文字サイズ. 東京電力は19日、福島第1原発4号機原子炉建屋の使用済み燃料プールから、未使用の核燃料集合体2体を取り出したと発表した。同社社員や協力会社の作業員ら計約100人が従事。被ばく線量は最大で0.62ミリシーベルトだったという。
東電によると、作業は18、19日に実施。これまでのところ、取り出した燃料集合体に腐食や損傷、変形は確認されていないという。松本純一原子力・立地本部長代理は「ほぼ新品同様だと報告を受けている」と述べた。 [時事通信社]
福島第一原発4号機 壁に傾き 6月26日 5時27分 NHKニュース
水素爆発で大きく壊れ耐震性が懸念されている福島第一原子力発電所4号機で、東京電力が建屋の外壁の膨らみによる傾きをさらに調べた結果、先月の調査より大きな傾きが新たに見つかりました。
解析の結果、東京電力は、4号機の建屋全体やプールの耐震性に問題はないとしています。
福島第一原発4号機では、先月、原子炉建屋の西側で水素爆発の爆風でできたとみられる膨らみによる傾きが確認され、傾きは、壁の高さ13メートルに対し3.3センチで、建築基準法の制限値の半分ほどでした。
東京電力が今月さらに調べた結果、外壁の傾きは建屋の西側や南側の広い範囲で確認され、西側の3階部分に高さ13メートルに対し4.6センチと、先月の調査より大きなものが新たに見つかりました。
傾きは、すべての場所で建築基準法で定められた制限値を下回っているということです。
4号機の建屋の上部にある使用済み燃料プールには、福島第一原発で最も多い燃料1535体が保管されていますが、東京電力は、建屋全体やプールは傾きが見つかった外壁以外の柱などで支えられていることから、解析した結果、耐震性に問題はないとしています。
東電は最初は傾いていないと言っていたのに、どんどん傾きがすすんでおりまるでピサの斜塔のようです。それは当然。このあたりは、地震の被害により50センチ近くの地盤沈下が見られているわけですから、4センチ程度の誤差は誤差範囲と言って良いでしょう。

この燃料プールが傾く、あるいは屋上にあるプールに亀裂が入ってしまい、使用済燃料が空中にむき出しになってしまえば、強烈な放射能のために日本どころか世界が終わりますから、4号機の去就が注目を集めるのもまた当然のことです
この使用済燃料の放射能はどこにも書かれていませんので、この使用済燃料から作られる高レベル放射性廃棄物の資料から。

表面から1メートルで110Sv/hr(1時間いたら、広島原爆の爆心地の放射線を浴びる量です)コンクリート1.5mで遮蔽しても 0.0006mSv/hr=0.6uSv/hr もあります。以前だったら、ここに書いてあるように気にしなくて良いのだろうと考えていたのでしょうが、今となってはこんなところにはとてもいてはならないとすぐにわかるはずです。
では、4号機の燃料プールは一体どうなっているのか。
すこしくらいのガレキは見えますが、中の構造物は整然としており燃料自体に問題はなさそうです。

使用済燃料が1331体−新燃料204体 計1535体(数字がぴったり合います−こういう細かいところのチェックが非常に大事です)
東電のホームページから・・・取り出しの様子


一体どのように取り出したのだろうと、気になっていましたが、Happyさんがそのあたりをツイートしてくれていました(私の想像通りでした)
Happy11311:続き2:4号機の新燃料取り出しは、18日と今日19日の二日間で取り出したでし。オイラが聞いた話だと新燃料の表面線量等量率は2〜3mSv/h位だったみたいでし。オイラの予想と大きな差はなかったでし。散水と軽い水ふき程度の除染だし、しっかり除染すればもっと下がると思うでし。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225876551869272064]
Happy11311:続き3:新燃料取り出しで一番心配してたのは、ラックから吊り上げる時にラックと新燃料の隙間に細かい瓦礫が詰まっててスティックし途中で吊り上げられない状態になることでし。今回はスムースに吊り上がったみたいだから良かったでし。でもまだまだ沢山あるから、確実な対処法を考えないとダメでし。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225878179963883520]
Happy11311:続き4:新燃料の吊上げは、多分ほとんどの人が最初から最後までクレーンで吊上げたと思ってるだろうけど、それは違うでし。ラックから引き上げるまでは手動のチェーンブロックで作業員が吊上げるでし。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225883211908149248]
Happy11311:続き5:吊上げる作業員は巻き上げるチェーンから伝わる感覚と水中カメラの映像でスティック(ひっかかる)してないか確認しながら吊上げるでし。炉内の水中作業はクレーンで最初から引き上げる事はしないでし。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225883280925392897]
Happy11311:続き6:通常クレーンや燃料交換機で直接吊り上げる場合はロードセルや過負荷制御装置が付いてて荷重を見ながらやるでし。まぁ基本的には手動チェーンブロックで人間の感覚でやるのが一番安全でし。オイラ達も炉内作業する場合は手動が多いなぁ。但し重い物だと手動は疲れるでし。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225883324936232961]
Happy11311:続き7:普段定検でも炉内作業の場合は手動チェーンブロック使う事あるんだ。炉底部からだと30m位巻かなきゃならないんで重い物だと一人じゃ大変でし。そういう場合は途中で交代しながら少しずつ吊り上げるんだけどね。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225886673282686976]
Happy11311:続き8:今回は重量も300kg位で10m位だし装備も通常定検と同じだから比較的楽なはずなんだけど、環境が普段とは大きく違うし炎天下じゃ大変だったかも。とりあえず何事もなく安全に無事完了して良かったでし。携わった作業員の皆さんお疲れ様でした。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225886824613163008]
onodekita:@Happy11311 200-300mREM/hrというとかなり高いですね。普通の新燃料は1/100くらいではないでしょうか? [http://twitter.com/onodekita/status/225876915360243712]
Happy11311:@onodekita 発表では除染後に50μSv/hみたい。吊上げ直後は2mSv/hみたいでし。高い理由として考えられるのは事故前にDSP側でシュラウドの切断を行っていた為、その細かい高線量の切り粉などが付着してる可能性かとオイラは思うでし。放射化はしてないと思います。 [http://twitter.com/Happy11311/status/225895487205670912]
なぜ、新燃料をわざわざ空中に晒してまで引き上げたか。それは、最後のツイートにありましたように、新燃料が放射化されていないことを確認することにあったと思います。動画を見る限り、燃料は大丈夫なようですが、事故当初は使用済燃料プールが沸騰して、水素爆発したとNRCが解析しています。そのことを打ち消すのが主目的でしょう。おそらく。このプールがこのようにほぼ無傷なまま残っているのは、東京消防隊の決死の放水のたまものではないでしょうか。
東電の燃料取り出しの仕様書
しかし、使用済燃料を取り出すのは大変です。プール内に遮蔽用のキャスクを入れ、その中に一本一本燃料を詰めて、そのあとで空中に取り出すという気の遠くなるような作業が必要となるのは間違いありません。それでも、やり方の想像はつきますし、実現可能です。
ところが,炉心が溶融してしまった1−3号機は一体どこをどう手をつけたらいいのか、未だにわかりませんし、30年たっても同じ状況でしょう。4号機がもっとも危険だが、最も簡単だという理由はそこにあります。
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