フクシマはこれ以上無いレベル7という原発事故でありながら、放射能の被害は出ないことになっています。このことを証明するために、政府の官房長官が「直ちに影響はない」と話したり、それでは信じる人が少ないと見れば、東大の専門家をたくさんだし、それでもダメと思ったら、IAEA そして WHO 国連と様々な権威者が異口同音に同じことをいっています。それを信用しない人間は「文系、低所得、非正規、無職」と蔑む。
真実を見抜くにはどうしたらいいのか。簡単です。一つの記事だけではなく、いろいろな記事をスクラップしておいて、比較する。相手のふんどしで相撲を取れば、真実は浮かび上がってきます。刑事が真実をつかむために犯人を尋問するのと同じ構図です。そして、真実がわかるとあれこれ騙そうとしたカラクリが、見えるようになります。
放射能の安全デマは、パターンが決まっていることは何度もお話しました。今回は甲状腺の被曝、ガン問題について、焦点をあててみます。だいたいの流れは次のようです。
1.フクシマの放射能では健康被害は起きない。
(これは、当然です。もし、放射能で被害が起こることがわかれば、原発はおろか核兵器が使えなくなるのですから、大変困ります)
2.100mSv以下では、健康被害は起きない−言い換え
(もう60年以上も前のヒロシマ、ナガサキの米軍が出した報告書を金科玉条のごとく、振りかざします。核兵器の実験は2000発以上。ヒロシマ、ナガサキ以外にもたくさんのたくさんの被爆者が世界各地にいます。そして、チェルノブイリも当然含まれますが、すべてヒロシマ・ナガサキの研究を根拠にして否定します)
3.甲状腺は、50mSv以下ではなんの変化もない
4.だから、フクシマでは甲状腺癌は決して増えない。増えるとすれば、日頃の不摂生だ。
そういう単純な構図です。
「甲状腺被曝は30ミリ以下」 原発事故巡り放医研推計
朝日新聞デジタル 1月27日(日)19時22分配信
【大岩ゆり】東京電力福島第一原発の事故による甲状腺被曝(ひばく)は、大半の福島県民が30ミリシーベルト以下という推計結果が27日、都内で開かれたシンポジウムで発表された。まだ中間報告の段階で、推計の前提には不確実な要素も多く、さらに検証が必要だという。
原発事故で飛散する放射性ヨウ素は、甲状腺に集まる性質があり甲状腺がんが心配される。ただ、ヨウ素の半減期は8日と短く、甲状腺被曝の実測データはほとんどない。環境省は昨年、放射線医学総合研究所(放医研)に委託して、被曝の実態を検証するプロジェクトを始めた。
当然です。50mSv以下ならば、心配要らないと豪語しているわけですから、それ以内に当てはまる数字(30mSv)を「科学的」として発表します。
甲状腺被曝、最高87ミリシーベルト 50ミリ超も5人2012年3月9日8時59分
東京電力福島第一原発事故で、放射性ヨウ素によって甲状腺に90ミリシーベルト近い被曝(ひばく)をしていた人がいることが分かった。弘前大学被ばく医療総合研究所の床次眞司(とこなみ・しんじ)教授らが、事故の約1カ月後に行った住民65人の測定結果を分析した。被曝した人の約半数が10ミリシーベルト以下だったが、5人が50ミリシーベルトを超えていた。
甲状腺被曝はがんのリスクがあるが、ヨウ素は半減期が短く、事故直後の混乱などで、きちんとした計測はされておらず、詳しい実態は分かっていなかった。
床次さんらは昨年4月11〜16日、原発のある福島県浜通り地区から福島市に避難してきた48人と、原発から30キロ圏周辺の浪江町津島地区に残っていた住民17人を対象に、甲状腺内の放射性ヨウ素の濃度を調べた。この結果、8割近い50人からヨウ素が検出された。
この実測値から、甲状腺の内部被曝線量を計算した。事故直後の3月12日にヨウ素を吸い込み、被曝したという条件で計算すると、34人は20ミリシーベルト以下で、5人が、健康影響の予防策をとる国際的な目安の50ミリシーベルトを超えていた。
最高は87ミリシーベルトで、事故後、浪江町に残っていた成人だった。2番目に高かったのは77ミリシーベルトの成人で、福島市への避難前に同町津島地区に2週間以上滞在していた。子どもの最高は47ミリシーベルト。詳しい行動は不明だ。
国が昨年3月下旬、いわき市、川俣町、飯舘村の子ども1080人に行った測定では、35ミリシーベルトが最高値と公表されていた。
1年前はこの都合の悪いはなしが、堂々とでていましたが、この時のクライテリア(病気になるかならないかの基準)は100mSvでしたので、それ以下の数値は出してきたわけです。これを見ると、子どもに35mSvの被曝があったことは認めていますね。
