2013年04月23日

ヒロシマ原爆2発分の死の灰を保有する福島2号貯水槽

フクシマの汚染水問題。物事が非常にわかりやすいので、ニュースで大々的に報道され、それだけが一番大きな問題のように感じてしまいます。しかし、本当に大事なのは1号機から4号機の燃料プール(当然、1−3号機のプールも含みます)、そして1−3号機の溶融炉心の燃料をどうするかという手つかずの大問題なのです。汚染水問題にのみ目を奪われてはいけません。

さて、このプール問題

福島第一汚染水漏れ、東電の計算「評価甘い」
 東京電力福島第一原子力発電所の地下貯水槽で5日に判明した汚染水の大量漏出について、漏れた放射性物質の総量を7100億ベクレルと推定した東電の計算に対し、「見積もりが甘い」との指摘が専門家から上がっている。

 貯水槽内の汚染水の50分の1という低い濃度を使って計算したためだ。冷温停止状態の宣言後では最大規模となった今回の汚染水漏れで、環境への影響は東電の推計を大幅に超えている可能性がでてきた。

 貯水槽は、3層構造の止水シートで覆われている。最も外側のシートと真ん中のシートの間にたまった水から、1立方センチあたり約6000ベクレルの放射性物質が検出された。東電は、この濃度と漏水量120トンを掛け、漏れた放射性物質の総量を7100億ベクレルと算出した。

 しかし、貯水槽内の汚染水の濃度は、約50倍高い同29万ベクレル。普通に120トンと掛け合わせれば、約35兆ベクレルの放射性物質が貯水槽の外へ漏れ出したことになる。東電は「外部に出る部分の濃度で計算することにしている。どちらかが誤りだというわけでもない」と強調しながら、「シートに放射性物質を吸収する能力はなく、濃度低下の理由は不明」という。外から水が加わって薄まっていた場合、同6000ベクレルに対応する漏水量は120トンより多くなる。
(2013年4月8日10時38分 読売新聞)


 いったいどれだけ漏れているかどうかを考えるから、訳がわからなくなって、奴らの術中にはまってしまうのです。こういう場合は、全体でどれだけあるのかと俯瞰的に眺めれば、その深刻さが目に見えてわかります。
2013042301.jpg

2号槽の容量は

福島第1原発:2号貯水槽の汚染水の移送終了
毎日新聞 2013年04月23日 東京朝刊
 東京電力は22日、福島第1原発で放射性汚染水が漏れた地下貯水槽のうち、2号貯水槽の汚染水を地上タンクへ移す作業を同日午前に終えたと発表した。移送量は計1070立方メートル。1号貯水槽の移送も今後開始する。


では、いったいどれだけの放射能が2号槽にあるのか

29万ベクレル/cm3 x 100x100x100 x 1070 = 310兆ベクレル = 3.1 x 10E14

あまりに大きすぎてわかりませんが、

ヒロシマ型原爆の放射能放出量
2013042302.jpg

放出量として大事なのは、セシウム-137とストロンチウム-90 ほとんどがベータ線という評価からも、この2つを代表させてよいでしょう。

Sr-90+Cs-137 = (5.8 + 8.9)x10E13 = 1.5 x 10E14

すなわち、2号槽の中にはおおよそヒロシマ型原爆2個分の死の灰が保管されていることがわかります。このうち、約1割が漏洩したわけですから、0.2個分の死の灰が大地にしみこんだと考えれば、少しはわかりやすくなります。当然ながら、ものすごい量であることはよくわかるでしょう。

 敷地の中だけでも、タンクを入れると ヒロシマ型原爆10個分以上の死の灰を貯蔵していると容易に考えられます。細かい数字をあげてきたら、全体ではどうか。(予算にしても、かかる人数にしても)と言った視点を失わなければ、だまされるようなことはなくなります。

−じゃあ、全体では?

常にその疑問を頭に思い浮かべながら、ニュースを聞きましょう。

◆関連ブログ
ヒロシマ原爆4000倍のデマ2012年09月21日
タグ:P
posted by いんちょう at 22:35| Comment(4) | 原子力
この記事へのコメント
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E5%88%86%E8%A3%82%E5%8F%8D%E5%BF%9C#.E6.A0.B8.E5.88.86.E8.A3.82.E5.8F.8E.E7.8E.87.E3.81.AE.E4.B8.80.E8.A6.A7

核分裂すると何がどれだけできるのかを収率という。この収率は核分裂を起こした物資や中性子エネルギーに依存するから、北の核実験の放射能を調べればウランかプルトニウムか、わかるかもしれないというのもこの概念が元ネタ。一年運転すればどのぐらいの量の放射能が生じるかとかも、調べればわかるだろう。こういう数値化による情報戦ではいかに実感が湧きやすいかというのが主要戦術、御用学者たちはカリウムに比べセシウムが少ないとかいう印象操作も同様のテクニックだ。もっと身近な例としては、一ワット電気を使うとセシウムが何ベクレルできるとか、計算したほうが実感が湧くかもしれない。

