2011年11月13日

冷温停止の定義と現状分析

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 東日本女子駅伝は、執り行われてしまいました。この駅伝に参加した選手は、全部で二〇〇名近く。放射能被ばくで責任を取れる人など誰もいないはずですが。

東日本大震災:福島第1原発事故 「冷温停止」目標前倒し 見えぬ判断基準
 東京電力福島第1原発事故について、政府と東電は17日に発表した改定工程表で、原子炉の「冷温停止状態」の達成時期を年内に前倒しする方針を盛り込んだ。しかし、原子炉の圧力容器底部の温度だけで「冷温停止」を判断できるかはあいまいなまま。放射性物質の放出量評価についても「暫定値」だけで、「達成」を明言するにはより精度の高いデータが求められる。さらに、収束の最終目標である避難区域解除についても方向性を示せず、「冷温停止」後の展望も示せなかった。【比嘉洋、中西拓司】
 政府の国会答弁によると、第1原発の「冷温停止状態」の定義は主に(1)圧力容器底部温度が100度未満(2)原子炉からの放射性物質の管理・抑制(3)放射性汚染水を原子炉の冷却水に再利用する「循環注水冷却システム」の安定運転の維持−−の3点だ。
 圧力容器底部の温度は今月1日以降、炉心溶融した1〜3号機のすべてで100度未満を維持し、これが「年内前倒し」の根拠となった。ただ、溶融燃料が圧力容器から格納容器へ落ちているとみられ、圧力容器底部の温度だけで炉心内の状況を判断するのは困難だ。

 東電が17日に発表した原子炉安定化の実施計画によると、格納容器に落ちた溶融燃料は最高で150度程度と推定している。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「上部からの注水で十分冷却できており問題ない」と説明したが、経済産業省原子力安全・保安院の山形浩史統括管理官は「これからその妥当性を検討する」と述べるにとどめた。
 改定工程表で示された各号機の放射性物質の放出量は、1号機毎時約0・4億ベクレル▽2号機同約0・1億ベクレル▽3号機同約0・4億ベクレル−−で、事故直後(3月15日時点)の約800万分の1に相当する同約1億ベクレルになったとしている。しかし、測定が遅れている3号機の放出量について、保安院は「暫定値に過ぎない」としており、年内までに再測定したうえで、敷地境界の年間被ばく線量が法令基準(年1ミリシーベルト未満)を達成しているか判断する方針だ。
 冷温停止達成後の避難区域の解除について、内閣府の園田康博政務官は会見で「工程表の進捗(しんちょく)状況次第で、徐々に検討が始まるのではないか」と述べた。しかし「検討」の具体的時期などについては明言を避けた。
毎日新聞 2011年10月18日 東京朝刊

2011111303.jpg

 原子炉底が100℃以下。本当にこれでいいのでしょうか。フクシマ1号機で何が起きたかについて、NHK教育テレビが非常によい分析をしていますので、こちらに紹介します。




 NHK報道関係の内容と全く異なり、ただしいことを言っていると私には思えます。

大きさを見るのによい画像が1番目の動画にありました。
2011111301.jpg
真ん中ひだりに、人がいます。原子炉はこのくらいおおきいのです。

 そして、2番目の動画から
2011111302.jpg
 このメルトスルーになったのが、3月11日の午後9時21分 約85%の燃料が溶け落ちたとシミュレーションされています。原子炉内にほとんど燃料が残っていないという解析結果が出ているにもかかわらず、なぜ冷温停止の条件が原子炉底の温度になるのでしょうか。

 また、本日の日テレの解説で、燃料集合体はもはやメルトダウンしており、「小籠包」のように外側の温度が低くても内部音が高い可能性がある。原子炉底の温度で判断するのは危険だ と述べていました。

 すこし考えれば分かることだと思います。なぜ、素人が考えるようなことが政府の発表として表に出てくるのでしょうか。非常に疑問です。また、マスコミも論評もなしで政府・東電の発表のママ掲載するのでしょうか。

第一原発廃炉までに30年超 原子力委、初の工程案から
2011111304.jpg
 この図を見ても、原子炉内に燃料はないことが前提です。

一体何のための定義なのでしょうか。

■関連ブログ
キセノン-133,135検出の意味−核分裂2011年11月04日
福島原発の現在の状況と問題点2011年10月22日
広範囲でヨウ素検出-原発再臨界?2011年09月17日
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posted by いんちょう at 18:12| Comment(5) | 原子力
この記事へのコメント
数々のご発言、本当にありがとうございます。 北海道札幌市ですが、こちらでもマイコきている状況です!!
私は耳鼻咽喉科に勤務している47才女子(爆)でございます。
とりあえず、ご報告まで(= =)
Posted by narutan0505 at 2011年11月13日 19:41
ブログの内容ではなく院長先生のツイッターに関連しての書き込みですので、この書き込みは、ブログに反映していただかなくて構いません。

いつも精力的な院長先生のご活動に、頭の下がる思いです。大変勉強させていただいております。それから工作員への「呪いの言葉」が昔見た戦隊モノを思いだし、ツボにハマっております。言葉を投げかけられたショッカー達も、気が気ではないでしょうね(笑)。

院長先生の「4号機があんなにぼろぼろになる理由が未だに分かりません。」というツイートを拝見しまして、ネットで見つけた以下のブログの情報が何か関連しているのだろうか?と感じました。

フクイチ4号機ミステリー
http://hatajinan.blog61.fc2.com/blog-entry-340.html
Posted by gavan at 2011年11月13日 21:11
いつも勇気づけられています。
東京のyomogiです。

もしまだお読みになっておられなければ是非
『チェルノブイリの祈り』をお読みください。

女性にはあまり薦めたくないです。
でも知っておく必要があるとも考えます。
Posted by yomogi at 2011年11月14日 11:36
院長先生
たびたびyomogiです。

ご存知かもしれませんが、ドイツ緑の党の方と
福島に入った方の紹介などあすブログです。
長いですが、未読でしたらぜひ。

http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/6f44ef5804a680e50ee9451fe1943ea9
Posted by yomogi at 2011年11月15日 10:12
4号機のミステリーですが、ちょっと違いますね。シュラウド取り替え工事中は水中作業で炉内構造物を撤去し、気中作業でシュラウドの取り付け溶接作業を実施します。従って、炉内に燃料は残っていません。全て燃料プールに移動.保管されています。DSプールでは撤去した旧シュラウドの切断処理及びドライヤー、セパレーターの仮置きエリアになっています。 因みに私は3号機のシュラウド取り替え工事を担当した経験が有ります。その時の計画線量は25ミリシーベルトだったと記憶しています。実際工事の最後の時期は線量が持たないので現場でアラームを外して作業をしていましたので実際はいくら線量を食ったのか不明です。
Posted by kintaro at 2011年11月16日 01:33
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