2011年12月13日

満身創痍の仏アレバ−原因はフクシマだけ?

仏アレバは、原子力産業界では、世界一の総合大企業です。原発事故当初に訪日した アトミック アン(アン ロヴェルジョン)
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颯爽としたブロンド美人が、海江田産業相と握手をしていたのをご記憶の方も多いでしょう。

原発の仏アレバのCEO交代へ2011年 6月 17日 8:53 JST
 【パリ】フランスのフィヨン首相は16日、同国の原子力大手アレバ社の最高経営責任者(CEO)交代を発表した。原子力発電所をめぐる逆風が強まる中で、最も著名な原発推進論者の1人であるアンヌ・ロベルジョンCEOが退任し、リュク・ウルセル副CEOが後任となる。
 同首相は声明で、ロベルジョン氏がアレバを原発業界の「世界のリーダー」に押し上げたと称賛。その上で、CEO交代は同社トップの「刷新」が必要だったためだとしている。仏政府はアレバ株式の93%を保有している。
 ロベルジョン氏は、政府に続投を認めさせようとテレビ、ラジオなどのメディアで訴えていた。ただ、アレバを総合原発企業に育て上げた同氏はしばしばサルコジ大統領と衝突していた。同氏からのコメントは得られていない。同社はコメントを拒否した。
 同氏は最も有名な原発推進論者の1人として国際的に知られている。しかし、業界筋によれば、原発建設の予算超過、注目されたアブダビ原発の契約を取れなかったこと、さらにはフランスの公益事業会社首脳らとの衝突などが災いして、CEOとしての続投が認められなかったという。
 16日のパリ市場の同社株は、CEO交代のニュースで一時下落したあと反発、前日比0.36ユーロ高の26.40ユーロで終わった。
 原発業界は、福島原発の事故で困難な状況に置かれている。事故発生後、ロベルジョン氏はしばしば日本を訪れ、テレビにも出て原発の必要性を訴えた。
 ウルセル氏はロベルジョン氏の招きで2007年にアレバ入りした。ロベルジョン氏同様に鉱山技師である同氏はそれ以前は、電気機器メーカー、シュネデール・エレクトリックと物流のジオディスに勤務したことがある。アレバでは原子炉事業を担当し、今年1月、マーケティング・国際事業担当の副CEOに就任した。


 日本で売り込みに成功したにもかかわらず、なぜ解任されるのでしょう。なにやらきな臭いにおいがします。そして、マルクールの事故世界中どこをとってみても、核をコントロールできた企業などありはしません。

そして、本日のニュース
仏アレバ株が取引停止、多額の損失計上と人員削減を発表か
【12月12日 AFP】フランス・パリ(Paris)の証券取引所を運営するNYSEユーロネクスト(NYSE Euronext)は12日、仏原子力大手アレバ(Areva)が取引開始直前に行った要請を受け、同日の同社株の取引を停止した。
 アレバは12日中に多額の損失計上と人員削減計画を明らかにするとともに、国際事業の再建に向けた経営戦略を発表するとみられる。
 エリック・ベッソン(Eric Besson)仏産業・エネルギー・デジタル経済担当相は前日の11日、「今週アレバは損失を発表する。かなりの額になる可能性が高い」と発言していた。報道によれば、アレバは多額の特別損失を計上する予定で、結果として10年ぶりの赤字に転落する見通しだ。
 アレバは原発分野で世界をリードする企業だが、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所事故を受けてドイツなど一部の国で脱原発への転換が起きたことから、原発業界の今後の見通しは陰りをみせていた。
 消息筋は前月AFPに対し、アレバは2015年までに人員を2700人以上、投資額を40%削減して年7億5000万ユーロ(約780億円)以上の経費節減を行う予定だと語っていた。
この報道に対し、アレバとアレバ株の大半を保有するフランス政府は、人員削減の大半は2022年末までに原発を全廃することを決めたドイツでの事業になる可能性が高く、フランス国内の雇用が失われることはないと述べていた。(c)AFP

