発電再開、5日以降に=タービン調整で―初の工程延期・大飯3号機
時事通信 7月3日(火)19時40分配信
関西電力は3日、大飯原発3号機(福井県おおい町、出力118万キロワット)の発電再開時期について、従来予定の4日から5日以降に延期すると発表した。発電に使う蒸気タービンの試験運転を3日午前に行った際、タービン軸の振動幅がメーカーの勧める範囲を上回ったため、慎重に作業を進める。3号機の再稼働の工程は、準備作業に着手した先月16日から順調に進んでおり、作業スケジュールの遅れは初めて。
これにより、今後の予定も1日ずつ先送りされる。3号機のフル稼働は最短で今月9日、4号機がフル稼働するのは同じく25日となる。
政府の責任者として現地入りしている牧野聖修経済産業副大臣は、3日の記者会見で「予期された工程で、再稼働のプロセスに大きな変更はない」と説明。タービンの試験に2日かかる可能性を関電が事前に示していたこともあり、全体の工程に支障は生じないとの考えを示した。.
このタービン軸振動大は、非常に大きな問題です。副大臣は決められている工程表通りに進めることが一番であり、安全などは二の次にしていることが読み取れます。そもそも、プラントにド素人の副大臣が現場にいて、何かの役に立つと思える方が大きな間違いです。なぜ、これが十分な監視体制に当たるのでしょうか。
大飯原発3号機の再稼動、この数日が正念場 慎重な作業続く
産経新聞 7月3日(火)20時59分配信
関西電力大飯原子力発電所3号機(福井県おおい町)で、発電開始を意味する再稼動が当初予定の4日から、5日以降にずれ込んだのはタービンの調整が理由だ。ただ、原発のトラブルは作業工程が多い起動からフル出力運転までの間が最も発生しやすい。本格的な運転再開に向け、この数日が正念場となる。
同原発は平成23年3月18日からの定期検査で、主要部分に大きく手を入れた。特に主要機器のタービンを交換したため、振動防止のバランス調整に時間がかかった。関電は「機器のテストは実施済み」としていたが、作動試験で調整が必要と判断した。
3号機は加圧器と配管の接続部分の交換も行っており、今後の作業で安全弁などの不具合が見つかる可能性もある。経済産業省原子力安全・保安院の関係者は「飛行機の離陸と同じで、原発も起動時のトラブルがもっとも多い」と指摘する。
起動からフル出力運転までの間は、圧力を高めたり蒸気を循環させたりする作業が続くため、配管での水漏れなど、表面化していなかったトラブルに見舞われやすい。実際、再稼働後に調整運転していた大飯1号機では昨年7月、原子炉格納容器内の「蓄圧タンク」の圧力が制限値を一時下回り、手動停止する事態となった。
このため関電は今回の3号機起動に際し、屋内外タンクなどで、トラブルの原因となるボルトのゆるみなどの総点検を実施。さらにトラブル対策として、機械や放射線管理、水処理など「その道のプロ10人をそろえた」(勝山佳明・原子力発電部長)という。
このほか、交換部品を通常よりも多く準備し、メーカーからも熟練技術者を招き、最大500人の支援態勢を整えるなど、万全の構えで作業を進めている。
「万が一」は許されない原発だけに、作業に慎重に続けられている。原子力関係者は「国論を二分した状況が続いているだけに、再稼働のミスは許されない」と気を引き締めた。.
