大本營發表(昭和十九年十月十三日十一時三十分)
一、我が航空部隊は十月十二日夜薹灣(台湾)東方海面に於て敵機動部隊を捕捉し夜半に亘り反復之を攻撃せり
我方の収めたる戰果中現在迄に判明せるもの左の如し
撃沈 航空母艦一隻 艦種不詳一隻
撃破 航空母艦一隻 艦種不詳一隻
二、我方若干の未歸還機あり
これで、一番重要な内容はどこかわかりますか?敵艦隊を撃沈したことではありません(こんなのはいくらでも、うそをつけます)。どこで、この海戦が行われたかです。最初は東南アジア、中国だった発表が、ついには、台湾の近くまで戦線が近づいてきていることに目を向けるべきなのです。
大本營發表(昭和二十年六月十一日十五時)
一、沖繩本島南部地区の我部隊は其の後敵に打撃を與へつつ逐次小祿及南部島尻地区に戰線を整理し優勢なる敵に對し引續き勇戰敢鬪中なり
二、敵の第一線は六月八日小祿地区に於ては饒波川東岸、小祿、赤嶺、当間附近に、南部島尻地区に於ては具志頭、富盛、世名城、座波附近にあり
敗戦間近になりますと、ついには沖縄で戦闘が開かれています。大本営発表だけを読むと、戦闘が優位に進んでいるとしか思えません。もし本当ならば、中国各地に戦線が拡大していくはずなのに、その逆にどんどんと日本本土に近づいてきています。ちょっと考える人ならば、これら2つの報道からも、その真意が見抜けたはずです。
大本營發表(昭和二十年八月七日十五時三十分)
一、昨八月六日廣島市は敵B29少數機の攻撃により相當の被害を生じたり
二、敵は右攻撃に新型爆弾を使用せるものの如きも詳細目下調査中なり
原子力の報道は、事故当初から、この大本営発表そのものです。大本営の解説ではなく、事実に目を向ければ、真相は自ずから明らかとなります。
原発ゼロ修正を米に表明へ 首相、首脳会談で 資源など協力 2013/2/20 2:01 日本経済新聞 電子版
日米両政府は資源・エネルギー分野で包括的に協力する方向で最終調整に入った。22日にワシントンで開く安倍晋三首相とオバマ米大統領の会談で合意する見通し。首相は「2030年代に原発稼働ゼロ」をめざすとした民主党政権の目標の見直しを伝えるとみられ、原子力分野での協力関係を維持する方針を確認。再生可能エネルギーなどの開発、投資でも協力する。北朝鮮の核実験などを踏まえ、核不拡散体制を堅持することでも一致す…
そもそも、本来は原子力は、日本の国内エネルギーの問題に過ぎませんから、米国にわざわざ許しを請わなくとも、本当の独立国なら何の問題もありません。それをわざわざ日米首脳会談の議題にする。なんと、腹立たしいことかと思います。しかし、敵は大本営。その真の目的をこの報道から見抜かなければなりません。そもそも日経は、全然決まっていないことを、さも決まったかのように報道する飛ばしが本当に得意です。しかも、それを一面に持ってくるほどの恥知らず新聞でもあります(保険の改訂の時に何度もやられていますので、十二分に知ってます)。一面でぶち上げることで、どれだけの反発が起きるのかを調べているのでしょう、おそらく。
ここで大事なのは、日米首脳会談の議題になってしまった(せざるを得ない)と言うことなのです。以前から、米国の下っ端は日経に呼ばれて、講演をして、日本に脅しをかけてきていましたが、それでも戦線がままならないので、大統領に直訴せざるを得なくなっているのです。そもそも、米国に約束したことと、国民の決定とどちらが上に来るのか。普通の民主主義国家ならば、その答えは明らかです。時の政府がいくら約束しても、国民が否定すればその政策を進めることができないのです。(勘違いしている人間がとくにマスコミにはおおいようですが)
つまり、大本営発表では戦線有利なはずなのに、戦線が沖縄そして本土まで近づいてきているのと全く同じ意味なのです。
日本原電、発電せず最高益 上半期、電力5社から基本料
【松浦新】敦賀原発(福井県)などを持つ原発専業会社の日本原子力発電(本社・東京)が、原発を動かしていないにもかかわらず今年度上半期の純利益が過去最高の209億円になった。東京、関西など5電力が電気を買う契約を続け、電気が送られていないのに「基本料」として計760億円ほども払ったからだ。この費用は各電力の電気料金に含まれ、利用者が負担している
廃炉の公算大でも7億円寄付へ 日本原電、敦賀市に
【室矢英樹、大谷聡】福井県敦賀市の敦賀原発を保有する日本原子力発電(東京)が同市に2013年度に約7億円を寄付することで市側と合意したことが、市関係者への取材でわかった。原子力規制委員会が2号機原子炉建屋直下の断層を「活断層の可能性が高い」と判断し、廃炉の公算が大きくなった後の決定だった。
