東京電力は9日、福島第一原子力発電所1号機の使用済み核燃料プールから燃料を取り出すため、原子炉建屋を覆っているカバーを今冬から解体すると発表した。
カバーは放射性物質の飛散を防ぐために設置したが、格納容器の空気を浄化するフィルター設備は稼働を続けるため、東電は「外部への飛散は少なく、大気中の放射線量に大きな影響は出ない」と説明している。
1号機では、カバーやフィルターを設置したことで、放射性物質の推計放出量は約100分の1以下になった。
カバー解体後は、建屋5階(最上階)に残っているがれきを撤去し燃料を取り出すためのクレーンなどを設置。その後、再びカバーを付けるまで約4年かかるという。
(2013年5月9日21時19分 読売新聞)
この記事を見て、さもありなんと思いました。現在なお危機的な状況にある1〜4号機、すべての燃料プールには使用済み燃料が保管されています。当然1号機にも保管されているわけで、一体その使用済み燃料をどうやって取り出すつもりだろうと、カバーリング当初から非常に不思議に思っていました。1号機メルトダウン−私的収拾案・おすすめに書きましたように使用済み燃料はドライキャスク移動をするしかないのですから。
ところが、カバーリングをしてしまえば何もできなくなってしまうわけで、私の頭の中は???でいっぱいでした。
原子炉建屋カバーの準備開始=放射性物質の飛散防止―福島第1原発
時事通信 5月13日(金)17時56分配信
東京電力は13日、水素爆発で上部が大破した福島第1原発1号機の原子炉建屋全体を覆う建屋カバー設置に向けた準備工事を始めた。6月に本工事に着手し、放射性物質の飛散を防止して作業環境の改善を図る。
建屋カバーは4月に公表された事故収束に向けた「工程表」でも挙げられた項目。南北約47メートル、東西約42メートル、高さ約55メートルの建屋全体を鉄骨と、樹脂コーティングしたポリエステル繊維によるカバーですっぽりと覆う。一定の耐水性、気密性があり、排気口を設けて建屋内部の空気のモニタリングを行う。最大風速25メートルに10分以上耐えられるという。
工期短縮と作業員の被ばく線量低減のため、原発構内の放射線量の低い場所で鉄骨ユニットを組み立て、大型重機で搬入して設置する計画。13日から始まった準備工事は重機を搬入する道路や敷地、鉄骨を仮置きする場所からがれきを除去するなどの整備作業を行う。

(東電提供とありますが、2011年5月13日前後の資料を調べてみても、何も見当たりません)
放射能の低減という意味だけはあったと思いますが、カバーをつけてしまえば困るのはめにみえていること。おそらく、当時の細野原発担当相の以降が強く働いたのではないかと勝手に想像してしまいます。
今回のプレス発表で東電が出してきた資料


本日の説明内容
福島第一原子力発電所1号機は、放射性物質の飛散抑制を目的として原子炉建屋カバーを2011年10月に設置しました。
原子炉建屋のオペレーティングフロア(以下、オペフロ)上には、現在も瓦礫が散乱しております。
廃炉を加速していくためには、プール燃料・燃料デブリ取り出しの早期化が必要になります。
そのためには、オペフロ上に堆積した瓦礫撤去が、まず必要です。
瓦礫撤去を進めるためには、原子炉建屋カバーの解体が必要になります。
原子炉建屋カバーを解体しても1〜3号機原子炉建屋からの放射性物質の放出による敷地境界における被ばく評価(0.03mSv/y)(平成25年3月末現在)への影響は少ないと推定しております。
上記を踏まえ、原子炉建屋カバーを解体し、オペフロ上の瓦礫撤去を進めますので、ご説明させて頂きます。
「必要です」との言葉は、納得させるのがかなり苦しいときによく使う言葉です。「なぜオペフロのがれき撤去を先に行わなかったか」の説明が一切ないのはなぜでしょうか。最初から必要なのはわかっていたのなら、なぜカバー設置当初に、このカバーは2年程度で一度外して作業をしますと発表していないのか。つまり、行き当たりばったりでがれきの撤去、プール内の使用済み燃料の撤去など何も考えていなかったことがよくわかります。
その証拠に、がれき撤去の方法を3種類検討しています。つまり、東電自らが何も考えていないことを白状したわけです。


