2012年10月14日

1F-1/2主排気筒が高放射能汚染している理由

福島第一原発の「高放射線地点」を初めて撮影(12/10/12) ANN News Channel


この1−2号機配管の高線量は、当初から発表されていました。10シーベルト超/時の放射線量(原爆爆心地並み)

なぜ、ここが高いのだろう?と非常に不思議に思っていましたが、上の動画を見てつながりました。
東電が公開してきた動画 2011/3/15未明 51-4

 ここを書き下します。
武藤「さっき、あの格納容器のラプチャって、いくつで破れるんだっけ?0.85。あと0.15だ。あと」
(そうです)
武藤「SR弁早く開けないとどんどんどんどんあがっていっちゃう」
武藤「0.7」
本店「ベントですね。ベントが一番先だな、ベントが。ベントできないと格納容器が壊れる」
サイト「すみません、あの〜〜。ウェットウエルの子弁、微開だと思っていたんですが、どうも開いていないみたいなんで、早急にドライウェルの子弁開けないといけないと思っています。それ、ちょっと許可いただけますか。」
高橋「やってくれ、やってくれないと壊れる」
サイト「じゃ、ドライウエルの子弁開ける方向で調整します。」
小森「えっ、ドライウェルの小弁というのは・・・それは・・格納容器の中のあれ、もの、は出ちゃうんですよ」
武藤「開けないと加圧しちゃうんだから、開けるしかないんだよ」〉
吉田「そう。これはブレークするのを、後のことを考えないで今やるべきだと思うよ
武藤「開けるんだよ、これは」
小森「うん、いや開けるんですけど(弱気に)・・風向きだけ見といてください」
武藤「開けるって言うことを言わないとダメだな」
?「風向きは2エフのスタックで、北風です。真南の方に向いています。ニエフ(福島第二原発)方向に吹いています」
小森「ニエフがあがるよ」
本店「ドライウエルベント出来るんならさ、、おい、吉田。」
(ドライウエル0.74)
吉田「はい。」
本店「ドライウエルベント出来るんだったらもうすぐやれ。早く。余計なこと考えるな。こっちで全部責任取るから」
サイト「ドライウエルのベントベントって、どれを開ければいいんですか。」
吉田「ドライウェルの子弁、ドライウエルのベントの大きい方じゃないヤツでしょう」
本店「子弁でもいいよ。できるんだったら、それやれっていんだんだけど。現場からできないっていっきたんだからずうっと。この二、三時間」

 この格納容器のドライベント。実は公表していません。私の記憶が正しければ、3月15日にドンという音がして、格納容器の破損が起こったとみられると説明しています。しかし、上記のやりとりを見て、さらに1−2号機排気ダクトで致死的な放射能が見られていることで、ドライベントをしたことは間違いありません。

ところが、国会事故調の報告書を読みますと・・このドライウエルベントがうまくいかずに、格納容器破損につながったと書かれています。問題なのは、格納容器ドライベントをするという決断をしたにもかかわらず、その報道が一切なかったこと。そして、ドライウェルベントが本当に不成功に終わったのかどうかは、東電が動画を公開していないために検証ができません。ドライウエルベントがうまくいかなかったのに、なぜそのベントラインにつながる排気筒に高線量エリアがあるのか。
 この件に関しても、東電、政府は何かを隠している気がしていけません。

(問題点)
・ドライウエルベントの危険性を告知しなかったのはなぜか(致死量の放射能がでることを意味します。当時、政府はコントロール下にあると発言していたはず)
・格納容器破損だけが、排気筒高線量の理由か。いずれにせよ、排気筒が高濃度に汚染されていることは、大気中にとんでもない放射能が拡散されたことを意味する

事故の進展を正確に知るには、東電が持っている動画をすべて公開させなければなりません。この音声付きの動画、東電は昨年8月の時点でそのような物は一切残っていないと言ったことは、忘れていません。

◆関連ブログ
10シーベルト超/時の放射線量(原爆爆心地並み)2011年08月02日
ドライベントしていたフクシマ−意味と背景2012年08月30日
タグ:1F
posted by いんちょう at 11:25| Comment(4) | 原子力
この記事へのコメント
チェリノブイリ以上の放射能が放出された筈だと言われる所以はこの辺に原因があるのかも知れません。

こうなると原因を追求できるのは政府でもなく、元現業員の出番です。先生の追求に期待したいです。

しかしよくよく隠蔽したいんですね。つうことはやっぱり国民が想像していた以上の大事故なんですね。
Posted by ハマの住人 at 2012年10月14日 11:40
福島県は、事故翌日の3月12日早朝から、各地域の放射線量を計測していた。
同日午前9時、浪江町酒井地区で毎時15マイクロシーベルト
高瀬地区では14マイクロシーベルト
浪江町の2地点は、ほかの町と比べて、異常に高い数値を示した。
1号機水素爆発の6時間以上も前で、近くには大勢の避難民がいた。
翌3月13日には、南相馬市原町区、小高区の数か所で計測限界の30μSv/hを振り切った。
詳細は↓
http://gabasaku.asablo.jp/blog/2011/10/16/6158222
Posted by 文旦 at 2012年10月15日 01:23
小野先生

ブログの内容とは直接関係ありませんが、今流れているニュースで、パソコンの遠隔操作ウイルスの事件が流れていました。

このウイルスは2チャンネルで感染という報道もありましたが、少し前にも記憶が定かではありませんが。2チャンネル問題がありました。

つい最近国会通過した法案のactaといい、完全にネット上の言論封殺のための自作自演事件というところでしょうか?

著作権上の理由でactaで攻め、それ以外はこのような事件は防げないからと、ネット情報を封殺し、健康被害などの原発事故情報をネット上から締め出すつもりでしょう。
Posted by 大庭孝広 at 2012年10月15日 17:12
こんばんは。ドライウェル、ウェットウェルの意味は、事故後、原子力資料情報室の解説を通し知りましたが、地震後の夕方から付けっぱなしのTVで1号機の圧力を下げるためベントを実施する、放射性物質を含むガスが外気に放出されると官房長官だかが発表したときの恐怖の感覚、今も忘れていません。
DAYS JAPANの「検証 原発事故報道」で確認すると3月12日未明のことだったと。

東電TV会議映像(編集済)は公開されていますが、映像が細切れなのと映像の目次的な資料が見づらくて、じっくり確認している時間も作れません。
結局、政府が信用できず、誰を信用してよいのかわからないということで、地道にわたしたちが確認作業を進め、うやむやにさせないことが大事なのですね。事故評価は後世にって思ってましたが、この状況では、確実に誤魔化されてしまいますから、放射能防護や推進勢力との闘いと併行して検証の精度も高める努力、していかないとダメ?やっぱり?

ほんとエラいことやらかしてくれてる…睡眠時間も返して(−_−#)
Posted by マツダマツコ at 2012年10月16日 01:18
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