タービン本体を交換後、慎重にバランスを取ったにもかかわらず、試運転段階で振動が大きくなった。これを調整するのは並大抵のことではなさそうです。しかも、ノントラブルで再稼動を政府が関電に厳命しています。私の頭の中では、
大飯原発構内では、このまま続行しろと言う関電・政府と これでは危険だという 三菱が 論争をしている。
といった妄想が渦巻いてしまいます。このタービン振動大とは、どういうことか。家庭で言えば、洗濯した衣服にアンバランスが出て、脱水槽の回転で振動が大きくなったと考えればわかりやすいと思います。そのまま運転すると洗濯機が故障してしまいますので、かならず自動停止しますね。その状況です。タービンとは、

発電機を回す羽根車のことです。タービンが回らない限り、発電機が動かせないわけですから、「発電所」ということで見れば、本当の心臓部に当たります。
もし、この振動異常がでたまま運転し続けるとどうなるか・・・タービンミサイルが起きる可能性があります。
失敗百選 〜長崎のタービンロータの破裂〜
【概要】
組立完了した大形タービンの安全および性能確認のため、造船所内で試運転していたところ、直径(最大)1,778mm、胴部長さ3,590mm、重さ50トンのロータが、不純物による脆化と切り欠き効果が原因で突然破裂し、破片が飛散した。この事故で、死者4名、重軽傷者61名を出した。エネルギー需要増大のためタービンの大型化が必要とされ、また、タービン技術において日本メーカが欧米企業との技術提携による開発から、独自の技術開発に転換し始めていた時期でもあった。
【日時】
1970年10月24日
【場所】
長崎県長崎市
【事象】
組立完了した大形タービンの安全および性能確認のため試運転していたところ、直径(最大)1,778mm、胴部長さ3,590mm、重さ50トンのロータが突然破裂し、破片が飛散した。死者4名、重軽傷者61名の犠牲者を出した。
私はこの事故は知りませんでした。それにしても、この破損でどのような被害が出たのか・・その記述を読んで私は驚きました。
破裂はロータ中心部から4等分の形で割れ(図2)、回転接線方向に向って4方向に飛散した(図3)。回転試験場は長崎湾に面し、一方は海、他方は山になっているが、四散した重さが9トンある破片の1つ(図中で“S”と表示)は、空中を海に向けて880m飛び、重さが11トンの他の破片(図中で“M” と表示)は空中を山に向って飛び、 1.5km先で標高200mの地点に落下した。他の1片(図中で“W” と表示)は、試験場のある工場の床に平行に進み、多くの人員と機器に損傷を与えて停止した。最後の1片(図中で“H” と表示)は、試験場の床に突き刺さる形で停止した。

こんなにも大きな被害が出るとは知りませんでした。
実は、浜岡原発でも2006年同様の事故が起きています。
浜岡原発5号機、新型タービン大破の大事故 2006/07/05
★タービン軸振動大で自動停止
6月15日、中部電力浜岡原子力発電所5号機(138万キロワット)が、発電タービンの異常振動で自動停止した。タービンの軸受けに設置された振動検出器の測定値が、通常の8倍という警報設定値(0・25ミリ)に達したもの。
警報設定値を超えての自動停止であるから、おそらく羽根車のバランスを大きく崩すほどの破損が生じているものと推測していたところ、やはりタービンの動翼はメチャメチャに壊れていたことが、30日に発表された。
すなわち140枚の羽根をもつ羽根車のひとつが、3枚に1枚の割合で破損またはひび割れていた。さらに別のタービンの同じサイズの羽根車についても、4枚の羽根を点検したところ、すべて破損またはひび割れが確認されたという。
浜岡5号機は、昨年1月に運転開始したばかりの最新鋭改良型(ABWR)である。今年1月16日から初の定期検査を受け、4月14日に営業運転再開してからわずか2ヶ月しか経っていない。定期検査のさいには、タービンを分解して金属製の羽根を1枚ずつ外観検査したが、異常は見られなかったなどと中部電力は言っている。(以下略)
こんな大きな事故が国内の原発で起きているとは・・そして、後述されている対策もかなりいい加減です。
大飯原発の再稼動。正念場に入ってきました。表向きは、何ごともなかったようにフル出力まで到達できるのか。三菱の技術力は大丈夫?
http://hps.org/publicinformation/ate/q350.html
According to research by Health Physicist Ken Miller, Hershey Medical Center, a person can get a blocking dose of iodine by painting 8 ml of either tincture of iodine or providone iodine (betadine) scrub on the forearm daily.
