4号機の燃料プールの取り出しについて、数本のブログエントリーを書きました。
・使用済み核燃料の表面線量10万Sv/hr(新品の1億倍)・・4号機プールが危険なわけ
・11/8に始まる4号機の燃料取りだし。・・危険な作業だが、フクシマの中では最も簡単
地球が終わると言ったことを書いてあるブログはたくさんあるのですが、具体的に何が危険なのかを書いてあるところはなかなかないようで、ジャーナリストの桐島氏から電話取材を受けました。電話を受けたのが今週の月曜だったと思いますので、週刊誌の記者は忙しいなぁと改めて、感じさせられました。FRIDAYなどの全国紙に記事として名前が掲載されるのははじめてですので、もしかすると以前働いていた東電社員の何人かが、この記事で気がついたかもしれません。少なくとも、広報のスクラップになったことは間違いないでしょう。


今週号のフライデーのp.18-19に掲載された記事の中で、コメントを一部引用されています。

掲載号一冊は送っていただいたのですが、医院の閲覧用(ヘアヌードもあって、果たしていいのかと思いますが)と実家送付用に2冊買ってしまいました。他にもおもしろい記事がいくつかありますので、ご購入されてはいかがでしょう。(壇蜜も登場していますしw)
原発事故前には福島原発で、900回以上の取り出し作業が行われていた。そのため、今回も東電には危機感が薄いという。だが「状況が異なる」と指摘するのは、東電の元原子力技術者 小野俊一氏だ。「大量のがれきが混入したプール内は、かなり濁っているはずです。いくら通常時の取り出しにノウハウがあると言っても、澄んだ障害物のない水中での作業とは違う。小さながれきやゴミが、どんなトラブルを引き起こすかわかりません」
この時は、2011年の5月にいちど燃料プールの状況を見て以来、4号機のプールの水を見たことはありませんでしたので、このように発言しました。その後、東電も外野の文句に耐えかねて、取材陣に公開しました。
見る限り、10メートル近い深さにある燃料が外から見えますので、それなりに澄んでいます。しかし、なんとなく白っぽく感じるところを見ると、かなりのホコリが堆積していると思えますので、燃料を動かす際にはかなりの濁りが出てくるでしょう。
まるで何もなかったかのように、通常状態と同じ形でクレーンが据え付けられていることには、正直驚かされました。これは大したものです。4号機は日立製(1−3号機は東芝が主契約)であり、この号機にのみ注力できる−東芝よりも日立の方が、技術力は上だと私は感じています−こともかなり大きいでしょう。不幸中の幸いです。
クレーンゲームのように燃料を搬出した1年前とは偉い違い。

今回の燃料取り出しをクレーンゲームと揶揄するのは、ちょっと可哀想かもしれませんが・・・驚いたのは、上記動画でのIWJ ミノ氏の発言
ミノ(IWJ):
クレーン自体の重さが35トンぐらいあるんですよね、
もっと大きいかなと思ったんだけれども、以外と小さく見えますね。
七尾:そうですね。吊りあげる事を考えると。
設備の状況とかを考えると相当考えられた工程だなと僕は思いましたけれど、いかがですか?
ミノ:
僕が思うに燃料の取り出しとか、キャスクの取り扱いとかは今までずっとやっているんだから、
あれをクレーンゲームというのはちょっと失礼だなと思った。
七尾:クレーンゲーム?なんか誰かが言ってたんですか?
ミノ:ネット上ではそう言われているんですよ。
七尾:なるほどね。実証実験は必要ないと思っている?
ミノ:実証実験は、あれ?って頭をひねっているところです。
七尾:必要無いと思っている
ミノ:そうです。
耐久テストはやっているでしょ、なんでわざわざこれで実証するのか?
七尾:
あとは使用済み燃料プールはそんなに大きくなかったですよね。
作業員の人がいなかったので、施設の実感としてはあるんですけれども人がいないので、
そこは実際稼働している部分がみたいなというのはありますね。
クレーン自体の重さが35トンぐらいあるんですよね、
もっと大きいかなと思ったんだけれども、以外と小さく見えますね。
七尾:そうですね。吊りあげる事を考えると。
設備の状況とかを考えると相当考えられた工程だなと僕は思いましたけれど、いかがですか?
ミノ:
僕が思うに燃料の取り出しとか、キャスクの取り扱いとかは今までずっとやっているんだから、
あれをクレーンゲームというのはちょっと失礼だなと思った。
七尾:クレーンゲーム?なんか誰かが言ってたんですか?
ミノ:ネット上ではそう言われているんですよ。
七尾:なるほどね。実証実験は必要ないと思っている?
ミノ:実証実験は、あれ?って頭をひねっているところです。
七尾:必要無いと思っている
ミノ:そうです。
耐久テストはやっているでしょ、なんでわざわざこれで実証するのか?
