2013年08月26日

不可能な除染に大和魂でしがみつくフクシマ

除染計画見直しを30日発表 環境副大臣、福島原発周辺 2013/8/26 12:41 (2013/8/26 12:58更新)
 環境省の井上信治副大臣は26日、東京電力福島第1原子力発電所の周辺11市町村で国が直轄で進めている除染事業について、事業の遅れを踏まえた計画見直しを30日に発表する方針を明らかにした。福島県庁で佐藤雄平知事との会談後、報道陣の質問に答えた。
 井上副大臣は、除染後も放射線量が下がらない地域の再除染について「(除染で)取り残してしまった所や再び線量が高くなった所は当然やっていく」として地域を限定して行う考えを示した。
 住宅や道路から約20メートルまでの範囲で実施している森林除染に関しては「住宅地などで(森林からの放射線で)日常生活に影響があれば20メートルにこだわらない」と発言した。
 会談で佐藤知事は、井上副大臣に対し「除染計画に基づき将来設計をしている避難者も多い。再度の見直しはあってはならない」と遺憾の意を伝えた。


 まさしく茶番の記事です。以前から何度も言われているように、チェルノブイリではいろいろやった上で除染をあきらめました。その知識があるからこそ、菅は、次のように2011年8月にぽろっと発言しています。
原発周辺、長期間住めないと判断…首相陳謝へ

私自身もこれは、当然こうなると言ったのですが、環境省は除染して住まわせるの一点張りで、住民がいなくなれば職を失う役場、首長も除染すれば大丈夫と言い続けています。放射性セシウムの恐怖 前編『除染を諦めたロシア』をよめば、
放射性セシウムの除染を諦めたロシア
 チェルノブイリ原発事故では大量の放射性セシウムを含む放射能が飛散した。放射性セシウムは非常に反応しやすい物質で、常に他の元素と結合した状態で発見されている。IAEAが行った環境影響調査結果では、「屋根材やコンクリートにも容易に結合している」と報告がされている。

半減期は30年、実際は最長320年
 テレビや新聞で言われる半減期とは『物理的半減期』で放射性セシウムは約30年といわれている。しかし科学者は自然の拡散作用によって放射性物質の減少が促進され半減期が早くなるのではないかと予想していた。これを『環境的半減期』とよんでいる。この環境的半減期の予想は放射性ストロインチウムについては当たった。しかし、放射性セシウムは逆に環境的半減期が伸びていたのだ。
 この理由について研究チームは環境に理由があると考えている。例えば、サンプルの採取地点にチェルノブイリ原発から新たにセシウムが供給されているかもしれないし、あるいはセシウムは地中深くの土壌にまで拡散しているのかもしれない。(チェルノブイリ原発は石棺といわれるコンクリートの建物で覆われているが、老朽化が激しく雨水が内部に流れ込んでいるとされている)

 このことからチェルノブイリ付近における放射性セシウムの物理的特性は変わらないものの、実際の環境的半減期は180〜320年になると算出している。もちろん、これはチェルノブイリ原発周辺に当てはまる例であり、福島第一原子力発電所ではまた別の結果がでることが予想できる。