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NHKのニュース
仏アレバ 原発事故で決算損失計上
12月13日 6時1分
世界最大級の原子力企業、フランスのアレバは、12日、東京電力福島第一原子力発電所の事故などを受けて、原子力事業に影響が出て、2011年の最終損失が最大で日本円で1600億円余りに上る見通しであることを明らかにしました。
フランスのアレバは、原子炉の開発から使用済み核燃料の再処理まで、原子力事業を幅広く行う世界で最大規模の原子力企業です。12日、アレバが行った発表によりますと、2011年の最終損失が最大で16億ユーロ=1600億円余りに上る見通しを明らかにしました。その要因としてアレバは、福島第一原発の事故を受けて世界的に反原発の機運が高まるなかで、原子力事業に影響が出ているほか、フィンランドに建設中の最新鋭の原発「ヨーロッパ加圧水型原子炉」の工期が遅れ、建設費用が当初の予定に比べ大幅に増えたことなどを挙げています。フランスでは11日から12日にかけて、アレバが大幅な人員削減を実施する計画であると複数のメディアが伝え、アレバ側が自社の株価の急落をおそれて証券取引所に取り引きを停止するよう要請する一幕もありましたが、結局この日の発表では、人員削減については一切触れられませんでした。


随分前になりますが、「選択」7月号が アトミック・アンの解任について記事にしていました。
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 世界の原子力業界の最大手「アレバ」が6月、アンヌ・ロベルジョン社長兼CEOの解任という激震に襲われた
(中略)
 世界の原発ビジネスでも、全過程にかかわる総合企業は、アレバだけだ。福島原発事故に関して、ロベルジョン氏が「何でもできる」と胸を張ったように、事故対策も含めたあらゆる業務に関与できるのがアレバの強みだった。
 そんなカリスマ社長を、なぜ仏政府は切ったのか
 米原子力業界筋は、「フランス型核ビジネスモデルの完全な行き詰まり」を最大の原因に挙げる「アレバは創設から8年を経た09年でも、60億ユーロを超える累積債務をかかえていた。フランス政府が9割の株式を保有するのに、社債の格付はトリプルB程度。要するに、儲からない会社だ」と米人業界記者は喝破する。ロベルジョン氏が日本で見せた派手な立ち回りの陰で、会社は深刻な業績不振に喘いでいたのだ。
(中略)
 ウラン供給から核燃料再処理までの一貫サービスと第3世代原子炉EPR開発がその柱だった。
ところが、EPRは国外では、フィンランドに一基、中国に二基の契約を得ただけ。フィンランド・オルキルオト原発のEPR(05年着工)は、現時点で既に工期が4年も遅れ、稼働は当初予定の09年から13年までずれ込んだ。経費は5割増し以上になり09年に5億5千万ユーロ、10年に4億ユーロと連続して年間経常利益を上回る巨額の追加経費を計上した。稼ぎ頭どころか、完全な金食い虫なのだ。
(中略)
「EPRを共同開発するシーメンスのお膝元、ドイツでも脱原発が決まっており、『第3世代原発は本当にできるのか』という悲観論が強まっている」と、在仏邦人記者。フランスの原子力村にかかる暗雲は、社長交代くらいではとうてい吹き払えそうもない。


 フランスのトップ原子力企業の足下が揺らいでいます。この記事を見ますと、フクシマの影響はごく一部であり、それ以外に根深い問題があることを想像させます。マルクールの事故も結局その後うやむや。一部報道では、亡くなられた作業員が鉛の棺に入れられたという噂さえあります。本当か嘘かはわかりませんが、原子力産業の内部は、一般報道からはうかがい知ることができません。とにかく流れてくる報道をつなげる。そして、全体を類推していく。それしかないと思います。幸い、国営企業のところはごく僅か。資本主義の点数をつけるマーケットはどの国ももっています。

ウエスチングハウスを買収した東芝。ロビー活動米国への輸出も好調のようですが、東芝の一人勝ちを許してくれるでしょうか。

■関連ブログ
仏南部マルクールの放射性廃棄物処理施設で爆発事故(閲覧注意・・JCO全身やけど写真あり)2011年09月13日
タグ:O
posted by いんちょう at 16:24| Comment(2) | 日記
この記事へのコメント

結局 フクイチでアレバ社は役に立たなかったんでしょ、ストロンチウムやプルトニウムは除去できず そのまま海に流れ込んでる と書いてあるのを見たような気がする。

サルコジって顔からしてケチな詐欺師みたいで嫌い。カーラは あの男のどこにホレたんだろう?謎だ。

Posted by tottoko at 2011年12月13日 18:14
これからウエスチングハウスもGEも合法的に責任を回避しますね。
日本の株主会社にすべてを押し付けて逃げるのでしょう。
原発海外進出などとうつつを抜かしていると泣きを見るのは明らかなようです。
原発被災国になっても日本は無知な危機管理能力だと利用されてます。
Posted by 花の癒し at 2011年12月13日 23:13
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