放射性ヨウ素:福島・浪江の内部被ばく「低い」 弘前大
毎日新聞 2013年01月12日 00時10分(最終更新 01月12日 05時11分)
弘前大被ばく医療総合研究所(青森県弘前市)は11日、東京電力福島第1原発事故から数カ月後に検査を受けた福島県浪江町の町民2393人のデータを基に、放射性ヨウ素による甲状腺の内部被ばく量は推定で最大4.6ミリシーベルトだったと発表した。国際原子力機関が健康被害を防ぐために定めた安定ヨウ素剤の服用基準(50ミリシーベルト)より低く、健康への影響は小さいという。
一年で同じ大学の同じ教授でありながら、言うことがまったく変わります。いやはや大したもの。どちらかがウソをついているわけです。
先日、原子力安全委員会のホームページが移動してしまい、あれこれと探していましたら、原子力安全委員会において平成23年3月11日以降に行った助言等の活動についてなるページを見つけました。
私の目を引いたのは、「ERC医療班状況報告16」について

GMサーベイメータによる 13,000cpmはおよそ表面汚染密度40Bq/cm2に当たると思われますが、この数値がすべて内部被曝のヨウ素による物とすると、安定ヨウ素剤投与の基準値となる等価線量100mSvに相当します。よって、スクリーニングにおける基準値は、1000,000cpmまで挙げず、現行のまま13,000cpmに据え置いた方が良いと考えられます。
この数値にびっくりしました。13,000cpmで甲状腺等価線量100mSvをオーパするにもかかわらず、その10倍近いクライテリアにしているわけで、それはおかしいと原子力安全委員会が指摘している資料。では、実際にどうだったのか。
除染レベルを上げたのはできなかったから、足の被曝は500mSvだった・・医師会の講習会より

住民の方々、福島県は大体1㎠当たりγ線とβ線で40ベクレルぐらいを事故前の除染基準にしていました。これよりも高ければ除染をする、これよりも低ければ除染をしないということです。これは検出器によって違うのですが、このタイプの検出器を使うと大体1万cpmぐらいのカウントが出てきます。ところが、1万cpmを超える人たちが住民の方に多く出てきてしまったのです。
何が起きたかというと、今回の災害は、先ほどお話ししましたように、複合災害でありました。結局住民の方に汚染があっても、断水によって水がなかったため、除染ができなかった(図表17)。


そこで、IAEA(国際原子力機関)が出しているマニュアルを確認したところ、10cm離れたところで1時間あたり1μSv/hというのが、いわゆる“First Responder(消防など真っ先に救急対応する人)”にも、このレベルまでは基本的に何もしないで患者の治療にあたるというレベルであると記されていました。これに比べると今回の除染基準値の引き上げについても大体10cmのところで1μSv/hになるということが分かっていましたから、私たちはこれを適用するように政府に対して提言をいたしました。
現場で事故復旧に当たる人の除染基準を子どもにまで適応。つまり、放医研は100mSvを超える甲状腺被曝を受けてしまった避難民をたくさんつくることによろこんで手を貸してしまっているのです。

このような検査をしておきながら、基準値をゆるゆるにして、みすみす甲状腺被曝を甘受させてしまった日本政府と医師会。その後の賠償を逃れるために、学会、政府一体となって、過小被曝評価を行い被害者を切り捨てる。決して許されません。
◆関連ブログ
100mSvを押しつけるForbesと日経(700万アクセス)2013-01-19
ついにでてきたWHO - 福島のがんリスク、明らかな増加見えず WHO予測報告2012-11-29
「放射能が怖いのは文系、低所得、非正規、無職」-現代版はだかの王様2012-06-11
放射能の実力試験−推進派からの挑戦状2012-02-26
除染レベルを上げたのはできなかったから、足の被曝は500mSvだった・・医師会の講習会より2012年07月20日
放射能と一緒に移動する人たち2011年12月02日
いつもありがとうございます。
昨日のニュースで、子どもに障碍、土をいじるときは注意、というのを耳にして、気になってネットで改めて確認してみました。
