原発を推進する大きな理由は
・地球に優しい(発電中に二酸化炭素を発生しない)
・電力のベストミックス(稼働させなければ停電)
・経済的に最も有利
の大きく3つがありました。上の二つの嘘がばれてしまい(今時、原発は地球に優しいなどとほざこうものなら、石が飛んでくるでしょう)、ここぞとばかりに原発の経済性を宣伝始めました。
火力燃料費3.6兆円増 2013年度、原発停止で経産省が再試算
2013.10.8 22:41 [原発・エネルギー政策]
沖縄電力を除く電力9社で2013年度、原発停止に伴って火力発電の燃料費が、東日本大震災が発生した10年度から3兆6千億円増加するとの再試算を経済産業省がまとめたことが8日、分かった。
今年4月時点の試算では増加額を3兆8千億円としていたが、為替動向を織り込み、計算し直した。12年度との比較では5千億円の増加となる。
9日に開く電力需給に関する検証委員会で示す。燃料費の増加分は電気料金に上乗せされる。経産省は電力会社に一層のコスト削減を求める方針だ。
経産省の集計では、震災後の9電力の原発停止に伴う燃料費の増加額は11年度が2兆3千億円、12年度が3兆1千億円で、13年度はさらに膨らむ計算となる。
13年度の内訳は、石油が2兆1千億円、液化天然ガス(LNG)が1兆7千億円、石炭が千億円それぞれ増加し、原発用のウランは3千万円減少する見通し。
2013.10.8 22:41 [原発・エネルギー政策]
沖縄電力を除く電力9社で2013年度、原発停止に伴って火力発電の燃料費が、東日本大震災が発生した10年度から3兆6千億円増加するとの再試算を経済産業省がまとめたことが8日、分かった。
今年4月時点の試算では増加額を3兆8千億円としていたが、為替動向を織り込み、計算し直した。12年度との比較では5千億円の増加となる。
9日に開く電力需給に関する検証委員会で示す。燃料費の増加分は電気料金に上乗せされる。経産省は電力会社に一層のコスト削減を求める方針だ。
経産省の集計では、震災後の9電力の原発停止に伴う燃料費の増加額は11年度が2兆3千億円、12年度が3兆1千億円で、13年度はさらに膨らむ計算となる。
13年度の内訳は、石油が2兆1千億円、液化天然ガス(LNG)が1兆7千億円、石炭が千億円それぞれ増加し、原発用のウランは3千万円減少する見通し。
さすが産経新聞、自分では全く調べずに、大本営の発表を垂れ流す。報道の鑑と言っていいでしょう。
原子力の宣伝でなされていることで、本当のことなど一つもありません。本当の発電単価など、電力が当然知っているわけですから、原発が最も高い、通常の意味では採算に載らない電源であることは百も承知です。なぜ、すがりつくかと言えば、総括原価方式のもとでは最も儲かるから。
また、次のニュースも
柏崎刈羽、再稼働へ正念場 福島の汚染水深刻化 管理能力に厳しい目
SankeiBiz 10月14日(月)8時15分配信
(前略)
原発1基の再稼働は、東電に年間1200億円の収支改善をもたらす。今月末、三井住友銀行や地銀など28金融機関からの約770億円の融資の借り換え期限を迎えるが、28金融機関は借り換えに応じると東電側に伝えた。11〜12月には、昨年5月に政府認定された総合特別事業計画を見直した新たな収支計画を策定し、年末にも3000億円の新規融資を受けたい考えだ。
これだけを見ると原発は夢の様な電源です。本当のところはどうか。以前、発電原価を計算していますので、再掲します。SankeiBiz 10月14日(月)8時15分配信
(前略)
原発1基の再稼働は、東電に年間1200億円の収支改善をもたらす。今月末、三井住友銀行や地銀など28金融機関からの約770億円の融資の借り換え期限を迎えるが、28金融機関は借り換えに応じると東電側に伝えた。11〜12月には、昨年5月に政府認定された総合特別事業計画を見直した新たな収支計画を策定し、年末にも3000億円の新規融資を受けたい考えだ。
火力発電を参考にして、少し数値を設定します。
形式 | 効率 | 必要燃料(/kwh) | 燃料単価 | 発電燃料単価 | 等価料金 |
石油 | 0.4 | 0.228リットル | 66円/リットル | 15円/kwh | 4.1兆円 |
石炭 | 0.5 | 0.268kg | 8.2円/kg | 2.2円/kwh | 0.6兆円 |
LNG | 0.54 | 5876Btu | 0.001677円/Btu | 9.8円/kwh | 2.7兆円 |
欧州単価 | 6.3円/kwh | 1.7兆円 | |||
米国単価 | 2.1円/kwh | 0.6兆円 |
原発の電力量は、2009年の約2798億kWhを利用
LNG火力は、このところ急に価格が上昇しています。

