2013年07月28日

2年前から検出されていた2号機の23億ベクレルの高レベル汚染水

2号機海側で高濃度汚染水=セシウムなど、事故時に滞留か―福島第1原発・東電時事通信 7月27日(土)12時46分配信
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 東京電力は27日、福島第1原発2号機タービン建屋東の地下でケーブルなどの配管が通る部分のうち、海から約50メートルの地点で採取した水から、1リットル当たり23億5000万ベクレルのセシウムなど高濃度の放射性物質が検出されたと発表した。事故当時の汚染水が滞留している可能性があるという。
 東電によると、採取したのは26日。測定の結果、セシウム134が1リットル当たり7億5000万ベクレル、セシウム137が同16億ベクレル含まれていた。また、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質も同7億5000万ベクレル検出された。
 この地点より海に近い場所で17日に採取した水から測定された値は、セシウムが1リットル当たり3600万ベクレル、ベータ線を出す放射性物質が同2300万ベクレルだった。
 東電は濃度差などを根拠に「今回測定された高濃度汚染水は隔離された状態だと考えている」としているが、地下の汚染状況は全体像がつかめておらず、地下水への放射性物質の流入経路も依然として明らかになっていない。
 

 あまりの汚染に信じられない思いがしますが、今回の原発事故で一番大事なことは、時系列で分析していくこと。この場所の汚染水は、当初より高濃度であることが発表されています

(ちょっと長いのですが,全文)
2号機 たまり水1000ミリシーベルト超2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
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 東京電力は27日、東日本大震災で深刻な状況が続く福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機のタービン建屋地下にあるたまり水の表面で26日測定した放射線量は1時間当たり1000ミリシーベルト以上だったと発表しました。今回の事故で引き上げられた作業員の被ばく限度250ミリシーベルトを15分足らずで上回ってしまう強さです。測定者は大量被ばくを防ぐため、途中で作業を中止し退避したといいます。
 一方、1〜4号機の放水口から南へ約330メートル離れたところで26日午後2時30分に採取した海水から法律に基づく濃度限度の1850・5倍に相当するヨウ素131が検出されました。25日午前8時に採取した海水からは1250・8倍のヨウ素131が検出されており、大幅に上昇しました。
 ヨウ素131の半減期(量が半分になる期間)は8日ですが、1〜3号機のタービン建屋地下のたまり水や周辺の海水から高濃度で検出されています。また、タービン建屋地下のたまり水からは原子炉内の核燃料が壊れたりしないと出てこないセリウム144のような放射性物質が検出されています。
 このため、各号機のタービン建屋地下で見つかっている高濃度の放射能汚染水や、周辺の海水の汚染は、原子炉内で核燃料の損傷が進み、その結果、さまざまな放射性物質で汚染された原子炉の水がどこからか漏れ出しているのではないかと指摘されています。
 2号機は14日から15日にかけて原子炉の水位が大幅に低下し、燃料棒が損傷。15日朝には爆発で原子炉を覆う格納容器の一部である圧力抑制室が一部破損した可能性が高いとみられています。
 東電は27日午前、2号機のタービン建屋地下のたまり水に含まれている放射能の濃度は、通常運転の原子炉内の水の約1000万倍に上ると発表しました。半減期が約53分のヨウ素134の濃度が水1立方センチ当たり29億ベクレルあったとしていました。
 しかし、夜9時になって、半減期が約77日のコバルト56とヨウ素134を取り違えたとして午前中の発表は誤りだったと説明。水1立方センチ当たりの放射能濃度は、通常運転中の原子炉の水の10万倍になると訂正しました。東電は再調査を進めています。
 放射性物質に詳しい専門家は、「運転を停止しているのに半減期が約53分のヨウ素134の濃度が29億ベクレルとなったら、異常な事態だと考え、間違いである可能性も含め、その理由をいろいろ考えるはずなのに、検討もせず発表してしまうのはお粗末としかいいようがない」と批判しています。


この炉水の内訳は、

通常炉水の1万倍濃度=1号機地下のたまり水−2号機プール冷却開始へ・福島原発2011 年 5 月 30 日
 福島第1原発事故で、東京電力は30日、1号機原子炉建屋地下で見つかったたまり水の分析結果をまとめ、放射能濃度が通常の原子炉水の約1万倍に達すると発表した。東電は原子炉圧力容器に注入した水が、圧力容器、格納容器から漏れて建屋地下にたまったとみている。
 東電によると、1号機地下のたまり水の放射能濃度はヨウ素131が1立方センチ当たり3万ベクレル、セシウム134が同250万ベクレル、セシウム137が同290万ベクレルで、セシウムは通常運転時の原子炉の冷却水に含まれる放射能濃度の約1万倍だった。
 1号機建屋地下では今月13日、東電社員が建屋内に入り、床から約4.2メートルの高さまで水がたまっているのを発見。雨やその後の注水の影響で水位が上昇しており、30日午後5時現在、約4.6メートルに達している。水量は約2700トンとみられる。
 一方、東電は30日、2号機使用済み燃料プールの代替冷却装置の一部の試運転を開始。順調にいけば、31日にもプールの水を冷却しながら循環させる代替冷却が稼働する。
(2011/05/30-20:29)


