東京都が東電への売電契約打ち切りを通告 来年度から競争入札に、東電は抵抗2012.8.17 12:34 [エネルギー]
東京都は17日、東京電力に売電している水力発電の随意契約を打ち切って来年度から競争入札に切り替える方針を固め、7月に文書で東電へ通告していたことを明らかにした。まだ長期の契約期間が残っており、東電は難色を示している。
都は多摩川第1発電所(奥多摩町)など3基の水力発電所を持ち、昭和32年から東電に売電している。最大出力は計3万6500キロワットで、平成23年度は約10億円の収入があった。
現在の契約は21年度から30年度までの10年契約。ただ、電力不足の懸念が高まるなか東電以外の新電力に競争入札を呼びかければ随意契約より高値で売れる可能性が高く、今年4月以降打ち切りを打診していた。東電側は補償金を求め、交渉は難航しているという。
東電は「解約の相談があったことは事実だが、個別交渉についてコメントは差し控える」としている。
この自治体水力は、電力会社にとって宝の山です。非常に古い発電所が多く、しかも各自治体は売電単価自体にまったく興味を示していないので、下手をすると2-3円/kwhという単価で売っています。電力料金があのコストが場が高い原発を持っていても、それほど高くはなっていないのはこの自治体水力があるからと言っても過言ではないのです。特に豊富な水力を持つ長野県。一体どれだけの水力があって、一体いくらの発電単価で売っているのか、住民の方は開示請求されてはいかがでしょうか。
昨年の7月になりますが、非常に不明朗な取引がありました。当時も、このブログで紹介いたしましたが、再掲いたします。(時事の元ネタは既に消されています。)
中部電が水力発電所買収=三重県保有、きょうにも基本合意
中部電力は29日、三重県が保有する10カ所の水力発電所を買収することを明らかにした。買収額は105億円で出力の合計は9万8000キロワット。同社は再生可能エネルギーの活用をさらに進めたい考えだ。
同社によると、東京電力福島第1原発事故以前から、三重県から水力発電所を売却したいという申し出があり、前向きに検討をしてきた。不足する管内の電力供給力を補う目的で今回の決定に至ったとみられ、29日中には基本合意する見通しだという。(2011/07/29-10:55)
大ざっぱな比較ですが、東京の収入を参考にすると、三重県のこの発電所から得られる収入は、
10億円×9.8万/3.65万=26.8億円
の年間収入があるはずです。そもそも、この売電単価が低すぎると東京都はいっているわけですから、適切な契約をすれば、三重県自治体水力からの収入は年間40億円程度にはなるでしょう。それを、中部電力に105億円で売る。明らかに怪しいにおいがします。三重県出身の政治家が絡んでいる可能性すらあるでしょうし、その政治家に仮に毎年10億円献金したとしても、おつりが出るほどの信じられないほど有利な取引です。血税でつくられたこの発電施設を、このような安価で売り渡す。住民に対する特別背任だと私は思います。
厳重なる調査が必要です。
◆関連ブログ
1年の売電収入未満で水力発電を中部電に売る三重県〜これは許してはならない2011年07月29日
タグ:水力
以前にコメントさせて頂いた、柏崎市の西川仁という者です。毎日「院長の独り言」のHPを拝見させて頂いております。とてもためになる内容で非常に勉強になります。 さて、ヤフーのニュースでこんな記事が載っていました。「原発事故・宮城集団賠償請求 「2億円被害」に支払い3万円」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120829-00000005-khks-l04 とても信じられない内容です。なんでこんな誠意の無い対応をするのでしょうか?東京電力の内部事情はどうなっているのでしょうか?
私事で恐縮ですが、今年の4月1日に私が勤務する歯科診療所が強風のため電線が切れて半日程停電になりました。当院に電気を供給して下さる東北電力さんは真摯に対応して下さり、60万円以上の損害賠償金を支払って下さいました。損害賠償の支払いという事について、東北電力さんと東京電力さんとでは、こんなに対応が違うのでしょうか?
それに比べて・・ほとんどのマスコミの人間に、今すぐ退場願いたい!!