2012年02月11日

ヨウ素剤−10月まで配布(原発敷地内)

ヨウ素剤、大きな副作用なし=作業員2000人に投与−福島第1原発事故・東電
 東京電力は7日、福島第1原発事故の直後から昨年10月までに、放射性ヨウ素による甲状腺被ばく対策として、作業員ら約2000人に計約1万7500錠の安定ヨウ素剤を配布したことを明らかにした。健康診断の結果、大きな副作用はなかったと説明している。
 同日開かれた国の原子力安全委員会の分科会で報告した。
 東電によると、同原発には約3万錠のヨウ化カリウムが備蓄されていたが、昨年3月13日以降、手順書に従って対象者に配布を始めた。配布回数は4、5月が各3000回を超えるなど最も多く、ヨウ素131の濃度減少とともに回数も減り、8月には屋内作業で、10月に全ての作業で配布を止めた。(2012/02/07-20:00)


原発作業員の甲状腺機能低下、ヨウ素剤副作用か
 東京電力福島第一原子力発電所で、甲状腺被曝(ひばく)を防ぐための安定ヨウ素剤を大量服用した作業員のうち3人の甲状腺機能が低下し、副作用と疑われたことが分かった。
 東電の産業医が7日、内閣府原子力安全委員会の分科会で報告した。
 報告した菊地央(ひろし)医師によると、合計で20錠(1グラム)以上を服用した229人の血液を検査した結果、20歳代2人と30歳代1人の甲状腺ホルモン濃度が正常値より低かった。服用をやめると正常値に戻った。
 同原発では、昨年3月13日〜10月12日に、作業員ら約2000人に約1万7500錠のヨウ素剤が提供された。放射線量の測定や汚染水処理などにかかわった作業員は服用量が多く、最多では1人で計87錠を服用していた。(2012年2月8日15時02分 読売新聞)


 この記事の大事な点は、ヨウ素剤で副作用が出たかどうかではありません。建屋内では8月まで、そして建屋外ではなんと10月までヨウ素剤を配っていた点。

ここで思い出して欲しいのが、広範囲でヨウ素検出-原発再臨界?このブログに引用した記事の中で東電は下記のように発言。

高濃度“ヨウ素列島”謎の数値上昇…東電「排出してない」2011.09.17
だが、東電は「(原発敷地内の)モニタリングポストの値が排出限界値を超えた記録はなく、新たに放射性核物質を排出した事実はない」(広報部)と、武田氏の見立てを真っ向から否定。実際、いずれのケースも、放射性セシウム134、同137は検出下限値を下回るか、ごく微量にとどまっており、原発事故との因果関係は現時点では推測しづらい。

 では、なぜ、この時期も屋外作業者にヨウ素剤を飲ませていたのか。明らかに矛盾しています。この時のヨウ素は、東電もフクシマ由来だとわかっていたのに、広報にウソをつかせている。鍵となるのは「新たに」の修飾語でしょう。新たというのは、注釈を聞かないとわかりませんが、連鎖反応が続いているわけではないとでも言うのでしょうかね?
 そして、ある程度の住民は避難していたでしょうが、フクシマからの風は日本中に飛んでいたはずです。なぜ、原発敷地内だけがヨウ素が必要で、それ以外は不必要と言い切れるんでしょうか。
 政府も東電もフクシマからヨウ素が少なくとも10月までは放出されていたのを知っていたわけです。

甲状腺の専門誌から(原稿の締め切りは2011年6月)
2012021101.jpg

長瀧重信氏が「甲状腺とヨード」の題で、下記のように記述しています。
2012021102.jpg
 福島第一原発事故と甲状腺癌並びにヨード チェルノブイリ事故後に小児に甲状腺癌が増加したことから、131Iを避けるためにスーパーで水の買い占め顔込んだり、ヨード含有うがい薬が店頭から消えたとの話もある。チェルノブイリでの甲状腺癌の発生頻度(ベラルーシに於最高時に10万にに5人)、牛乳の飲用の状況などを患者さんに説明することも、さらに現在の福島のように長期間にわたって131Iの放出が続く場合の安定用素材の投与法などのガイドライン作成も甲状腺専門家の責任であることを忘れてはならない。

 一体どう解釈すればいいのでしょう。

◆関連ブログ
広範囲でヨウ素検出-原発再臨界?2011年09月17日
タグ:P 1F
posted by いんちょう at 18:45| Comment(11) | 原子力
この記事へのコメント
解説されて、初めてわかりました。

