2014年04月02日

1044.トラブルの火種を抱える4号機燃料プール移送作業

最も危険で最も簡単な4号機の廃炉作業で、2013.11.8から始まった燃料移送作業
大政翼賛会よろしく安全を宣伝しながら、作業を開始
・先週トラブルが起きたにもかかわらず、移送作業に遅れは見られず
・キャスク1体当たり22本。あと約40回の移送が必要
破損燃料の移送手段は、未だに公表せず
・今後も注視する必要がある

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村田光平氏(元駐スイス大使)が4号機の怖さについては、あちこちで発言していました。4号機の危険性については、確かに氏がお話の通りなのですが、今までも何度も述べてきたように、4号機の燃料取り出しは実は、スリーマイル、チェルノブイリに比べれば、なんと言うことはないほど、簡単なものであるのもまた確かなこと。東京電力が建屋を作って、クレーンを設置して燃料を取り出せるのも、4号機を含めた燃料プールだけ。順調に進んでいるから、福島の廃炉も順調と考えたら、大きな間違いです。

さて、その4号機の燃料プール、先日トラブルが発表されました。
燃料取り出し再開 クレーントラブル第一原発4号機

 東京電力は30日、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールで、大型クレーンのトラブルのため中断していた燃料取り出し作業を再開したと発表した。
 作業員がサイドブレーキをかけたままクレーンを移動させたため、モーターなどに過剰な負荷が掛かったのが原因だった。点検の結果、クレーンに異常がないことを確認した。
 クレーンは燃料プールのある原子炉建屋5階の上部に設置されており、走行レール上を移動して燃料輸送容器(キャスク)を運ぶ。26日に燃料を入れた容器をプールからつり上げるため準備をしていたところ動かなくなった。
 4号機では昨年11月からプールに保管している燃料を取り出し、別棟の共用プールに移送している。3月25日までに燃料550体の移送を終え、プールには983体が入っている。

( 2014/03/31 09:00)

約1週間停止したわけですから、作業の遅れが心配されます。東電は、除法公開には積極的な会社ですから、毎週燃料の取り出し状況をきちんとアップしています。しかしながら、そこは一筋縄ではいかない東電。毎週、最新情報をアップするものの、それまでの経歴はどこにもありません(もし、どこかにあるようでしたら、教えてください)。おそらくこういうことだろうと、1月初旬から記録に残していますので、ここで紹介しましょう

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わかりにくいので表にまとめます
日付 キャスク 使用数 移送本数 合計 進捗率
新燃料 使用済み
14/01/20 9 ? - - ? 198 12.9%
14/01/27 10 1 0 22 22 220 14.4%
14/02/03 12 2 0 44 44 264 17.2%
14/02/10 14 2 0 44 44 308 20.1%
14/02/17 16 2 0 44 44 352 23.0%
14/02/24 17 1 0 22 22 374 24.4%
14/03/03 19 2 0 44 44 418 27.3%
14/03/09 21 2 0 44 44 462 30.1%
14/03/17 23 2 0 44 44 506 33.0%
14/03/24 24 1 0 22 22 528 34.4%
14/03/31 25 1 0 22 22 550 35.9%


 新聞記事と合わせますと、3月25日にキャスクの移送作業を行ったために、表面上遅れが目立たなかったのでしょうか。しかしながら、プール内にある破損燃料3本の取り出し方法は、未だに明らかにされていません。
 この燃料取り出し作業は、F1レースのようなものだと思います。1周するだけでは何も起きませんが、何十周もするうちに必ず、トラブルが起きる。この移送作業は今後も注意して、見ておかねばならないでしょう。

■関連ブログ
11/8に始まる4号機の燃料取りだし。・・危険な作業だが、フクシマの中では最も簡単2013年11月02日
田原総一朗の「原子力戦争」−描かれていた燃料破損事故2014年01月05日
隠蔽されてきた原発破損燃料−破損燃料の実態は誰も知らない2013年12月04日
クレーンゲームの始まるイチエフ4号機−FRIDAYにコメントが掲載されました。2013年11月09日
4号機使用済み燃料移送作業のコメントが週刊朝日掲載されました2013年11月15日
posted by いんちょう at 21:08| Comment(6) | 原子力
この記事へのコメント
明日津波が到達しますね。幸い1Fが浸水するレベルではなさそうですが、この前の伊予灘の地震と言い「このくらいにしといたるけど、いい気になっとったら手加減せんで」という神の声のように思えます。
そもそも1Fだったのも、地理的に救援路が確保しやすく偏西風のおかげで殆どが太平洋〜アメリカに放射能は拡散していきました。それでも福島県の被災者たちは辛酸の限りを尽くしておられます。浜岡やもんじゅ、伊方だったらどうなっていたか。役人政治家学者を丸抱え出来ていた東電でさえもう災害の補償ができないのです。地方電力会社にはとても無理でしょう。自動車保険に入ってない、経済力の乏しい加害者にはねられたら死に損です。福島のことが他人事だと思っているみなさん、事故があったら自分と家族がそうなるんですよ。
Posted by Go at 2014年04月03日 01:42
震災後間もない時点で海上保安庁が福島沖・茨城沖・東京湾にかけて水質検査をしました。

其の時はCs134,137及びSr90についての結果が公表されました。しかしその後はどうだったのか? と調べてみましたら、流石ですね。きちんと励行しています。

平成24年度結果は以下のサイトでご覧になれます。現時点で最新版です。

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/OSEN/housha/ho2012.pdf

ところが東京電力の発表をもとに作成した資料ではSr90については発表がありません。

http://radioactivity.nsr.go.jp/ja/contents/9000/8882/24/278_k_20140228.pdf

これからの恐怖はSr90なんだと良識のある識者は訴えています。海上保安庁は圧力に屈せずに頑張ってもらいたいですね。
Posted by ハマの住人 at 2014年04月03日 11:52
alpsは使い物になるでしょうか?