七尾:
あとは使用済み燃料プールはそんなに大きくなかったですよね。
作業員の人がいなかったので、施設の実感としてはあるんですけれども人がいないので、
そこは実際稼働している部分がみたいなというのはありますね。
これらの発言は、ジャーナリストの本分を全く放棄したと言われても仕方のない説明です。これでは、事故前に原発を見学して、あんなに安全装置のしっかりした原発が爆発するなんて、ありえないと東電広報よろしく、説明しているようなものです。使用済み燃料の表面線量が一体どれだけあるのか、あのちっぽけに見える使用済み燃料にヒロシマ型原爆数万発分の死の灰が蓄積していることを知っているのか。そして、あの3号機の使用済み燃料プールの爆発でどれだけの被害が出ているのかをまったく知らないとしか思えません。
そもそも、東電に取り出し経験があるのはなんのトラブルもなかった発電所構内のことであり、爆発後に至急こしらえたクレーンを使ったことなどありませんし、それも試験もせずにやろうというのを肯定するとはまったくもって許されないと思います。たとえれば、
交通事故で大破し、炎上したトラックを一応きれいに修理して、試運転もなしに東京〜大阪の長距離に輸送にぶっつけ本番に使用。運転しているドライバーは、東京大阪を何度も往復したことのある経験者だからなんの心配も要らない
と言っているのに等しい話です。車軸が曲がっているかもしれないし、燃料タンクにピンホールが残っているかもしれない、ブレーキにひびが入っているかもしれない。通常なら、せめて一度は空荷で運転させるべきだと思いますが、「トラックは綺麗に修理されており、ドライバーも経験者だから、なぜ試運転の必要があるのか」と取材した記者が言うようなモノです。
東電のプロパガンダ要因の一人になってどうすると本当に思います。たとえば、キャスクの蓋に小さながれきが咬み込んでしまい、横倒しになったときに水が抜けてしまったら、いったいどうなるのか。そういった、起こるべくして起こる不具合にはまったく備えがありません。また、今回の吊り下ろしは、どうやら風の吹き抜ける屋外でやるようですから、途中でキャスクを落としてしまったら、反応度投入事故(核爆発)が起こる可能性さえあります。1−2回ならいざ知らず、この作業を80回程度は繰り返す必要があるのですから、本当にどうなるかは神のみぞ知るのです。
それを,大きな装置に騙されて、試運転などせずとも安全というとは、信じられません。それならば、再稼働を企てている伊方原発にでも見学しに言って、こんなにも万全の安全装置を作っているのだから、運転しない選択肢はない。と説明してはいかがですか。電力も大喜びすると思います。
「ミイラ取りがミイラになる」
◆関連ブログ
もっとも危険で、最も簡単な4号機燃料プール2012年07月19日
使用済み核燃料の表面線量10万Sv/hr(新品の1億倍)・・4号機プールが危険なわけ2013年10月13日
11/8に始まる4号機の燃料取りだし。・・危険な作業だが、フクシマの中では最も簡単2013年11月02日

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潘 基文国連事務総長
吉川元偉 国連大使
梅本和義 国連次席大使
山崎純 国連大使(三席)
この”global catastrophy” 地球の大惨事にもなりうる危険な作業を、ここまでポカばかりやってきた東電だけに任せてはおけない。「燃料取り出しの前に東電をはずせ」というのが国際社会の主張です。
クレーン等いくら立派な重機を作ったところで、操作の判断をするのは「人間のアタマ」。東電の場合は、その肝心な「オツム」が国際社会からバカトロマヌケと太鼓判を押されているのです。あくまでも自分達だけでだいじょうぶ、という迷惑なほど自意識過剰な会社。何かあったらもう自決ものですね。
大人と子供の違いは、大人は自分の能力を知っているから、自分ができない分野がちゃんとわかる。子供は自分の能力を知らないから何でもチャレンジしちゃうんですね、困ったことに・・・。
ましてや世界の一流ブレーンに接したこともなく・・・。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110317-OYT1T00277.htm?from=tw
4号機はカラ?
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7404114.html
地震後早期に4号機燃料プール底抜けか
http://d.hatena.ne.jp/shuusuto_koukaZERO/20110820/1313844749
真相はいかに?
