2012年03月28日

東北でぶらぶら病出現か。

福島でうつ病などと診断、原発事故と関連3割超
 東京電力福島第一原発事故後に福島県内の医療機関の精神科や心療内科外来を受診し、うつ病などと診断された患者の3割以上が、原発事故と関連があるとみられることが26日、福島県立医大(福島市)の調査で分かった。
 入院患者も、放射線被曝(ひばく)への恐怖が入院と関連しているとみられる割合が全体の4分の1に上った。
 県内77施設を対象に、事故直後の昨年3月12日から約3か月間に、毎週1日を抽出し、受診患者の状況を調査。回答のあった57施設で診断された410人を分析した。
 医師が原発事故との「関連あり」と診断したのは19・0%(78人)、「関連があるかもしれない」は13・4%(55人)で、合わせて3割以上が事故との関連を示す結果となった。
(2012年3月26日11時52分 読売新聞)


 これは、放射能への恐怖から、病気になったという記事です。放射線恐怖症として、病名にもあげられています重松逸造氏は、次のように堂々と説明しています。

1990年4月、IAEAが発足させたチェルノブイリ原発事故をめぐる国際諮問委員会(IAC)の委員長に就任。各国から集められた200人の専門家集団の責任者として、ソ連国内の汚染状況と住民の健康の調査、住民の防護対策の妥当性の検討を目的とする国際チェルノブイリプロジェクト実施にあたった。翌1991年5月、ウィーンのIAEA本部で開かれたプロジェクト報告会において、汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない、むしろ、「ラジオフォビア(放射能恐怖症)」による精神的ストレスの方が問題である、1平方km当り40キュリーという移住基準はもっと上げてもよいが、社会的条件を考えると今のままでしかたないであろう、との報告をまとめ発表した。

 同じことを日本でもやろうとしているわけです。先日、東北のとある精神科医の方が流されたツイート

「注記)患者は本日受診したが、不眠、食欲低下、強い倦怠感、気力・集中力の低下を訴えており、特に原因として思い当たる出来事も無いと訴えている。精神科的には抑うつ状態と言うべきものであり休養と抑うつ状態の薬物療法が必要と思われる。なお期間は、、」こういう診断書ばかり書いている日々。

地震直後は錯乱状態の人がしばしば。「うつ状態」は去年の秋くらいから冬にかけて、、「なんだかだるい」「仕事は好きで職場も好きなんだけど」という人は今年に入ってからぽつぽつと、、


 原因が思い当たらないのに、何もできない・・・「ぶらぶら病」を私は思い浮かべます。
保険医新聞から
−開業医の先生方にとって被ばくを治療する知識は、どういうものがあるのでしょうか。
肥田 一番マークしなければならない症状は、「非常にだるい」「仕事ができない」「家事ができない」という、原爆症の中で一番つらかった『ぶらぶら病』だ。
−避難者の中でそういう症状が現れれば原爆病・・・。
肥田「ぶらぶら病」という概念にあたる、原因の分からない後遺症。治療法は分からない。命が危険になる病気ではない。周期的にくる。大部分はその人特有の現れ方をする。ぜんそく発作のように、始まると4,5日止まらないとか、何週間、何ヶ月も続くとか、その出方も症状もみんな違う。
 いろんな検査をして、広島ではぶらぶら病の患者に対して「病気じゃない。原爆にあったショックの精神障害だからだんだんよくなる」と言うと、他の医療機関を受診し、同じことの繰り返しになる。これが特徴だ。


「原発事故の身体への影響」肥田舜太郎氏02(全2本)2011年8月6日


肥田先生の話の中に出てくる被曝兵士(参考)

(本当に、爆心地に向かって自国の兵士を行進させています)