汚染水貯蔵タンクはいつまでもちますか?

敷地を凍らせて囲うのは役に立ちますか?

大東亜戦争で負け戦を勝ち戦と偽り敗戦をズルズルと先延ばしにした過去と重なります。

沖縄戦、ソ連の参戦、広島長崎への核攻撃を招きました。

フクシマは初めから負け戦なのに政府マスコミ御用学者は勝ち戦と偽りのイメージを撒き散らしています。

偽りの結果が恐ろしい。
Posted by 放射能は復讐する at 2014年04月03日 13:19
上で海上保安庁最新のデータと書きましたが、以下を見ますと2012年が最後で2013年版がリリースされていません。

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/OSEN/housha.html

天ぷら筋から圧力が掛かって調査を打ち切らされたのでしょうか? 気になります。

問い合わせができるようになっていましたので問い合わせを致しました。
返事がありましたら、再度掲載させてもらいます。
Posted by ハマの住人 at 2014年04月03日 14:25
今朝の東京新聞に、静岡県知事の川勝平太氏が原発で使うプルサーマル計画は「白紙だ」と明言したことが報じられていました。

4月3日 東京新聞
静岡知事、プルサーマル「白紙」 核燃サイクルの先行き懸念
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014040201001608.html

安倍 晋三はオランダの核サミットで、高濃度高濃縮ウランと分離プルトニウムを米国に返還すると世界に宣言しましたが、汚染水アンダーコントロール発言、小保方のコピペ論文、東電の隠蔽などなど、「嘘蔓延社会」として有名になった日本をもはや世界が信用するはずはありません。

今多くの海外メディアが報じているのは六ヶ所村の再処理施設。ちなみに以下のNBCの報道リンクをクリックすると、実に壮大な六ヶ所村の風景が目の前に広がりますよ。

米NBC “ Japan Producing Huge, Lightly Guarded Stockpile of Plutonium”
「日本は大量かつ軽々しく防護された大量のプルトニウムを生産している」

http://www.nbcnews.com/storyline/fukushima-anniversary/japan-producing-huge-lightly-guarded-stockpile-plutonium-n49376

以下は核サミット後のニューヨークタイムズより抜粋。いかに日本が国際社会から信用されていないかがわかります。というか、日本がノーテンキ。

“American officials have been quietly pressing Japan to abandon the program, arguing that the material is insufficiently protected even though much of it is in a form that would be significantly more difficult to use in a weapon than the supplies being sent to the United States.”
(米国の高官は、たとえ米国に返還した供給物よりも兵器として使うにはかなり難しい状態にあるとしても、不適当な状態で保護されていると主張し、日本に内密にこの核燃料リサイクルプログラムをやめるように圧力をかけてきた。)

傑作なのは以下のくだり。

“At various moments right-wing politicians in Japan have referred to the stockpile as a deterrent, suggesting that it was useful to have material so that the world knows Japan, with its advanced technological acumen, could easily fashion it into weapons.”
(日本の右翼系政治家は、抑止力としての貯えとして、日本が鋭い先端技術でこれらの物質を兵器に作りかえることができることを世界に知らしめることは有用なことであると様々な場で言及している。)

右翼政治家って、ズバリ石破茂のことですよね。以下のビデオの1:40くらいで彼が全く同じこと言ってますから。

http://www.dailymotion.com/video/xkm7pc_%E7%9F%B3%E7%A0%B4%E8%8C%82%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E6%94%BF%E8%AA%BF%E4%BC%9A%E9%95%B7-%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%81%AF%E6%A0%B8%E6%AD%A6%E8%A3%85%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E5%BF%85%E8%A6%81_news

同紙によると中国も日本の右翼化の兆候として公然と批判しているとのこと。石破茂は安陪を引きずり落とそうとしているという噂ですが、間違っても彼を国のトップにしてはいけません。

戦争責任も明確にせずに核武装(の準備)、福島原発事故の収拾メドも立たず、地震も頻発しているというのに原発再稼動・・・。聖書に「岩の上に建つ家」という表現がありますが、日本はまさに「砂の上に建つ家」。賢い人はしっかりとした土台の上に家を建てますが、愚かしい人は楽チンなので、柔らかい土台に家を建てていく・・・。その結果は・・・もう想像できますね。

それにしても核燃料リサイクルって気も遠くなるような複雑なしくみ・・・しかもバックエンドコストは19兆円というこれも気の遠くなるような金額。これ私たちが払わされるんですよね?!

原子力資料情報室「とめよう!六ヶ所再処理工場」
http://www.cnic.jp/knowledgeidx/rokkasho
Posted by アムステルダム at 2014年04月03日 14:33
回答させていただきます。

2013年に実施した放射能調査の結果につきましては、現在、分析中であり、今年度中に公表したいと考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。


海上保安庁海洋情報部「海の相談室」
〒135-0064 東京都江東区青海2-5-18
電話: 03-5500-7155   
利用時間: 午前10時〜12時、 午後1時〜5時
休館日: 土・日曜、国民の祝日および年末・年始

以上の回答メールが届きました。

結果を待つしかないようですね。
Posted by ハマの住人 at 2014年04月03日 16:58
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