
では、一体どれほどの破損燃料があったのか

福島第1原発・破損燃料80体 移送困難 廃炉阻む
福島第1原発1〜4号機の使用済み核燃料プールに、原発事故前から80体の破損燃料が保管されていたことが明らかになった。処理が難しく、4号機で始まった取り出し作業に影響する可能性がある。
東京電力によると、80体は燃料集合体で1号機に70体、2号機に3体、3号機に4体、4号機に3体。ほかに5、6号機に各1体、第2原発2号機に2体ある。ひび割れがあったり、小さな穴が開いたりしている。
1号機の使用済み燃料は計292体で、破損燃料の比率は4分の1に迫る。70体のうち67体が米ゼネラル・エレクトリック社製で、残る3体は日本ニュクリア・フュエル社(現グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン)が製造した。
破損燃料は1号機が運転を始めた1971年以降、保管された。ひび割れや穴から放射性物質が漏れて移送が難しく、東電は破損燃料が出るたびにプールに仮置きする弥縫(びほう)策に終始し、長年、問題解決を先送りにした。
燃料取り出しは廃炉工程の主要作業で、東電は第1弾として11月18日に4号機で始めた。2014年末までに全1533体を取り出す予定だ。3号機は15年度、1、2号機は17年度に実施する計画を立てている。
東電は「破損燃料は専用のキャスクを作って対応する」と工程への影響を否定しているが、福島原発での破損燃料の移送実績はなく、成否は不透明だ。国も破損燃料の輸送と保管に関し、合理的な安全規制の必要性を緊急課題に挙げている。
破損燃料は東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)にも計38体が保管されていたことが判明し、原発問題の新たな論点に浮上している。
元原子炉設計者で芝浦工大非常勤講師の後藤政志さんは「破損燃料からはフィルターでも除去できない放射性の希ガスが大量に発生し、10万年単位で隔離する必要がある。廃炉作業に与える影響は大きい」と指摘している。 2013年12月02日月曜日
福島第1原発1〜4号機の使用済み核燃料プールに、原発事故前から80体の破損燃料が保管されていたことが明らかになった。処理が難しく、4号機で始まった取り出し作業に影響する可能性がある。
東京電力によると、80体は燃料集合体で1号機に70体、2号機に3体、3号機に4体、4号機に3体。ほかに5、6号機に各1体、第2原発2号機に2体ある。ひび割れがあったり、小さな穴が開いたりしている。
1号機の使用済み燃料は計292体で、破損燃料の比率は4分の1に迫る。70体のうち67体が米ゼネラル・エレクトリック社製で、残る3体は日本ニュクリア・フュエル社(現グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン)が製造した。
破損燃料は1号機が運転を始めた1971年以降、保管された。ひび割れや穴から放射性物質が漏れて移送が難しく、東電は破損燃料が出るたびにプールに仮置きする弥縫(びほう)策に終始し、長年、問題解決を先送りにした。
燃料取り出しは廃炉工程の主要作業で、東電は第1弾として11月18日に4号機で始めた。2014年末までに全1533体を取り出す予定だ。3号機は15年度、1、2号機は17年度に実施する計画を立てている。
東電は「破損燃料は専用のキャスクを作って対応する」と工程への影響を否定しているが、福島原発での破損燃料の移送実績はなく、成否は不透明だ。国も破損燃料の輸送と保管に関し、合理的な安全規制の必要性を緊急課題に挙げている。
破損燃料は東電が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)にも計38体が保管されていたことが判明し、原発問題の新たな論点に浮上している。
元原子炉設計者で芝浦工大非常勤講師の後藤政志さんは「破損燃料からはフィルターでも除去できない放射性の希ガスが大量に発生し、10万年単位で隔離する必要がある。廃炉作業に与える影響は大きい」と指摘している。 2013年12月02日月曜日
ネットを検索していて次のような記事を見つけました。

この、3頁に出ていた高燃焼度以降の燃料破損の実績

ごちゃごちゃして良くわかりませんので表にしてみます。
号機 | 破損 | 高燃焼 |
1F-1 | 70 | |
1F-2 | 3 | |
1F-3 | 4 | 1 |
1F-4 | 3 | 2 |
1F-5 | 1 | |
1F-6 | 1 | 1 |
2F-2 | 2 | 2 |
2F-4 | 0 | 1 |
合計 | 2 | 3 |
KK-1 | - | 2 |
KK-2 | - | 1 |
KK-6 | - | 3 |
KK-7 | - | 5 |
合計 | 38 | 11 |
お分かりでしょうか。福島第二4号機の破損燃料は、最新の新聞記事では掲載されていないにもかかわらず、東電が平成22年(事故前)に発表した資料にはきちんと掲載されているのです。すなわち、今回の東電発表はウソであることが、証明されました。平成22年の資料では、昔の燃料は対象外にするためにわざわざ「高燃焼度8×8燃料以降」とごまかした(1号機の70本もの破損燃料をこの資料から隠したかったことは、これを見ただけでも明らかです)にもかかわらず、ウソをついていたのです。原子力ではこのようにウソではないけれども、実態を隠すような方法を非常によく使います。今回は、その隠蔽工作がうまくいかずにばれてしまいました。
ATOMICA には、 軽水炉(BWR)燃料の損傷 (02-07-02-17)なる項目があります。この資料では、米国での破損燃料の実績は、紹介されていますが、肝心の日本のBWRプラントの実績は公表されていません。
燃料棒破損の変遷 (03-06-01-08)
<概要>
軽水炉燃料の破損率は、本格的な実用化が始まった1970年代前半に見られた幾つかの破損機構に対して対策が施された以降は年とともに低下する傾向がある。しかし、経済性向上のための高燃焼度化と運転方法の変更や、原子炉の経年変化が進むにつれて増加する補修工事等によって新たな破損機構が明らかになっている。最近の燃料破損は、PWRではグリッドまたはデブリと燃料棒が擦れあって被覆管が磨耗する機構が大半であり、BWRではデブリによる磨耗と水垢による腐食(CILC)が主要なものである。

