本日の勉強会は、
熊本大学 小児外科・移植外科の猪股裕紀洋先生でした。
・国内の肝臓移植は、生体肝 4725例で脳死肝 45例と比較して、圧倒的に生体肝が多い(米国では、逆に生体肝250例、脳死肝6000例)
・移植の適応は、小児は胆道閉鎖症が多く、小児の場合は悪性腫瘍である肝芽腫にも移植が行われている。成人の場合は、肝硬変、肝がん、劇症肝炎などに行われている。熊大の移植実績は2007年で全国2位(京大に次ぐ)
・ドナーの続柄は、小児の場合は両親。成人の場合は、息子、夫婦が多くなる。ドナーの合併症で死亡は全国で1例のみであるが、合併症が起こることもある。
・肝移植は、必ずしも血液型が適合していなくともよい。
・WHOのイスタンブール宣言すなわち、「脳死臓器移植は基本的に各国が自給的にまかなえ」から、臓器移植法案を改正する動きがあるが、新型インフルエンザの問題も出てきており、今国会での成立は、困難な状況?
・小児の肝臓移植は、成人肝臓の左葉を用いることで可能で、必ずしも小児肝である必要はない。一人の成人脳死肝で、大人と子供の2人に移植をすることができる。
肝臓移植は、大きなマンパワーを要する手技です。この難しい手術を執刀されている猪股先生のバイタリティーに脱帽いたします。また、猪股先生は、非常に患者さん思いで、かつ、非常にお優しい先生で、いつも(陰ながらですが)尊敬しております。最近は、熊大付属病院の病院長もされておられます。いったい、どこにそのようなパワーがあるのか、不思議です。
posted by いんちょう at 22:42|
Comment(2)
|
勉強会