NHKのニュースはこちらです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130128/k10015100181000.html
自分で調べる、というせんせいのいつもの言葉にしたがい、患者会のホームページを検索してみると、活動のきっかけが2011年春以降で設立も201年の9月でした。
http://toxo-cmv.org/index.html
こちらにも事実はあるのだと思いますが、もっと重要な事実は隠されているのでしょうか。
3号機爆発後の雨の日、さいたまで9才の子供が全身雨に濡れて帰ってきました。あれほど濡れてはいけないと傘を持たせたのに。すぐシャワーを浴びさせましたが、私は一生悔やみきれません。
その後、4月に母子のみ九州に移住その後、米国移住と被曝させない努力をしてきましたが、完全に政府に騙されている”心無い”、義理両親、実両親に汚染地域への里帰りをたびたび催促されています。
まわりの放射能は安全だというプレッシャーが世の中の母たち、子供たちをどれだけ苦しめていることか!! いいえ、子供に健康被害が出たら、実質苦しめられるのは子供たちなんです。
世間はみんな馬鹿すぎて馬鹿すぎて涙が出ます。
楽しく子供を連れてチェルノブイリを旅行できますか? 関東に里帰りなんかできません。
バカな人をどう納得させるか、こっちも騙すしかないですね。
フィルター自体もシャワーで洗浄後は0.132μsvになったので、原因がフィルター交換後の埃だと判ります。
蓄積すると都内では未だに高い数値が出ている事実があり、子供の呼吸器はこのフィルターと同じ役割をしていると思うと、きっと未来は明るくない。
ホント、悔しいし、許せない・・・
>らくださん
わかります。わかりますよ。
私も悔やまれたことがいくつも毎日のように思い出されます。
夫はうちの両親に「子供達のほうがお母さん達より先に死んでしまうかもしれないんだよ。それは嫌でしょう」と言ってくれました。
避難移住もする前は私自身悩みました。
でも今はしてよかったと思います。
危機感のある方達からは「将来お子さんに感謝されるよ」と言われますが、
されなくてもいいんです。
〇何も健康被害など起きず、転校までして移住する必要なかったじゃないか、と将来子ども達に恨み言を言われる。
〇病床の子供が、それでも私を信じて疑わず、お母さん好きと言いながら闘病する。
二つの未来を想定して、私は前者を選んだのです。
一般的に思われている地域在住ですが
子どもの就職進学を機に、う〜んと
遠方へ送り出しました。
もちろん、当初関東圏での
就職進学志望を説得して
急遽変更させての事です。
周りでは少数派。
友人間でも変わり者扱いです。
福島県民同士、原発事故から1年10ヶ月経過し
被爆や放射能の影響の話は、とてもし難いです。
チェルノブイリで起きた事が、フクシマで
起きないとどうして思えるのかが
私は不思議なのですが。
毎日安全安心神話を垂れ流すニュースや
新聞記事、官公庁の安心刊行物の方が、
同じ親同士として心配する私の話より
信頼が置けると思うようです。
せめて過去の原発事故や放射能漏れ事故で
周囲にどんな健康被害が起きたのか
自分で調べれば又違う対応なのでしょうが
自分や自分の子共の住む場所を安全と思いたい
心理が強過ぎ私の話などには拒絶反応です。
近頃は懸念を表明してる人としか
被爆放射能関連の話はしない様に
なりました。
放射線医学総合研究所理事
明石 真言氏の講演時のものですね。
たぶん去年の7月20日に先生のブログで拝見していたはずですが、詳細を覚えていられませんでした。あらためて、お示しいただくと、やはりひど過ぎ、腹立つ。
できない理由を箇条書き、科学的に見せているけど、こどもの自由研究の方がずっと中身がある。
要は、できなかったらできる場所にみんなを移せばよかったんですよ。国内の機関が力を合わせて。整然と子供たち優先で。
何度、何を振り返ってみても、ゆるせない。
こどものために、ぜったい忘れてはいけないことですね。台湾にいる子が具合が悪いとメールしてきてその後、1週間くらい音沙汰なかったんです(もう大丈夫みたいですが)。
ああ、1年ちょっと日本で暮らし不完全な対応してたからなにか大きな病気なんじゃないかと毎日くよくよしてました。まったく、なにかあるたび自分を責める親の思いを踏みにじってます。
子供のためとか思って、米国に逃れたと思っても、アメリカの添加物万点!の食品食べさせてる方が、よっぽど恐ろしいことに気づけよな・・。
悪いこと言わへんから・・。