安住財務大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う放射性物質の除染作業などを視察するため、福島県広野町を訪れ、住民の帰還のため、できるだけ迅速に除染を行う必要があるとして、予算措置などの支援策を講じる考えを示しました。
安住財務大臣は、就任後初めて福島県を訪れ、原発の事故以来、大多数の住民が町の外に避難している広野町で、放射性物質を取り除くための除染作業の様子を視察しました。そして、安住大臣は、広野町の山田基星町長と会談し、山田町長が、ことし4月にも住民の帰還を呼びかけたいとして、国として迅速に除染を進めることや、財政面での支援を求めたのに対し、安住大臣は、できるかぎりの支援を行いたいという考えを示しました。会談のあと安住大臣は、記者団に対し、「広野町で住民の皆さんが帰ってこられる環境を作ることができれば大きな起爆剤になると思うので、除染作業のスピードアップを図る体制を作っていきたい。予算面だけでなく、人手の手配など、国が後押しできることがあれば行っていきたい」と述べ、予算措置などの支援策を講じる考えを示しました。
原発事故の収束すらまだなのに、除染を先に言う。これは、火山が噴火しているのに、車の洗車を早くやりましょうと言っているようなものです。何の意味もありません。除染が困難な理由については、既に紹介していますが、大きく2つあります。
1・・セシウムの反応性の高さ
放射性セシウムの恐怖 前編『除去を諦めたロシア』 から
チェルノブイリ原発事故では大量の放射性セシウムを含む放射能が飛散した。放射性セシウムは非常に反応しやすい物質で、常に他の元素と結合した状態で発見されている。IAEAが行った環境影響調査結果では、「屋根材やコンクリートにも容易に結合している」と報告がされている。
2・・セシウム濃度の低さ
ベクレル・質量換算から
Cs-137 質量数 137 半減期 30年
崩壊定数(sec-1): 7.33e-10
崩壊定数(day-1): 6.33e-5
崩壊定数(year-1): 2.31e-2
1g 当たり放射能(Bq): 3.22e+12
1Bq 当たり質量(g): 3.11e-13
チェルノブイリ 強制避難エリア(148万Bq/m2)基準で考えてみましょう。
148万Bq/m2 = 148 0000 x 3.11 x e -13 = 0.00000046 g = 0.46μg /m2
食卓塩1粒 = 0.1mg = 100μg
セシウムと食塩では質量数が違いますがまあ、細かい話は置いておいて、
・塩 1粒を 1リットルの水に溶かして、その塩水10ccを 1m2に散布
それを除染するのに等しい(それよりもはるかに難しいのは、反応の強さを見れば分かります。)労力がかかります。
以上2つが米ソをはじめとする核大国が、放射能除染をあきらめた理由です。
翻って日本ではどうでしょうか。
福島県伊達市
『住民の方はそんな格好してませんので。環境省、厚労省はマスクとか言ってますが、まあ、その辺は皆さんでよろしくご判断ください。』
そして、この近辺を地盤とする代議士は、
「外国のメディアがマスクをしている人ばかりを撮すことによる風評被害はあると思います」
浪江町での自衛隊の除染 2011.12.8

こちらでは、全面マスクのフル装備。一体この装備と軽装のボランティアとどこが境目になるんでしょうね?
そして、本日のツイッターから
@A1271: @nobuitou8869 飯舘村役場除染のその後:自衛隊の方が苦労して除染して下さった役場の石畳のその後、直後(12/20)の線量は1.57μSV/h、12月29日は2.87μSV/h、今日(1/10)は3.26μSV/h。だから無駄だと言ったのです。
posted at 11:27:26
一体何のために除染をしているのでしょう。
◆関連ブログ
放射性セシウム除染が困難な理由(70万アクセス)2011年09月01日
放射性セシウム除染が困難な理由(2)2011年09月02日
福島除染ボランティアと入市被爆2011年11月09日
『夢』を与えることによって『現実の過酷さ』から目を背けたがる人は進んでその『夢』にすがりついて『自らの命を含めた財産』を提供する。
マンガの『宇宙戦艦ヤマト』のコスモクリーナーは現在はありませんし、そもそもコスモクリーナーで浄化再生されるのは『地球大気』。それまでに人類が受けた被害を『なかったこと』にはしてくれません。コスモクリーナーの成果を享受できるのは『被害を避けられた者』だけであり、既にダメージを負った者を『切り捨てる』ことが『生き残った人類』には安直な繁栄の手段となるように思われます。
原発の最低限の安全確保手段も『コスト』を理由にせずにきたと思われる以上、「『誰』が儲かるか?」を考えればよいだけでしょう。
また、『誰』が『除染は出来るはずだし、成功させなければならないこと。』と言い続けているのか見直すべきではないですか?