それで思い出したが、セシウムはすぐに排出されるから濃縮されないなど御用学者たちがデマを撒き散らしているが、生物学的半減期が短いセシウムですら一体摂取したら99%排出されるのになんと465日もかかる。1日あたり、たった1%しか排出されない。半減期は指数関数(ネズミ算や半減期のように倍々や半々になっていくもの)だから算数レベルで計算すると一次式(小学校の比例)になって計算がおかしくなるが、2^(-t/半減期)の半減期に時間を、tに時間を代入してGoogleにでも打ち込めばどのぐらいになるかでる。

例えばセシウムの生物学的半減期が70日なので、1日後には

2^(-1/70)=99.014・・・

とまだ99%以上、残っている計算になる。(百分率になおすには100を掛ける)。

2日後だと

2^(-2/70) = 0.98039 ・・・

と98%以上もまだ体内に残っている計算になる。カッコの中の分子に何日後か代入していけばいい。ちょうど半減期の70日を代入すると半分になっているはず。

例えば最初に体内に100ベクレルあっても、1日後ではたった1ベクレルしか排出されないのだ。

最初に1ベクレルあっても0.01ベクレルしか排出されない。なおベクレルは小数で計算して良い。東海アマはこの点も間違えてる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ベクレル

とかに書いてあるのが概ね正しいはず。ベクレル数が整数だけというのが間違っている(たしかに計数は絶対に正の整数だけだが)。ここらは御用教材などをみても御用学者たちはやたらとわかりにくくすることぐらいでしか凌げていないが、結果わかったような気になった奴らを洗脳し、さらにわからなかった連中にも嫌悪感を抱かせて調べないようにさせるためだとしたらかなり成功しているといえる。わかる人は、もっと拡散してほしい。

毎日1ベクレルずつ摂取して、接種分は100%吸収され排出は生物学的半減期でしかされないとすると、1日目に1ベクレル接種しても2日目には0.99ベクレル残ってる。これなのにまた1ベクレル接種したら1.99ベクレルになる。これが1%減少だから0.99をかけると1.97ベクレルだが、次の日さらに1ベクレル接種したとすれば2.97ベクレル、、、と続いて排出量より摂取量のほうが多くなるから、必ず濃縮する。エダノも一、二回接種しただけならば生物学的半減期で排出されるからただちに健康に影響ないとか認めてるのはこれが元。毎日接種すればセシウムはこの計算で100倍に濃縮する。エダノの言うようにお偉方は毎日摂取することは考えていない。生物学的半減期の長い核種だと吸収量も違うが、単純計算で何万倍にもなる(東海アマは実質的に永久に排出されないといってるが、定量的に考察すればどういうことか看過できることがわかる)。ハヤノレポートのWBC検出下限値詐欺もこのことには一切言及していない。すぐ排出されるという定性的観念によって支配されている。この考えでいけば1日一桁ベクレルずつ摂取しても最低限数百ベクレルぐらいは軽く濃縮しているだろうし生物学的半減期が長いプルトニウムなどは取り返しがつかないはずだが誰も知ろうとしない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/半減期#.E4.BD.93.E5.86.85.E6.BF.83.E5.BA.A6.E3.81.AE.E6.99.82.E9.96.93.E5.A4.89.E5.8C.96.E3.81.AE.E6.95.B0.E7.90.86

ここの考えを原理から導くと似たようなものになるんだろう、東海アマも同じように計算してるんじゃないか(ただ計算方法を公開してくれないかぎり断言はできないが)。
Posted by 核分裂生成物は収率から出る at 2013年04月24日 16:22
先生
いつもありがとうございます。
漏れたとか一枚増やすとかそんなことより、
もう一回津波が来たらただ単に池に溜まっているだけだから全部その辺にぶちまけられちゃいますね、毒が。
せめて樽に入れてほしいものです。
穴掘って貯めておけばいいやって言う発想がねぇ・・・
Posted by いつも拝見しています at 2013年04月24日 21:25
いつも、継続的に刺激的で解明的な情報をありがとうございます。
私は東京都葛飾区在住の増村と申します。⒊11以降先生のサイトにいつもアクセスし貴重な情報を頂いています。最近では大和ハウスのCMに溜飲を下げました。改めて観るとベトナムへの原発輸出の批判的パロディです。こういうものは声高ではなく、密かに静かに広めるものです。静かに巧みに地下水脈は流れています。気が付き意地悪の手段があれば推進派は行使します。このCMも消される日がくるでしょう。しかし、こうした、しちかな反撃に励まされて原発廃棄への道を確信して進めます。これからもイナゴのように!
Posted by 増村聡雄 at 2013年04月25日 00:36
図の汚染水のプールはなんだか高校の時に友人宅の畑で作った池の様な・・、
安く売ってた小さいコイを数匹入れてましたが・・、ああいうのに高濃度の放射性物質が入れてあるとは・・もう・・、
安い中古のタンカーに樹脂でも塗りつけて中に汚水を入れて、ごみ焼却の汚染灰とかも一緒に入れて固化とかできないのでしょうかねぇ、
タンカーのタンク以外の部分は瓦礫とコンクリートを詰め込んで重しにして福一の海側に着底させて、コンクリートで固めておけば津波減衰の防潮堤にならないでしょうか・・、
それにしてもあの貯水の仕方は・・。
Posted by 南部のアホな大阪人 at 2013年04月25日 01:03
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