考えたくもない数値です。そして、放射性セシウム除染が困難な理由(70万アクセス)でも紹介したように、セシウムは絶望的に強い反応性を持っています。


そして、2011年11月には次のような記事も配信されていました。

除染技術の確立急務 無人都市にぼう然
プリピャチ市にある遊園地跡。オープンの5日前に事故が起こり、子どもたちは観覧車に乗ることはなかった

 チェルノブイリ原発の作業員ら5万人が暮らした旧ソ連(現ウクライナ)のプリピャチ市。ホテルや住居はガラスが破られ、室内に家財が散乱していた。事故5日後にオープン予定だった市中央部の遊園地では観覧車がさびつき、20台のゴンドラを風が揺らす。
 福島調査団の参加者は荒れ果てた人工都市の姿に、しばしぼうぜんとなった。そして、誰からともなく「除染して、住民を戻す取り組みはされなかったのか...」との声が漏れた。
 旧ソ連政府は原発事故発生後、プリピャチを含む周辺の汚染地域を「ゾーン」と呼ぶ立ち入り規制区域に指定し、11万6000人を強制移住させた。ソ連崩壊後、ウクライナ、ベラルーシ両国は住民の帰還を目指し、公共施設などの一部で除染に取り組んだ。しかし、効果的な手法を確立することはできず時間と予算だけが費やされたという。
 植物を植えて土壌中の放射性物質を吸い上げる方法も実践されたが、効果は見られなかった。マチは荒野に変わり果てた。
 東京電力福島第一原発事故の避難区域を抱える南相馬市除染対策室の横田美明さんは、市の除染計画にチェルノブイリの教訓を生かそうと調査団に加わった。しかし、具体的なアドバイスは得られなかった。「チェルノブイリと異なり、土地の狭い日本では、除染しなければ住む場所は限られる。除染のモデルをつくる必要がある」と切羽詰まった様子で語った。
 住民の強制移住で無人となった168の村の名を記したプレートが今春、チェルノブイリ市の中央広場に立てられた。
 視察した川内村の遠藤雄幸村長は、在ウクライナ大使館職員から立て札の意味を説明され青ざめた。人ごとではないと感じた。「川内村民は必ず帰還する。そのためには早急な除染の技術確立と実施が不可欠だ」と力を込め、国、県に強く支援を求めていく考えを示した。(本社報道部・渡部 純)
2011/11/10 17:00カテゴリー:チェルノブイリ原発事故 福島への教訓)


 視察で、除染はできないという実際的なアドバイスをもらいながらも国土が狭いからやる必要があるという役人、首長。この人達は確信犯なのです。戦争中の
・日本が負けるのは,貴様に大和魂がないからだ
・神の国だから不可能なことはない
といったスローガンを思い出させます。

もう無理なのはわかっている人をどう納得させるか。大変難しい問題ではあります。わたしはいつもキサゴータミーの話を思い出しています。

 ところで上記で引用した記事は、すべて2011年のものです。あれから2年もたつのに、いまだにこの認識とは随分とおめでたい国ですね。

◆関連ブログ
原発周辺、長期間住めないと判断…首相陳謝へ2011年08月21日
仏教聖典から・・・キサゴータミー2011年06月15日
放射性セシウム除染が困難な理由(70万アクセス)2011年09月01日
放射性セシウム除染が困難な理由(2)2011年09月02日
殺人軽トラ が となりに 〜 福島県いわき市小名浜の実態2011年08月30日
タグ:除染
posted by いんちょう at 19:39| Comment(13) | 原子力
この記事へのコメント
不可能な除染に大和魂でしがみつかせ、「食べて応援」で全国拡散させ、売るためには放射能被害を「風評被害」だと恫喝、、まるで戦前ですね。

放射能検査してない関東野菜が大量に九州へ 「加工品となり九州産に変身」するそうです。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/22cbbbf2a31811905906c8f40b93fbdf
原発事故後、一昨年から大阪でも福島産キュウリや福島産モモが大量に販売されるようになりました。
http://blog.livedoor.jp/inoda_1/archives/30306226.html
先日も伊達市で奇形モモが報道されていました。
おいしさ2倍?“雪だるまモモ” 伊達で変わり種モモ発見
http://www.minyu-net.com/news/topic/130815/topic6.html
伊達市は飯舘村と共に一昨年、プルトニウム(半減期2万4000年)の元となるネプツニウムが大量に飛んでいたそうです。
http://nikkan-spa.jp/56272
Posted by ちょここ at 2013年08月26日 20:08
除染はそれを行う企業(ゼネコン)の貴重な固定収入源となっていくのでしょうね。やっても元に戻り、そこにお金がつぎ込まれていくのですから。そりゃこんなことやってりゃ復興増税なんて何度やっても足りなくなりますよ。政治家の皆さん、官僚の皆さんに訊いてみたい。自分の財布だったらやりますか?
Posted by TPR at 2013年08月26日 20:09
先生の調査能力に敬服します。
来年から日本株の主要銘柄の空売りを開始いたします。


Posted by 長州こりき at 2013年08月26日 20:35
============================
 除染の継続=自治体の存続
============================

除染が不可能と認めてしまうと、
自治体の存続が不可能となる件。

自分たちの権益を守る為、
不可能であることが明らかな
除染を継続する公務員の浅ましさ。
Posted by 九州産のほうれん草 at 2013年08月27日 09:09
国会で熱弁を振るった児玉龍彦教授。正義の味方を思わせました。しかしその後は除染の鬼と化して、南相馬市の除染コンサルタントになっているそうな。除染していると言ってもそれはほんの極々限られた小範囲の話です。烏賀陽 弘道の直近のレポートでは訪問先の南相馬市の自宅内での数値は0.3-0.4μSv/hと報道されています。