 Cs-137に注目します。

290万Bq/cm3 = 29億ベクレル/kg これが通常時の1万倍と言っているのですから、

29万Bq/kg のセシウムが炉水に含まれている?(これはウソですね。通常ではなく、運転許容範囲だと思われます)

今回見つかった汚染水(23億ベクレル/kg)と、汚染のオーダーがほぼ同じですから、2年前からこの場所に滞留している水だと思われます。雰囲気線量は、500mSv/hr程度はありそうです。

 この海側の井戸からは、1億ベクレル/kgの汚染が見つかっています。

3号機のオペフロ(最上階)からは、
湯気発生の3号機5階 最大2170ミリシーベルト計測 福島第一2013年7月24日 朝刊
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 東京電力は二十三日、福島第一原発3号機の原子炉建屋五階で湯気が発生した場所の周辺で、最大毎時二一七〇ミリシーベルトを計測したと発表した。人が数時間もいれば確実に死亡する高い線量。3号機はこれまでも放射線量が高く、事故収束作業の足を引っ張ってきたが、あらためて汚染度のひどさが明らかになった。
 3号機原子炉建屋五階では十八と二十三の両日、格納容器の上部と機器貯蔵プール境目付近で、湯気の発生が確認された。
 東電は、クレーンで建屋上部から線量計をつるし、湯気の発生場所近くの二十五カ所で放射線量を計測。毎時一三七〜二一七〇ミリシーベルトを計測した。湯気が出た直近の場所では五六二ミリシーベルトだった。
 東電は、湯気の原因を、雨水が熱を持った格納容器のふたに触れて蒸発したとみているが、原子力規制委員会が詳細な調査を指示していた。
 3号機ではこれまで、格納容器近くの床で毎時四七八〇ミリシーベルトを計測するなど現場の高線量が作業の障壁となっている。
 水素爆発による建屋上部のがれきはほぼ片付けられたが、最上階の五階に近づくほど線量が高い状態。作業員は放射線を遮る重いタングステン板入りのベストを装備して作業に当たる。それでも一人が現場で作業できる時間はわずかしかない。


 ここの線量は、実は以前に発表されています。(500mSv/hr)
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 東電がわざわざはかっているのですから、この下になにかあるのは東電自体も知っているわけ。そして、ここの線量が上がってきた(と言っても、4倍程度)と、あたかも今初めて知っているかのように話をする。

原子炉の下部では、メルトスルーどころか、メルトアウト


していると言うことですね。このメルトアウトした燃料が、ボーリングによって採取されているという情報もあります。
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フクシマは、人間には処理しようのないレベルなのです。

◆関連ブログ
つながってきた点と点(2号機 1000mSv/hr汚染水)2011年05月25日
1億ベクレルのセシウムが海水に漏えいし続けるフクシマ2013年07月23日
1F-3 核爆発を起こした燃料プールとその後始末2013年02月11日
タグ:1F
posted by いんちょう at 08:36| Comment(7) | 原子力
この記事へのコメント
福島原発からは、汚染水だけでなく、7月25日現在ヨウ素も出ているというツイッター情報がありましたね。

先日も、埼玉でNEWSのコンサートに来ていた観客75人が体調不良を訴え、中には吐血している人もいたとか。
ttp://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000009555.html
普通、血を吐くでしょうか? どうもアチラの影響に思えて仕方ないのですが…。隅田川花火大会でずぶぬれになった人も、その後の体調に気をつけてほしいです。


そんな中、昨日のお昼頃見ていたNHK関西版で、関西の若い人たちに被災地ボランティアを薦めている番組があって驚きました。特に、伸びた草を刈ってあげると喜ばれる…とか言っていて驚きを通して怒りを感じました。

関西の学生の皆さん、夏休みだと思いますが、このように原発が怪しい時期に、関東以北へ行ってはいけません。あなたたちは、せっかく放射能プルームの第一波を逃れることができたのですから。後で体調が悪くなっても、国は何も補償してくれません。それどころか「風評被害」防止のために、あなたたちの善意を利用しようとしてます。ボランティアがやってくれるなら、国が除染や復興のための費用を出さなくてもいいですから。

