2012年07月01日

原発についての中学生の投書

本日の熊日朝刊−若者の声
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 この記事について、熊日読者担当欄の方から、直接電話をいただきました。加筆訂正します。

この文章は中学校の授業で、書かれたものであり、80名程度の文章で原子力を取り上げたのはこの2名だった。たしかに論旨の流れが若年者にとっては珍しいが、このような文章の書き方を指導しているのだと思う。必要であれば原稿用紙を見せていい。

 話しぶりから真実だと判断しましたので、以前の私の文章は取り下げます。申し訳ありませんでした。逆に私は非常にショックを受けました。この女子中学生は、新聞、テレビ、ラジオの報道からこのような結論をこのような論旨で導き出しているのです。なぜでしょうか。この年齢の女の子が、どうしてまるで原発技術者が書いたかのような文章を授業で書くのでしょうか。中学生ですから、世の中の仕組みがわからなくて当然です。しかし、なぜ放射能が怖いと言うこと自体が理解できないのでしょう。ヒロシマ・ナガサキの被害は遠いことになってしまっているのでしょうか。これは、親の責任であり、社会の責任です。原爆でいかにヒロシマナガサキの人たちが苦しんできたか。成書を見ればいくらでも書いてあります。そのようなことが日本の中学生に、素養として全く伝わっていないのです。はだしのゲンはなんなんでしょうか。ナガサキの原爆資料館などに修学旅行でいっていないのでしょうか。

私が昨年7月16日に書いた文章
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 最初は気がついていなかったのですが、私のあとに偶然にも同年代の会社員の原発賛成の投書が載っています。論旨はまた同じ。

経済の停滞による企業倒産の増加、失業率アップの方が原発よりも恐ろしいとさえ感じることがある。原発の運転再開の是非については慎重に対処すべきで、政府による即断即決が今こそ必要である。

 慎重に対処と即断即決がなぜ結びつくのか、私にはさっぱりわかりません。そして、この政府による独断専行を進める投書は、ガレキの広域処理とまったく同じ理論です。民主主義の国家では無く、独裁者を臨んでいることがよくわかります。

 最後に投書の割合を聞きましたところ、ガレキ受け入れが賛成8割、反対2割程度。水俣病の被害にこれほどまでも苦しめられた熊本でこの有様。

 いろいろと考えさせられました。

追伸−金曜日の10万人を超えるとも言われる首都東京で行われたデモ。不確かではありますが、報道をしなかった読売新聞は次のように答えたそうです。

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 読売新聞は財界の学級新聞であるということを認めたことになると思います。一体どのような方がこの新聞を購読されているのでしょうね。

◆関連ブログ
四面楚歌を演出する環境省・マスコミ2012年04月21日
原発安全神話虚構思い知る(熊日投稿採用)2011年07月17日
posted by いんちょう at 13:37| Comment(11) | 原子力
この記事へのコメント
 今日の新潟日報朝刊は、14面、15面の丸々2面を使って、「県内がれき処理の行方」と銘打った特集を組んでおりました。その内容はというと、以前新潟日報で組まれた瓦礫受け入れ問題特集に、新たな情報を追加した程度のものだったので、あえてここには詳しくは書きません。
 それで、その新たに追加された情報なのですが、県内の一般ごみの焼却灰から100ベクレルを超えるセシウムが検出されているという話と、県内の浄水場で発生し、処分できずに大量に溜まっている汚染浄水汚泥の話と、基準値以下の汚染下水汚泥が以前から糸魚川市の大手セメント会社でセメント材料として利用されているという物でした。まぁこれらは、「実は新潟県も汚染されていたのですよ。ですから、今更震災瓦礫を受け入れて燃やしたところで大して変わりませんよ」という推進派苦肉のというか開き直ったキャンペーンなのかもしれませんが、あまりこれをやると、それこそ新潟県産農産物への風評被害が発生しかねないという懸念が・・・。
 しかし、相変わらず「環境省はバグフィルターでセシウムの99.9%を除去できるとしています」という記述を堂々と載せるとは。少なくとも、焼却場や最終処分場の地元住民は、そんな国の言い分は信じていないと思いますが。それに、環境省はそう言っているとして、新潟日報はそれについてどう思っているの?
 それで驚いたのは、この手の記事が掲載されると、大抵その日の読者投稿欄には瓦礫受け入れ賛同の投稿が掲載されるのに、今日はなんと、瓦礫の広域処理に疑問を呈する意見が掲載されておりました!
Posted by 新潟県民 at 2012年07月01日 20:06
連投すみません。

>一体どのような方がこの新聞を購読されているのでしょうね。

えーと、我が家では、一応戦前から読売新聞を購読しております(爆)。
でもさすがに、原発報道に関しては新潟日報の方が共感できるな、と思い、自分が社会人になってから新潟日報も購読し始めたのですが、まさか瓦礫受け入れ問題でこうなるとは思いませんでした(苦笑)。

Posted by 新潟県民 at 2012年07月01日 20:12
そうなんですよね。メディア・リテラシーのために、必ず反対と賛成の意見はセットで載せてありますね。
捏造されたものかは分かりませんが、この中学二年生の女の子の文章、まるで男性の書いたものに感じます。本当に中学二年生の文章なら、怖過ぎです(^_^;)
記事の場合も両方の意見が対比するように載せてあることが多いですね。
報道の中立というスタンスで紙面が作られているようですが、本当は正しい情報しか載せなくて良いと思います。
今の社会は責任の所在をうやむやにするのか日常的になっているので、新聞もそれに右へ倣えの状態なんでしょうね。
読み手の判断に任せるみたいな…
とても残念です。
原発事故の真相も危険も発信しないで、読者の判断に委ねるような新聞は、これからますます衰退してしまうでしょうね。
ただでさえ、インターネットの普及で購読率下がっているのが現状なのに。

