2013年02月11日

1F-3 核爆発を起こした燃料プールとその後始末

3号機も日本の技術力を結集して、どうにか作業を始めていますが、人が近づけない線量のために遠隔操作で作業をしています。そのため、何度も何度もトラブルが起きています。

がれき撤去中、鉄骨が破断 福島第1原発3号機
 東京電力は6日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プールにあった鉄骨がれきの撤去中、鉄骨が二つに破断し、一部がプールに落下したと発表した。遠隔操作のクレーンが破断後も鉄骨をつかんだままだったため、プールの下までは落下しなかったとみられる。
 東電は「落下直後までは監視用の水中カメラでプール内の様子を確認できた」としているが、その後は落下の衝撃で水が濁っているという。7日にもプール内に水中カメラを入れ、使用済み燃料への影響の有無を調べる。
 東電によると、今回撤去した鉄骨はプールにあった最後の1本で、もともと一部がプール内の水に入っていた。6日午後1時ごろ、クレーンでつり上げた鉄骨が破断。その後も撤去作業を続け、建屋脇に下ろした。
(2013年2月7日 福島民友ニュース)



 じつは、これは初めてではありません。

3号機プールに470キロの鉄骨落下 撤去作業中につかみ損ねる2012.9.22 16:17 [放射能漏れ]
 東京電力は22日、福島第1原発3号機で、原子炉建屋のがれきを撤去中、誤って鉄骨(長さ約7メートル、重さ約470キロ)を燃料貯蔵プール内に落下させたと発表した。

事故後の東電分析報告書
2013021103.jpg
福島第一3号機、燃料交換機がプール内に落下
2013021101.jpg
東京電力が公開した福島第一原発3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プール内の写真。(4月13日、東京電力撮影)

 東京電力は13日、福島第一原子力発電所3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プールの内部を撮影した写真を公開した。
 プールの上をまたぐ形で設置されていた長さ14メートル、重さ35トンの鋼鉄製の燃料交換機がプール内に落下し、深さ約7メートルの核燃料の上に乗っていることが初めてわかった。プール内には原子炉建屋の天井や壁の破片らしきガレキも積み重なっていた。
 プールは3号機の原子炉建屋内にあり、使用済み核燃料514体と新燃料52体の計566体が貯蔵されていた。
 3号機は昨年3月14日に水素爆発が起き、原子炉建屋の天井や壁が吹き飛んだ。燃料交換機はその衝撃でプール内に落ちたらしい。東電によると、プールの水質検査結果から、核燃料に大きな破損はないとみられるという。事故後の3号機プール内の撮影は昨年5月8日以来。
(2012年4月13日20時23分 読売新聞)


 今月のトラブルについて、フクシマの作業員であるハッピー氏(@Happy11311)のツイートから
以前にもつぶやいたけど3号機オペフロ瓦礫撤去作業はとても難しいんだ。

3号機オペフロは高線量のため4号機みたいに作業員が上がって撤去するわけにはいかない状況。

撤去作業は被曝しない離れたある場所で遠隔操作でやってるけどカメラアングルだけじゃまかないきれない部分がある


1F-4のオペフロの線量は公表されていますが、いままでのところ3号機のオペフロ線量の具体的な数値は聞いたことがありません。ご存じの方がおられたら、教えてください。(1階は公開

 今回のフクシマで最も悲劇的な事象は、以前からも何度も紹介していますが、3号機の使用済み燃料プールが核爆発を起こしてしまったこと。

 詳しくは下記のブログを見ていただくとして、
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)
「まるで原爆ドームじゃないか」−3号機現場の証言

一番重要な動画


この筆者は、すでに意見を変えているようではありますが、私自身はガンダーセン氏の分析を支持します。


そして、下記の動画では燃料ラックが本来あり得るべきところではないところから、発見されていると指摘しています。


東電が公開した3号機燃料プール(2011.5.10)


4号機燃料プール(2011.5.8)


(参考)正常状態の燃料プール
2013021104.jpg

どちらなら燃料をうまく取り出せると思いますか?