プレス発表資料全体を見ても、能力の衰えは隠せません。私がいたときにこんなめちゃくちゃな資料を作ろう物なら、上司からさんざん手が入ってもうちょっとはまともな物に仕上がっていたでしょう。このような支離滅裂な文章をプレスに出すところからして−人間の手に負える事故ではないわけですが−、東電一社で何かしようとしてももはや無理。
役所の○○検討委員会などは、さらに無理です。役所の資料は電力会社が作っているわけですから、東電にさらに負担をかけるだけとなってしまいます。
NEWS解説『1号機で大線量被曝者が増える』
ちまたでは、もう福島は終わった。あとはオリンピックだ などと浮かれているようですが、福島の現場は未だに手探り状態。破綻するのも時間の問題なのです。
あと、あくまでも噂ですが、東電の1号機はトラブル続き、福島原発の立地と初期トラブル−資料・回想録から
このときに破損してしまったどうしようもない燃料が燃料プール奥深くに静かに眠っているとの噂を聞きました。一体その燃料を東電はどうするつもりなのでしょう。
このカバーは、やはり政治主導で行われていました。
原子炉建屋を特殊シートで遮蔽 政府、福島原発事故で
政府は東京電力福島第1原発事故で、原子炉建屋を特殊シートで遮蔽する工事を行う方針を固め、東電に可否を検討するよう指示した。複数の政府関係者が3日、明らかにした。議論の過程で原子力専門家は「放射性物質の拡散を抑える効果は限定的で、リスクの方が大きい」と反対したが、政治判断で押し切った。措置の是非をめぐり議論を呼びそうだ。
関係者によると、特殊シートの使用は、細野豪志首相補佐官の下に設けられた原発対策チームのうち、馬淵澄夫首相補佐官らが率いるチームで議論。
高さ約45メートルの建屋の周りに骨組みを建ててシートを張り巡らせ、内部に観測機器を設置する構想で、ゼネコンが提案したという。1〜4号機すべてで実行した場合、1〜2カ月の工期で費用は約800億円と見積もられている。
原子炉や使用済み核燃料プールの温度が安定していない建屋を遮蔽すれば、新たな放射性物質の拡散を抑える効果が期待できる。ただ専門家によると、建屋内から出ている放射性物質の量は、爆発で飛散したがれきに比べて少なく、「遮蔽は急務でない」という。逆にシートで密閉すれば内部の放射線量が上昇して作業が困難になる上、内圧が上昇して再爆発を起こす危険性も指摘されている。
専門家の間では否定的な見解が多かったが、政府側が東電への検討指示に踏み切ったという。政府関係者の一人は「原発の専門知識がないゼネコンの発案を、政治家と経営陣が採用した。無残な原発の姿を覆い隠して安心感を与えようという気休めだ」と批判している。
2011/04/04 02:02 【共同通信】
◆関連ブログ
1号機メルトダウン−私的収拾案・おすすめ2011年05月14日
福島原発1号機−−トラブルの宝庫(東海、美浜も)2011年06月08日
福島原発の立地と初期トラブル−資料・回想録から2011年06月12日
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ちょっと考えればわかりそうな事なのになぁ、どうにも言いようもない・・。
いよいよ来週熊本法廷ですね。
大変興味ありますが、無職なのに(だからw)貧乏でとてもそちらまで見にいけません。
ブログ記事での拝見を期待いたします。
他国だったらどうなのか?という視点で、日本でおこる様々なことを見てしまうのですが、その中でも異常すぎるのが放射能汚染関係です。
多分日本の悪例が今後の世界の「判例」となるのでしょうから、世界各国は何も言わないのでしょう。勿論国連は国際マフィア化しているので意味なしですし。
また、「法にないから・・」という場合は、
「なぜその法を作らなかったのか?」+「法を作らなかった者達の責任=犯罪」となります。
必要な法は「即時作らなければ成らない」のですから。
また、不特定多数に対する致死犯罪は「不特定多数に対するテロ」となります。
今回の東電福島事件から始まり、様々な犯罪を非常に多くの様々な者達が組織的に犯しています。そしてそのほとんどが「不特定多数に対するテロ」になります。
そして、それを「許している=取り締まらない」ということが犯罪にもなり、その犯罪は「国家を混乱に陥れ崩壊させようと画策している罪」になります。日本にそんな法が整備されているかどうか知りませんがw
まだまだいろいろあるでしょうが、
すべてを明らかにし、晒してくれるかもしれない、と思うとわくわくします。
楽しみにしていますので、頑張ってください!
