東京電力福島第一原発事故で被曝(ひばく)した恐れがある母親から生まれた子どもの健康調査を検討している環境省は、対象者について、当初想定していた福島市など14市町村の母子7千組から、福島県全体の2万5千組に増やす方針を決めた。来年度から調査する方針だ。
この調査は、全国約10万組の母子を対象に、今年1月から始まっている化学物質の健康影響調査(エコチル調査)の一環として実施する。原発事故後に、子どもの健康を不安視する声が高まったために追加した。
母親の同意を条件とし、子どもが13歳になるまで追跡する。母親の被曝量と、子どもの先天異常やアレルギーなど様々な疾患との関連について調べる
公式には、環境省は放射能被ばくを認めていないとばかり思っていたので、この記事には正直驚きました。妊婦を被曝させてしまったことを環境省が認めているのです。なぜ、避難させないのでしょうか。調査だけをすると言うのは、かつて敗戦国日本に対して、米国がやったABCCと同じにしか私には思えないのですが・・
では、被曝した場合にはどのような症状が出るのでしょうか。次の3つの本を紹介します。
ヒロシマ日記から p.236
30名ばかり問診、視診しているうちに新しい型の患者が四,五名あった。被爆直後自覚症状がほとんど無く、その後引き続き平常通り仕事をしていた者が、8月末から9月になって全身倦怠、食欲不振を訴え、出血斑が現れ、髪の毛が薄くなり、軽い口内炎を起こして受診。現在の症状は今までよく見た出血斑の出現、脱毛、発熱、口内炎と矢継ぎ早に現れ、僅か2,3日の経緯で重篤なる状態に陥った患者の症状によく似ている。ただ経過が緩慢なだけだ。急性経過をとって死亡した患者はおおむね爆心千メートル以上離れたところで被曝した者だ。
黒い雨からp.299
病人は痛々しくやせ細り、かさかさの唇は皮膚と同じく蒼白で爪は土色である
「口をあけてごらん」
といってあけさせると、門歯はいつの間にかかけて無くなっているが根はのこっている。数日前までは、ぐらぐらと根ごと揺れていたにもかかわらず、中途からぽろりと折れたらしい。腫れた歯茎からは絶えず血がにじみ出て、ホウ酸でうがいしたぐらいでは血が止まらない。口をつぐんでしばらくすると、唇の合わせ目に赤い糸のような細い筋が浮いている
お尻にまた新しい腫れ物が二つ増え、それが隣り合って瓢型にはびこりかけている。今までの6つのふるい腫れ物はみんな切開手術され、しかし傷口が治癒しないで肉が盛り上がってスイカが破れたようになっている。その周囲の皮膚は赤黒く腐臭を帯びている。
少女14歳の被曝体験記 p.139
被曝前は「記憶力の優れた子」であった私が、あの日以来すっかり惚けてしまったようなのである。
私は記憶力が薄らいだだけでなく、毎日の生活にも常に浮遊感がつきまとい、ともすれば意識を失いかけるのであった。また幼い時から病弱だった私は、よく口唇炎ができていたが、それが極度に悪化して、まともに食事ができない状態になってきた。話すことも不自由で、たとえば「まみむめも」など上下の唇を触れて発言することができなかった。(中略)病名がわかったのは、私が24歳の時であった。エリテマトーデスという難病である。・・略・・
あと一つの原爆症状は、原爆白内障である。
昭和22年、逓信省に就職した私は、職員健診の際、白内障を告げられた。
(父)長年、悪性貧血と皮膚の紫斑に悩まされた。指で押したほどの紫斑があちこちに芦原れた。数日たって消えると、次のものが現れてくる。「これはピカの影響じゃ」と父は早くから言っていたが、特に痛みもなく、医者に行くゆとりもなかった。
母の後遺症は内臓のあちこちに現れた。38歳で被曝した母は、四〇歳代で総入れ歯になった。急性の歯槽膿漏で、一日に数本ずつの歯を抜いて帰宅する母は、まるで幽霊のようだった。
(中略)
入れ歯のあとは子宮筋腫かガンによる子宮摘出。数年後、胃がんにかかり、十二指腸、胆嚢ともに摘出。糖尿病、心臓病(数年前にペースメーカーを入れる)白内障と続いた。
晩年の母は全身に故障がでたが、中でも眼が痛み、見えにくくなったのが一番つらそうだった。眼底出血のあった片目はほとんど視力を失っていたようだが、両眼とも眼球に無数のひびが入っていて、なぜこうなったのかと医師も不思議そうであった。また眼球が乾くために三〇分ごとの点眼をした。
被ばく者を直接見て診断した医師はほとんどいません。こういった本を読んで、被曝症状はどういうものかを勉強する必要があるでしょう。最後に、肥田医師が今年の5月に保険医新聞で話された内容をアップしておきます。

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【視聴注意・動画:世界は恐怖する 死の灰の正体】原水爆実験後の日本1957. 原爆被爆者の異常出産 enzai.9-11.jp/?p=9665
たまたま以下ブログを見ました。
福島のかたで、相当ひどいです。
http://blogs.yahoo.co.jp/kmasa924
ブログの被曝症状、全身に鳥肌が立ちまた。何回読んでも、怖ろしいです。
私も、徐々にその世界に近づきつつある。と自覚して、今後の生活します。
三冊共、きちんと、読んでみます。