被爆に関する事等 生活の中で参考にして暮らしております。
しかし 最近の政治を見ていると非常に不安に思います。
"特定秘密保護法"案が 国会で審議されております。
例えば この法案が可決されると このHPも 削除され 黒塗りが 増えるのではないかと 危惧しております。
否 HPの閉鎖さえ 考えられます。
原発に関する事項は 特定秘密になる可能性は 否定出来ません。
特定秘密の明確な規定が無く 恣意的に都合の悪い事は 特定秘密にされ 国民の知る権利は 非常に狭められる可能性を 不安に思います。
議事録も公開されず 秘密が何であるかさえ 秘密にされる こんな怖い法律が 成立しようとしています。
私一人の 思い込みでしょうか。
モニツ米国エネルギー省長官による福島に関する声明
“A Statement from U.S. Secretary of Energy Ernest Moniz Regarding Fukushima”
http://energy.gov/articles/statement-us-secretary-energy-ernest-moniz-regarding-fukushima
原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)に日本が加盟したことを機に、さらに米国企業は福島への協力を強めていくそうですね、さすがトモダチ!でもね、あちらさんはしっかりしているので“請求書”はきちんと回ってきますからね。日本は身分不相応のものを持ってしまったんですからしかたないですね。
そうなると、あちらさんも日本に合わせて「安全節」を歌わなくてはならなくなったんでしょうかね。10日付のニューヨークタイムズによると、1979年にスリーマイル島事故で燃料取り出しを担当した米国エネルギー省の役員で、現在東電の特別アドヴァイザーをしているバレット氏の談話、「4号機のリスクは小さく放射能が放出されることはまれであろう。そしてこの仕事が終わったら(福島原発)全体の危険は軽減されるだろう・・・」、が掲載されています。
1〜3号機はもっと複雑だと言われているのに。今後は日米共同の隠蔽作業に充分気をつけていきましょう。
11月10日付 NY Times
http://www.nytimes.com/2013/11/11/world/asia/removing-fuel-rods-poses-new-risks-at-crippled-nuclear-plant-in-japan.html?_r=1&
私だってかつて院長先生の勤めていた可愛いデン子ちゃん(東電のキャラ)の会社を「ばかとろまぬけ」なんて呼びたくないけれど、こういう写真が全世界に配信されたわけですよ。ここたしか原子力発電所・・・でしたよね・・・タンクの中身は・・・放射能汚染水・・・でしたよね。東電を信用しろっていうほうが無理じゃないですか。
東電の台風対策・・・
http://fukushima-diary.com/2013/10/photo-tepco-hung-the-cloth-over-the-tanks-typhoon-countermeasures/
福島民友新聞 11月13日(水)11時13分配信
東京電力は12日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールから燃料集合体1533体の取り出しを近く始めるのを前に、震災前に折れ曲がるなどした損傷燃料が3体あることを明らかにした。県と原発周辺市町村、有識者でつくる県廃炉安全監視協議会の現地視察で示した。損傷燃料の取り出しは最後に回し、取り出し方法を今後検討する。
東電によると、損傷した燃料の1体は「く」の字に折れ曲がっている状態。25年ほど前に燃料を取り扱う際に失敗し曲がった。ほかの2体は10年ほど前に破損が分かり、異物などの混入で外側に小さな穴が開いた状態という。
燃料損傷について当時公表したかどうかは東電が調査中。ただ、震災前にも燃料の取り扱いで作業ミスがあったことが分かったことで、作業ミスの防止、監視強化があらためて課題として浮上した形だ。
燃料は燃料輸送容器に入れて約100メートル離れた共用プールに移すが、損傷燃料は燃料輸送容器に入れられず、移送法を検討する。
4号機プールからの燃料取り出し 11月18日
http://fukushima-diary.com/2013/11/video-tepco-pixelates-2-parts-of-fuel-container-of-reactor4-pool/
海外からは、このキャスクは政治上知られるとまずい国や会社から調達したのではないか(例えばGE、アジア諸国、ロシアのような)とか、キャスクの圧力調整機能のスペックではないか、というようなコメントが届いています。
政治的な理由にしろテクニカル的な理由にしろ、隠蔽体質の東電のことですから、何か都合の悪いことが起こった場合に知られるとまずいことであることは確かです。院長先生あるいはこのブログの読者でご存知の方いらしたら教えてください。
理論にもとづいたマニュアル、ミーティング、安全活動など。
こういった作業は、東電社員よりトヨタ工場の作業者の方が格が上かもしれません。一概には言えませんが。(証明もできません)
それと、4号機以外の修復も同時で進めていかなければならないと思うのです。以下、私が考えた工程です。
@建屋は形としては立方体であるため、八角から徐々に攻めていく。
ロープを建屋内に3Dにはりめぐらし、”道”をつくって
ロボットor原始的な計測器等で、道を使い建屋内をモニタリングしていく。
A破損した格納容器から放射線が漏れている箇所を特定し、特殊な薬剤でシールドしていく。
B同時に建屋内で汚染の強い部分を除染し、少しでも人が入れるようにする。
C完全な循環冷却へ移行
D燃料取り出し
人が近づけないなら、少しでも近づけるようにしていくしかなく、
そのためには、現状を把握し、優先順位の高い問題を解決していく、
という方法しかありません。当然、現場ではこのくらいのことは分かって
作業が進められていることと思いますが・・・