足元を見られているのと、電力が価格を安く導入すると原発再稼働の妨げになるために、わざと輸入価格を上昇させている様に思えます(ヨーロッパの約5割高、米国の5倍の価格で輸入)石炭火力と組み合わせれば、原発の不足分など簡単にまかなうことができます。
原発の稼働率を80%としますと、原発一基一年間当たり
110万キロワット×24×365×0.8 = 77億kwh
の発電量
1200億円÷77億kwh = 15.5円/kwh
となります。石油火力でも燃料費はこれほどは高くはありませんから、東電が出してきた1300億円の収支改善は銀行を騙すためのデマとすぐにわかります。(この程度の検算もしないのでしょうね。融資をする銀行は)
火力の燃料単価は簡単にわかるからいいのですが、原子力の燃料単価はどこにも書かれていません。たとえば、核燃料税(約10%)を参考にしますと、2005年の実績が179億円とありますので、ざっと燃料価格は、1790億円ということになります。
そうすれば、核燃料単価は
1790÷2790=0.6円/kwh
程度となります。使用済み燃料は新品核燃料の1億倍に放射能が激増しますので、最終処分が必要となります。このコストが一体いくらになるのか、誰も試算したことはありませんし、廃炉のコストが一体いくらになるのか、まだ誰も知りません。
モデル試算による各電源の発電コスト比較

の非常に甘い試算(当時は六ヶ所村のコストが1兆円程度と見込んでいたはずです)でもフロントエンドとバックエンドを合計すれば、2.3円/kwhと石炭火力並みの費用がかかります。単純に新品燃料の費用だけで、どちらが儲かるかという計算は全くナンセンスなのです。
なぜ、マスコミは自分で検証しないんでしょうか。原発が一番経済的というデマを垂れ流すのはもう本当にやめてもらいたいと思います。
◆関連ブログ
弱者をだしに原発再稼働をもくろむ政府と国賊電力2012年06月25日
発電コストの厚いベールを剥がす−原発=安価は洗脳だった・・2011年07月21日

ドキドキと言えば、HP右上にあります本日16日の「熊本の線量」です。
先生のご自宅の線量グラフですが、これは正しい数値でしょうか?MAXで0.53もあるのですが。
(ほんとならちょっと怖すぎ)
台風26号の風のせいか、はたまた、ただの計器の異常か気になるところです。
そして、そもそもそれらが、東電の経営が、死亡フラグが立つほどの状態に陥っている原因のはず。
これらを考えただけでも、原発がコスト的にお安い代物だとはとても思えないのですけどね。
まもなく接続・設定し直して元に戻ると思います。
それにしても元気過ぎるんじゃないですか?
「原発1基の再稼働は、東電に年間1200億円の収支改善をもたらす。」からkwhあたりの発電コストを逆算する事には気が付きませんでした。
ボロが出るというか支離滅裂ですね。
年間1200億円の収支改善と支離滅裂と言えば、こちらもそうです。
・新潟発】 報道とは裏腹、泉田知事の真意 「再稼働に向けてGOとはとれない」
http://tanakaryusaku.jp/2013/10/0008057
あれだけするどい指摘をする泉田知事ですが、
肝心なところでは支離滅裂です。
すでに着工している柏崎刈羽原発のフィルターベントは、1200億円の予算で進められていますが、知事が言う「(ベント)工事を今進めていますけれどあくまで東京電力のリスクでやってるわけで」は全くの間違いで、全て電気料金にのっかってきます。
こちら
・民主主義を阻害しているのは官僚機構A国会での議論無く、省令で「電力会社の粉飾決算」を決めた経産省
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/52021314.html
住民の避難計画やフィルターベントの問題で、再稼働を止める可能性があるのであれば、再稼働に向けた安全審査の申請を許可する前に、東京電力と話を詰めるべきですが。
こういう流れを見ても 何があるのでしょうか?
【小泉「原発ゼロ」発言はシェールガスを売りたい米の意向!?】原発の将来、日本は健全な議論を=米社説
http://blog.goo.ne.jp/sithux7/e/87b0ea677cd3008533ddd9da0bee657c?fm=rss
このまま再稼働できそでできないまま電力会社の借金が膨れあがる。
私は、TPPと2017年からの「発送電分離の電力自由化」で、アメリカが儲かる日本の電力を狙っていると思います。
古賀茂明さんも 電力政策では「発送電分離の電力自由化」を主張 し庶民の見方だと思われていますが、TPPについては日本のために絶対に進めるべきだとおかしな事を言っています。
(最近、テレビで、「TPPでは、日本の農業は、ブランドで勝負するしか道はない!」と発言されていた様ですが、それすら非関税障壁として潰されます。)
ここで笑わないともう笑うとこないですね・・。
赤字増大の理由はアイフォンなどスマホが代表する「通信機器の輸入増大」で、地域別輸出入の統計で確認すると、コストの安いアジアの火力燃料を削り、欧米からの輸入に切り替え、中東からは極めて僅かしか輸入が増えていません。
東電の年次燃料の使用量に関する統計は指摘した後「改竄され確認出来ません」が、11年は大幅に輸入が増加しましたが、12年はかなり減少しても残燃料が生じ、13年は記録が有る月では「12年並み」だったと記憶しています。
統計等で確認すると色々と面白いので他の方にもお勧めします。
興味のある方は読んでみてください。