 1989年にアメリカ、ニューイングランド地方を遊説して歩いたとき、私はボストン近郊のボードマン宅をたずね、ヒバクシャ医療について話し合った。私は広島・長崎原爆の被爆者の多くに起こったぶらぶら病症候群を話し、しれは病名のつかない不定愁訴を訴える多くの被曝米兵がいることを話した。彼は「未完だが、アメリカの若い医師に読ませる低線量放射線被害者の手引き書にする」と、タイプで打った"Radiation Impact"を差し出し、私はぶらぶら病の記載のある民医連の国連への報告書を差し出した。かれはそれを持って部屋を出て行って、しばらく帰ってこなかった。私は疲れが出てうとうとしていた。
 突然、わーっと言う大声に驚いて目を開くと、ボードマンが私の渡した報告書を高く掲げて、「ここあった!私の欲しいも気が広島にあった!」と声を出しながら部屋に入ってくると、いきなり私に激しく抱きついた。彼は報告書の「原爆ぶらぶら病」の項を指さし、今までの医学書に記載のなかった「ブ、ラ、ブ、ラ、シンドローム(症候群)」がはっきり書かれている。私はこれが欲しかった」となかなか興奮が収まらなかった。参考の為、報告書のその部分を抜粋しておく。

『広島・長崎の原爆被害とその後遺−国連事務総長への報告』
II-2 被害の医学的実態
(2)後障害
(g)原爆ぶらぶら病(当時はまだ症候群とは読んでいなかった)
 原爆症の後障害のうちで、とくに重要と思われるものに「原爆ぶらぶら病」がある。
被曝後30年を超えた今日まで、長期にわたって被爆者を苦しめてきた、「原爆ぶらぶら病」の実態は、次のようなものである。
i. 被曝前は全く健康で病気一つしたことがなかったのに、被爆後はいろいろな病気が重なり、今までもいくつかのない造形慢性疾患を合併した状態で、わずかなストレスによっても症状の増悪を表す人びとがある(中・高年齢層に多い)(中略)
ii.簡単な一般健診では以上が発見されないが、体力・抵抗力が弱くて「疲れやすい」「体がだるい」「根気がない」などの訴えがつづき、人並みに働けない為にまともな職業に就けず、家事も十分にやってゆけない人びとがある(若年層・中年層が多い)
iii.平素、意識してストレスを避けている間は症状が固定しているが、何らかの原因で一度症状が増悪に転ずると、回復しない人びとがある。
iv.病気にかかりやすく、かかると重症化する率が高い人びとがある。
 異常に示すように「原爆ぶらぶら病は」その包帯が明らかでなく、「被爆者の訴える自覚症状」は、頑固で、ルーチンの検査で異常を発見できない場合が多い。(後略)



原爆症の中で、特に辛かったのをあげるならば、それは「原爆ぶらぶら病」ではないだろうか。
 極度の倦怠感である。私の場合四六時中、何十年も続いた。あまりのつらさに、私は夜寝るときに神に祈ったこともある、「明日の朝、めが覚めませんように」。
 医師に懇願したこともある、「一日でも一時間でもいいから、さわやかで軽い身体にしてください」。
 それが放射能の内部被曝によるモノだと知ったのは、ずっと後になってからであった。



もし発病初期に体の怠さを感じたら、何よりもまず休養して栄養をとることが肝腎である。無理を押して仕事をするものは、へたな植木屋が移植した松の木のように、次第に気力を失って生命を絶っていく。小畠村の隣村でもその隣の村でも、被曝を免れたつもりで広島から至極元気で帰郷して、一ヶ月か二ヶ月ぐらい根を詰めて働いていたものは、一週間か十日ぐらい床について死んでしまった。発病が身体の一局部に現れると、この病気特有の痛みを感じ、肩や腰の痛みも他の病気とは比較しがたい症状である

 この症状は、慢性疲労症候群(CFS)、湾岸戦争症候群とも重なります。

 単なる鬱病としてしまって良いのでしょうか。

◆関連ブログ
放射能と人体(8)ブラブラ病以外の被曝症状とは?2011年12月22日
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
放射能と人体(3)核の本質−内部被曝2011年11月14日
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posted by いんちょう at 21:39| Comment(12) | 原子力
この記事へのコメント
広島の記録で重要なことは、当時の一般庶民には全く
放射線障害の知識も概念もなかったということではないかと思います。
つまり、被曝によって、健康被害が出るかもしれないとは
思いもしていなかった、発想すらできないのに病気になった、
ということで、これは明らかにストレスと無関係であるに他なりません。