日本原電は敦賀1、2号機と東海第二(茨城県東海村)の計3基の原発を保有するが、3基とも運転が止まっている。発電をしていない間も、電気を売る契約を結んでいる関西電力など5電力から「基本料金」を受け取っている。電気料金の値上げを申請した関電は、13年度から立地自治体などへの寄付金を電気料金を算定する「原価」に含めないことを表明したが、日本原電に支払う基本料金は原価に含めている。
こういった記事を見ますと、本当に日本原電は何もせずに金持ちで、原子力村を解体させることはできないと無力感にとらわれるでしょう。
ところが・・・
発送電分離なら「原発持てない」 八木電事連会長
【上地兼太郎】電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」について、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は15日の記者会見で、「今の状況では(原発は)多分持てない」と述べた。送配電網が切り離されれば売り上げが減り、原発の維持費用などを出せなくなると心配しているからだ。
経済産業省の専門委員会は8日、「5〜7年後をめどに分離を進める」との報告書をまとめた。電力会社の子会社に送配電部門を移す「法的分離」(別会社方式)を想定している。
これに対し、八木氏は「低廉で安定的に電気を送れるのか検証されていない」「お客さまの利益につながるシステム改革にはならない」と反対した。
原子力は一番安価な電源方式なのに、なぜ売り上げが減ったら、原発の維持費用が出せなくなってしまうのでしょうか。火力発電所では燃料費がかかる、原子力発電所は維持費用がかかる。無能なバカとしか言いようがありません。この記事は、電力が産業界を脅している(お前ら、原子力でおいしいメができなくなるぞ)のですが、一般の人が読みますと、原子力はカネがかかるんだ・・・と思うだけ。本質は、送配電分離ではなく、総括原価方式を外されれば、電力は直ちに原発など持てなくなります。そう言うことがこの報道でわかります。
そして、その原電
日本原電が借金返済でウラン売却 原発停止の長期化響く
大手電力会社が出資する日本原子力発電(東京)が、原発の燃料であるウランの一部を売却していたことが20日分かった。保有する原発3基が再稼働する見通しが立たず、4月に支払期限を迎える銀行からの借金の返済資金を確保するため、当面使う予定がないウランの一部を手放す方向となったとみられる。
資金繰りに苦しむ東京電力も保有するウランの売却が可能かどうか検討している。ウランは原発の運転に不可欠で調達先も限られており、電力会社が売却するのは異例。原発停止の長期化で経営が追い詰められている実態が浮き彫りになった。
日本原電は売却先などを明らかにしていない。
2013/02/20 19:51 【共同通信】
発電もしていないのに大もうけをして、敦賀市に多額の寄付をしているにもかかわらず、燃料を売却せざるを得ないまず、追い詰められています。これが、原子力村の今の実態なのです。
脱原発を唱える政治家がいない、全然まとまっていない、とがっかりさせるような報道ばかり目につきますが、実際は
・大飯原発以外の再稼働は、未だに認めていない
・政府が風評と大キャンペーンをしているにもかかわらず、未だに放射能の被害を気にする日本人がそれなりにいる
・電力の豊富な資金源も底をつきかけてきている
のです。大本営の華々しい戦果の報道に一喜一憂することなく、報道の本質をとらえて、だまされないようにしましょう。
◆関連ブログ
大本営発表(当時の政府発表に対して)2011年03月16日
原子力技術者の衰退と、米国の内政干渉2012年10月28日
総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう2012年05月21日
タグ:大本営
余りにも記事の内容がいい加減で読む気も起きないようですが…なんでも世界最大の発行部数を誇る世界中でもっとも当たらない博打新聞だとかいってました。
原発がこのまま稼働しなければ、電力会社にとって資産が負債となりますからね。
銀行からの融資が止まって倒産…せざるをえません。
でも、福島の被害が表に露わになってくるのは今年後半からだと見ていますので、反対運動は止まらないでしょう…
一番はウクライナと違って東京という人口・情報集中地帯にも被害が及んでいることでしょうか…
隠しようがないんですよ。
