「ぼったくりバー」と批判 猪瀬都知事 東電の解約金要求に2013.1.25 23:48 [東京都政]
東京都の猪瀬直樹知事は25日の記者会見で、都保有の発電所で得られた電力を東京電力に販売する契約の解消をめぐって同社が多額の解約金を要求しているとして、「ぼったくりバー。理屈になっていない」と述べ、支払わない考えを示した。
都によると、東電は契約解消に伴って他社から供給を受けるための費用や、都が水力発電所の改良のために電力販売収入から積み立てていたお金の計約51億8千万円を求めている。
東電担当者は取材に対し「ユーザーに影響を及ぼさないためにも都に負担をしてもらう必要がある」と話している。
都は昨年10月、水力発電で発電した電力を特定規模電気事業者(新電力)にも販売できるよう条例を改正。東電に対し、平成31年までの契約を今年3月末で解約する意向を伝えたが、東電側は反発していた。
この自治体水力は、電力会社のおおきな儲けの源泉の一つです。原発はご存じのようにもの凄く高コストで発電していますから、今の売電単価(15-20円/kwh)では成立しません。LNGも確かに安いのは事実ですが、最も儲かるのが自治体水力なのです。自治体には売電単価についての基礎素養が全くありませんし、電力会社は長期需給計画のためにともの凄く長いスパンで契約をしてしまいます。
では、この50億円もの違約金を請求する東京都の水力発電の出力はどれだけか。
東京都が東電への売電契約打ち切りを通告 来年度から競争入札に、東電は抵抗2012.8.17 12:34 [エネルギー]
東京都は17日、東京電力に売電している水力発電の随意契約を打ち切って来年度から競争入札に切り替える方針を固め、7月に文書で東電へ通告していたことを明らかにした。まだ長期の契約期間が残っており、東電は難色を示している。
都は多摩川第1発電所(奥多摩町)など3基の水力発電所を持ち、昭和32年から東電に売電している。最大出力は計3万6500キロワットで、平成23年度は約10億円の収入があった。
現在の契約は21年度から30年度までの10年契約。ただ、電力不足の懸念が高まるなか東電以外の新電力に競争入札を呼びかければ随意契約より高値で売れる可能性が高く、今年4月以降打ち切りを打診していた。東電側は補償金を求め、交渉は難航しているという。
東電は「解約の相談があったことは事実だが、個別交渉についてコメントは差し控える」としている
3万6500キロワットの契約を解約するだけで、50億円もの損害賠償です。まさしく、ぼったくりバーそのものですが、さらに上手を行く電力会社があります。
ぺらぺらの防潮屏風をつくって、浜岡の再稼働に血道を上げているご存じ中部電力
中部電が水力発電所買収=三重県保有、きょうにも基本合意
中部電力は29日、三重県が保有する10カ所の水力発電所を買収することを明らかにした。買収額は105億円で出力の合計は9万8000キロワット。同社は再生可能エネルギーの活用をさらに進めたい考えだ。
同社によると、東京電力福島第1原発事故以前から、三重県から水力発電所を売却したいという申し出があり、前向きに検討をしてきた。不足する管内の電力供給力を補う目的で今回の決定に至ったとみられ、29日中には基本合意する見通しだという。(2011/07/29-10:55)
わかりやすく表にしてみましょう
電力 | 出力(キロワット) | 売電収入 | 違約金 | 購入費 | 備考 |
東京 | 36,500 | 約10億円 | 50億円/5年 | − | 違約金は売電額と同じ |
中部 | 98,000 | 27億円 (推定) | 135億円 (試算) | 100億円 | 購入費は東電の 違約金よりも安い |
中部電力の推計は、東電発電設備から推計。
売電収入 = 10億円×(36.5/98)= 27億円
違約金 = 50億円×(36.5/98)=135億円
おわかりでしょうか。中部電力が東電が自治体に請求した違約金よりも、はるかに安く水力発電を手に入れてしまっているのです。このような明らかなダンピング価格で独占企業に発電所を売却する自治体。この舞台は三重県ですが、かなり大がかりな政治家の関与が疑われます。なぜ、マスコミは一切報道しないのでしょうか。1000億円の防潮堤で黙らされてしまっているのでしょうか。
◆関連ブログ
自治体水力発電の闇−2012年08月29日
1年の売電収入未満で水力発電を中部電に売る三重県〜これは許してはならない2011年07月29日
日本原子力安全文化の象徴−浜岡原発の防潮堤
原発止めて貿易赤字が過去最悪になった事実から目を背けないで下さい
・原子力 29%
・天然ガス 29%
・水力発電 8.6%(★)
・再生可能エネルギー(太陽光、風力等) 1%(★)
なぜか再生可能エネルギーの項目から、一般水力を除外しているのですね。どう考えても水力発電は「再生可能エネルギー」ですよね。そして上記の割合を示してマスコミは再生可能エネルギーは発電量が「1%しかなく」発電の中心にするのは難しいと説明してきました。
それから地熱発電についてはマスコミは概ねスルーしています。しかし地熱発電は稼働率が高く、東日本大震災においても被害がありませんでした。また日本は地熱発電のポテンシャルが高いので(150°C以上:2,400 万 kW、120°C~150°C: 110 万 kW、53~120°C:850 万 kW)国が本腰を入れて開発すれば、日本の再生可能エネルギーの割合は飛躍的に伸びる筈です。またバイナリー発電の技術を応用すれば、既存のスチーム式の地熱や、火力発電所の発電量を増やすことも可能なのではないでしょうか。
