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新聞を見ますと、やれセシウムだ、キセノンだ、ストロンチウムだ、と聞いたこともない元素の名前が飛び交っています。今回は、これらの核分裂生成物について、すこし説明いたします。
核分裂とは、ウラン−235に中性子があたって、2つの原子に分かれる反応です。この分裂の際にごくわずかな質量欠損が起き、その質量欠損に応じて、エネルギーが放出されます。

E=Δmc2 (c:光速)
質量欠損はごくわずかですが、これに光速の2乗がかかってきますので、非常に莫大なエネルギーとなります。それを一挙に放出するように設計されたのが原爆。徐々に放出するように設計されたのが原発。なのです。すなわち、エネルギーの取り出し方も、できるものも全く同じなのです。(目的が違うだけ・・・今では同じようにしか見えませんが、私には)
さて、この核分裂生成物。ウランにあたる中性子のスピードや角度で変わるのでしょうか(詳しくは知りません)、何か決められた物質ができるのではなく、確率的に様々な物質が産生されます。

まんべんなく、いろいろな重さの核種が出てきます。
周期表ではこんな感じ

すべての核分裂生成物は、非常に不安定で、放射能を持ち、放射線を出しながら改変し、長い年月をかけて、安定元素に変化していきます。

Sn(スズ)->Sb->Te->I-131 ->Xe -> Xe131
と壊変していきます。つまり、ヨウ素131は半減期でただちに放射能がなくなるわけではなく、さらにmXe と変化し、ガンマー線を出して、ようやく安定希ガスに変化します。
それは、セシウムもポストさんてんいちいち日記から

ストロンチウムも

人工的に壊した原子核は、そう簡単には安定化してくれないのです。
■関連ブログ
原子力発電入門(6)放射能と放射線2011年08月11日
原子力発電入門(8)−核分裂生成物の半減期と病気2011年08月15日
タグ:放射能
有難うございます。
深くなっていく記述に尊敬の念をいだいております。
私の幼なじみが長崎市内で開業医をして近所なので、よく話をします。
3月以降、たまに放射能について話題を振っていますが最近は「またか(ニガ笑」という反応です。
彼がここを見ていたら不味い(冷や汗)ので詳しくは書けませんが、
内部被曝についても不勉強なのか、例えば車に興味が無い人と車の話をする様な有様で、
つくづく先生の有り難さを感じています。
(追伸)
長崎大学リレー講座というものがあり(長崎大学HP参照)、東日本大震災をテーマにディスカッションがあります。
情報があればこちらに報告申し上げます。
何も出来ない無力感の中、ささやかながら出来る事がありました。
一筆入れることで福島の子供を避難させられるかもしれません。福島のお母さん達へのせめてものバックアップです。残り時間があとわずかです。
http://www.avaaz.org/jp/save_the_fukushima_children_1/?fgeUicb&p=31
院長先生フォロワーの皆様のお力添えを何卒宜しくお願い致します。