さて、南相馬市では生活圏の除染事業を400億円で竹中工務店を中心とする民間事業体に発注。農地の除染についても、同じく竹中に66億円で発注した。いずれも随意契約のため、入札は行われていない。

一般的には競争入札を行うべきだが、随意契約となったのは、竹中には除染に関する技術がある、とする専門家がいたためといわれる。

この「専門家」こそ、内部被曝への認識が甘い、として国の対応を熱烈に批判した、東京大学の児玉龍彦教授である。同教授は衆議院に参考人招致された際にも、「竹中工務店は除染に対してさまざまなノウハウを持っている」と証言した。ホテル椿山荘で開かれた宴席では、竹中工務店側のテーブルに同教授が同席していた、とされる。というリポートが存在します。

あの熱弁はここに至って、そうゆうことだったのか! と思わせる道程を辿っています。東大の教授というのは専門的な知識習得と並んで「錬金術」も学んでいるんですね。
Posted by ハマの住人 at 2013年08月27日 11:24
私の知人は千葉のホットスポットに住んでいます。自治体から「除染費用無料」と言われたため、知人は除染をお願いしたようなのですが、土などは庭を掘り返して埋めておくだけ、屋根を掃除しても雨どい下の数値はすぐに元に戻ってしまい、まったく意味がない、税金の無駄だ―と言っていました。

実際のところ、当初よりはマシとはいえ未だに大気中にも放射性物質が漏れているわけですし、雨となり降って来るし、過去に降り積もった土ぼこりが台風などで舞い上がるし、少し考えれば小学生でも除染は意味がないということはわかると思うのですが、生まれ育った故郷ともなれば、やはりなかなか諦めがつかないのでしょうね…。

気持ちはよくわかりますが、(私自身関東で生まれ育った身で、関西に親類もいないので)どこかで諦めなければならないことが人生にはたくさんあります。
精神論だけではどうにもならないことが。
歴史や失敗例に学ばない者は滅びるということも、働いた経験が少しでもあればわかるはずでしょう。

3・11以降、放射能問題で周囲といろいろもめたりした結果、個人的に思ったことは、

1.今まで恵まれていて幸せだった人ほど、自分の土地が汚染されたという事実を認めるのを嫌がり、現在の生活にしがみつき、移住や次のステップに移りにくい
2.外の世界をあまり知らない(引越し経験や海外旅行経験皆無)人ほど、動くのを嫌がる

です。

逆に今まで辛い経験をして叩かれてきた人の方が、今後の不確実性の時代では、強く生きていけるし、能力を発揮できるかもしれませんね。
日本の若い方々には、どこへ行っても生きていける強さを身につけて欲しいです。
そのためにはまず健康第一。健康にはくれぐれも気をつけて欲しいと願ってやみません。
Posted by 海外滞在者 at 2013年08月27日 19:31
確かチェルノブイリでも、強制避難させられた後、こっそりその地に戻って来て、また生活している方が結構いる、と聞いております。

当人が覚悟した上での帰郷なら、他人がとやかく言うことではないのではないか?と正直思います。
人間、生まれ育った故郷で死ねるのが、ある意味一番幸せなのかもしれないのですから。

この手の話を聞くたびに思い出すのが、小松左京の小説「日本沈没」です。
あの作品では、主人公小野寺は、地殻変動で沈み行く日本列島から海外へ脱出しました。その一方で、この作品のもう一人の主人公ともいえる田所博士は、己の愛する日本列島と運命を共にしました。
私は、小野寺と田所博士、どちらかの最終選択が間違っていたとは思いません。
Posted by 新潟県民 at 2013年08月27日 23:04
ったく、木ばかりを見て森を見ないガーデニングみたいな除染作業はもはやお笑いの域ですね。もはや事態はそんなレベルではないことを、あるロシアの科学者が具体的にテクニカルな理由を挙げながら警告しています。ドイツ在住の方が暫定的に訳してくださっていますので、原文と一緒に紹介します。

邦文暫定訳(ファイナンスグリーンウオッチ8/27)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=35351