図2 BWR燃料の破損率の破損原因別推移
<概要>
軽水炉燃料の破損率は、本格的な実用化が始まった1970年代前半に見られた幾つかの破損機構に対して対策が施された以降は年とともに低下する傾向がある。しかし、経済性向上のための高燃焼度化と運転方法の変更や、原子炉の経年変化が進むにつれて増加する補修工事等によって新たな破損機構が明らかになっている。最近の燃料破損は、PWRではグリッドまたはデブリと燃料棒が擦れあって被覆管が磨耗する機構が大半であり、BWRではデブリによる磨耗と水垢による腐食(CILC)が主要なものである。

図2 BWR燃料の破損率の破損原因別推移
運転開始初期には、破損燃料などごく当たり前だったことが良くわかりますし、その1970年代に作ってしまった破損燃料をそのまま、燃料プールに置きっ放しにして、何の対応も取らなかった(とれなかったこ)ことも良くわかります。東電のみならず電力が40年近くやってきたことは、破損するような燃料をどのように処理するかではなく、今後如何に起こさないようにするかといった研究のみです。このような破損燃料のことが明らかになると、今後の運転に支障が出るからと言う理由で、延々と東電は口をつぐんできたのです。そして、この実態を明らかにすると国民が不安に思うと言った原子力村独自の倫理観が良くお分かりでしょう。
この破損燃料については、もちろ加圧水型も例外ではありません。
美浜原子力発電所 WIKI 質問主意書
ありとあらゆる原発は、破損燃料で苦しめられ、そして、それをいかにして隠すか、問題として認識されないようにしてきたかは、歴史を見れば明らかです。そして、原発の問題点は、この破損燃料問題だけではもちろんありません。津波もそうでしたし、電源喪失問題もそうでした。
小泉首相の言うように「勉強すればするほど、原発はとんでもない」代物なのです。
◆関連ブログ
1F-4燃料取りだし直前に発表された、破損していた3本の燃料2013年11月13日

いつも他では得られない情報を提供戴きありがとうございます。
私は、都内在住の零細企業店主です。
このサイトを拝見し、日本の戦後民主主義が幻想であったことを知りました。 電源三法に群がる日本の権力中枢は今後も原発事故を隠蔽し、弱いものいじめを続けると思います。
弱者のひとりである私も、家族のために原発廃止を叫んでいくことに致しました。
小野先生や、小出裕章さん、広瀬隆さん等、有気ある先達のご知見は、私達庶民が発言するときの支えになります。 いろいろな妨害や圧力がかかっていると思いますが、是非ともこのサイトを続けて戴きたいと思います。 よろしくお願いします。
日本は、やんちゃな高度経済成長期に、無限のパワーが得られるような感覚で、原子力という覚せい剤に手を出してしまったのでしょう。後は推して知るべし。リニアなどは馬鹿げていますが、まだ健全です。
ただ、もう日本は夢から覚めた方がよいでしょう。(というか自民党?)2013年になっても宇宙の旅はできないし、アトムも生まれてこない。アトムにこそ原発の事故収束に貢献してもらわないといけないのに!動くのはラジコンの戦車ばかりです。日本人が代表となって地球を救うために宇宙戦艦に乗って、放射能除去装置コスモクリーナーDを取りに行くこともなさそうです。なんて皮肉な現実。
福島の事故は、チェルノブイリの事故を凌駕しており、INESのレベル7までの上限を見直そうとする動きも一時ありました。ただ、今度燃料取り出し作業に失敗したらレベル8ではない、レベル∞でしょう。世界が終わるのだから。総本山であるはずのINESにおいて、いまだにこの事実が想定外という事が異常です。
でも、「情報公開法」というのがあります。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO042.html
=人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報
これを、最大に強化し活用して、
特定秘密保護法案に健康を害されないようにする。
情報公開法を、健康を守る為に利用する。
これが、残された道かとおもいます。
放射性物質による内部被曝が、健康に悪いというのが、特定秘密になるなら、どうしようもないですが。
http://www.mynewsjapan.com/reports/1937
放射能無害説を唱える副島氏の過去のトンデモぶりが…
http://world-manga.at.webry.info/201204/article_27.html
昔から思い込みが激しい人だったみたいですね。というか一種の妄想壁を持っていると考えるべきかと…
こうだと勝手に思いついたことを全く検証することなく真実と思い込むタイプのようです。
タンク水漏れ レベル5
28+5=33以上と考える
更に事故で、立ち入り不可能になれば
あと6基と プール冷却不能で
地球終わり 無限大と言える
「原子力機構の高レベル廃液、水素爆発の恐れ東海村 2013年12月2日(月)」
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/TKY201312020195.html
「高レベル放射性廃液、来年度から処理開始へ
読売新聞 12月11日(水)」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131211-00001122-yom-sci
なんだか原発関連の「不都合な話」は、まだまだありそうですね。