2011年10月04日

二つに割れてしまったイチョウの葉

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 奇形動植物については、8月にまとめています。その後も報告が続きますので、ちょこちょこ追加して充実してきました。悲しいことですが。
 このように今まで見たことのない奇形を見ますと、かならず心配ない、放射能のせいではないとコメントがつきますが、なぜ簡単にそういいきれるのか大変不思議です。そして、そのような言い方をするのは、自称専門家と言っている人たちなのです。まるで、放射能の影響でないと言うことを職業とでもしているかのようです。

 非常にわかりやすい、イチョウの奇形を紹介します。東京都杉並区 2011.5.5
2011100401.jpg
イチョウの若葉の奇形。葉の中央に深い切れ目が入り、蝶の羽のように見える。画面左上あたりに正常な葉。

 このイチョウの葉の切れ込みについて、コメント欄で次の情報を教えてもらいました
(私のブログに対して、本文よりも高度なコメントを寄せていただくことがよくあります)

22412 先祖返りを起こすイチョウの葉 暁 2005/10/28 AM 10:06

普通のイチョウの葉というのは、中央端に少し切れ込みがある(または切れ込みのない)扇形をしていますね。
ところが、事故に遭っったり、枝を切られたり、ひこばえをしているイチョウの枝の葉をよく見てみると、ヘラジカの角のような切れこみがいくつも入ったいびつな形をしています。
図鑑や博物館でイチョウの葉の化石を見ると、このヘラジカの角のような葉ととてもよく似ています。
イチョウは一族一種の植物で、ほかに仲間にあたる植物を持ちません。
そのため、太古の昔から独自の進化を遂げてきました。
なぜこのようにダメージを受けた葉が先祖がえりを起こすのか。
これを教えてくれた薬学部の先生は「イチョウの葉のもともとの形は、ヘラジカの角のような形が基本であるが、現在は発生途中でアポトーシスなどにより、細胞が壊死を起こしてこの形に変えていくプロセスが新たに作られているのだと思う。
しかし、ダメージを受けて、早急に葉をつけなければならなくなった場合には、このプロセスを排除して葉が形成されるため、先祖がえりが引き起こされると考えられる」
と話してくれましたが、実際のところ、本当の理由というのは解明されていないそうです。
[考察してみよう]
薬学部の先生の話では、現在のイチョウは昔のイチョウと違って
・切れ込みが少なくなっている
・一枚あたりの葉の面積が小さくなっている
のだそうです。なぜイチョウはこのような進化を選んだのか、自分なりの仮説を立ててみよう!

[やってみよう]
・先祖がえりをおこした葉と、普通の葉を押し花にして比べてみよう。
ミニ研究、まんぼうさんの『もみじの簡単コーティング』を使うのもおすすめ。
・先祖がえりを起こした葉と、博物館の化石、図鑑の写真などで昔の葉を比較してみよう。

[こんなところにあるよ!]
・事故に遭った木
・枝を切られた木
・ひこばえの枝
・枝の先の葉


 あまり気にとめてはいなかったのですが、先日医院の庭にあるイチョウの木を見て愕然としました。
熊本市 2011.9.29
2011100402.jpg

2つどころか、4つに分かれている葉まであります。明らかに奇形です。

茨城県常陸太田市 2011.10.1 ミヨミヨミミポさん提供
2011100403.jpg
これも4つ、あるいはそれ以上に割れています。

東京都港区 2011.10.6
2011100504.jpg

東京都台東区 2011.10.6
2011100507.jpg

東京 立川市 2011.10.6 Megumiさん提供
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群馬県群馬県伊勢崎市 2011.10.6 satuduatigaさん提供
2111101004.jpg

東京都青梅市 2011.10.6 Kinaさん提供
2011100511.jpg

新潟県西部 2011.10.6 新潟県民 さん提供
2011100508.jpg2011100509.jpg

神戸市 2011.10.2
2011100505.jpg

大分 2011.10.5 (雌の木は、奇形があまり見られないと報告あり) lupettabluさん提供
2011100506.jpg

京都市左京区 2011.10.5
2011102311.jpg

通常のイチョウの葉(だんだん自信が無くなります)自然ウォッチング2008.4.27
2011100405.jpg

ご自宅の近くはいかがですか?

inspiron@onodekita.com まで 撮影日、場所(市町村あるいは、県)を送っていただけますと幸いです。

■関連ブログ
白い彼岸花と曲がったタンポポ 2011.9.26
奇形動植物のまとめ2011.8.7
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posted by いんちょう at 21:32| Comment(5) | 原子力
この記事へのコメント
先生こんにちは。
昨日、一時的に帰って来ました。

イチョウ…神宮外苑のイチョウ並木は有名ですが、ひとつひとつの木は、悲しいほど美しくないです。
銀杏城(熊本城)のイチョウ達を見慣れていると、本当に精気のない葉っぱだなと去年行った時に思いました。
そして、いろんな形の葉っぱがあって、品種が違うのかと思いました。
この記事を読んで、納得できます。
大気汚染は今に始まったことじゃないから、すでに先祖返りしたものもあるのですね。
千葉ではピンクのバッタが見つかったり、ねずみの尻尾や足の奇形があるのも出てますね。
小さな生物から影響は早く出ているようです。
弟の友達で8月に急に体調が悪くなり検査に行ったら、悪性リンパ腫ステージ1だったそうです。
前月までサーフィンして元気いっぱいに遊んでいたとか…千葉あたりではしょっちゅうしてたそうです。
大平洋でのサーフィンや海水浴は危ないなと思っていたので、まさか?と思ってしまいました。
因果関係は分かりませんが、暗い気持ちになりました。
Posted by あきこ。 at 2011年10月05日 10:18
昨日10/4の夕方、NHK長崎でピンク色のバッタを小学生が捕まえたニュースがありました。
複数ではなく、たった1匹ですが。
Posted by 長崎市民 at 2011年10月05日 13:54
いつも拝見しております。
銀杏はチェックしてませんでしたが、「千葉県(総武線より海寄り)ではとにかく紅葉の時期でもないのに茶色い枯れた葉を見せた木が余りに多い、今までなかった、9月からこうなんだ」と、登山好きで自然派の上司が嘆いていました。
そう言われて気にしてみると、私の住む東京西部と勤務先のある千葉では葉の色が大違いなのです。
おのずとチェルノブイリの赤い森が思い起こされ、とても気になり始めております。
Posted by でぶ和尚 at 2011年10月05日 22:51
埼玉南部ですが散歩に行く公園のイチョウを確認して
見た所、1m以上上に有る葉っぱは切れ込みが殆ど無く
地表近くから出て来ている葉っぱの多くに切れ込みが
有る事が判りました。
Posted by ichibey at 2011年10月06日 21:43
定年退職後の素人ですが、イチョウ葉の異形葉に関する観察を続けております。イチョウの異形葉がどのように認識されているのかを知りたくて「イチョウ 葉 形」で検索し御ブログに出会いました。 イチョウの葉が2つ、4つに分かれるのは奇形ではなく、植物の異形葉性で説明が付きます。 事実が分かれば「気味の悪さ」が減少し、イチョウ葉の変化に安堵感が得られるだろうと思い、コメントさせて頂きました。 同様の変化はカクレミノ、クワ、シラカバ、ユリノキなどで確認しております。私のHPの「樹と木のお話」の「異形葉」中に詳細を記しております。 ご意見等を頂ければ幸いです。
Posted by PAPYRUS at 2017年10月29日 14:44
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