10月まで、半減期8日と言われる放射性ヨウ素の対する対策のヨウ素剤服用を、副作用覚悟で飲んでいたということ。

ヨウ素の心配は、4月いっぱいでお終い。後はセシウムだわ。と思っていた私は、上手くごまかれていたのですねぇ。

院長先生、これからも私のようなぼんやりさんのためにも、健康に気を付けて。
これからも、ためになるブログよろしくお願いいたします。
Posted by ナウ at 2012年02月11日 22:55
福島のように長期間にわたってヨウ素131
が放出され続ける(2011年6月締切の原稿で御用学者 長瀧氏)
ヨウ素剤の配布を続けていた東電は10月までは原発からヨウ素が放出されていたことを知っていた  ええっ!
また、後出しジャンケンですか。
ひどい 情報隠ぺいですね。溜息がでます。
8月9月ごろ下水汚泥からヨウ素がでていて
変だなあ・・と思ったのですが
病院で使う造影剤?の放射性ヨウ素のせいだという書き込みをあちこちでみました。
あの書き込みは工作員?ってことですか。
棄民政策を国策として推進しているのですね
早く関東からも逃げたほうがいいと言っていた
元テレビ局のk氏が正しいってことですね。

山梨の小出先生の講演で
小出先生も福島が放出された放射性物質の量
を政府東電は過少評価している、といっていました。
現実をうけいれないと、国家も生き残れない
と思うのです。
国民・主権・領域の3つが国家の要素
であると高等学校で教えています。
領域(領土)の一部を自ら荒廃させて失い、
国民をないがしろにして、信頼を失い、
住民投票を求める30万人弱の国民を
センチメントといって
あざ笑う知事をはじめ
統治能力のない政治家や行政。

院長先生のように良心に基づいて活動してくださる方が
何人か日本にいることが唯一の光明です。
Posted by ナナイ at 2012年02月12日 09:30
後手後手ですね。ため息がでます。

甲状腺専門家の責任であることを忘れてはならない。

とありますが、責任があります。
忘れてはならないだけで終わらず、責任を果たしてください。

これは、誰に向けて、何のためなのでしょうか?
医師に対して注意喚起しているのですか?
それとも、一応伝えたから。と自己完結してお終いにするのでしょうか。

原発の事故は終結していません。
事故が進行中なのです。
医師に『福島にいたの?いなかったなら大丈夫だよ』などどあしらわれないようにしていただきたいです。
(実際に言われました。昨年秋です。小児科ですが、医師は甲状腺の専門医でもあります。)
でももし、福島にいたらなんと言ったのでしょうか。その医師が何を考えていたのか知りたいですが、聞きだすのは難しそうです。

好きな病院だったので、信用できないことの腹立ちを吐きだしてごめんなさい。
医師のかたもそれぞれ、また病院によっても違います。
不愉快に思われる方にはごめんなさい。

福島の鳥の調査をしているそうです。
http://ex-skf-jp.blogspot.com/
院長先生の右下の、信頼できるリンクにもあるサイトで見ました。


Posted by ちょこママ at 2012年02月12日 10:30
東電には本当に腹が立ちます。いつもこの調子。

ところで、今朝の東京新聞に『治療薬ヨウ素説濃厚』「西日本の汚泥からも検出」との見出しで、“昨年秋、福島県各地の下水処理場の汚泥から相次いで検出された半減期の短い放射線ヨウ素131。福島第一原発からの放出を疑う声も出ていたが、最近は放出量は激減しているのに、福島以外の全国各地で検出され続けている。専門家からは甲状腺がんなどの治療で使われたヨウ素が、患者から排出されて検出された、との見方が強まっている。…”から始まり全国各市の検出量と検出された月(10〜1月)が載っています。最後のほうには中川恵一や放医研のお定まりの問題ないのコメントが…。

東京新聞の記者は東電の発表を知らなかったのでしょうか?
Posted by ishii at 2012年02月12日 12:53
院長先生。いつも貴重な記事をありがとうございます。

本当にひどいですね。社員は守り、他はどうでもいいのでしょうか・・・。この記事の内容は、国民の人たちは知らないのですよね?(私は海外にすんでいるので、情報収集に限界があります)
 原発の敷地内だけにヨウ素が出ていたといういいわけは通用しないですよね。

