではないのでしょうか。そんなことをしている余裕が今の日本にあるのでしょうか。

 上記で掲げたマークI型の原発の廃炉を求めます。再稼働させてはなりません。
(追記)
 ベント配管をつけたからといって、安全性が向上するわけではありません。無いよりましといった程度で、実際のところ何の役にも立たないことは、福島原発災害で証明されています。

の8分頃に上原氏が、格納容器ベントはもともと無かったと指摘しています。私が東電にいた1993年-1995年頃に、『爆発するくらいなら、(被害が大きすぎるので)放射能ガスをまいた方がまし』という議論が出ていました。このブログをどうぞ。

■関連ブログ
東電を辞めた理由(1)・・格納容器2011.7.23
原発事故を台所で考えてみる・・2011.8.19
1-3号機メルトダウン報道について2011.5.25
1号機メルトダウン−私的収拾案・おすすめ2011.5.14
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posted by いんちょう at 23:26| Comment(3) | 原子力
この記事へのコメント
東電の実施したベントで多量の放射性物質が放出されてます。フランスの原発ではベント配管の途中にはサンドフィルターが設置され環境への放出を抑えているそうです。外国のメディアにこの点をつかれて東電はサプレッションプールでウェットベントするので水に捕捉されると回答してます。非凝縮性の放射性ガスは水の中を通っても凝縮しません。なぜ活性炭等のフィルターを使わないのでしょうか。院長先生の在社時、議論はなかったのですか。
Posted by 本多敏治 at 2011年09月28日 07:53
度々すみません。
和訳につきましてはJUNBROKE氏のブログに掲載されていました。
http://junebloke.blog.fc2.com/blog-entry-46.html

私もブログで引用しています。
重要なポイントは以下の2点
1)沸騰水型は、底から燃料棒を挿入するので、メルトスルーしやすい
2)当初水素爆発は考えられていなかったので、後付ベンドがあるが不完全な物である。

引用1
マギーと私は歩いているとき、マギーが言いました。「私たちはこれまで多くの専門的な報告書を作成して、たくさんの問題を発見してきたじゃない。」そして彼女は尋ねました。「次に事故を起こすとしたらどこだと思う?」
私は、どこかは分からないけど、それはマーク1沸騰水型の格納容器になるだろう、と答えました。そうです、福島原発の原子炉はマーク1型の格納容器でした。この沸騰水型格納容器の写真は、70年代に撮影されたものです。これは福島原発の原子炉と同じもの=掲載の写真です。これを案内させてください。引用終

浜岡は福島の双子みたいな物(MARK1、海底地形)と思っています。最近も東大の発表で浜岡での津波の巨大化が指摘されていますので・・・
http://mainichi.jp/select/science/news/20110926ddm001040055000c.html
Posted by ちょこら at 2011年09月28日 10:04
地震波には初期微動P波と遅れてくる本震のS波があります。制御棒を挿入するスクラムはS波を検知して作動します。巨大地震の場合、振動が始まってからではスクラムに失敗する可能性があります。新幹線はP波を検知して列車を停止するシステムになっています。原子炉でもP波で停止するよう変更すべきです。

日本の原子炉の設計変更は全て米国の後追いで、自分達の頭で考え実行する意思が皆無です。車もエレクトロニクスでも欧米の模倣から始まり改良して本家を追い抜いたのに原子力ではこの成功パターンがみられません。電力事業に企業間競争がないのに加え、政府の過剰介入が技術の進歩を阻んだと思われます。
Posted by 本多敏治 at 2011年09月28日 14:42
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