
【第349報】東北地方太平洋沖地震による原子力施設への影響について(2月7日14時00分現在) から
1.原子力発電所関係
・2号機の圧力容器下部温度に、2月2日以降上昇傾向がみられることから、まず、再臨回していないことを確認するために原子炉格納容器ガス管理システムによるサンプリングを実施し、キセノン135が当該システム入り口で検出限界値(1.0×10の-1乗Bq/cm3 )未満であることを確認。その後も、圧力容器下部温度が高めの値を示していることから、念のため再臨界防止対策として原子炉へホウ酸水1,094kgを注入(2月7日0:19から3:20)(6日21:00時点70.4℃)その上で炉心スプレイ系配管からの注水量を3.7m3/hから6.7m3/hに変更(2月7日3:52から4:24)(7日5:00時点70.4℃)
この情報を見てもわかるとおり、午前0時という深夜の時間帯に1トン以上ホウ酸を投入しています。よほど焦っていたと言って良いでしょう。何しろ、80度を超えると冷温停止がウソだったことになるのですから・・
まず、ホウ酸 について
原子力 [編集]
ホウ素の同位体のうち 10B は非常に大きな中性子吸収断面積を持つ。この特性を生かし、原子炉内において中性子の吸収のため制御棒に使用される。化合物であるホウ酸は一次冷却水に溶かし込んで加圧水型原子炉の余剰反応度制御に使われる。微量のホウ素添加を行った金属による放射性物質運搬容器も使用される
このホウ酸は、ホウ酸団子とおなじものです。

1トンといってもそれほど高価なものではありません。そして、このホウ酸は中性子を吸収しやすいだけで、全部を吸収してくれるという万能薬ではないのです。しかしながら、人間がもっている中性子を吸収してくれる手段・・つまり核分裂を抑える手段としては、このホウ酸くらい(まあ、ハフニウムなどもあるようですが)。そして、通常沸騰水型原発は、炉内にホウ酸を投入することはありません。なぜなら、その時点で廃炉が決定したことになるから。
ホウ酸投入=大変な異常事態
と考えてまちがいはありません。異常事態にこのホウ酸を炉内に爆破弁をつかって投入します(決して、まちがいが許されないバルブ)。この爆破弁だけが記憶にあり、1号機の爆発時点で爆破弁とある御用学者がつい口にしましたね。
じつはこのホウ酸、同じ2号機で使用しています。
【第288報】東北地方太平洋沖地震による原子力施設への影響について(11月2日14時00分現在)
1.原子力発電所関係
○東京電力(株)福島第一原子力発電所
・2号機原子炉建屋開口部のダストサンプリングを実施(11月1日11:23から13:23)
・2号機給水系から原子炉への注水量が2.4m3/hまで低下したため3.0m3/hにし、また、CS系からの流量を6.9m3/hから7.0 m3/hに各々調整(11月1日15:50)
・2号機原子炉格納容器ガス管理システムにおいて11月1日に採取した放出ガスの核種分析を行ったところ、短半減期核種の検出の可能性があることが判明。核分裂反応が発生している可能性が否定できないため、念のため、原子炉注水ラインからホウ酸水約480kgを注入(11月2日2:48から3:47)
この時よりも、今回の方が大したことはなさそうに思えますが、なぜ、この時の倍のホウ酸が真夜中に投入されたのか。まさか、政治家が発言した「冷温停止」状態を維持するために無理をしたわけではないですよね?
そして、この記事
福島第1原発2号機温度計の一つが100度超え 計器不良か2012.1.13 14:41 [放射能漏れ]
東京電力は13日、福島第1原発2号機の圧力容器の温度を測っている温度計の一つで値が急上昇し、同日午前5時時点で116・4度に達したと発表した。圧力容器は計11カ所で温度を計測しているが、他の温度計に目立った変化はなく、東電は「以前からこの温度計は値がばらつく傾向がある。計器不良の可能性が高い」としている。
東電によると、温度計の値が上昇したのは、制御棒を出し入れするために圧力容器の下部に設けられた配管に設置された温度計。12日午後5時は48・4度だったが、同日午後11時には102・3度に上昇。13日になっても上昇傾向が続いているという。
同温度計に近い圧力容器底部を計っている温度計は48・6〜48・8度程度で推移しており、他の温度計も目立った変化はないという。東電によると、温度計は格納容器内部にあり、故障していた場合でも修理は困難だが、値の推移について監視を続けるという
この温度計の場所について東電お客様センターに問い合わせました。

1月中旬の温度上昇部位は、この温度計の35番 0°の位置、そして、今回上昇したのも同じく0°の位置と判明しました。CRDハウジングは炉底の下部にありますが、CRDを通じて炉心内に挿入されています。
同じ位置関係の温度計がいずれも上昇している。メルトダウンした燃料が炉心に落ちてきているのではないのでしょうか。
少なくとも、まやかしの「冷温停止」そして、一部地域で強行されようとしている「帰村」は中止するべきではないのでしょうか。
(追記)@bokudentw 笑い猫さんがまとめられたチャート2号機の圧力容器下部温度が上昇

これを見ると、なるほど確かに当てはまります。東電も知っているから、あわててホウ酸を投入したと考えるのが一番良さそうです。
また、主要パラメータ

◆関連ブログ
御用学者の正体 (東工大 有冨 正憲教授)2011年05月20日
キセノン-133,135検出の意味−核分裂2011年11月04日
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子どもたちの甲状腺腫ができており、今後どうするか悩んでおります。
二人ともあり、最近できたもので1cm弱の大きさがあります。
1月31日のブログを拝見し、細胞診や手術について悩んでおります。
調べるとCRD:制御棒駆動機構(control rod drive)ということですが素人の私には何のことかさっぱりわかりません。
ポンチ絵&解説をみると格納容器の外に有って格納容器に突き刺さっているイメージですが温度計は格納容器に突き刺さった「中」の温度を測っているのでしょうかそれとも格納容器の「外側」にはみ出た部分の温度を測っているのでしょうか。
笑い猫さんの分析がかなり核心を突いているように見えます。
ところで、毎回しばらくするとCRDハウジングの温度は安定していますがここに落ちた「加熱物」が外に抜けちゃったから安定したなんて事無いのでしょうか?
先生が指摘されたように、3号機から
MOX燃料が飛び散ったようです。
南相馬市で、非常に強いα線を放射
していると思われる物体が発見され
ました。
http://ameblo.jp/rvf400-1014/day-20120127.html
もうひとつ書きたい事が有ります。それは、今進められている警戒区域内で実施されているテスト除染です。先日実家の除染をするという事で実際に現場に立ち会ったのですが、除染担当者:『屋根と雨とい、側壁は除染すれば線量が下がりますね。庭については表土を数センチ削ります。現在の所2000cpmが目標です』私:『やるのは良いけど検出限界以下じゃないと人は安心して住めないよね?ましてや雰囲気線量も3〜5マイクロ有るのに家だけ下がってもしょうがないよね?地域全体の雰囲気を下げないとダメだね!どうすんの?』担当者:『それは........』こんな感じでした。この地域に6軒の家があります。そこに数億円かけてテスト除染しています。やる意味が有るのでしょうか?自然界に拡散した汚染はけして除染は出来ないと思うのですが......!
これが今の警戒区域の現状です。つまらない内容ですみません。
東電ムラ人たちは決算を控え工作員含めて必死に抵抗していますね。
しかしまあ、今更、温度計が壊れている可能性があるとはどういうアホ技術なんでしょうか。