果実を自分たち世代でとりこみ、つけを将来に回す発電 それが原発。このCMの通り、この発電方式を進めるかどうかを国民投票で決めるような問題ではない。のです。
日経新聞におもしろい記事が掲載されましたので、ご紹介します。

石炭火力に環境省が反対していることは、以前から報道されています。
迷走する石炭火力入札 環境省は対決姿勢、不成立の恐れ
電力業界や産業界に衝撃が走ったのは、1月15日の石原伸晃環境相の記者会見。東京電力が実施しようとしていた石炭火力の入札について聞かれ、「私は非常に心を痛めています」「我が省のレーゾンデートルたる二酸化炭素(CO2)の削減、これには非常にネガティブな装置である」「(大型の石炭火力設備が新設されると)CO2を年間どの程度排出するのか。これは私も大変、環境省として非常に存続にかかわる問題ですんで、今、事務方に計算させてます」と発言した。
温暖化対策を推進した黒幕−原発推進がその真の狙いに書きましたが、東京電力の平岩が次のように発言
〈発電過程で二酸化炭素を排出しない原子力発電については、地球温暖化対策の推進の上できわめて重要な位置を占めるものである。今後も安全確保を大前提に、原子力発電の一層の活用を図るとともに、基礎電源として官民協力して着実に推進する。その推進にあたっては、供給安定性に優れているという原子力発電の特性を一層改善する観点から、国内における核燃料サイクルの確立を国の基本的な考え方として着実に進めていく。〉
と書かれていた。
京都議定書の推進で動いてきた平岩外四と東京電力の思惑はここにあったのである。
東京電力の原発を推進する書類には、
〈地球温暖化防止京都会議でも、温室効果ガスの削減目標をクリアするため、日本は、出力115万キロワットの原発20基の新増設が必要、との方針が打ち出された〉
と、ある。
「当時、原発20基増設などとは、国会に対し一言も説明がなかった」
と、入沢は述懐する。
このとき、平岩は88歳。経団連会長を8年前に辞めても、東電相談役として原発20基の増設推進に動き回っていたのであった
つまり、二酸化炭素排出利権は、原発利権そのもの。その二酸化炭素排出権が環境省の存在理由と言明しているのですから、環境省は原発利権を飯にしているわけです。そう考えれば、意味のないガレキ拡散を精力的に推し進めたり、エコチル検査 なる怪しげな国民健康調査を広範囲に行えるはずがありません。環境省も、石炭火力でついに馬脚を自分からあらわにしてしまいました。
この中で、さりげなく作っている発電コストの表。これが大笑いです。

このようなインチキを見逃さないために、いぜん発電コストを熱量から計算したことがあります。
発電コストの厚いベールを剥がす−原発=安価は洗脳だった・・から
石炭、石油の高率をコンバイドサイクル 55% として計算修正
1kWhあたりに必要な燃料は、
石油 0.166リットル/kwh
石炭 0.243kg/kwh
LNG 5876Btu=0.156m3/kwh
これから燃料費を計算しますと、(東京工業品取引所他から)
石油 62350x0.166=10.35円/kwh
石炭 0.243x101.72x95=2.35円/kwh
LNG 408.96x0.156x95=6.06円/kwh
LNG(シェールガス米国) 119.64x0.156x95=1.7円/kwh
これを見ますと、石油、石炭、LNG火力ともに電力過大見積もりそのままの金額であることがわかりますし、米国でシェールガス革命が起きて、原発を稼働する意味もなくなってしまったことも直ちに理解出来るでしょう。
本当に原子燃料が1円足らずで発電出来るのか。
平成20年実績(お客様センターから)
原子力燃料費 平成20年度 火力 1兆9722億 核 315億 融通 3619億 計 2兆3650億円。 この時の発電電力量 火力 2300億Kwh 核 700億kWh これで計算すると火力燃料費 8.5円/kwh, 核 0.5円/kwh
100万キロワットの原発1年間稼働すると、
1円×100万kwx24x365= 87億6000万円
このときのウラン燃料の消費重量は、およそ30トン
六ヶ所の再処理コスト 稼働率100%で英仏の2倍 稼働率20%で10倍 小出裕章さんが指摘
をみますと、1tonあたりの再処理コストは、4-20億円 再処理だけで、120億円−600億円 もかかる計算になります。【1.5円〜6.8円】−最終処分場のコスト含まず
燃料区分 | 必要燃料(/kwh) | 日経 | 理論燃費 | 差 |
石油 | 0.166リットル | 16 | 10.35 | -5.65 |
LNG(欧) | 5876Btu (0.156m3) | 10 | 6.06 | -3.94 |
LNG(米) | 1.7 | -8.3 | ||
石炭 | 0.243kg | 4 | 2.35 | -1.65 |
原発 | 0.13mg(核分裂ウラン) | 1 | 1 | 0 |
原発(再処理含) | 3.5mg(ウラン重量) | 2.5-7.8 | +1.5-6.8 |
ちょっとわかりにくいですが、まとめるとこんな感じ。すなわち燃料費だけ比べてみても、原発よりも高いの石油火力のみであることが、よくわかるでしょう。原発の燃料の再処理分は、ほとんどすべて国内産業に回りますから、経済界がなにがなんでも再稼働を唱えるわけです。
燃料を使用すると、使用前の1億倍もの放射能を持つ必ず使用済み燃料が生成されます、そしてその使用済み燃料の最終処分は未だに決まっていません。
資料

再処理した使用済み燃料の表面線量は、なんと 1500Sv/hr
そして、管理に必要なのは数万年

つまり、数万年たつと新燃料と同程度の放射能になるわけです。
まさしく、後世につけを回して今だけのコストで判断する。核発電所の面目躍如。その他にも様々なコストがかかるにもかかわらず、未だに原発再稼働。この国は本当に狂っています。
その他にも石油、石炭には、もれなく石油諸税なる税金がプラスされ、原発には政府の税金が補助としてプラスされ、しかもひとたび事故が起きれば、もはやどうしようもなく、定期検査でも火力発電所とは比較にならない多額のコスト。すでに原発は破綻しているのです。
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タグ:燃料費
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