2012年05月30日

90万テラベクレルのウソ

「どんな馬鹿でも真実を語ることはできる。だが、うまく嘘をつくことは、かなりの頭の働く人間でなければできない」★サミュエル・バトラー

先日、東電が漏洩量を90万テラベクレルと先日発表しました。
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 そして、東電の発表
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 ざっと資料を読む限り、まじめに算定しているように思えますが、この評価はまったくナンセンスです。

 2つの日に着目します。3号機が核爆発を起こした日(3月14日午前11時)と3号機建屋から黒煙が上がった日(3月21日)です。

まず、3月14日・・何度も分析していますが、動画と証言からまとめます。

 得体の知れない黒煙が上がっていることがわかります。

しかし、東電のプレス発表は、
(参考)モニタリングポスト(MP6)付近の測定値
午前11時44分:20μSv/h(マイクロシーベルトパーアワー)
午後0時30分 :4μSv/h
午後1時55分 :15μSv/h


とほとんど上昇していないことになっています。しかし、3.14フクシマに原爆が落ちた日−キノコ雲を見た消防士から
 「キノコ雲が出てきて、『パン』という甲高い爆発音。『ゴー』という地鳴り」(双葉消防本部・志賀隆充指令補)
 爆発後、現場の放射線量が急激に上がり、慌てて避難したといいます。
 「現場の線量も急激に上がったので、緊急的に撤収作業をして引きあげました」


そして、中日新聞の記事
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隊員は3号機の爆発に巻き込まれていた。線量計を近づけると毎時1ミリシーベルトもあった。明細服を切り裂いて裸にしてシャワーを浴びてもらいました。切り捨てた服の線量計が次々になりました。警報の設定値は20ミリシーベルト医療施設の復旧が間に合ってよかったとホッとしました

そしてサーベイマップ
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事故当初なので不十分とはいえ、3号機まわりがかなり汚染されており、この近くで1Sv/hrの高線量ガレキも見つかっています。

 そして、まさにこの爆発後、米軍のなぞの行動
米第7艦隊、原発風下から離脱 放射線検出受け2011年03月14日 20:01 発信地:東京
 米海軍第7艦隊は14日、東京電力福島第1原発からの低レベル放射性物質を検出したため、東北地方太平洋沖地震の救援活動を行っていた空母ロナルド・レーガン(USS Ronald Reagan)などの艦艇を福島原発の風下から移動させたと発表した。
 米第7艦隊は声明で「米第7艦隊は、一帯の大気と、付近を飛行した航空機の両方から低レベルの放射能汚染を検出したため、状況を評価して放射能の影響に対するどのような緩和措置が必要か決定するため、艦艇と航空機を福島第1原発から離れるよう一時的に再配置した」と発表するとともに「この気中放射能の発生源は、福島第1原発から放出された放射性プルームだ」と述べた。


さらにCTBTの観測結果
2012053004.jpg
 今始めて気がつきましたが、最も多かったと思われる 3/14 15:55〜 3/15 15:55 のデータが欠落しています。しかし、その後の1日にも大量に放射性物質が飛散しており、東電の推定放出量とまったくあいません。

 私は、この3号機の爆発が今回のフクシマで環境に放出された放射能の大半を占めると考えています。状況証拠はすべて揃っていますが、未だに政府、東電は認めておりません。

 あと21日の下記写真
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3月21日15:55 3号機に関し、灰色の煙が噴出(調査中) 16:49 3号機の煙に関し、煙量に変更はないが、灰色から白色に変化 18:02 3号機に煙に関し、沈静化を確認

 そしてまた米軍
米原子力空母ジョージ・ワシントン、横須賀基地を出港…原発事故を受けての退避措置か
米原子力空母ジョージ・ワシントンが21日午後1時10分ごろ、配備されている 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港した。基地関係者によると、 福島第1原発事故を受けての退避措置とみられる。在日米海軍司令部は「あらゆる任務に 対応する準備はできているが、航路は未定」としている。
空母は4月上旬ごろまで横須賀基地内で定期メンテナンスを続ける予定になっており、途中で切り上げての出港となった。今後、米国でメンテナンスする可能性もある。