英語原文(ロシアトウデイ 8/18)
http://rt.com/news/fukushima-apocalypse-fuel-removal-598/

題名は、“Fukushima apocalypse”、これを読むとまさに世界中の人々を含めた私達が、今「黙示録」のページをめくっているような日々であることが手にとるようにわかります。しかしいったいどれだけの日本人がそれを意識しているか。文中でも安陪首相の無関与と国民をなだめるための一時しのぎの嘘が状況を悪化させたと指摘されていますが、それでも日本には「安部首相に好感を持つ」方が相当数いるようで・・・まるでマゾ集団(笑)。
Posted by アムステルダム at 2013年08月28日 09:02
院長
とあるSNSで、ファミリーマートが福島県産の桃を原料に使用したデザートを販売するというニュースを目にしました。そこは皆が自分の意見等を書き込み出来るのですがやはり、論争が起きてます。買う買わない、関東の方が線量が高い、現地を知らないのに、等の意見が出てます。私個人としては本州の関東以北産及び関東近県の農産物等は避けてます。未だ、垂れ流し状態である現地に近い場所で収穫した農産物を信用出来ないからですし、その影響を受けたとされる地域の農産物も同等であるからです。政府がきちんと対応しないから国民同士での無駄な論争が起きてます、これに対して私は哀しい事と感じました。もう無理という事を政府が通達しないといけない段階に既に来ていると思います。
Posted by 通りすがりの者 at 2013年08月28日 09:51
>当人が覚悟した上での帰郷なら、他人がとやかく言うことではないのではないか?と正直思います。

私もそれが理想とは思いますが、残りたい方々のために、病院とか、区役所とか、スーパーとかも開かなければなりません。生活していればゴミだって出るでしょうから清掃員も必要でしょう。
そうすると、避難したいのにもかかわらず、「義務」のために離れられなくなる人々が生じます。(覚悟の上で、自分の任務を全うしようという崇高な方々もいるでしょうが、そういう犠牲に甘んじていいものかという問題もあります)

食料全て自給自足でまかない、ゴミ処理も自分でして、病気や怪我になったときにも自分で何とか治せる―というのであれば別ですが。(チェルノブイリで戻ってきた人々も、自活しているのでしょう?)


また、故郷に残りたい人々が農家の場合、生活のために放射能汚染された食物でも流通させようとするかもしれません(というか今現在そうだったりします。)

つまり、汚染された土地にしがみつこうという人々のために、国民全体、ひいては海外にまでも被害が及ぼうとしているのが現状です。
(事実、途上国に汚染された缶詰を輸出したりしていますし。)
そういう自覚を、残った人々には持っていただきたいと思うのですが、「風評被害だ」と声高に叫んで、危険を危惧する人々を揶揄しているのが現状でしょう?

だからこそ、諦めて欲しいと思うのです。覚悟の上、静かに暮らしているだけならば、それはその人の生き方であり、人がとやかく言うことではないと私も思います。

Posted by 海外滞在者 at 2013年08月28日 18:08
海外滞在者さまからのアドヴァイスや励しありがとうございました。やはり海外在住の方は国際的な常識で客観的に見ているという印象を受けます。

日本の動物愛護法では、生き物に対する虐待として積極的虐待と消極的虐待の二つがあり、ネグレクト(適正飼養の放棄)は消極的虐待にあたります。動物でさえこのように法律で守られているのですから、国民の健康被害を放ったらかしにして原発を売り歩いている安陪首相は虐待犯であるとも言えるわけです。しかしたとえ安陪首相が国際法廷で処刑されたとしても、汚染水の流出が止まるわけではありません。誰かがやらなくてはならないことですが、残念ながらもう遅すぎて無理であることは院長先生のブログやフェアウィンズのガンダーセン博士が指摘されているとおりです。

ガンダーセン博士インタビュー / ヴォイス・オブ・ロシア / フェアウィンズ 
http://kobajun.chips.jp/?p=13364

もはや黙示的なカウントダウンが始まったことを静かに受け止めています。そして今のところ健康で何事もないような毎日が過ぎていますが、それは単にラッキーであるだけで、ゆくゆくは絶望と向かい合あわなくてはならない「その日」が来るかもしれないことを常に念頭に置いています。

個人的には海外移住や、日本人をやめること、つまり国籍を変えることは一般の日本人よりもたやすくできるような環境にいます。国籍などは単なる政治・行政区分と割り切っていますが、人間としての感性や価値感の形成を担ってくれた自然環境や風土を目茶苦茶にした日本政府に対しては大きな憤りを覚えます。この怒りは何らかの形でとばっちりを受けた、あるいは今後とばっちりを受けるであろう海外の人たちも同じでしょう。

これからも海外からの厳しい目で日本をしっかりと見つめてください。
よろしくお願いいたします。
Posted by アムステルダム at 2013年08月29日 14:34
アムステルダム様へ
 