取り敢えずの資金調達がしたい訳ですし、何でも先送りが好きな業界というか村には、ぴったりじゃないですか(笑)
でも、こうやって解説を入れていただくと、なるほどとてもわかりやすい!GOODニュースですね。
最近、他にも
東京電力が国会事故調による1号機の現地調査を虚偽の理由により断っていた、
米国で原発の廃炉相次ぐ 老朽化やシェール革命で採算悪化
などのニュースを見ると
よし、よし!って思います。^^
「証言 班目春樹」新潮社 1,480円
アマゾンのリンク先は長過ぎますから省略します。カスタマレビューもなかなかの賑わいです。
毎度ご紹介をしていますがJBPressで鳥賀陽弘道氏が彼とのインタビュー記事を掲載しています。斑目氏の評価については色々ありまして門外漢の当方にもよく理解出来ません。
原発事故や住民避難対応の失敗について、班目氏にはバッシングに近い激しい非難が加えられてきた。しかし一方、制度や法律枠組みで、本来法的な権限のないこと、任務ではないことまで混同して同氏のせいにして、非難するのは筋が違うと思った。そうした「原子力安全委員長はここまではできるが、これはできない」という制度や法律の制限を無視した批判が多すぎるように思えた。と彼はインタビューの前に語ってインタビューを彼に申し込み快諾を得たようです。
今回だけでなく続きもあるようです。書物共々読んで理解を深めたいと考えています。
記事はこちらです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37192
http://bizplus.log2.me/1044264236_0.html
その日経に愛想をつかして退社し独自の雑誌をお作りになったのがご存知「月間FACTA」の発行人阿部重夫氏。ここでも日経のお粗末なジャーナリズムが述べられています。
https://facta.co.jp/blog/
間違っても日本経済新聞が真面目なお堅い新聞なんて勘違いしないでください、冒頭のリンクには「総会屋」や「ヤクザ」という言葉が出てきますが、個人的にも日経新聞出身者にそのような傾向を感じたことが何回かあります。院長先生がおっしゃるようにくれぐれも新聞内容は鵜呑みにしないほうがよいですよ。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/19/blog/43981/
■日立製作所(日立GEニュークリア・エナジー含む)「地球環境保護の観点からも需要なエネルギー源の一つと認識しているので、原子炉の製造を今後も続けるつもりだ」
■東芝
「当社は福島第一原子力発電所事故につき法的に責任を負担するものではありません」
■三菱重工業
「国の法制度に関するご質問につきましては、弊社が回答する立場にないため、回答を差し控えさせていただきます」
今回取り上げられている太平洋戦争における大本営発表に関連してですけど、あの時に子どもだった世代の人達には、自分達は終戦の詔勅が放送されるまで日本の勝利を信じていた、だからあの放送とそれを境にした大人たちの変貌に失望した・・・と証言している方が多いです。でもそういう人たちって、空襲が絶えなかった都市部に住んでいたとか、学童疎開で地方に避難して苦労していた人だったりするのですよ。
一方、空襲すら全くなかった新潟の田舎の小学生だった私の祖父は、毎日空を通過していくB-29を見て、日本が勝っているのなら何でB-29が大手を振って毎日ここの上を飛んでいくんだ?実は日本は負けている、それもかなり酷い状況で、と子どもながらに思い、自分の友人たちと連日その事をヒソヒソ話し合っていたそうです。
彼が息子に向けたパパとしての文章を読んだが、きちんと子どもと向き合い、核に対しての自分の考えを自分の言葉で語っている。本来は、日本の全ての父親がこれをするべき。しかし、核問題からも、子どもからも、逃げている父親がほとんど。
今は、ビジネスマンの間ではバカにされていた中日新聞にしています。
職場で日経と読み比べると、経済面でもクオリティは変わりません。むしろ、大企業の提灯記事が散見される日経に虫唾が走るくらいです。
ところで、旧帝大の工学系と電力の癒着は酷いもんですが、電力会社もお金が無くなってきたせいか、小生の知る範囲では綻びも若干見られる様になってきました。
インチョウせんせいのがんばりが実を結ぶ日が少しずつ見えてきたのではないかと思いたいです。
ただ、経済界はまだまだデスね。小生の知る範囲での経済団体幹部は、一様に、原発肯定、TPP賛成、アメリカ大好きです。
アベノミクスの影響ですかね?