 なぜ、2回も米軍が逃げ出したのか、そして、その時の放出量を一切公表していない東電公式発表。一番最初にかいた諺がぴったりではありませんか。

 改めてみると、この評価は燃料プールを無視しているんですね。だからこの評価。いつになったら、政府、東電は本当のことを話すのでしょうか。

◆関連ブログ
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)2011年08月10日
3.14フクシマに原爆が落ちた日−キノコ雲を見た消防士2012年03月23日
1000mSv/hrのがれき2011年05月22日
米国の動きと原発事故2011年12月12日
タグ:1F-3 1F
posted by いんちょう at 22:45| Comment(6) | 原子力
この記事へのコメント
東京府中市は200ベクレル以下のものは不検出とのこと。

こんな給食を食べる子どもたちはこの先どうなってしまうのでしょうか?

http://kingo999.blog.fc2.com/blog-entry-689.html
Posted by 菜の花 at 2012年05月30日 23:56
3/14 15:55〜 3/15 15:55 のデータが欠落しているのは、
3/16午前〜午後にかけて発生した高崎地域の計画停電により
放射線検出器の冷却システムが停止し、ウィーンのCTBT事務局
からの遠隔操作による同システムのリセット・再起動等に時間が
かり測定できなかったため。
http://beltix.blogspot.jp/2011/05/ctbt_13.html

当時、計画停電はこれも狙ったのでは と言われていましたね。
Posted by ocean at 2012年05月31日 04:07
先ほど東京府中市の子ども家庭部保育課にメールしました。保育所の小さい子どもに、200ベクレル未満の物を食べさせるのは、信じられません。簡易検査ではなく、ちゃんと検査してくださいとのメールでした。
Posted by Jenny at 2012年05月31日 13:28
今回の東電の90万テラベクレルという推定はまったく信ぴょう性がありません。
岡田直樹さんは3号機が20日から21日に格納容器内爆発を起こしたと告発しています。21日に関東地方を放射能プルームが襲ったのはその爆発によるものでしょう。東電はこれを隠し続けており、今回の推定でも20日から21日の3号機の異常を認めていません。

3号機格納容器内爆発について隠蔽を続ける東電と政府
http://onigumo.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/3-2bab.html

3号機格納容器内爆発について隠蔽を続ける東電と政府(続報)
http://onigumo.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/3-08f1.html
Posted by 松田まゆみ at 2012年05月31日 22:34
そうですね。

横須賀市隣接市に住んでいるので米軍関連施設で働く人が
近隣には多いです。

当時、小学校の同級生の保護者から(ベース関係者)
子どもを外に出さないよう直々に連絡貰いました。

事実です。



Posted by 翠 at 2012年06月02日 05:30
小野先生、貴重な情報と精力的な活動、いつもありがとうございます。

東京都府中市の市立保育園の給食検査に、個人用サーベーメータを使うとは・・・。専門機関にも検査に出していましたが、数回だけで現在も継続しているのか不明です。ツイッターで騒がれて、説明もなく当該ページを削除。東芝の地元で原子力ムラの圧力も強いのでしょうか?緑が多く住みやすい街なのに、残念です。北九州市も島田市も東京都も、瓦礫受け入れは結局ゴリ押し。保安院のこのデータもとても信頼できません。政治家、官僚、マスコミを含め癒着企業。すべて信用できません!

チェルノブイリを越える人類至上最悪の人災。既出ですが、3号機では20日爆発があったのですね。今の対応では、2,3年後にパニックが起きるでしょうが、その時に気づいても遅いです。福島はじめ高汚染地帯の子供たち、若い人たちを、一刻も早く避難させてほしいのに。できることはやります。今後もよろしくお願いします。

2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発

http://ishtarist.blogspot.jp/2011/06/20113203.html
Posted by がじゅまる at 2012年06月02日 11:03
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