よくマスコミは地熱発電は建設コストが高いと言っていますが、原発の建設コストが、もの凄く高いことには言及しません。また地熱発電は建設に時間がかかり過ぎるとも言われますが、短期計画ではバイナリー発電、中・長期的にはスチーム式発電と並行して開発すれば良いことだと思います。スチーム式の地熱発電所の建設に時間がかかると言っても、海外での事例ですが技術総合誌『OHM』によれば、5年ぐらいで建設が出来たケースがあるようです。
結局、再生可能エネルギーの割合が増えると、本当は原発がなくても大丈夫だという事が国民に知れ渡ってしまうから、地熱発電についてはスルーをするか、予算をなるべく付けないようにするか、悪い噂を流すことをしてきたのだと思います。更には太陽光や風力のように稼働率の低い(太陽光12%、風力20%)再生可能エネルギーばかり宣伝して、「やっぱり再生可能エネルギーは不安定で効率が悪いよね」という世論誘導をしているではありませんか。(地熱:稼働率70%、水力:80〜90%)
それから「電力買い取り制度」は間違っていると思っています。この制度は、設備投資が可能な大企業や金持ちが売った電気を、設備投資の出来ない零細企業やアパート暮らしの庶民が「上乗せされた高い電気代」を支払わされる仕組みだからです。いままでは原子力によって高くなった分は(一般家庭においては)金持ちも貧乏人も、使った分だけ、ある程度は平等に近い形で支払っていた筈です。この電力買い取り制度もまた、庶民や貧乏人から搾取する仕組みなのではないでしょうか。
【地熱発電のポテンシャル】
http://www.env.go.jp/earth/report/h23-03/chpt6.pdf
http://mainichi.jp/opinion/news/20130128k0000m070079000c.html
毎日も御多分にもれず積極的な反原発の記事なんか書きませんが、
この記事の中の南相馬市の産婦人科医の高橋先生の話は、矢張り
ご存じ方はそうゆうことなんだなと納得させてくれます。
つまり震災後の出産事例の減少から「子どもを守るにはどうすれば
いいか」と行動を起こしたとあり、内部被ばくの正確な測定に
こだわったのは「真実はそこにあると思ったから」と書いてある
ことです。
大腸がんで亡くなられたそうですが、惜しい人を失ったと思います。
が、どうしてもわからない点があるので、教えてください。
中部電力の違約金135億円(推定)というのは、どこから出てきた金額なのでしょうか?
購入費は東電の違約金よりも安い
という比較は、なにか意味があるのでしょうか?
東電の違約金は、(東電の「へ理屈」で言えば)都から安く借りていることからあげるはずだった逸失利益の請求ですよね。
中部電力の購入費は(うまく買い叩いたとはいえ)、民間から県へ支払う買収の対価ですよね。
逸失利益請求の50億円と買収対価の105億円、「はるかに安く」という意味がわかりません。
違約金推定の135億円(出処不明?)との差額、30億円で中部電力が購入した?という意味でしょうか・・・
http://www.pref.mie.lg.jp/D1KIGYO/0307suiryokusiryou.pdf
を見ると、他の自治体の売却価格の比較が載っています。彼らは簿価で計算するのですね・・・。それにしても、三重県がダンピング価格であることはわかりますが・・・。
http://www.pref.mie.lg.jp/D1KIGYO/keiei/yosankes/24tousy/H24tousyo_syuyoujigyou.pdf
三重県企業庁の資料を見ると、水力発電事業の予算が載ってます。院長先生が推定とされた金額と一致してますね。(前回のリンクの推定金額は、かなりめちゃくちゃのようですが)
これによると、中部電力に売り渡すために
「水力発電事業の民間譲渡に向けた必要な設備改修を行います。」とあります。
ダンピング価格で売り渡すために、8億円かけてて直してあげる・・・。泥棒に追い銭といったら、言いすぎでしょうか。
『悪魔・山下俊一が、2つの賞を受賞!』
昨年12月に武見記念賞。今年3月にアメリカNCRPのSinclair基調講演受賞。
News Log news-log.jp/?p=6402
私は2011年に悪魔・山下が朝日ガン大賞を受賞した時ほどの怒りがわいてきません。(あの時は実家に電話して怒りを訴えて朝日から東京新聞に変更させました。親は東京新聞のほうが情報量が多いと喜んでいた)
うーん、異様な社会状況に慣れてしまったのかなぁ(涙)いかんいかん。。
ちなみに武見太郎、ググってみたら、かなり面白い人じゃないですか!こんな人では、今回の受賞には怒髪天をついているのでは。日本からこういう頑固ジジイがいなくなってしまったこと、さびしい感じがします。へー、教文館ビルで診療所をひらいていたんですね。クリスチャンだったのかな?銀座の教文館は、古き良き銀座の香りがするビルで私は大好きでした。質の良い子どもの本を揃えていて、いるだけで幸せになれる空間。クリスマスにはたくさんのクリスマスグッズが並んでいたっけ。昔は近くに名画座もあり、東京の素敵なところがつまった、大好きな場所だったな。