福島の方々が「除染、やってもやっても次の日にはまた出てるんだよ。最低でも『今、どれだけ汚染されてるのか国や自治体で測定して欲しい』ってのを何故やらないんだ!?」というようなことを訴えていたと記憶しています。
なんかこういった状況って、サラ金の借金雪ダルマ構造を見ているような気になります。
我々政府は、できるだけの事、あらゆる事はやったのですよ。しかしダメでした。
と、国民、それも無知な方々に言い訳できるようにでしょうね。
暮れから院長先生のブログが見難くなっています。
例えば去年6月分のところでは20本中5本(2、5、9、12、20)が「削除か移動」になっていて見られません。
また
「東電小森常務、福島第1原発の…」というのを見ようとすると
「リクエストされたページは表示できません」と出ます。
たまに院長先生も誰かの携帯やPCから ご自分のブログをチェックしてみて下さい。そして その結果をブログで公表して頂きたい と思います。
吸い殻ほどの大きさもない固まりで、水槽が破裂するほど反応性が高い。
こんなもの除染できるわけがないです。
原爆投下から数日後、被爆者の間で不思議な噂が広まった。実は日本も原子爆弾を開発していた。あまりにも非人道的兵器なのでこれまで使用を控えてきたのだが、アメリカがこのようなことを行なったのでもう躊躇はしない。ついに原爆を搭載した6発の大型爆撃機が米本土攻撃に出撃した。米西海岸は火の海だ。
というような記述がありました。
まぁ、6発の大型爆撃機というのは富嶽の事かな?と思ったのは置いといて、今や政府の偉いさん達も、そのような現実逃避・妄想モードに突入してしまっているのでは?
まさに、福島市のレベルでも毎日セシウムが降っているのに。
自体隊の方々が、無意味な除染にかり出されて、、と思っていたのですが、本当に無意味な除染だったんですね。
今日も大きな地震がありましたね。
4号機のプールに何かあったら、3月の事故以上のセシウムがばらまかれる可能性もあるのに。
もう、311と同じ大地震が起きないと保証できるんでしょうか?
地震で壊れない原発はありません。ましてや、4号機は、爆発して、廃墟のようなたたずまいになっていて、水がたっぷりはいったプールが絶対崩れないといいきれるのでしょうか?
娘の症状で気になることがあって先生の見解を聞きたく、書き込みさせてもらいました。
原発の事故があってから、マスク・食品・水・外遊びなど気をつけて来ました。事故後鼻血が4月に2回、8月に1回出て、夏頃に赤っぽい一センチ位のあざの様な物が足に数個出ました。その後は特に気になる症状もなかったのですが、ここ3日位ミミズ腫れや、蚊にさされの様なぷくっとした発疹が出ては、数10分から1時間程度で消えては、また別の場所に出るということが続いています。特に夕方以降出ることが多く気味が悪いのですが、被爆の症状でしょうか? 足の赤いアザもまた出始めました。ネットで探しても、同じ症状を見かけないので気になっています。
小児科で見てもらうのがいいのでしょうか?
江戸川区在住三歳の子です。
先生の見解をお教え願えればと思います。よろしくお願いします。
ご心配なことでしょう。現在の症状が、被曝の症状であるかどうかは私にはわかりません(たぶん分かる人は誰もいないと思います)
症状の消長を記した日記をつけ、デジカメでその症状を記録していってはどうかと思います。診察は皮膚科をおすすめします。ダーモスコピーか何かで、観察してくれるはずです。小児科では何もわからないと思います。
同じ症状を呈した人がいないか、ツイッターで聞きましたところ、報告がありました。
@packedgirl 私5、6月がそうでした。今まであんなこと起きたことなかったから日記と写メ。めっさきもかった。直ぐ消えた。 twitpic.com/86nslq
あと「ぬまゆ」さんのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kmasa924/28583711.html
いかがでしょうか?同じですか?
あとは、身長・体重のこまめな測定が大事です。お母さんがどっしり構えていることが何より大事だと思います。今の対策を続けて、食事には気をつけ、休みの時などには離れた場所で一時避難などをされてはどうかと思います
お役に立てず申し訳ありません。
被爆に関して、徹底的に調べてらっしゃる先生の言葉が聞けて少し安心しました。あまりない症状かと思うので、みんなのカルテなどにもアップして情報を共有しようと思います。
そして症状の記録と写真、身長・体重計測、続けていこうと思います。私自身もしっかりしていかなければいけませんね。先生、
どうもありがとうございました。
先生もお体ご自愛なさって下さい。影ながら応援しています。
●国直轄除染 効果が上がる方法を早く
福島第1原発の事故による放射性物質を取り除くため、国直轄の本格除染が福島県で始まった。
最初の地域となった田村市では、墓地の雑草を刈り取る地道な作業からのスタートだった。
放射線量が高いため、国としては除染を進める「特別地域」は11市町村と広範囲に及ぶ。
作業は暗中模索のようだ。環境省が示している除染の方法と、その効果を読むと頼りない。
屋根や舗装の表面の種類によっては、放射性物質が深く吸着され、「効果は限られたものとなるかもしれません」と書かれている。
今春、福島県内の男性から、特別地域以外でも線量との戦いがある事を知ってほしいと訴えられた。
原発事故が起きた時、自宅を建設中だったという。住み始めたものの、基礎部分に放射線が付着してしまったのか、1階の線量が高い。
個人的に業者に頼んで除染したが、幼い子供を1階で寝かせるのには不安な線量が残った。
追加料金を払うから「もう1回」と頼んだ。業者は申し訳なさそうに、新しい技術を待った方が賢明だと助言したという。
環境省は除染方法として洗浄や吸着による「除去」だけでなく、立ち入り禁止にするなど「遠ざける」という方法も挙げている。
除染とは、安心して暮らせる元の地域、家を取り戻すための対策ではなかったのか。
「遠ざける」では「住むな」ということになってしまう。
不安を取り除くために効果的な方法の確立が急がれる。でなければ、炎天下、作業に当たる人たちの苦労も報われない。
(編集委員・今野洋史)