被災地の人のために何かしてあげたいというのなら、被災地から避難してきて、新しい生活になじめないでいる方々の話し相手になってあげてください。

自らの体調不良や子供の健康を危惧して、被災地や北関東から関西以西に逃げてきた人は少なからずいると思いますが、皆、「放射脳だ」の「神経質」だの「気にしすぎ」だの言われて、傷ついています。友人家族と放射能問題で仲たがいして孤独な思いでいる人もいます。(私自身がそうでした)つらい思いを黙ってうなずいて聞いてあげるだけでも、どれほど慰めになるかわかりません。
そして、逃げたいが金銭問題や仕事がなくて逃げられずにいる人たちを援助する方面のボランティアに力を入れて欲しいと思います。

特に関西以西では、福島原発事故はもう終わっていると思っている人がほとんどだと思いますが、まだ終わっていません。現在進行中です。それどころか、本当の恐怖の始まりは、チェルノブイリ同様、事故後5年目くらいからだと思っています。日本の方が国土も狭いし、「食べて応援」など愚かな政策を許しているから、あと2年ぐらいでしょうか…。その時に後悔しないよう、皆さん、体調・空気・食べ物にはどうか気をつけてください。
Posted by YOKO at 2013年07月28日 11:03
いつもブログを読ませていただいております。3.11の後で、確か小野院長のブログで知ったのだと思いますが、ドイツZDFの記録映像を是非、再掲していただきたくお願いします。影響力のある方が福島の方々そして東北・首都圏の人たちの為にネットで再度知らせていただくことが大切だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=K3VFzSLFpwg
私は東京都の多摩地区在住ですが、遅まきながら3月15日に家族全員で四国のカミさんの実家に避難しました。15日に東京上空に放射性物質を含んだ雲がやってきたことは全く知らずに。
今後、どのような事態に陥るのか恐怖を感じながら日々東京で働いています。小野院長のブログが頼りです。是非是非、これからも圧力に負けずに頑張ってください。私も微力ながら原発反対で声を上げていきます。
Posted by 佐々木 伸幸 at 2013年07月28日 11:12
先生、なんか一気に講演回数が増えて来ましたね。
人気の程が判りますし、それは誰にでも判りやすい解説をされるからでもありましょうが無理はされないようにお願いしますね。

医者に説法は無用のことでしょうが、倒れられたら一大事です。くれぐれも健康にはご留意下さい。

それにしても遂に北関東を通り抜けて北海道ですか!良かったです!
Posted by ハマの住人 at 2013年07月28日 14:10
上の佐々木さんがご提示のYou Tubeを見ました。
ここに出てくる白血病の予備兆候とも云うべき「あざ」は間違いなく被曝症状ですね。

湾岸戦争に参加した米国女性兵士のYou Tubeでも朝起きるとあざができますよと見せてくれています。

劣化ウラン弾の影響ですね。全員が下痢でトイレに駆け込むと話す場面では笑えませんでした。

ロナルド・レーガンの乗務員もトモダチ作戦で猛烈な汚染で逃げ出したのですが、支給されないヨウ素薬を支給されたことにする書面にサインさせられたと知って呆れましたね。

米国政府も自国兵士や自国民を平気で見捨てるんですね、日本と同じです。
Posted by ハマの住人 at 2013年07月28日 15:28
>フクシマは、人間には処理しようのないレベルなのです。

さらっと書いておられますが、この事実は重い、重すぎますよね。
この先多大な犠牲を払えさえすれば解決できるのならともかく(これはこれで恐ろしいし、大変な事ですけど)、それすら不可能となれば、日本はおろか、世界が事実上終わってしまった事を意味しているのですから。
Posted by 新潟県民 at 2013年07月29日 11:19
7月30日付けで,首相官邸から「指示」と称して福島県の色々な農作物の出荷の禁止令が出ているようなのですが…

http://www.kantei.go.jp/saigai/pdf/20130730siji_fukushima.pdf

これまでは,福島県産のものの出荷を促進していたのに,最近になってまた制限するというのは,一層深刻な事態に陥っている証拠ではないでしょうか?そしてそれを政府も認識している可能性があります.余りそのことが目立ったニュースにはならないことも気になります.本当に恐ろしくて重要なことは,全く知らされないのが常ですから.
Posted by akyoya at 2013年08月02日 14:39
汚染水も問題ですが、3号機燃料プール核爆発で飛び出て海に落ちたトン単位の使用済み燃料の方が、量は多いかもしれません。

もっと問題なのは、どちらがどれくらい海に放射能を溶かしこんでいるのか、誰もわからないことです。

さらに、最大の問題は、禁漁・禁泳措置をとっていないことです。
Posted by 都民 at 2013年08月02日 19:58
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