当時広島で低線量の入市被曝をした役人や軍人たちの記録を読むと、
生々しい証言を見ることができます。広島のためにやる気満々なのに、
動けない、仕事に行けない苦しみが伝わってきます。

何もかもストレスで片付けようとする欺瞞にnoと言わねばなりません。
Posted by うめぼし at 2012年03月28日 22:28
今日の新潟日報朝刊社会面より

●累積線量 県内最高で0.495ミリシーベルト
 福島事故1年 「健康に影響なし」

 県は28日、昨年3月の東京電力福島第1原発事故発生後1年間に、県内で観測された空気中の累積放射線量が最高で0.495ミリシーベルト(阿賀町)だったとする報告をまとめた。国が一般市民の被ばく限度としている年間1ミリシーベルトの半分以下で、「本県は健康に影響のないレベルだった」と結論付けた。
 新潟市中央区で同日に開かれた学識経験者らでつくる「県原発周辺環境監視評価会議」で報告し、了承された。
 県内7ヶ所で観測された年間の累積放射線量(単位=ミリシーベルト)はほかに、新発田市が0.492、新潟市西区0.448、南魚沼市0.429、長岡市0.41、上越市0.387、柏崎市0.367だった。
 数値は、24時間屋外にいて1年間を過ごした場合に受ける線量。熊倉健原子力安全広報監は「測定結果には、岩などに含まれる天然の放射性物質が発している放射線量も含まれている。阿賀町や新発田市が特に原発事故の影響が大きかったわけではない」としている。(後略)
Posted by 新潟県民 at 2012年03月29日 07:22
肥田先生の講演01から拝見させていただきました。

大事なのは、02の14分あたりからの「これからどうすればいいか?」というお話でしょう。

放射能を体に取り込んでしまったと開き直ること。
(もちろん避けられるのであれば追加の被曝は避けた方が良いのでしょうが。)

あとは、昔から体に良いといわれる事を行い抵抗力を付けること。

早寝、早起き、時間をたっぷり取って良く噛んで食べること。

くよくよせずにこにこして暮らすこと。(ミスター100ミリシーベルトも同じ事を言ってるけど出発点が違います。)

ヒロシマを生き抜いて94歳になってなお精力的に公演活動で全国を飛び回っている肥田先生のお話は説得力があります。

おっと、夜更かしをしてこんな事を書いている場合ではないようです。

まずは早寝早起きから実践しなくては。
Posted by 苔wの一念 at 2012年03月30日 02:05
超党派の議員で「原発ゼロの会」立ち上げ。
メンバーに河野太郎が入ってる時点でダメでしょ。

原発ゼロ→段階的廃止→現在停止中の原発再稼働 という流れになるに決まってる。

既存の政党政治家ではダメ! 院長先生や木下黄太さんが中心になって
原発即全廃、放射性物質拡散即時停止 のための活動をする政党を立ち上げて頂きたいと激しく望みます。

もう時間がない、日本終了までのカウントダウンは既に始まっています。

Posted by tottoko at 2012年03月30日 08:17
これはどうなんでしょう?
光った後に煙が出ています。
2012,3,25 ロシアです。
最近、爆発のような発光がいろいろな所であります。
これが何かは解りませんが核爆発なら放射能が流れてくると言う事ですよね。