 このような燃料プールからまともに燃料が取り出せるとはとても思えませんが、東電はやる気です。
2013021102.jpg

 3号機はどこもかしこも線量が高い。これこそ、核爆発が起きた証拠だと私は思っています。しかし、この3号機爆発の分析は、まともにされていません。それにもかかわらず、再稼働基準を作り上げる規制委員会。狂っているとしか言いようがありません。3号機は燃料プール・・学会認めていたのように、使用済み燃料プールの危険性を事故当初より、原子力学会でさえ、指摘しているのに・・・

各号期の建屋内線量を東電が発表しています。
2013021105.jpg
なんと、オペフロ線量500mSv/hr以上。これが大気に解放されているのですから、本当に恐ろしい話です。

比較のために1F-4
2013021106.jpg

この差が、4号機が核爆発とは思えない理由

ちなみに、1号機
2013021107.jpg
(たったの60mSv/hrしかありません。)・・・これでも殺人的な数値なんですよ。

◆関連ブログ
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)2011年08月10日
「まるで原爆ドームじゃないか」−3号機現場の証言2012年12月11日
1F-3号機1階の状況分析 公開動画から2011年06月16日
3号機は燃料プール・・学会認めていた2011年06月23日
タグ:1F-3 1F
posted by いんちょう at 19:55| Comment(4) | 原子力
この記事へのコメント
震災瓦礫広域処理に関して、「結局税金の無駄遣い」「反対派の指摘当たる」「ゼネコン、利権に群がる」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2013021102000132.html
焼却前、我が子を守るためにベビーカーを押しながらお母さん達が頑張っていたことを思い出すと、もっと早く報道してほしかった・・と思いますが、感謝です。他の新聞がウンコすぎるので、東京新聞には感謝です。
意見はこちら。
https://cgi.chunichi.co.jp/tko/entry/toiawase/toiawase.php
Posted by 焼いたらだめさ、あたりまえ at 2013年02月12日 11:06
先生、いつもありがとうございます。
今後もよろしくです。
Posted by ミーちゃん at 2013年02月12日 13:02
赤字の「東電はやる気」を開いて東電の出した資料を読みましたが、建屋カバーのことは妙に詳しいですね。立派な!予想図も。鉄骨と鋼板製ですね。
今話題の一号機の建屋カバーは、鉄骨と塩化ビニール樹脂コーティングポリエステル繊維のパネルでしたね。2011年8月10日に組立開始で、その日の朝日新聞デジタルニュースでは「3、4号機は燃料プールから燃料を取り出した後にカバーの工事に取りかかる、3年後を目処にコンクリート製の建屋で覆う」と報じられていました。しかし1号機カバーが同年10月に完成した時「3、4号機については、カバー設置後はがれきの撤去ができなくなるので、当面がれき撤去を優先させる方針」と変わっていました(2011年10月28日読売オンラインニュース)。まずがれきを片付けてからカバー、と変わった。でも東電は本当は、三号機にも早くカバーを付けてみんなの目からあの無残なグチャグチャを隠してしまいたい、あまり分析されたくない、そのためには早くがれき撤去をやってしまいたい、ということで今作業を急いでいるのではないでしょうかね…私の勝手な推測ではありますが。
東電作業員のHappyさんが、あのがれきを取り落としがあった2月6日は大雪なのに作業があっていて驚いた、とツィートされていました。(私が朝見たふくいちライブカメラの画像も雪で真っ白で何が何やらでしたが、クレーンが二つ動いていました)。Happyさんのツィートは現場の様子を知るうえで数少ない貴重な情報でいつも感謝していますが、以前から、工程重視によって現場の作業員の余裕がなくなって追い詰められるのを心配されていますね。
私は昨年から一年以上毎日一回は、ふくいちライブカメラのアーカイブを見ています。昨年の8月にカメラが1号機側から4号機側に変わってからは、それまで遠すぎてよく分からなかった作業の様子がだいぶ分かるようになりました。朝7時半頃からぼちぼち大型クレーンが動きだし、四号機の屋上に白い防護服を着た作業員の人たちがリフトで上がってきて動き回るのが見えます。私は今日も皆さん有り難うございます、どうぞご安全にと心の中で祈ります。夏の炎天下でも冬の雪の日も作業は続く…まだ一号機側にカメラがあった頃は、時々防護服にマスクの作業員の方たちが一人や数人で、階段を上がってきたり下りて行ったりしました。(時にはカラスやスズメがパイプに止って飛び立ったりしました。猫が通ったこともあります)。今は人影は小さ過ぎるけど、オレンジ色の圧力容器の蓋が吊り降ろされたり、お偉いさんの視察でゾロゾロ上がってきてあっという間にいなくなる、など臨場感?があります。カメラも最近は見る人がめっきり減りました。地震など何かあるとパッと増えますが。
今後何十年と続く途方もなく困難な作業です。被曝にさらされながら働いてくれている方々のことを忘れるまいと思う。機械や建築のことは確かによく分からないけれど、院長先生のブログなどを手掛かりにできる限り原発の知識を増やして、見張りができるようになりたいと考えています。
Posted by タナトリル at 2013年02月13日 17:37
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。