私も福島原発の状況が非常に気がかりです。
原発作業員の方々、福島、隣接する地域(東北・関東)に住んでおられる方々・・
何とコメントして良いか判りませんが・・いつも頭に有ります。
原発作業員ハッピーさんのつぶやき→「この二年間は、突貫工事だった」と仰っています。
neverまとめ
http://matome.naver.jp/m/odai/2134107739146367201
http://m.youtube.com/#/watch?v=sIE0OTXW53c&desktop_uri=%2Fwatch%3Fv%3DsIE0OTXW53c
特別レポート:福島原発、廃炉までの「長い戦い」
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/ea46643a7ab8de4be67dd0590c16c62e
先の国会で、辻本清美議員に「原発作業員は日給8000円」だと質問され、
「報道等で知っている」と、平気な顔で答えるこの国の総理大臣・・
(作業員の賃金問題は民主党政権時からですが)
眼の前の原発が収束どころか、非常事態という中、海外へ原発セールス行脚・・
最早、完全に「狂っている」としか言えません。
又、お膝元では「アホノミクス・国土強靭化計画」が進行中です。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130301-00000301-sentaku-pol
本当にこのまま東電任せでは「マズイ」と。
以下、記事に書かれていますが、運営は民間、賠償責任は国というやり方が無責任な運営・事故~現在へ繋がっていると感じます。
原発・正力・CIA
http://1000ya.isis.ne.jp/1434.html
http://tora1985823.blog105.fc2.com/blog-entry-683.html
参議院選挙も間近となり、政府広報(=NHK )は自民党支持率70%のプロパガンダを続行中ですが・・
自民党へ支持しない旨、他抗議をしませんか?
ご賛同頂ける皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
ご意見・ご質問・自民党
https://www.jimin.jp/s/voice/
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130518-OYT1T01329.htm?from=top
正直、福1事故で汚染され、この先滅びるであろう関東地方とそこに住む者達を支える為に、新潟県に犠牲になれ、と言われているようで腹が立ちます。
まぁ、泉田知事は、あれこれ策を講じてなかなか再稼動させないようにするでしょうが、それに対して国をはじめとする再稼動派がどう出るか。東電なんて、社長が以前新潟日報のインタビューに対し、福1事故の賠償金を確保するためにも柏崎刈羽の再稼動は必須、なんて言っておりましたしねぇ(怒)。
しかし、恐らく来年あたりから東京でも、福1事故による住民達の健康被害が隠し切れないレベルで表面化してくると思いますが、その時読売はどうやってごまかすつもりなのでしょうねぇ?
まさか、我々も東京に住んでいて被爆してしまったのだ、安部首相をはじめとする政府要人も、それどころか皇族の方々もそうだ、だから、被爆を免れた地方の奴らにとやかく言われる筋合いはない!とでも言い出して、開き直るつもりじゃないでしょうね?
やはり、チェルノブイリから学びましょう。
健康被害を最小限に。