日本はどうなっていくのでしょう。本当に不安です。海外の人たちは、「日本のほかの市が瓦礫を引き受けて燃やすとか、食物の基準値が高すぎることを何故国民が許しているのか。理解できないと言っています。私がこちらの人に説明にしても私が冗談を言っているとしか思ってくれません。それくらい、おかしなことなのに、「絆」とか「痛みわけ」とかおかしいと思うのですが、、、。 確かに原発をあちこちに建てることを結果的に容認してしまった国民(大人たち)に責任はあると思います。でも、安全だと信じ込まされてきた部分も大きいと思います。もちろん、安全ではなかったと知った以上、私たちも勉強し、改めてどうするべきか考える時期にきていると思います。
 どこかの知事さんが、暴言を吐かれていましたが、原発をやめることが、文明を後退することになるとは思いません。むしろ、人間は学習できる動物なのです。過ちを認め、自然と共存できる道をさぐるべきだと思います。。

これからも、役にたつ記事をよろしくお願いします。

Posted by naomi at 2012年02月12日 17:42
最近このブログの存在を知りました

質問ですが、内部被爆した場合血液検査等で数値化されるような異常はでますか?娘が6歳で関西在住ですが、正月あたりから体のあちこちが痛いといいます。頬、歯、耳、首、胸、手足、お腹、頭。日によって痛い芭蕉が移動します。小児科で血液検査しましたが、若干の貧血傾向とアレルギーが数種類あっただけで、甲状腺機能や白血球数など一般的な検査項目に異常はありませんでした。

いわゆる不定愁訴で片付けるには毎日のように痛いといい続けるので漠然と内部被爆したのではと意味もなく不安になります。去年は春に2回口内炎にあり、嘔吐も一回、下痢は時々ありました。鼻血だけは経験してませんが。あとアレルギー性結膜炎がもともとあるのがひどくなり、年末は目がかすむとさえ言ってました。

先日北九州市の生徒さんの記事があったので思い切ってコメントさせて頂きました。小児科医の先生はとてもいい先生ですが、まさか放射能被爆したのではときくわけにもいかず…内部被爆すると原因不明の症状がでるともききます。ちなみにここまでひどくなったのはうっかり祖母と外食してからです。1歳の息子もいますが元気でピンピンしてます。

血液検査でわからないならどうすればいいのかと悩んでます。長文ですいません。アドバイス頂ければ幸いです
Posted by よもぎママ at 2012年02月13日 23:27
内部被曝に関しては、こちらで紹介しています。また、右上の検索欄で、内部被曝 と入れますと、関連記事も出てきます。
http://onodekita.sblo.jp/article/48419822.html

 結論から言いますと、内部被曝では数量化できる結果は出て来ません。それは、私からみると内部被曝症状と思われる湾岸症候群(米国のです)でさえ、劣化ウラン弾の影響とは認定されていません。米国の裁判所でさえ、そうですから、簡単にできる検査で内部被曝しているかどうかを判定できるすべはないと私は考えます。

 そして、仮にわかったとしても治療法はありません。できるだけ産地を選んで、食べ物を購入し、ガレキ拡散に本気で反対し、原発を止めていく。
 我々に残された選択肢は、そのくらいではないでしょうか。
Posted by いんちょう at 2012年02月14日 04:17
http://t.co/VlD3E6tT
(島田市役所HP内pdf)

こうやって国民は、笑顔で
放射能を引き受けて、数年後に
苦しみぬいて死んでいくので
しょうね・・・。
誰が彼らに放射能を心配無用な
ものとマインドコントロール
したのでしょうね・・・。

強い憤りを覚えます。
Posted by ねこやま at 2012年02月14日 07:21
早速のお返事ありがとうございます。内部被爆の記事も読ませて頂きました。これからすべての記事も目を通していくつもりです。

いま私は非常に孤独です。主人や私の母は私が神経質になっているだけで、娘の体調と放射能被爆の関係を指摘しても頭がおかしいと思われてしまいます。海外移住も検討しても主人は怒りだすだけです。食材も気をつけていても、平気で自分は外食します。まわりの友人もほとんど無関心です。瓦礫受け入れの話すら知りません。

とにかくいまできることをやるしかないですね。これからもブログを拝読させていただきます。本当にありがとうございました。
Posted by よもぎママ at 2012年02月14日 09:37
テルル129m(半減期33.6日)は半減期1600万年の放射性ヨウ素129に変化します。これも甲状腺に集積して、がんの原因になる?でしょうか?
テルルが出ている=放射性ヨウ素がでている。
又、以前にでたテルルからできた放射性ヨウソは、半減期1600万年とすれば、放出が続いたというより、放出されたヨウソが半永久的に原発付近にあって、その土ぼこりを吸入して、体内に取り込む危険などはないのでしょうか?
Posted by 首都圏に住んでいます。 at 2012年02月15日 12:06
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