

原爆投下による資料写真

「この世界の片隅で」 山代巴著 岩波新書(絶版)
広島にあるABCC(原爆傷害調査委員会)は原爆によってケロイドが生じたのではなく、患者が傷口を清浄にしなかったことや、医師の治療法が悪かったために一時的に肉芽が盛り上ってケロイド状になったまでだと主張し、その責めを患者と医師に負わせるのでした。
私どもは原爆以前にも、岡山市の空襲で多数の火傷者を治療しました。入手不足や薬品資材の欠乏に加え、真夏の暑いときだったので、患者の多くは被爆者と全く同様にひどく化膿し、毎日、蛆虫の除去に閉口したものです。だがそのような不潔な傷口からケロイドは一例も発生しませんでした。
玉川忠太教授はABCCのアメリカ入学者だけでなく、日本の医学者まで教授の放射能説を愚弄することに、いつも腹を立てていました。私の見るところ玉川教授の主張は、原爆ケロイドが放射線によって生じたものであるととの積極的な証明にはなっていませんでした。そのように私が卒直に言うと、教授は激怒したので、二の句がつげなくなりました。私としては、原爆ケロイドと原爆放射線との相関関係を明確に証明するととは困難だが、その関係を根拠なく否定する者は科学者ではない、と言うつもりだったのですが。
私たちがとのような議論をしていた頃、すでに大部分のケロイドは盛上った肉が縮小し平滑になっていました。この点も普通の火傷綴痕ケロイドと違っています。普通のものは、十年から二十年、長いものは一生つづくのまであって、原爆ケロイドのように一時的なものは比較的少ないのです。この普通の疲痕ケロイドの経験から、原爆ケロイドもおそらく永続的なものであろうと推察されて、強んに整形手術が行なわれたわけです。だが結果から見ると、むやみに急いで手術をするよりも、自然に治癒するのを待つのが一番よいという皮肉なことになりました。被爆者は二重に傷つけられたわけです。
原爆ケロイドのように、一時に多発し、比較的短時日で終るという持異な疾患が、原爆と無関係だと主張するABCCの態度は、今にして思えば、原爆の遅発性障害を、世界の人の目から隠そうとした政治的努力の最初のあらわれだったのです。
私どもは原爆以前にも、岡山市の空襲で多数の火傷者を治療しました。入手不足や薬品資材の欠乏に加え、真夏の暑いときだったので、患者の多くは被爆者と全く同様にひどく化膿し、毎日、蛆虫の除去に閉口したものです。だがそのような不潔な傷口からケロイドは一例も発生しませんでした。
玉川忠太教授はABCCのアメリカ入学者だけでなく、日本の医学者まで教授の放射能説を愚弄することに、いつも腹を立てていました。私の見るところ玉川教授の主張は、原爆ケロイドが放射線によって生じたものであるととの積極的な証明にはなっていませんでした。そのように私が卒直に言うと、教授は激怒したので、二の句がつげなくなりました。私としては、原爆ケロイドと原爆放射線との相関関係を明確に証明するととは困難だが、その関係を根拠なく否定する者は科学者ではない、と言うつもりだったのですが。
私たちがとのような議論をしていた頃、すでに大部分のケロイドは盛上った肉が縮小し平滑になっていました。この点も普通の火傷綴痕ケロイドと違っています。普通のものは、十年から二十年、長いものは一生つづくのまであって、原爆ケロイドのように一時的なものは比較的少ないのです。この普通の疲痕ケロイドの経験から、原爆ケロイドもおそらく永続的なものであろうと推察されて、強んに整形手術が行なわれたわけです。だが結果から見ると、むやみに急いで手術をするよりも、自然に治癒するのを待つのが一番よいという皮肉なことになりました。被爆者は二重に傷つけられたわけです。
原爆ケロイドのように、一時に多発し、比較的短時日で終るという持異な疾患が、原爆と無関係だと主張するABCCの態度は、今にして思えば、原爆の遅発性障害を、世界の人の目から隠そうとした政治的努力の最初のあらわれだったのです。
ここにABCCの本当の目的があからさまに書かれています。ABCCは原爆被害を明らかにするのではなく、隠蔽するために設立された機関なのです。どのような証拠を突きつけても、「科学的」に否定するのがその仕事なのですから、当たり前のこと。そして、被曝研究はこのABCCが唯一の科学的根拠だという言葉を述べる者を信じてはいけません。
今、現在フクシマの調査にあたっているABCCの発展継承機関である放影研。この健康被害は、すべて被曝によるものではないというお墨付きを与えることでしょう。なぜなら、被曝被害の否定こそがこの機関に与えられた使命なのですから。
◆関連ブログ
原爆投下一ヶ月後の入市でも現れた急性放射線障害 病理医−杉原芳夫医師の手記(1)2013年12月26日