Mystery White Flash In Krasnoyarsk, Russia 2012
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=8vE-5jhc8pw
Posted by まめ at 2012年03月31日 06:11
「もう、取り込んでしまった。」と
開き直って、くよくよせずに、生きることですか。
悲しいですね。
今からでも、早めに移住しておいた方が、
まだ、健康被害に遭う可能性は少ないんですかね。
本当に、国民を騙して、やがて津波が来るという警告も無視して、こんな危ない国家崩壊の危機に
日本を陥れている東電に腹が立ちます。
野田は、誰に弱みを握られているのか、
先日、3人の別件での収監者が
死刑になったそうですが、
本件で、何故、死刑囚が出ないのか、だけではなく、法治国家なのに、何故逮捕者さえも出ずに
東電役員が平然と公道を歩けているのか、
今、何故中田カウスがNHKに出ているのと同じくらい解りません。
Posted by ちゃまいえ at 2012年03月31日 12:29
20代後半で原発から離れていますが、私自身去年の10月頃からずっと心臓が痛く、身体もだるいです。去年の4月〜6月は空咳が止まらなく喉がずっとイガイガしていました。

心臓が痛いなんて今まで1度もないかったのに・・最近では心臓にたまりやすいセシウムのせいだと考えるようになりました。ベラルーシではガンよりも心臓疾患のほうが多いようですし、咳もあの時期1番飛散していた放射性ヨウ素のせいだったのかなと思います。

食事には気をつけていましたが、仕事上外に出る事が多く、車のエアコンも半年以上内循環にしていなかったのが悔やまれます。

>ちゃまいえさん
ほんとそうですね。こないだなんて工事中に設備が落下する事故起こしただけで家宅捜索された会社もあったのに、何故あんな史上最悪の事故起こした東電に逮捕者がいないのか分からない。
日本は法治国家ではなかったんですね。
Posted by ユリー at 2012年03月31日 20:02
橋本病患者です。
橋本病の症状ってブラブラ病と似ていますよね。。。
Posted by 避難ママ at 2012年04月07日 01:51
石川県です。3月下旬、5歳の子が川崎病になりました。
東北関東産の食品は、避けていました。

グロブリンは1回で効き、一週間の入院でした。

その間に、他に3人もの赤ちゃんやお子さんが、同じ病気で入院していました。

先生は「この10年で300人ほど診た」といっていたし、その間に、今ぐらいのペースのときもあったとは言っていたものの、
平均したら月3人ぐらい。

それに比べると、現状、ちょっと多くないかな、と疑問です。
Posted by 子ども大好き at 2012年04月13日 11:43
こんにちは。

放射能=ガンだけじゃない【福島原発】日本でも アメリカ兵ぶらぶら病
http://www.youtube.com/watch?v=gf71GdIAekc&feature=related
映画から第三者が作ったため、製作者の意図しない編集がされている可能性あり。


これに関連して詳しくは言えませんが最近50歳前で肺がんで亡くなった方がいました。

自衛隊のイラク派遣
<2003年(平成15年)12月から2009年(平成21年)2月まで行なわれていた>

http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2005/06/post_2dda.html
Posted by イミン慕い at 2012年04月16日 17:09
セシウム内部被曝実験で脳に影響がでるみたいです。関係あるでしょうか?
http://matome.naver.jp/odai/2136912208370552101
Posted by おおた at 2013年05月22日 23:02
初めまして、こんにちは。
宮城で被災し、今は四国に嫁いだ30才の女です。

まさに今悩んでいる症状と同じでビックリしてコメントさせて頂きました。

頑張りたいのに体がついて来ず、仕事が本当に辛いです。
心身共にストレスにすぐ負け、休みの日は重い体を引きずって病院に行くことで潰れてしまいます。
家事すらままならない程です…。

(余談ですが…今日は産婦人科に行き子宮口のポリープをとる手術をした上、子宮内膜症チョコレート嚢腫との診断を受けました…。
震災前は元気だったので、被曝も一因なのではと勘ぐってしまいます。)

ありがとうございます、私と同じ人たちがいると知れて、少し楽になりました。
全てを被曝のせいにはしたくはありませんが、頑張れない自分を責めて生きる気力をなくすよりはずっとマシですよね…。

Posted by 瀬戸の花嫁 at 2014年08月20日 13:12
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