それから、九電の嫌がらせ計画停電、明日から9月までのスケジュール表が送付されて来ました。
これが実施されないことを願いたいです。
熊本の猛暑時期に実施されたら、亡くなる方がいらっしゃると思います。
去年、関東でも計画停電のせいで、熱中症や事故で亡くなった方がいらっしゃいますよね。
後から電力は足りてたとか…ホント腹立ちます。
計画停電する前にまず、くだらない番組垂れ流しのテレビを輪番停電にして欲しいです。
押し売りNHKは、まともなニュース流さないでボッタくる悪徳商法です。

Posted by あきこ。 at 2012年07月01日 20:24
あまりにも仰天な中2女子の文章に失笑ですね。
40代くらいの男性が書いてますよ、間違いなく。
新聞もテレビも、マスコミの腐り方といったら・・ジャーナリズムのあるべき姿をもう一度よく考えて欲しいです。
私は海外在住ですが、新聞に掲載される写真に死体が写っているぐろいものもあって・・
まさに「真実」を伝えている感があります。
Posted by みか at 2012年07月02日 00:25
作文のプロが書いたにしては下手な文章ですね。子供らしく見えるよう工夫した結果でしょうか。
もしかしたら本物の"学校で可笑しな原子力教育を受けたばかりの中学生"が書いたのかもしれませんが、やはり不自然な感じがします。

新聞は、我が家は購読していませんが、夫の実家が読売を購読しています。
見事なまでにメディアに洗脳された結果、「二人に一人がガンになる時代なのだから自分たち夫婦や息子や孫がガンになっても仕方ない」などと、孫の前でも平気で言うようになったので縁を切りました。
Posted by カナ at 2012年07月02日 03:29

いまだに読売新聞を購読している時点で その人は終わっていると思う。
原辰徳事件を見てもわかるように読売グループが反社会的組織とズブズブなことは明らか。大正力そのものが犯罪者なんだから。

私は地デジ化とともにテレビを捨て 新聞も読まない、週刊誌とネット中心の生活にした結果 以前より情報量が増えました。
Posted by tottoko at 2012年07月02日 09:29
院長先生、今日もありがとうございます!

チェルノブイリへのかけはしの野呂さんのFBにもコメントしましたが、その昔知り合いが念願叶って大手新聞社に入社! 新聞社の上司からは「読者の為に記事を書くのではなく、スポンサーの為に記事を書くように」指導されたそうです。まさか!と思いましたが、3.11以降マスコミ&報道の動きを見ると、妙に納得! 3.11が無ければ気付かなかった・・・。
Posted by 桜丘の母 (東京在) at 2012年07月02日 11:55
院長先生 いつもありがとうございます。

初コメントです。
原発事故以前は、マスコミがこれほどまでに信用できないものだとは思ってもみませんでした。
世論調査や該当インタビューも捏造されていたり、再稼働賛成の投稿がないからって、記者が作文していたり。

私の周りに原発賛成派は見当たりません。
利権絡みの人だけじゃないかと個人的には思います。

もっと成熟した社会に暮らしていると考えていましたが、幻想だったようです。大本営発表、水俣病、、、進歩していませんね。

Posted by 東海地方在住 at 2012年07月02日 17:59
 「私が担当になってからは捏造をしていない」という趣旨の発言はしていないはずですよ。これでは、以前はあったかのように取られ心外です。小野さんが以前に聞いた地方紙の記者というのが当社の記者ではないことを小野さん本人に確認した上で、当社ではシステム上もそのようなことはあり得ない旨を説明したはずです。加えて、文章を書いた生徒の数は約80人と伝えたはずですが、ブログには約40人と書かれていました。早速、ブログで取り上げられるのなら、正確を期していただきたい。「珍しい」というのも、この年齢で賛否両論、それぞれ正面から取り上げて書いたものは珍しいし、若年者の受け取り方を紹介したいと思ったからです。
Posted by 山口純 at 2012年07月04日 22:50
>必要であれば原稿用紙を見せていい。

新聞社のルールはよくわかりませんが、記事に疑問を呈した第三者に投書の原稿を見せるなんてこと、新聞記者の独断で許されるものなんでしょうか?テレビ局が取材してきたVTR見せるなんて絶対ありえないと思いますけど。
それに中学生が授業で書いたのが事実だとしても、その中学生自身が電力会社と全く無関係であるとの裏を取ったうえで掲載しているのでしょうか?
中学生のフルネームを載せないのも不思議。私の住んでいる山陰地方の地方紙でも、授業で書かれた原稿を新聞の投書欄に載せることはあるが必ずフルネームで掲載されている。苗字を省く意味が全く理解できないのだが・・・・?
Posted by おいどん at 2012年07月05日 16:20
いんちょう先生ご苦労様です。

本記事とは関係ないのですが、今朝、電車の中吊り広告で週刊新潮ですが、原発事故報道に前向きになってきた「報道ステーション」を叩き出したような見出しを見ました。
ネット検索したところ以下のとおり。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/newest/
政治や再稼働の動きとリンクしたようなタイミングに違和感を感じ得ません。
まあ、新潮は御用雑誌なのでやっぱりか・・・という感じですが。
記事自体は読んでいませんが、ご参考まで。
Posted by 陳 at 2012年08月09日 13:13
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