>人間としての感性や価値感の形成を担ってくれた自然環境や風土を目茶苦茶にした日本政府に対しては大きな憤りを覚えます。


まさしくおっしゃるとおりです。

原発事故後、私は、自分達で立ち上げた日本語教室をクローズすることにしました。生徒たちの殆どが国へ帰ってしまったからです。
ガイドの資格も取り、本格的に活動しようと思っていた矢先でしたが、放射能値の高い浅草・湾岸エリアに外国人を案内することなど、まず自分自身が嫌でした。しかも信じられないことに、日本は「食べて応援」と言い出した。検査漏れの汚染食品が次々と見つかっているのにもかかわらず。日本が好きで来てくれた外国人に、ひょっとしたら汚染食物を食べさせてしまうかもしれない―私はまさにこれからやろうとしていた仕事をあきらめました。

私は事故後、日本はきっとイタリアやドイツのように、「脱原発」へ向かうだろうという、今で思えば甘い期待を持っていたのです。
しかし、政府や官僚のやることは、どんどんおかしな方向へ向かっていきました。放射能汚染が明らかな土地でマラソン大会をしたり、わざわざ海外の高校生を清掃ボランティアで招聘したり…。

私はかねてより旅行が好きで、事故以前にもいろいろな国を回ったり、海外滞在の経験がありましたが、「東洋人」というだけで、明らかに白人よりも格下の扱いを受けたこと、差別的な言葉を投げられたことが何回かありました。海外に出るようになって、日本について「?」と疑問を持つようになる事柄が増えてはいきましたが、それでも日本の文化に誇りを持ち、日本の自然を愛していました。日本にしかない良さと言うのはやはりあります。

しかし、3.11以降、よりによってわが政府によって、私が自国に持っていた誇りはずたずたにされました。日本がここまでおかしな国だったとは…。
というよりも、以前から日本が抱えていた「闇」が浮き彫りになったというだけのことだったのでしょう。この国は、いつも問題を先送りにして、誰も責任を取らないで来た。それが一気にこの事故をきっかけとしてあふれ出てきただけなのです。

今は仮の海外生活の中で、今後わが身の振り方をどうしようかと考えつつも、故国の行く末を気にかけています。日本人がどうか本当の誇りに気づいて欲しいと。それは、過去の過ちを「自虐」というのではなく真に反省し、「日本」という小さな世界の中ではなく、「地球」に生きる人間としてのモラルを取り戻すことです。

ネットを見れば、若い人(?)でも、戦争を支持するような発言をしている。戦争ゲームのバーチャルな世界でヒーロー気分を味わい、それをかっこいいと思う人がそう書いているのかもしれません。

しかし、本当の戦場では「痛み」が伴います。
韓国人の知人は、徴兵に行った友人を、訓練中の銃の暴発で亡くしたと言っていました。戦争を支持する人は、まずナイフで自分自身の足を刺してみて欲しいと思います。本当の戦いでは、そんなものでは済まない。

日本が誇るべきものは「平和」ではなかったでしょうか。

原爆を落とされ、原発事故を体験した国だからこそ、核に反対し、平和を訴える資格があるのです。今、日本がこの「使命」を果たさないでいるのならば、残念ながら、この国は「神」の加護を失い、沈み行くだけだろうと思います…。

院長先生、コメント欄で長々と失礼いたしました。
Posted by 海外滞在者 at 2013年08月30日 17:43
今、新潟日報朝刊では、「福島は問う 第3部『リスクの境界』」という記事が連載されているのですが、今日の回に載っていた、伊達市市民生活部理事兼放射能対策政策監の方の発言。

「山林まで全部除染できればいいよ。でも、金がいくらあっても足りないし、環境を激しく破壊する。孫子の代に借金を残すより、バランスを考えましょうってこと」

伊達市はこのような方針により、除染の目標を、国が示した年間1ミリシーベルトではなく、とりあえず5ミリシーベルトにしているとの事。
しかし、今日の記事の冒頭では、除染により生活圏の線量がだいぶ下がった事を県外避難者に説明する伊達市職員の様子が描かれておりましたが、金不足か環境破壊防止(失笑)かは知りませんが、山林の除染をやらない限りは、結局、今は下がった線量も数年経てばまた元どおり、てな事になるのではないですかねぇ?

まぁ新潟日報では、これまで、実はチェルノブイリでは除染は何の意味もなさなかった、という事は一切報じられておりませんからね。あと、少し前に、わざわざチェルノブイリ及び欧州まで視察に行った県議の視察団も、議会での報告会ではそこら辺の話は全然出しませんでしたし・・・。
もうどうしようもないですな。
Posted by 新潟県民 at 2013年12月08日 13:01
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