William Kirk, PhD, CHP
Pennsylvania Bureau of Radiation Protection
を飲みつつ逃げる
というのはどうでしょう?
ヨードを含む食品
http://www.ito-hospital.jp/03_iodine/02_food_including_iodine.html
「放射線ってなんだろう」という資料を幼児、小学生、中学生の親を対象に作ったらしいです。
カリウムが体のなかにある。
人工と自然の放射線に区別はない。
宇宙飛行士の被ばくとくらべる。
がれきの説明会で受け入れのお願いをした甲斐倫明が委員の大分県食の安心情報提供会議というのもあるようです。
2012年6月22日 初版発行
編 集 者/大分県食の安心情報提供会議
[委 員]甲斐 倫明 新山 陽子 関澤 純
田中 竜 高橋 陽子 井上 昭二
[事務局]大分県生活環境部 食品安全・衛生課
イラスト/大分県立芸術文化短期大学 専攻科
2年 渡邊 美幸
津久見はアホです。次々と他県が瓦礫から手を引いていることすら知りません。
コスト感覚も0。知識も情報もありません。
老人たちはネットしませんから簡単に信じてしまう。
さて、バランス調整を行った後のタービンで、試運転後に振動が出ていると。すぐに思いつく要因としては、
1.振動センサの不良
2.ローター系のアンバランス
−タービン動翼の破損(金属疲労等による)
−その他部品のずれ・外れ
−熱変形による偏芯
−最終組み立ての不良(異物残留等)
3.メタル軸受の不良
−潤滑油系統のコンタミ(異物混入)
による軸受損傷
−金属疲労等による部品の割れ・破損
−潤滑油量過大または過小
があるかと思います。1であれば、発電所の現場で数日で直すことも可能かと思いますが、2、3であれば、メーカーに持ち帰っての修理など、数ヶ月がかりになるかと思います。
いずれにしても、製造メーカーの定めた振動制限値を超えて、関電で制限値を勝手に上げたり(過渡的にはここまでいいだろう、みたいな)、あるいは警報をカットして運転を強行するというのは、技術的に、全く論外だと思います。
もしそのようなことをやると、何らかの損傷があった場合にそれが拡大し、タービンに対して取り返しのつかないような事態をもたらすと思います。
先生にお伺いしたいのは、原発のプラントで、蒸気タービンに大きな損傷があった場合に、2次冷却系の健全性は保たれるのでしょうか?
(たとえば、蒸気タービン破損時に、蒸気タービンをバイパスして、2次冷却系を回し続けるための配管系がある等)
最後に。工学と医学と、両方の知見をお持ちの小野先生のご意見は、極めて有益なものだと、つねづね感心しております。愚かな敵が多くて、毎日、本当に大変だと思いますが、先生を応援しております!
起動前に現地でバランスを取った上で、この振動が起きていますから、原因究明はかなり難しいと私自身は思っています。あんなばかでかいタービンの振動不具合なんて、私なら途方に暮れますし、分解したところで原因なんかわかりそうもありません。
タービンのバイパスはあるとは思いますが、タービンが破損してしまえば、その下にある復水器などは当然めちゃめちゃになるわけで、冷却機能が失われるのは、火を見るよりも明らかです。そういった場合には原子炉単体で冷やすことになるとは思いますが、それらの設備がタービンミサイルで破壊されることもあり得るわけで、とんでもないシビアアクシデントを惹起してしまう可能性が高いでしょう。
この場合は、地震、津波ではなく、単体故障なので、日本の優秀な技術力を持ってすれば、収束できるのかもしれませんが(皮肉)
事故は完全に技術系の人達で考えて対策を立てねば
ならない事項であるにも拘わらず、常にそれとは
無関係の政府の奴等だとか事務系の奴等が主導して
いることについて疑問を持って来ました。昨年の事故も
直後に日本のメーカーなり、米国の設計者なりを
招致して相談すれば別な収拾策もあったのではないかと
考えていました。今回の事故も当然ながらメーカー
三菱の考え方を最優先すべきです。一度事故が起きれば
先生が書いたような考えられないような大事故が起きても
技術系の端くれである私は全然驚きませんね。
一体いつまで世界に日本の恥を晒す積りなんでしょうか?