ケロイドを見ると、原爆のひどさ怖さがストレートに伝わってきます。
はだしのゲンにもありましたね。
確か、日本舞踊をしていた女の子の顔が半分ケロイドになっていて、水に映った自分の顔を初めて見て、もう踊りはできない、と絶望して嘆き悲しんでいました。
ケロイドではありませんが、JCOの事故の被害者の方の画像を見ると、中性子線による容貌の変化があまりにもむごたらしく、放射能の怖さに真剣に怯えます。
話は変わって、今週の週刊新潮(2014.1.2/9号)で、御用学者(奈良林教授始め4名)が原発の必要性について語っています。《゚Д゚》
これを読んでまた騙される人がいるから、週刊新潮はデマを流しているようなものです。
痛みはそれ程ではないけれど変な色をして気持ち悪かったそうです。原因は良く分からず、ぢろうのように何かで出来た傷からバイキンが入って化膿したものが腫れたのだろうという説明だったそうです。
飲食関係のお仕事で被曝には無頓着です。
身体は悪い物を出そうとしてニ吹き出物や湿疹といった目に見える症状を出しますね。
私たちはそれこそ悪者扱いして綺麗にしようとしてますが、原因を考えたら思い当たる事がたくさんあり、出来ないように努力する事は出来るはずです。
その原因が放射能であったなら、ケロイドという症状で身体は一生懸命に中にあってはいけない物質を火傷の傷口から追い出そうとしていたのではないか?と考えました。
代謝などによりある程度濃度が下がった時点でケロイド様の状態が治まるのかも(妄想)
そりゃあ、落とした方は隠したいにきまってますわね。
ただ当時の被害に遭われた方は上の言うことを真に受け、ほんとに身体と心、共に辛い思いをされたのでしょうね。
私自身はステロイドで痛い目にあったので、身体が訴える色々な症状について震災後も人の話を過信せず考えるようになりましたが、自分自身が過去にそのような経験がないときっと権力の藁にすがってしまうのでしょう。人間は。
国家を挙げてのステマに騙されて、死ぬような苦しみを味合わなければ気付く事さえ億劫になるよう飼いならされていますよね。
関係ないですが、東京都知事選挙に宇都宮氏が立候補されましたね!脱原発を掲げているので、東京都民の賛同を得ると思うのですが、ヤフコメは、すごく根拠のない否定的なものばかりです。そのなかで、ヤフコメが荒れてるときはまともな人である証拠、というまっとうなコメントをみつけました。工作員はたくさんいるんですね。いまの時代は、本当のことを見分けるのが大切。ミッ●ーマ●スとかを身に付けてる人には、いろいろ気付いほしいと思います。
福島第一原発の事故から2年9ヶ月が過ぎました。
現在収束の目途は全くたっておらず、最前線で作業にあたっている方々の健康、及び再び大事故が起きた場合の被害がとても気にかかります。
「脱原発に一票!」の動画サイトにある東海村JCOの事故で、急性被曝障害になった方の83日間に及ぶ治療の記録を見ました。
医師、看護師の証言、家族の方々とのやり取りを聞くととても胸が痛みます。
チェルノブイリで作業をした方々の動画も、見ていて辛くなりました。
家などを保証してくれる、と最初政府?に言われたが、結局空手形よ、と亡くなった方の奥様が言われています。
直接被害に遭われた方々のむごいその後を、皆よく知っておくべきですね。
子供のころ関西に住んでいました。顔から首にかけてケロイドのある新聞配達員さんを思い出しました。1960年代後半でしたから、広島か長崎で被爆された方だと思います。
ケロイドは暗い紫色で、かなり広範囲でした。
いつもにこにこしていてお元気な方でした。
さて、ツイッターで「歯が折れる」という方が多いとありましたが、「虫歯」「親知らずの抜歯」は増えていませんでしょうか。
子供の周りで、虫歯で歯医者さんに行って、親知らずを2本〜4本抜いた方を3人知っています。受験シーズンが終わるのを待たずに、抜いていました。
私の子供は今年の春、虫歯が見つかり、夏休みになってから治療を始めました。進行が早く、初めて神経を抜いて、土台を作ってから金属をかぶせました。
また、先生のおっしゃっている通り「西日本は安全」「海外は安全」ではないと思います。
「食事や生活で気をつけないから」「気をつけてないから病気になった」という話を聞きますが、
それだけではないですよね。