福島の甲状腺異常について考える材料として興味深い論文がありましたので、紹介します。
若年性の自己免疫性甲状線炎(juvenile autoimmune thyroiditis)≒橋本病を患う子供365人にエコー検査・臨床検査を行ったイタリアの研究です(2008年)。
罹患者の年齢は3・5才から17才、1年から2年に1度超音波検査、細胞診などの検査を行い、23人が手術を受けました(このうち11人が甲状腺ガン)。
この橋本病の患者365人のうち甲状腺nodule(のう胞・シコリ)が発見された子どもは115人(31・5%)でした(Thyroid nodules were found in 115 patients)
Thyroid Nodules and Cancer in Children and Adolescents Affected by Autoimmune Thyroiditis, June 2, 2008
http://archpedi.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=379675 (2008年の論文)
自己免疫性甲状腺炎の子どものnodule保有率が31・5% 、しかし「健康」であるはずの福島の子どものnodule保有率は、第三回健康管理調査では43% を超えています。
2月13日に発表された3人の小児甲状腺癌(疑いを含めると10人)は、やはり異常事態の現れと考えざるをえません。
以上、東京電力の原子力改革監視委員会の委員でもあるバーバラ・ジャッジ英国原子力公社の名誉会長の発言。CNNより引用
「地震と津波で2万人もの人が亡くなったが、放射線による死亡者は一人もいなかった。…」
なんて、何を情報源に発言しているのでしょうか?
記事のコメント欄には、ウソを見抜いているコメントもいくつかあったので、ちょっと救われた気持ちになりましたけれど、私たちが外国の記事をそれほど真剣に読まないのと同様、原子力発電についての知識や関心が無い限り、そのままこの記事を鵜呑みにする外国人も多いと思います。
The woman powering Japan's nuclear hopes post-Fukushima
http://edition.cnn.com/2013/02/05/business/lady-judge-fukushima-japan-nuclear/index.html?iref=allsearch
2011.3.12.NHKで、12:12〜
「燃料棒が90センチ以上露出し、危険な状態」〜「今の原稿、使っちゃいけないんだっ­て」・・・・そして同日15:00になってから、燃料集合体が最大1m70cmほど露­出、、と発表、
『原子力安全保安院によりますと福島第一原子力発電所1号機では原子炉を冷やす水の高­さが下がり午前11時20分現在で、核燃料棒を束ねた集合体が、水面の上最大90セン­チほど露出する危険な状態になったと言う事です。このため消火用に貯めてた水など、お­よそ2万7千リットルを仮設のポンプなどを使うなどして、原子炉の中に流し込み水の高­さを上げる作業をしてるという事です。この情報を繰り返します。』〜〜〜〜〜〜〜「ち­ょっとね今の原稿使っちゃいけないんだって」〜〜〜〜『あらためて原発に関する情報で­す、福島県にある福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉が入った格納容器の圧力が­高まっているため東京電力が容器内の空気を外部に放出する作業を始めましたが、格納容­器のすぐ近くにある弁を開く現場の放射線量が強い事から、作業を行ったん中止し今後の­対応を検討しています』
http://www.youtube.com/watch?v=WHUyLdPhcbg
http://www.youtube.com/watch?v=WHUyLdPhcbg
DAYSの2月号震災報道検証(多分2012年だと思いますが・・・最新かもしれません。)
3/12昼NHK、燃料棒露出ニュース中断、スタッフが「ちょっとね、今の原稿使っちゃいけないんだって」
http://twitpic.com/89xcja