猛省を促します。
自分の記憶で、不正確なところがあったら申し訳ありませんが、1970年の三菱重工業業長崎造船所のタービン事故は、タービンディスクの製造工程(鍛造?)に瑕疵があり、大質量のディスクが破壊された、まれにみる大事故でした。
このタービンディスク破壊においては、ケーシングなど、あらゆるものを突き抜け、破局的な破壊が発生する事態になります。
しかしながら、この場合は高回転時にあまり予兆もなく突然発生しますので、今回の大飯原発3号機での振動不具合の原因としては、可能性としては小さいものと考えます。
可能性としてありそうなのは、後半に掲載された浜岡原発でのタービン動翼の破壊かと思いますが、この場合は、動翼の破片はケーシングの中に必ず封じ込められる設計になっていますので、2次損傷で周辺の装置を大破させる恐れは小さいものと考えます。
とは言え、タービン翼やメタル軸受の損傷、最終組み立ての不良による組み直しなどが発生すれば、いずれにせよ復旧には、数ヶ月がかりの作業になるかと思います。
先生のご参考になれば幸いです。
技術者も、もう一回止めてくれたらいいのに。
ところで、私は発電というと自転車のライトを思い浮かべます。
自転車のタイヤがタービンですか?
この前、車と接触して、自転車のタイヤとスポークが曲がって乗れなくなりました。
無理に乗って、転びました…
危険です。
戦前の帝国陸軍のように歯止めが利かぬまま、国民を地獄まで巻き込む絵図が想起され、改めて「この国はダメだな」と思わずにはいられません。
小野先生の記事、みなさまのコメントから、いまさらながら学ばせていただいています。
私の周りには原発に関心を持っている人が皆無で、原発関連の話をするとなにか面倒そうな顔をされてしまうので、普段は口をつぐんでいます。ですので、お忙しいなかこのような場をつくってくださった小野先生に深く感謝いたしております。
この状況下、先日の先生のブログを拝見し、遅ればせながらヨウ化カリウム剤を入手しておこうと薬局を数軒まわったのですが、どのお店でも、処方箋がないと販売できない、とのことでした。
ネットでの購入方法をコメント欄で紹介くださっている方もいて、検討しておりますが、近隣で購入するにはいったん病院に行って相談するしかないのでしょうか?
あまりに初歩的な質問で本当に申し訳ないのですが、どなたかご教示くださると幸いです。
チャレンジャーSTS-51-Lは核燃料を積んでませんでしたが、オオイNo.3は核燃料搭載してます。
わたしが個人的にこれまで耳にした正念場という言葉は、以前勤めていた中小企業がバブルがはじけ自主廃業をした年の年頭の会長のあいさつでのことでした。多くの社員を路頭に迷わせないために必死に持ちこたえようとする経営者の言葉でした。本当に重い言葉でした。
え、たかが電気を作る機械を動かすことになんで正念場?なんでそんな覚悟を求められなきゃいけないのかと、契約者として怒りを感じました。
しかも、臨界に達した原子炉の出力はそのままタービンが稼働するまで維持されるのですかね。フルパワーで海を温め、基準値内の放射能入り汚水や蒸気がばらまかれ続けているわけでしょうか。あたまにきます。言葉の軽さとやってることの重大さ。そして存在価値のない副大臣。
もう、正念場なんて言葉が必要な発電やめましょうよ。
大飯原発3号機タービンの件、本日、続報がありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120703-00000005-fsi-bus_all
私は、バランス調整後に何らかの故障が発生し、アンバランスになったのかと思っておりましたが、どうやら、運転初期のバランス調整をやっていたようです。(最初の報道で、そういう風に報道して欲しいものですが・・・)
小野先生を混乱させるようなコメントをつけまして、大変申し訳ありませんでした。
今後とも応援しております。